小野村割岳/ワサ谷〜佐々里峠//北山


綺麗な雑木の尾根が続く



2010.07.31 (土) 晴れ時々曇り 哲、道





行き:北大路バス停8:02(京都バス:出町柳7:50発)
   − 下ノ町バス停
帰り:広河原バス停17:00 − 北大路バス停



コース:
下ノ町バス停〜ワサ谷林道〜ゲート〜谷分岐〜林道終点〜小野村割岳〜P911〜南尾根分岐/バイケイソウ群生地〜トチノキのある鞍部〜赤碕中尾根分岐〜P832〜P840〜灰野道出合〜佐々里峠〜広河原バス停



注意:
小野村割岳〜灰野道出合までの尾根は雑木が綺麗で、心地よく歩くことができますが、北の支尾根に迷い込まないよう十分注意して下さい。(地形図と磁石は必携)












 

 「今日はウバユリの花でも」と北山へ出かける。蓬莱山ではよく見かけるが、北山ではいつもツボミ、「そろそろ、咲いているだろう」と哲郎。北大路駅前バス停から広河原行のバスに乗るが、最近の猛暑続きで登山客は少ない。桂川では早朝から釣り師が糸を垂れ、水辺は涼しそうである。

 下ノ町で降り、バス停近くでいつも咲いている野草は、この時期は何も咲いていないようだ。「あれ ツボミや!」とすぐに現れてくるウバユリは、どれもツボミで残念ということになる。ツボミは数本の筒状に分かれていて、今にも咲きそうであるが、数日後に咲くようだ。

下ノ町で降りる ウバユリは、どれもツボミで残念

 先を行く道子は林道入口にある民家の奥さんと立ち話、今日は朝から○○会があるそうで楽しそうに出かけて行く。数少なくなったオオマツヨイグサの横を通り、車止めを抜け林道を歩き始める。今日は曇天で、日差しはないものの風がなく蒸し暑い。「これは熱中症になる」と早速飲水休憩をとる道子。ワサ谷周辺でいつも観察する草木も素通り、「暑い暑い」と先を急ぐ。林道脇にいつも並んでいる大きなシダが「見当たらないな〜」。

 「ヒェー」と道端に横たわるヘビを何度も踏みそうになる。枯れ草に混じると見分けにくいものだ。ヘビも暑いのかじ〜としていて動きがにぶい。ゲートに着き、橋の上で飲水休憩とする。北山ではこの時期ヤマヒルがうるさいので、木陰よりコンクリートの橋の上で休息することが多い。この橋の付け根部分に、いつも居座っているヘビが、今日もこちらの様子を伺うこともなく横たわっている。「マムシではないから」と、そのそばで休息し、出発する頃にはヘビも何処かへ消え去っている。道端に咲く、最後のジキタリスを見ながら先へと進む。

「暑い暑い」と先を急ぐ ゲートに着き、橋の上で飲水休憩とする

 ここから低木の雑木が勢いよく育ち、道幅を狭くしているので、道の中央を歩くことになる。この付近に咲いていたベニバナボロギクは、シカに食われたのか、それともこの低木の群生のせいか、否、気候の変動なのか分からないが、昨年より全く見られなくなっている。

 谷分岐に着き、ゆっくり休息することにする。コンクリートの小さな橋から谷の中に入り顔等を洗う。このコンクリートの橋の下には大きなコンクリートの管が二個あり、水が流れるようになっているが、流木で詰まって流れが悪くなっている。この流木を少し取り除き、流れをよくすることにする。道子と二人で流木を取り除くのだが、小さな枝や大きな枝がからまって、なかなか作業が進まない。これは作業というより、水遊びのようなもので、涼しくて気持が良い。

 半分取り除いたところで、水は両方の管に流れ出し「やれやれ」と言っているうちに、一匹のハチがうるさくつきまといだしたので谷から上がる。30分も谷で涼んでいたのだが、歩き始めるとすぐに汗が落ちてくる。ジグザグに登った後は、ゴロゴロ石道の坂、でもここは風が当たり難なく登り切る。林道終点の岩を乗り越え、最後の谷水で顔を洗い、いつものように「昼食にしよう!」とザックを下ろすと、再び一匹のハチが我々の周りを飛び回る。「あ〜しつこい!」と昼食は山頂でとることにする。

林道は低木の雑木が勢いよく育ち 林道終点に着く

 谷から山頂への支尾根を一登りし、すぐに山頂に着く。オニギリを食べながら付近を散策するが、一匹のハチが頭の上をうるさく回る。「これではゆっくりできない」と昼食後すぐに、佐々里峠へと歩き始める。このハチ、ハッカ油で使った防虫液を撒き散らすと、何処かへ飛んで行くが、数分経つと再びやってくる、ツチバチなら自分のテリトリーを過ぎるともうやって来ないが、「このハチ、何でどこまでも、追いかけてくるのやろか?」と思うぐらいしつこく付いてくる。お蔭で周囲の緑を楽しむ余裕もなく、尾根を歩くことになる。「猛暑の時は ハチやアブがうるさいのは何でやろ?」と言いつつ、再びやってくるハチに虫よけをスプレーする。

山頂で昼食とする 昼食後すぐに、佐々里峠へと歩き始める

 もう彼らの巣から遠く離れていて、仲間がいるとは思われないのに、「何で、追ってくるのやろか?」手で追っ払うと、時々髪の毛をかすめて威嚇してくる。このハチはキイロスズメバチのようだが、ゆっくり観察はできない。あっと言う間にP911を過ぎ、南尾根分岐の鞍部を通り過ぎ、シダの群生する尾根を歩いている。しばらく狭い尾根を歩き、左手にサエ谷への支尾根や谷を見て、ネジリキ谷への中尾根分岐を過ぎると、トチノ木の鞍部へと下る。

P911 トチノキの鞍部へと下る

 いつの間にか、ハチもいなくなり、「やっと、あきらめてくれた」とホッとする。大雨が降ったのだろう、尾根の踏跡は薄く道は少々荒れている。赤崎中尾根の分岐も素通りし、大きな倒木の横を通り、南への鞍部から再び西への尾根に乗る。小さなピークを2〜3回越えると灰野道に出合う。暑かった尾根道、ここに来てやっと風が当たる。誰にも会わず、鳥の声すらしない、静かな歩きが続いていたが、佐々里垰に近づいてくると、バイクの音が聞こえてくる。15時、この暑さで芦生方面に向かう人もなく車は止まっていない。

赤崎中尾根の分岐も素通りし 車が止まっていない佐々里峠

 地蔵堂で一休みし、広河原へと下って行く。「オバナ谷は、ヒルが心配だ」と今日は車道を下って行くことにする。まだまだ暑い舗装道、道子は傘を取り出し、日よけをする。山々には花は少なく、ただ白いノリウツギだけが咲いている。横をバイクが通り過ぎる。「バイクだと、涼しくていいな〜」と言っているうちに、前方からたくさんのバイクが続けてやってくる。このクネクネ道が面白いのだろう。スピードを出して通り過ぎるが、いつものようにフラフラと歩いていると、ちょっと危ない感じがする。

ただ白いノリウツギだけが咲いている 「広河原も暑い!」と庄兵衛さん

 やっと下りきり、スキー場の横の河原で後始末をする。30分間谷水で涼をとった後「ビールや」と庄兵衛さんに飛び込む。「こんなに暑いのに!」と、おかみさん、このところの、この猛暑は広河原でも暑いようである。広河原17時発のバスは我々二人だけを乗せて出発する。大布施まで川沿いを走るバスから、まだツリを楽しんでいる人々を眺めていると、「あ! 咲いている」と川辺に咲くウバユリを見る二人。






神は雲で天をおおい、
地のために雨を備え、
また、山々に草を生えさせ、


        詩篇 【 147−8 】
最後のジキタリスを見る