霊仙山(西南尾根〜柏原道)//鈴鹿 |
霊仙山最高点に向かって樹氷の尾根を進む |
2010.3.27 (土) 晴れ 哲、道
コース: 醒ヶ井養鱒場バス停〜榑ケ畑登山口〜汗フキ峠〜落合登山口〜廃村今畑〜笹峠〜近江展望台〜南霊岳〜霊仙山最高点〜軽塚山〜避難小屋〜四丁横崖(谷山谷分岐)〜谷山直下〜継子穴〜四合目避難小屋(コンテナ)〜一合目〜林道出合〜名神ガード〜中仙道出合〜JR柏原駅 ◆注意 ・西南尾根へはマイカー登山が主流ですが、タクシー利用の場合、JR彦根駅からとなります。醒ヶ井養鱒場から上の榑ヶ畑駐車場まで、「タクシーは止めています」と申し合わせているそうです。(近江タクシー等、三社) ・西南尾根のほとんどは、ゴロゴロしている石灰岩の上を歩きます。足元が悪いので足元はしっかりして下さい。 ・霊仙山登山は、いずれのコースもロングコースになるため、時間に余裕を持って計画して下さい。 今年も霊仙山のフクジュソウを見に行くことになる。先日の藤原岳は雨のため、綺麗に咲いた花が見られなかったので、「今日は咲いているだろう」と開花を期待して出かける。 京都駅では雲一つない快晴で喜んで出発したものの、米原駅に近づいて来ると、霊仙山や伊吹山はどんより雲ってかすんで見える。養鱒場行のバスにJR醒ヶ井駅から乗ってもよいが、我々は始発の米原駅西口から乗る。このバス米原駅東口も経由するので、トイレ休憩を要する人は東口からでもよい 山合にある高校や施設を経由し、バスは早朝の道を快適に走る。JR醒ヶ井駅からの登山客は1名で、ちょっと淋しいところだ。定刻の8時に養鱒場に着きバスを降りる。バス停前の崖にたくさんのショウジョウバカマが咲いていて、「昨年より多いな〜」と言いつつ寒いので、すぐに林道を歩き始める。横を流れる宗谷川もいつもより水が多く、この2〜3日間雪が降ったようだ。
榑ケ畑登山口まで約1時間、寒いので緩やかな林道を急ぎ足で登って行く。何やら歩きやすいと思っていたら、アスファルトが舗装されたところで、「できたてや! これやったらタクシーも 登山口まで行ってくれるんとちゃう」。残念なことに林道中半まで来ると、工事中となり新しい路面は終わり砂利道に変わる。 周囲の木々は次第に白くなり「霊仙山 大丈夫かいな〜」と思ってしまう。再びアスファルトの路面に変わると、今度は凍っていてツルツル滑る所は、注意して歩くことになる。追い越して行く車は、今日は少なく3台である。やっと目の前に駐車している車が見えてきて、駐車スペースは満ぱいで、もう止める所が無くなっているようだ。榑ケ畑登山口から少し上にある休憩所で準備する。
休憩所の外に大量の木製の杖が置いてあり、どうやら西出商店のおじさんが準備したようで、杖の中央が赤く塗られている。汗ふき峠を目指し登山道を歩き始める。すぐに石組みが見えてきて、廃村榑ケ畑の中を歩く。集落の石組の間を歩くのだが、今日は水量が多く、皆さん、左右の高い所を歩いているようだ。
廃村を抜けると「カナヤ」で右に折れ、ジグザグに登って行く。周囲の山々は白く染まり、昨年も雪が積もっていたことを思い出す。汗ふき峠で小休止し、大洞谷へと下って行く。ゴーゴーと流れる谷に出合うと、右に折れ谷沿いの斜面を下って行く。植林地の中、細い道は次第に広くなり、緩やかになって谷沿いを歩くようになる。
木橋を渡り左岸を歩くようになると、谷も広くなり心地よい歩きが続く。落合の集落が見えてきて、木橋を渡ると舗装道を歩くことになる。民家の庭先や駐車スペースも車でいっぱいで、今畑登山口には、もう駐車スペースは無いようだ。そんな車の横を川沿いに歩いて行くと、すぐに西南尾根への登山口に着く。 道子が「おなかがすいた!」と言っているが、「廃村今畑で休憩にしよう」とすぐに登山口から登り始める。廃村まで標高差100m登ることになり、もう2時間急ぎ足で歩いてきた我々には結構きつい登りとなる。10分で廃村に着き、お寺の前でオニギリを食べる。オニギリを持って廃村に咲くフクジュソウを見回るが、それも雪で倒れていて「残念」と言うことになる。
10分の休憩後、登山を開始する。支尾根に乗ると周囲は次第に雑木に変わり、ブナ林の横を抜ける頃から溝状の道が続く。標高600m付近で植林地に入り、それを抜け尾根の北側へ出ると、目の前にこれから登る近江展望台ある山塊が見えてくる。しばらく雪の横道をP712を巻くように登って行くと、岩が多くなり峠に着く。
登山道は一旦東へ下り、杉の植林地の中から尾根を登って行くことになるのだが、前日からの雪で、もう足元はツルツル状態。滑らないように注意して登る。一旦尾根まで来て尾根の東側を登って行き、最後はジグザグに尾根へ登り、標高750mの平らな尾根までくる。ここから近江展望台まで250mの急坂が続く。
「苦あれば 楽あり」だが、この急坂はこのコース最大の難関である。この急坂、春以外に登ったことがないので分からないが、春はいつものようにツルツルでベタベタなのだ。一歩一歩登り始めると「昨年よりひどい!」と道子。滑らないように一歩ずつ登って行く。持つような木がないので、草のかたまりを持って登る。 標高900mを越えると、傾斜も少し緩やかになり、立って登ることができるので後ろを振り返り、鈴鹿の山々を望む。ゆっくりやってくる道子はスパッツがドロンコで、結局ズボンも汚れてしまっている。途中立ち止まり、雪でスパッツやズボンの汚れをのぞく二人。これの繰り返しで二人とも「あ〜やれやれ」。
近江展望台に近づいてくると、左手に樹氷の低木が続く。やっと登り切った近江展望台だが、風が強く展望もそこそこにして先へ進む。ここから尾根は石灰岩がゴロゴロしていて、石の上を歩くことになる。コースが尾根から東斜面に少し外れた所でフクジュソウを見る。「あるある」と探しながら歩いて行くと、何ということでしょう、岩の間にたくさんのフクジュソウを見る。「昨年の数倍も咲いているようだ」と花を楽しむので、なかなか先へ進まない。 コースは途中から尾根の上の岩場に変わり、雪の中を歩くことになる。迷路のような岩場が続くが、皆さん、間違わずに進んでいるようだ。再び東側の斜面を歩くようになり、ここでも多くのフクジュソウを楽しむ。南霊岳の端まで来て、鞍部から次の岩場の尾根へ向かう所だが、「ここは風がないので」と鞍部の手前で昼食とする。
もともと岩場で座る所も少ないが、その間にフクジュソウが咲いているので、「足の踏み場もない」と言うことになる。目の前のフクジュソウの花を見ながらオニギリを食べる。よく見ると、岩の陰で多くの人が昼食をとっているようだ。ゆっくりしたいところだが、まだまだ先が長いので早々に発つことにする。岩場の尾根を歩き始めると、左手に樹氷が続き、その先に霊仙山の最高点のピークが見える。この岩場、ほとんど土は見えないが、そのわずかなすき間にも、フクジュソウが咲いている。時々風が吹くと凍った雪が頭の上に降ってくる。こんな状態がいつまでも続きしんどいところだが、霊仙山が少しずつ大きく見えてくるのが救いとなる。
霊仙山も左手に大きく見えてきた所で、「ここで終わりや!」と後ろからくる道子に岩場の終わりを告げる。ここから背の低いササ原の中の登山道を、少しずつ登りながら進んで行く。それでも最高点はまだまだ遠く、だらだらとササ原を進んで行くと、綺麗な樹氷も中を通り抜ける。一登りして▲1094mの最高点に着き、経塚山と避難小屋と後方にそびえたつ伊吹山を眺める、道子は相変わらず雪でズボンの汚れを落としていて、展望を楽しむところではないようだ。
「今日は遅くなってもいいから ユックリ歩こう」と言っていたが、「今日も遅い」と霊仙山の三角点へ行くのを止め、経塚山の鞍部へと最短コースの雪原の斜面を下って行く。経塚山から避難小屋へ向かい、中で暖かいお茶を飲みながら小休止し、これから続く柏原コースに備える。避難小屋から綺麗な尾根を北東へ進んで、すぐに谷山コース分岐まで続く急斜面に出合う。 ロープが張ってあるので、難なく短時間で下り、四丁横崖という分岐に着く。左手に下る谷山コースを見送りながら、踏跡もほとんどない斜面を△992mを左から巻くように進み、谷を詰めて行くと「霊仙山登山道」の標識を見て安心する。
溝状の道を詰めて行き谷も終わる頃、左手の斜面を登り尾根に出て右手(東)に折れ、尾根から東の谷へと下りて行く。積雪で道が分からないが、もともと薄い踏跡、雪の中を適当に降りて行き、標高900m付近で北へ続く横道へと進む。横道を歩き始めると、やっと道らしくなり再び「霊仙山登山道」の標識を見る。 西出商店の「下の林道に降りないように」との注意書を見て、継子穴を過ぎると、尾根の西側を歩くようになり、7合目の分岐を右にとり、しばらく雪の斜面を歩くことになる。いくら歩いても標高900mからなかなか下ってくれず、霊仙山の山の大きさを知ることになる。6合目、5合目と徐々に下って行き、やっと4合目にあるコンテナの避難小屋に着き、小休止する。
さすがに「疲れた!」と哲郎も腰を下ろしお茶を飲む。よく見ると「○合目」の標識には次までの距離が書いてあり「あと○○mや」なんて言い始めると、それは疲れた証拠である。ここから1合目までは、だらだらした尾根道、植林や雑木の中を交互に歩いて行き、左右の山々を眺める。 やっと1合目に着き「あ〜やれやれ」と思えど、まだ標高550mもある。ここから少し荒れた谷沿いを歩き、ちょっと流れが太くなった所で、谷水でドロンコを落とすことにする。靴やストック、スパッツにズボン、持参したブラシでゴシゴシと。谷は合流し、大きくなってくる頃、林道に出合い緩やかな道が続く。谷はさらに大きくなり川となり、その上にかかる橋を渡る。
辺りは段々暗くなってきて、養鶏場を過ぎ、やっと名神の高架下をくぐり抜ける。「今日は ゆっくりやった」と昨年より30分も遅い18時頃にJR柏原駅に着く。電車も今出発したようで「30分待ちや!」と小さなべンチで時を過ごす。「今日はドロンコ道やったからな〜」と今日歩いた尾根を思い出しながら、のんびりと電車を待つ。
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