寺山峠〜旧花背峠〜アソガ谷//北山
2011.02.19


心地よい雑木の尾根を楽しむ



2011.2.19 (土) 晴れ  哲、道

行き:北大路バス停 8:02− 花背高原前バス停
帰り:叡電貴船口駅 16:51 − 叡電岩倉駅



コース:
花背高原前バス停〜スキー場跡〜林道終点〜寺山峠巻道分岐〜寺山峠〜P862〜旧花背峠〜アソガ谷下山口〜林道終点出合〜車道出合〜奥貴船橋〜貴船〜叡電貴船口


注意:
現在アソガ谷の林道は倒木が多く歩けません。倒木が取り除かれるまで、歩く場合は+1時間の余裕を持って、突起物で怪我をしないように注意して下さい。













 ネット情報によると、「比良や北山の積雪は、この雨でー30cm」とあるので、「連日の雨で、雪もしまっているようだ」と雲取山へ出かけてみる。北大路駅前バス停で、「よく見かけます」と言うご夫婦?と、ともに広河原行のバスに乗る。彼らも雲取山へ向かうと言う。

 雪も解けてしまった鞍馬を過ぎると、山々の斜面に雪を見るが、バスはチェーンを付けることもなく快適に走る。途中で乗って来た学生達は先生とともに、「百井の別れ」バス停で降りたので、きっと百井のキャンプ場へ向かうようだ。−3℃の花背峠で一人降り、我々4人は花背峠高原前で降りる。暖かい日差しを受け、バス停前でアイゼンを付け準備をして、我々は先に歩き始める。

バス停前でアイゼンを付け準備 風もなく予想以上に暖かいのだ

 雪も少なくなり、トレースもしまってきて、前々回、前回よりも、ずっと歩き良い。スキー場跡で小休止し服を調節する。風もなく予想以上に暖かいのだ。植林地に入っても、積雪50〜60cmだろうか、落雪もなくしまった雪は歩き良い。スイスイと進め、寺山峠への巻道を登り始める。「どこも、ここも快適だ」と、あっと言う間に1時間で寺山峠に着く。休憩をしていると、後ろのカップルもやって来て小休止する。ここで男性の方は、地形図を取り出して見ているので、コース選定の邪魔にならぬよう、我々は先に南の尾根へ発つことにする。

寺山峠への巻道を登り始める 1時間で寺山峠に着く

 「お!いい感じ!」と斜面を登り始めるが、時々はまるので、二人ともワカンを装着することにする。斜面の木の根元は、木の温もりでスッポリと穴が空き、もう春の雪のようだ。ワカンを付ければ、もう快適、雑木の尾根を心地よく歩くことができる。尾根の西側から植林がせまってくることはあるが、植林の中を長く歩くようなことはなく、雑木を十分楽しむことができる。

南尾根を歩き始める 斜面の木の根元は、
木の温もりでスッポリと穴が空き

 旧花背峠まで尾根は南へ続き、分岐のような所へ来れば、すべて左をとるとよい。ただ自信のない人は、時々南へ進んでいることを確認することである。なだらかな尾根が続くが、尾根には小さなピークがたくさんある。いずれも、20〜30mの登りでたいした事はないが、ついついピークに登らず、ピーク下10mくらいを巻いて行く。

 そんなピークに標識が見えたので、登って確認すると「花背ここは山 P862」と書いてある。地形図のP862はずっと先にあり、この標識が何を意味しているのか分からない哲郎、そんなことお構いなく、どんどん進んで行く道子。ちょっと下っては、また登り、このちょっとの登りは、雪がしまっているので難なく登れ、雪の雑木を楽しむことができる。

ここは地形図のP862ではありません アップダウンを数回繰り返して行く

 P862の手前のピークから、西(右)へ伸びP861へ向かう尾根が分岐しているので、ここは慎重に南(左)の尾根をとる。しばらくはヒノキの植林の端を右手に見て歩くことになり、前方に広い雪原を見るとP862に着く。「いつもより、早く着いた」と12時前だが、ここで昼食とする。この雑木の広場は100mぐらいあり、風のない晴天の雪原、昼食に持ってこいの所である。昼食後、再び尾根を南へと歩き始める。

ヒノキの植林の端を右に見てP862へ 広いP862で昼食とする

 P862の次のピークが見えてくるが、ここは要注意、ピークに登ってはいけません。ピークの左を巻いて行くのです。さらに右へ伸びて行く支尾根に乗らずに、左手の斜面を下って行く。P862からは作業道があり、雪で隠れているものの、それらしい所を探して歩くとよい。まだまだ標高800m以上の尾根が続き、南へと伸びている。次のピークからしばらく尾根を歩くことになる。

P862の次のピーク、登ってはいけません 広い尾根は心地よい

 左手に花背の鉄塔を見ながら歩いて行くが、ここまで来ると前方に天狗峠が見えてくる、最後のピークらしい標高820mのピークは登らずに、ここも左側の斜面を巻いて行く。後はアセビの増えた細い尾根を進んで行き、目の前に植林地を見ると、溝状の作業道を下って行き、植林地の中へ入る、するとすぐに林道が見えてきて、旧花背峠のお地蔵さんの前に降り立つ。

溝状の作業道を下って行き、植林地の中へ 旧花背峠のお地蔵さんの前に降り立つ

 楽な歩きが続いたので休むこともなく、アソガ谷の下山口へ向かう。下山口からの斜面は積雪40〜50cmなので、ワカンをはいたまま下ることにする。細い谷に出合うと、ここから数回右に左へと谷を渡渉しながら下って行く。道ははっきしないが、歩きやすい所を歩けば問題なく歩ける。そのうち谷が大きくなってくると、少し高い所を歩いたり、谷の渡渉に注意を要するようになる。

アソガ谷下山口 細い谷に出合うと

 谷筋では雪が解けだすと、水量が増えるので、足元はしっかりしなければならない。そのうちに前方が明るくなり、林道終点に出合い小休止とする。この時期になると、林道の水が流れる所は雪が解けているので、取りあえずワカンを外す。この先林道に水が流れるなくなると、再び雪道に変わるので、二人はアイゼンをしたまま歩き始める。再び雪道に変わると深い雪、ゆっくりと歩いていると、目の前に2本の倒木を見る。左は崖、右は谷、仕方なく倒木の下をくぐるのだが、すき間が狭いのでザックを外して通り抜ける。

何度も渡渉する 林道終点に出合い谷沿いを歩く

 しばらくして倒木、また倒木、倒木倒木と、もう二人は進むのが嫌になってしまう。豪雪時、植林地の中の谷沿いと林道は、歩かないようにしなければいけないようだ。この林道には橋が2本あり、この橋と橋の間に倒木が多い。途中から林道終点からやって来た踏跡を見るが、あまりの倒木に嫌になったのだろう引き返している。

 また前方に2本の倒木を見る。「谷を歩いた方がましや!」と言う道子だが、もう大きくなった谷の水は多く、とても無理のようだ。右手の崖のような斜面を迂回するか、狭いすき間を通り抜けるか、結局倒木の下をくぐることにする。ザックを外し、先に進んだ哲郎、受取ったザックを置いていると、「手袋をし〜や」と道子が言った瞬間に、「いた〜い!」と倒木の枝が取れた部分の突起物が指に突き刺さる。血が流れてきて、道子に「消毒液やバンドエイドや!」と言う哲郎、以前、小てつさんが指を怪我をし、一人で黙々と治療していたが、道子は「小てつさんとは、えらい違いや!」と思っているだろう。

倒木にうんざり 奥宮からは、観光客と混じって

 治療も終わり慎重に倒木をくぐり抜ける。最後の橋を渡ると、倒木も少なくなり歩けるようになるが、林道はまだまだ続く。やっと林道の入口に着きアイゼンを外す。車道に出合うと、もう路面に雪はなく、倒木も処理がしてあり、ゆっくりと奥貴船橋へ向かう。途中、道路脇の乾いた所で後始末をし、着替えて叡電貴船口駅へと向かう。貴船神社の奥宮からは、観光客に混じって久し振りの貴船の集落をを楽しみながら、二人はブラブラと歩いて行く。






もみの木よ。泣きわめけ。
杉の木は倒れ、みごとな木々が荒らされたからだ。
バシャンの樫の木よ、泣きわめけ。
深い森が倒れたからだ。

ゼガリヤ書 【 11:2 】
尾根から見る雪の比良山系