佐々里峠〜品谷山//北山


ちょうど目の前に木々の間から品谷山が見え、
これを見ながら下るものだから、またまた上機嫌のOさんだ。



2010.1.4 (月) 晴れ  Oさん、哲、道





行き:北大路駅前バス停 8:02 - 広河原バス停
帰り:広河原バス停 17:00 - 北大路バス停



コース:
広河原バス停〜佐々里峠〜ダンノ分岐〜P866〜品谷山=往復





 お正月のんびりしていた二人は「北山の 雪の状態を確認しよう」と出かける。毎年のように北山の雪のチェックは、花背峠から大見尾根へ出かけ、寂光院道を散策する。北山の深山や比良の積雪量は大見尾根の1.5〜2倍なのである。

 北大路駅前バス停から広河原行のバスに乗るが、登山客が他に二人いて、「正月後の平日に珍しい」と哲郎。貴船口から鞍馬の民家の庭先に残雪を見るが、その量も少なく、お正月にあまり降っていないようだ。路面に雪は見えないが、扶桑橋手前でバスはチェーンを取り付ける。

−2℃の花背峠で降りると 佐々里峠付近は20cmの積雪

 バスが動き出すと、ガタガタと雪がないので身体に響く。花背峠へと登って行くと、雪は徐々に増え植林地は白く染まる。−2℃の花背峠で降りると、他の二人も降り、彼らは鞍馬尾根に向かうと言う。バスの中でスパッツを付けていたので、すぐに大見尾根へと歩き始めると、一台の車がやって来て、「お〜い」とOさんである。彼は広河原へ行くと言うので、結局二人は同行することになる。

 広河原に近づいて来ると、さすがに雪の量が増えて、野や田畑も白一色となる。快晴ではないが、しぐれていなく広河原にしてはまずまずの天気、早速庄兵衛さんに寄りコーヒーで暖まる。昨夜から今朝にかけ、積雪は少なかったようで、「ゲートも閉じていないので 車で上がろう」と佐々里峠まで車で移動することにする。「もう少し積もっていたら アウトや」と言う状態で佐々里峠に着き準備する。

京都府の通信設備を過ぎると 雪の量は増え快適な歩きが続く

 佐々里峠付近は20cmの積雪、すぐに品谷峠への尾根を登り始める。一登りして京都府の通信設備を過ぎると、雪の量は増え快適な歩きが続く。Oさんはいつものように立ち止まっては、尾根にある木々の説明を始める。「これは神様に お供えするんや」「これは正月の鏡餅の ダイダイの下に敷くんや」「クロモジが枯れての〜 昔は尾根にたくさんあった」「ここのサルトリイバラ 最近実がのぉ〜てな〜」「・・・・」と話は続く。

 ダンノ峠分岐手前にある急坂は、夏でも登りにくいので、雪道ではアイゼンがが欲しいところだ。「でも 登りだから」と三人はゆっくりとジグザグに登って行く。ダンノ分岐からは、小さなピークが続く緩やかな尾根、積雪も増えてくるが、30〜40cmの新雪なので快適に歩ける。「尾根の雪はな〜 南側が深いので 北側を歩くんや」と又Oさんの話は続く。

ダンノ峠分岐手前にある急坂 P866へ到着
「きれいや こんなんお久し振りや!」
と上機嫌のOさん

 尾根に風がなく、日差しも少なく、まだ暖まっていないので、木々の枝に雪が乗っていて、「きれいや こんなんお久し振りや!」と上機嫌のOさん。P866から周囲の山々を眺めながら、すっきりした天候でないので、遠望はきかない。「京都北部は今日 夕方から雨やとゆうてた」と道子、それでも時々日が差してきて、雪は降りそうもにもない。

 尾根を歩いていると、日の差している時間が増えてきて、周囲の山々も段々見えるようになる。太いブナの木々の間を抜け鞍部へと降りて行く。ちょうど目の前に木々の間から品谷山が見え、これを見ながら下るものだから、またまた上機嫌のOさんだ。

快適な尾根 太いブナの木々の間を抜け

 鞍部からすぐの南の尾根に乗り、西へと歩き出す。正月の間、誰も歩いた形跡はなく、新雪を踏みしめての歩きは心地よい。この尾根の動物は少なくなったのだろう、動物の足跡が余り目につかず淋しいところだ。尾根を西へ進むとすぐに品谷山に着く。もうお昼も過ぎているので、山頂で昼食とする。ここまで積雪のため遅れたので、予定していた八丁までは行かず、ここから引き返すことにする。それでも「ちょっとだけ この先のイワタ尾根を見たい」とOさん、昼食後、南へ下り分岐からの支尾根を楽しむことにする。

もうお昼も過ぎているので、山頂で昼食とする イワタ尾根を楽しむ

 なだらかな尾根が大きく下る手前まで行き、引き返すことにする。再び品谷山へ南から登り小休止、道子はここでアイゼンを付ける。天気予報もはずれ、すっかり晴れてきて、山頂から周囲の山々を眺める。「さあ!」と我々の朝のトレースに沿って東へと歩き始める。鞍部から東への尾根に乗ると、もう暖かくなったのか、木々の枝の雪は融け、周囲の山々がはっきり見えるようになる。北方の山々がよく見える所で小休止しながら、「あれが ブナノ木峠、その横の傘のような山が傘峠や・・・」と再びOさんの話が続く。

 ブナの林が抜け、P866の手前から「ここに 横道がある」とOさん、北側の斜面を横切ることにする。雪で道の様子は全く分からないが、ケモノ道のようなものがあるのだろう、ピークに登らないので楽ではあるが。ダンノ分岐に着き、今度は南方、桟敷から城丹国境尾根方面の遠景を楽しむ。ダンノ分岐から、尾根は北へ向き、すぐの急坂を下りなければならないが、「今日は谷から」とオバナ谷の源頭を下り始める。

「傘のような山が傘峠や・・・」と再びOさん オバナ谷の源頭を下り始める

 夏ならばヒルのいそうな所だが、積雪のおかげでなんなく下り、急坂を下りた所の尾根へと戻る。後は佐々里峠までのなだらかな尾根を北へと進む。佐々里峠は他の車が通ったワダチはなく、ひっそりとしている。17時のバスには時間があると、Oさんの山荘でゆっくりとくつろいだ後、広河原バス停へ向かう。この地方は今夜から週末にかけて雪のようで、佐々里峠の道のゲートは閉まり、もう春までこんな楽な雪山登山はできないだろう。

 17時バスは当然のように乗客は我々二人で、市街地に入るまで次の乗客は乗って来ない。堀川通りに入ると、いつもの車の列・・・、「正月も明けたようだ」。






主は羊毛のように雪を降らせ、
灰のように霜をまかれる。

        詩篇 【 147−16 】
庄兵衛さんのクリスマスローズ