小野村割岳/ワサ谷〜サエ谷//北山


@少し進むと、哲郎が「エイリアン」と呼ぶ大木があり
尾根が広がってくる



2010.08.21 (土) 晴れ時々曇り 哲、道





行き:北大路バス停8:02(京都バス:出町柳7:50発)
   − 下ノ町バス停
帰り:広河原バス停17:00 − 北大路バス停



コース:
下ノ町バス停〜ワサ谷林道〜ゲート〜谷分岐〜林道終点〜小野村割岳〜P911〜南尾根分岐/バイケイソウ群生地〜支尾根を下る〜サエ谷〜才谷林道終点〜ホラノ谷出合〜桃木小屋〜広河原バス停



注意:
小野村割岳〜灰野道出合までの尾根は雑木が綺麗で、心地よく歩くことができますが、薄い踏跡程度です。数回で会う尾根の分岐で北の支尾根に迷い込まないよう十分注意して下さい。(地形図と磁石は必携)












 

 「前回、ハチで追われて尾根の緑を、満喫できなかった」と夏の小野村割岳に出かける。連日、35℃超の猛暑が続く京都地方、一人2Lほどの水分を持って出かけることになる。

 いつものように北大路駅前バス停から、広河原行のバスに乗る。やって来たバスは登山客で一杯であるが、幸いにも座ることができ、朝から「やれやれ」。花背高原前バス停で、雲取山へ向かう団体さんが降り、見通しのよくなった前の方に「おばさん山歩き隊」のメンバーを見る。彼女達は芦生へ向かうので、我々は先に下ノ町で降りる。

夏は黒いチョウチョが多い ウバユリは、もう立派な実が

 バス停でゆっくりと準備していると、いつもお会いするおばさんが電動自転車でやってくる。彼女は自転車を止め、世間話が始まる。今、広河原は松上げの準備で忙しく、今朝 男性達は8月24日の松上げ用の、フジのツルを採りに出かけたそうだ。立ち話も終わり、ワサ谷の林道を歩き始めると、先日咲いていたウバユリは、もう立派な実が形成されていて、「花期が短い花や!」とその実に見入る。

 車止めまで来ると、今日は鎖が外れていて、前方からフジのツルを積んだトラックに続いて、男性達を乗せた車、最後にビデオカメラを持った男性達を乗せた車がやってくる。「山へ行くのか」「熊に気いつけや」と運転手が話しながら通り過ぎる。車止めに来たおじさんに聞くと、「市と府で撮影に来ているのや」「韓国からの要請があったが、今年は断った」「川へ水を飲みに来た熊に、注意してや!」など、色々と話してくれる。

 ワサ谷沿いを歩き始めると、今日は気温が高いがジメジメしていないので、何やら快適に歩くことができる、虫が顔に寄ってこないし、ハチも威嚇してこない。どうやら虫やハチがうるさいのは、高温多湿の時のようだ。「あれ、ルイヨウボタンがない!」と、ちょっと観察していない間に、消滅したのか、移植されたのか?、コウンド谷の群生もなくなったし、淋しいことである。

フジのツルを採ったあと ゲートを過ぎ、コンクリートの橋の上で小休止

 ゲートを過ぎ、コンクリートの橋の上で小休止する。「そう言えば、今日はヘビも顔を出してこないな〜」。ジキタリスの群生に小さいが一株だけ、数個の花を付けがんばっているのを見て、「ウバユリの花は短いが、ジキタリスの花は長いな〜」と道子。ゲートを過ぎると少しずつ登って行き、勢いよく育った低木の雑木の中を歩いて行く。大きなトチノキの下を通り抜けると、谷分岐の橋に出合う。

 「あれ〜、これは大変だ!」と、前回 橋下の二本の管に流れるようにしたが、二本とも流木でふさがれていて水が溢れそうだ。おまけに滝下の広い流れは土砂で埋まって、橋よりも高く積み上げられている。土砂でふさがれた一本は、スコップでもないと無理なので、一本だけ流木を取り除き流れを回復する。それに流れが細くなって山すそが削られていくので、ここに石を積み流れを変える。今回も30分もの水遊びで、やっと出発することになる。「橋上の土砂を取り除かない限り、一雨で流れは大きく変わるやろ」と哲郎。

勢いよく育った低木の雑木の中を歩いて行く 滝下の広い流れは土砂で埋まって
一本だけ流木を取り除き流れを回復する 路面も荒れてきて歩きにくく

 谷分岐の橋から林道は勾配がきつくなるが、大雨で削られたのだろう、路面も荒れてきて歩きにくくなっている。一登りした滝の前で飲水休憩とする。このジグザグの急坂も、日差しはあるが風が当たり難なく登って行ける。林道分岐を左にとり、低木の雑木をかき分けた後は、ゴロゴロ石道を登り、谷を一つ巻くと林道終点に着く。

 岩を越え、小さな谷を渡った所でいつものように昼食とする。身体を拭き、オニギリを食べていても、今日はハチが来ないので、ゆっくりとくつろぐ事が出来る。15分の休憩の後、すぐの急斜面を30〜40m登り、だらだらと続く小野村割岳への支尾根を登って行く。10分で山頂に着き、すぐに飲水休憩をとる。周囲は雑木の緑が綺麗で、北の谷を覗き込む。「今日は、30分も水遊びしたし」とすぐに佐々里峠へと歩き始める。

林道終点に着く 10分で山頂に着き、すぐに飲水休憩をとる

 今日はハチがいないので、周囲の緑を満喫でき、快適な尾根歩きが続く。それに心地よい風が吹き、「風が吹いているので、匂いが分散してハチが、うるさくないのかも知れない」と哲郎。P911から南尾根分岐の鞍部に下る。「今日は南尾根にしようか?」と迷うところだが、「夏だからサエ谷にしよう」と鞍部を抜けて行く。「あ!」と赤いツチアケビの実を見る。林道のツチアケビは最近、少なくなてきたが、雑木の中で育っているので、同じ所に出てきているようだ。

P911 「夏だからサエ谷にしよう」と鞍部を抜けて行く

 サエ谷へは源頭から下りずに、途中の支尾根へ下ることにする。@少し進むと、哲郎が「エイリアン」と呼ぶ大木があり、尾根が広がってくる。ここから南への支尾根をサエ谷へ下ることが出来る。Aもう少し尾根を進むと鞍部があり、ここからもサエ谷支流の谷筋を下ることができる。Bさらに鞍部を一登りした小ピークからも、支尾根を下ることができる。今日はBをトライすることにする。Bは以前登ったことがある支尾根だが、「急勾配でヤブだった」ことを思い出す。

小ピークから支尾根を下り始めると
すぐに急勾配が続き
しだいにヤブが深くなる

 小ピークから支尾根を下り始めると、すぐに急勾配が続き、しだいにヤブが深くなる。でも歩けないようなヤブではないので難なく下れる。途中で何度も尾根を見失いそうになるが、少し先の方を見て尾根らしい所を下って行く。途中で前回付けたマークに出合い、「ここでいいんだ!」と一安心する。

とうとう目の前に植林を見て サエ谷へ降り立つ

 途中で右に振りサエ谷の支流に下りる予定だったが、分岐が分からず、とうとう目の前に植林を見てサエ谷へ降り立つ。尾根から30分、あっけない下りも終わり「やれやれ」とサエ谷に下り顔を洗う。サエ谷を下って行き、間伐材が横たわり歩きにくい植林地を抜けると、すぐに才谷林道の終点に着く。もうここは標高600m、広河原が標高500mなので、後は緩やかな下りが続くことになる。

すぐに才谷林道の終点に着く 多くの倒木が邪魔をする

 才谷林道を歩き始めると、多くの倒木が邪魔をする。そんな木々を乗り越えながらゆっくりと下って行くと、サエ谷はホラノ谷と出合い、ここでネジリキ谷となる。再び谷に降り二人は顔を洗う。17時発のバスには、まだまだ時間があるので、二人はゆっくりと歩いて行く。「あ!」と道子が立ち止まる。目の前で、親子連れのシカが横切って急斜面を登って行く。きっと、クマ鈴やカウベルの音に反応して逃げて行ったのあろう。

 桃ノ木小屋に着くと、窓や扉を開いて空気を入れ換えているので、どうやら今夜はここで宴会が始まるようだ。小屋横の谷で着替えていると、「ヒェ〜」と哲郎、ズボンにヒルが付き、着替えをやめ、急いで広河原バス停へ向かう。庄兵衛さんでは「おばさん山歩き隊」のメンバーが先にくつろいでいて、我々もそこに加わる。「早く秋よ来い!」と哲郎、緑の木々を眺めながらビールがうまい!。

庄兵衛さんをあとにバス停へ おばさん山歩き隊もバス停へ





蟻は力のない種族だが、
夏のうちに食料を確保する。、


        箴言 【 30−25 】
ツチアケビ