御池岳(コグルミ谷〜鈴北岳)//鈴鹿


標高1200m前後の丘陵を楽しむ



2010.5.4 (祝:火) 曇り  洛西オヤジ、哲、道



往復:京都 ⇔ 鞍掛峠トンネル駐車場 往復車利用


コース:
鞍掛トンネル東口駐車場所−コグルミ谷登山口−タテ谷分岐−長命水−カタクリ峠−真の谷出合−8合目登山道出合−御池岳−池ノ平−日本庭園−鈴北岳−鞍掛峠−鞍掛トンネル東口駐車場所 


■注意
◇真の谷に登山道はありません。カタクリ峠分岐から8合目登山道に出合うまで、真の谷の伏流となりゴツゴツとした谷の岩の中を歩き、コース選定が必要となります。








 5月4日は、娘夫婦と比良へ花見物に出かける予定であったがキャンセルになり、洛西オヤジさんと御池に行くことになる。6時に出発するが「快晴」という予報に反し、どんより雲っていて、「この三人だと、天候がよろしくないな〜」と洛西オヤジさん。それよりも心配なのが連休の帰省ラッシュ、早朝から車が多く「帰りは 大丈夫かいな〜」。

 彦根インターで降り、国道306号を東へとり、鞍掛トンネルを目指す。大君ケ畑のバス停を過ぎると民家もなくなり、快適なドライブも終わり、クネクネした登りが続く。トンネル手前に駐車した車が少ないので、「今日は登山客は少ないかな」と思いきや、トンネルを抜けた駐車場には、たくさんの車で埋まり、次の駐車場に車を止めることになる。

「トンネル東口」は車がいっぱい コグルミ谷登山口へ国道を下り始める

 ゆっくりと装備して、コグルミ谷登山口へと国道を下り始める。御池の山々は藤原岳に比べ植林が少なく、芽吹き始めた雑木の斜面が綺麗だ。足元にはニリンソウやキケマン等、春の野草が続き、花の多さを伺える。「この谷は違う」と通り過ぎ、やっとコグルミ谷の登山口に着く。谷の左岸に登山届のボックスが設置してあるが、すぐ先が崩壊しているので、現在は右岸から登ることになる。

 出発しようとした時、タクシ−が止まり、一人の男性が降りてくる。阿下喜からやって来たのか、「好きなんだな〜」と言うが、他人の事なんか言えない我々である。右岸から登って行くのだが、道もしっかりしていて登りやすい。しばらくして谷を渡り、左岸の少し高い所を歩くようになると、足元にニリンソウが続く。

やっとコグルミ谷の登山口に着く 崩壊しているので、右岸から登る

 花をデジカメで撮りながら歩く哲郎は少々遅れがち、後ろからやって来たタクシーの人に先に行ってもらう。「それにしても今日は暑い」と先頭を行く洛西オヤジさんに何度も飲水休憩を伝える。コグルミ谷はV字の谷だが、ちょうど芽吹いてきた雑木が続き心地よく歩ける。でも伏流+谷上を歩き、谷に出合うことが少なく、哲郎はなかなか顔を洗えない。

少し谷上を歩く 水場はまだかいな〜

 もうそろそろ「長命水」の水場だろうと皆で言うのだが、なかなか現れてはくれない。「あそこに看板が」と道子、やっと前方に水場が見えてくる。水場に着き、早速顔を洗う哲郎、ここでゆっくり休憩していると、後ろから多くの人が登ってくる。水場を過ぎると、枯れ谷を詰めた後、左手の斜面を登り始める。先頭を行く洛西オヤジさんが足元を指さし、「ここに咲いている!」とカタクリの花を見る。

「長命水」の水場 長命水から枯れ谷を登る

 登るに連れその数は段々増えてくるが、大群生とはいかず、あちこちに咲いているという感じである。そんな斜面にひときわ鮮やかなピンクというより、赤い花が見えてくる。「カタクリではないだろう」と近づいてみると、赤いショウジョバカマである。しばらくの間、雑木とカタクリの花を楽しんで、「もう そろそろやろ」と言う頃、カタクリ峠に着く。

「カタクリではないだろう」と近づくと
赤いショウジョバカマである
カタクリ峠で小休止

 ここにも数人休憩していて、我々も「今日は時間がある」と腰を下ろす。登山道は峠から右手の支尾根を登って行くが、谷好きな哲郎は「峠下にある真の谷へ下り、その谷を詰めて登山道の8合目へ行こう」と提案し、三人はカタクリ峠で出会った男性と共に、前方の谷へと下りて行く。しばらくして雑木の中に緩やかに流れる谷に出合う。

 真の谷は京都北山や比良山系にはない美しい谷で、しばらく谷間を楽しむ。我々は案内してくれた男性と別れ、分岐から真の谷を詰め登山道8合目へ向かう。今度は真の谷下流からやってきた一人の女性と共に、真の谷を進んで行く。谷はすぐに伏流となり谷間に岩がゴツゴツしてくる。古い登山道は消えうせ、谷の中央の岩の中か、左右の斜面を選択しながら登って行く。

峠を下り真の谷に出合う 伏流となり谷間に岩がゴツゴツ

 斜面は眩いばかりのバイケイソウの若葉で埋まり、我々三人には始めての光景である。「登山道の方が楽やったな〜」と言いつつ、枯れ谷の遡行を楽しむ。右手の斜面を歩いていた哲郎は、「何や、この斜面登れそうや」と、道子と二人で尾根まで登って、尾根を進むことにする。これが予想以上の急斜面で、いつもの事ながら「余計なことをした!」と後悔する二人。途中でカタクリ峠からの登山道に出合い8合目の鞍部へ下る。

 ここで谷を歩いて来た洛西オヤジさんと同行の女性に出会い、8合目で小休止とする。「そろそろお昼にしよか」と洛西オヤジさん、「でもここは蒸し暑い」と御池岳への道を少し登ってみることにする。周囲の山々はバイケイソウの緑で心地よく、「風が出て来た」とすぐの所で昼食とする。昼食後は御池岳への登山道を進み、山頂丘陵へ向かう。さすがに登山道、下山する多くの人に出会い、「あっ!」と真の谷で同行した女性も下山中で挨拶を交わす。

8合目で
谷を歩いて来た洛西オヤジさんと出合う
バイケイソウの登山道で昼食とする

 やっと山頂丘陵の登山道に出合うと、登山者はさらに増える。「ボタンブチ、どうしますか?」と洛西オヤジさん。もう十分山を楽しんだ哲郎は「次にしましょう」と分岐を右にとり御池岳山頂へ向かう。ゴツゴツした道を進んで行くと、すぐに小広い御池岳1247mに着く。小広い山頂で昼食をとっている人もいるが、我々は記念撮影をしてすぐに鈴北岳へ向かう。

 だらだらと下って行くと左手に広い草原が広がってくる。後ろから付いて来る鞍掛峠へ下るというグループと駄弁りながらユックリと下って行く。我々三人はスパッツをしていて、それがこの山では珍しいのか、彼らは最後尾を歩く道子とスパッツに関して話しているようだ。話題はヤマヒルの話になり、持参しているヒル対策の薬の名前を教えると、彼らはその名前を復唱しながら歩いているので、余ったメモ用紙に品名を書いて彼らに渡す哲郎。そんなことをしているうちに、右手からの真の谷の道に出合い左にとる。

すぐに小広い御池岳1247mに着く 下って行くと左手に広い草原が広がる

 もう目の前には御池の山頂丘陵が広がり、その中をのんびりと歩くことにする。「日本庭園や!」と洛西オヤジさん、丘の低木と岩が庭のように見えるので、そう呼ばれているのだろうか。「日本庭園には、赤や白の花がいっぱい!」と言っていた洛西オヤジさん、そんなことは無いと承知していたが、全く何も咲いていないのにはガッカリしてしまう。広い草原の真中に標識が立っていて右にとり鈴北岳へ向かう。

 草原を眺めながら標高差30mも登れば鈴北岳に着く。ここは全方向見晴らしがよく、北の霊仙山や烏帽子岳等見えるが、霞んでいて遠望はできない。「時間があるので三国岳まで行こうか」と歩き足りないのか洛西オヤジさん。でも往復3時間はかかりそうで、ユックリ鞍掛峠へ下ることにする。下り始めると尾根にカタクリやバイケイソウが見当たらず「同じ御池でも、随分と違うな〜」と言っていたが、P1056を下り始めると、やっと足元にカタクリの花を見るようになる。

これが日本庭園??? 全方向見晴らしの良い鈴北岳

 登りでユックリ写真が取れなかった哲郎は、カタクリの花を撮りながら下って行く。そのうち斜面にバイケイソウも見えて来て、何やら安心したかのように三人は下山していく。鞍掛峠は標高800mなので鈴北岳から標高差400m近く下ることになる、雑木の下りが続き同じような景色にウンザリしてくるところだが、いつまでも足元にカタクリが咲いていてくれ、それを見ては元気を得る。左下に見える車道もハッキリしてきて、やっと鞍掛峠に着く。

鈴北岳から鞍掛峠へ下山道 鞍掛峠から見る藤原岳への山並み

 トンネル出口の駐車場へは、標高差150m以上の下りが続くが、これが細く崖上のような道で、前を歩く女性は何度も立ち止まりユックリと下りて行き、危なっかしくて見ていられない我々は、圧迫感を与えないよう立ち止まって見守る。やっと下山し、駐車場下の沢で顔や用具を洗い、周囲の山々を眺めながらユックリと身体を休める。

今日は天候も良く、新緑も綺麗で満足のいく山行きができ、洛西オヤジさん、ありがとう。






彼は私の足を雌鹿のようにし、
私を高い所に立たせてくださる。


        サムエル記 U 【 22−34 】
可憐なカタクリの花