天狗峠(滝谷〜三国岳〜岩屋谷)//北山


林道終点から滝谷を詰めて行く



2010.5.15 (土) 晴れ  小てつ、哲、道

行:帰 ⇒ 久多滝谷まで車利用





コース:
滝谷林道終点〜馬尾滝〜標高590m谷分岐を右(左はP927へ)〜北西へ谷の本流を詰めて行く〜P900(天狗峠への分岐)直下の作業道出合〜右に振り尾根出合〜P900天狗峠分岐〜天狗峠〜P900m分岐〜P936〜久多三国岳登山道出合〜三国岳〜久多への分岐〜標高550m岩屋谷出合〜三国岳登山口/林道終点出合〜滝谷分岐



■注意

◆滝谷林道終点から天狗峠へは、道はありません。林道終点から滝を越えるまでは、薄い踏跡がありますが、標高590m谷分岐からは谷の中を歩き、たくさん出合う分岐で、コース選択が必要となります。

◆特に危険な所はありませんが、道がなくコース選択が必要なので、初心者危険コースです。

◆コースを間違えると、身動きが取れなくなるので、地形図と磁石は必携です。

◆谷の中を歩くので足元はしっかりして下さい。








 「天狗峠から三国岳へ行こう」と小てつさん。天狗峠から三国岳の稜線を歩いてみたいと思っていた哲郎は、すぐにOK!三人で久多へと向かう。車が八瀬を過ぎると、左右の山々の新緑が綺麗なので、「もう北山の深山も、芽吹いているだろう」と期待する。途中、梅ノ木バス停近くの観光トイレで小休止した後、梅ノ木橋を渡り、奥山川沿いを快適に走る。

 久多下ノ町から右にとり、久多川上流の滝谷を目指す。滝谷分岐から林道を進み、すぐの林道終点に車を置く。我々はいつものようにゆっくりと準備し、素早く準備を終えた小てつさんに、しばらく待ってもらう。林道終点から、すぐの谷を渡り、右岸の植林地を歩く。足元の踏跡は薄いがしばらく右岸を歩いて行き、谷横の余地がなくなると、谷の中を歩くことになる。

林道終点に車を置く 林道終点から、すぐの谷を渡り
しばらく谷沿いの植林地を歩く 谷横の余地がなくなると谷の中を歩く

 「きれいな谷や!」と哲郎好みの谷で、もうすでに満足な哲郎。小てつさんと道子は先を行くが、哲郎はゆっくりと写真を撮っていて離れるので、位置確認のため哲郎は熊鈴、道子はカウベルを付ける。小てつさんは「三人いれば、熊は大丈夫」と言うが、「これは人間が来たことを知らせ、動物が慌てて逃げないよう、鳴らしている」と説明する。

 所々にははっきりした踏跡も残っていて、よく歩かれているようだ。なだらかな道が続いていたが、前方に大きな滝が見えてくる。馬尾滝と呼ばれる滝で、20mあるとネットに記されていたが、近づいて見ると、そんなに大きく見えず「下の数段の流れも入れて20mやろ」と哲郎。

谷の中も楽し 馬尾と呼ばれる滝

 谷の左手(右岸)に滝を迂回する道があるが、どんどん登って行き、滝から標高差50mも登り、標高600mの斜面の細い横道を歩くことになる。そのうち右下に、これまた大きな滝を見て、少し下って行き標高590mで谷に降り立つ。そのすぐ先には谷分岐があり。そこで小休止とする。

 谷は二分し、左は南へと伸びてP927へ行くので右をとる。少し進むと標高610m付近で谷分岐に出合う。左はP921南の稜線へと伸びて行くので、ここも右にとる。ここから200mほど、谷遡行を楽しむと、標高640m付近で谷は急に狭くなり谷分岐に出合う。ここは左にとり、すぐに分岐を右にとり、要するに北西へと本流を進めばよい。標高680mで谷は二分するが、ここも北西への左の谷をとる。

滝上の谷分岐
左は南へと伸びてP927へ行くので右をとる
しばらく谷遡行を楽しむ

 もうここまで来ると、谷は小枝で埋まった溝のようなもので、快適という訳にはいかない。標高730mの分岐は北西の右にとる。次の標高760mの分岐、右にとると稜線上の標高850mの鞍部へ向かっているので、ここは左の北西へとる。もう谷は細い溝となっているので、次の谷分岐で右手の谷上の斜面を登ることにする。もう既に天狗峠分岐のP900直下まで来ているので、どちらの谷をとっても大差は無いのだが、今日はできるだけピークに近づいてみる。

 左の谷に進んだ道子は登りにくいということで、小てつさんが用意してくれたロープで一登りする。右の谷も登りにくくなっているので、すぐに右手の斜面を登り始める。斜面から左にある谷を見ると、既に溝は消え斜面の一部となっている。高度計を見ると標高840m、もう稜線は目の前のようだ。先を行く道子が「道や!」と叫ぶ。それは尾根道ではなく、左へ伸びて行く作業道のようだ。

谷は小枝で埋まった溝のようなもので 谷も消え斜面を登る

 先を行く小てつさんは「稜線が近い」と右へ進む。少し斜面を登ると、天狗峠から三国岳への尾根に出て、左に少し登れば、天狗峠分岐のP900へ着く。11時を少し回ったところで「前回より、1時間は早く着いた」と小てつさん。滝谷の遡行はコース選択により、随分と所用時間が異なるようだ。ここから天狗峠まで北西へ約300m、三人はユックリと歩き出す。

 北山らしい大杉の横を通り、少しずつ登って行くと、先方にピンクの花が見えてくる。「シャクナゲが咲いている!」と、今年は山のシャクナゲを見ていない哲郎と道子だが、思わぬ所で出合い満足する。天狗峠の山頂広場に着くと、「ちょっと早いがお昼にしよう」と小てつさん。作ってくれたお味噌汁を頂きながらオニギリを食べる。山上からは、いつも歩いている小野村割岳から佐々里峠への稜線がよく見える。

分岐から天狗峠への道でシャクナゲ 天狗峠で早い昼食とする

 ゆっくりくつろいだ後、三人は三国岳へと出発する。P900分岐まで戻り、左手の尾根を辿って行く。すぐに標高850mの鞍部に下り、標高900mのピークへ登り返す。狭い尾根に踏跡はないが、倒木も少なく難なく歩ける。しばらく疎林の尾根のアップダウンが続くP936が近づいてくると、ササ原が枯れたのか、なだらかな尾根が広がり展望が開け、三人はゆっくりと遠くの山々を眺める。

P900の分岐まで戻り三国岳へ向かう 三人はゆっくりと遠くの山々を眺める

 P936への緩やかな登りになると、左手前方に見事な新緑を目にする。尾根にササの葉が増え少し歩きにくくなるが、東側に踏跡を見つけ、それを辿って行く。新緑の雑木の下を登って行き、P936に着き小休止とする。「ここから先は、歩き良い」と言う小てつさんと道子はピークを下り、尾根を歩き始めるが、西の方へ下っているので二人を戻す。P936から三国岳へは、北へ急斜面を下ることになるので注意が必要だ。

 50m下った所から再び緩やかな登りに変わる。足元にはイワカガミやイワウチワが続くが、もうすでに終わっていて賑やかさはない。最後の鞍部から緩やかに登って行き、標高900mで久多からの三国岳登山道に出合う。「最後は急な登りが、待っている」と言っていた小てつさんだが、足が速いので山頂へとラクラク登って行く。

新緑を見ながらP936へ 三国岳への雑木の尾根を楽しむ

 我々も三国岳山頂に着き、小てつ製の昆布茶で小休止する。そのうちに高島トレイルから犬を連れたご夫婦がやってくる。「犬もご苦労さん」と思っていると、「この犬、生杉から着いてきているんです」と言う二人。「へぇ〜」と三人はびっくりする。人なつこい犬でドラヤキを食べている哲郎の横に来て、欲しそうにしているので半分与えると、美味しそうに食べる犬、でもこれが思わぬ展開になる。

 ご夫婦が桑原へ下山するようなので「我々は久多へ下るので、この犬も連れて行ってください」とことずける。ご夫婦が下りていっても、我々から離れようとしない犬、「さっきのドラヤキ、しまったな〜」と哲郎。我々もそろそろという時、高島トレイルの尾根に着いたのだろう、「早くおいで〜」と奥さんの小さな声が聞こえる。それを聞いていた犬は下山口に立つが、なかなか動こうとはしない。呼び声に何度も聞き耳を立てている犬、「いけ!」と哲郎が叫ぶとやっと犬は下りて行く。「あ〜やれやれ」と我々も久多へ下山することにする。

三国岳山頂で出合った犬 久多下山口の分岐

 南に下り下山口の分岐から、三国岳登山道を下り始める。「急な道が続く」と小てつさん、標高差300m以上下ることになる。標高600m位まで尾根を下って行くと、ジグザグに斜面を下るようになる。その所々にピンクのユキグニミツバツツジが目を楽しませてくれる。もうすでに谷の音は大きくなり、岩屋への標識を目にするが、三人ともPASS、岩屋見物より目の前の新緑を眺めていた方がいいのだろう。

 右手からの谷に出合い、谷で顔を洗いさっぱりする。岩屋谷に出合っても、しばらく谷より少し高い斜面の横道を歩くことになる。「あっ!」と小さな谷に大木で造った小さな橋、小てつさんはスイスイ渡るが、道子は立ち止まり足が進まない。何のことはない、小さな谷なので道子は橋の上流を難なく渡る。それを見ていた哲郎も橋を止め、谷を渡ることにする。

右手からの谷に出合い、谷で顔を洗い 林道終点の三国岳登山口に着く

 右手に大きな岩屋を見ると、前方が開けてきて、右からの谷を渡り林道終点に着く。その林道終点の先には京都府立大演習林の管理舎がある。ここから滝谷分岐まで約1kmなので三人は周囲の山々の新緑を楽しみながら、ゆっくりと歩き始める。






主よ。
あなたの道を私に知らせ、
あなたの小道を
私に教えてください。


           詩篇 【25−4】
ユキグニミツバツツジ