武奈ケ岳(御殿山コース〜正面谷)//比良


 
ベニドウダンのトンネルを抜ける


2011.06.09 (木) 晴れ  哲、道

行き:JR京都7:54− JR堅田8:45−坊村
帰り:JR比良17:05 − JR京都


コース:
坊村バス停〜三宝寺〜(御殿山登山道)〜・846〜見晴台〜御殿山〜西南凌〜武奈ケ岳〜コヤマノ岳〜金糞峠への新道分岐〜標高905鞍部から右下のヨキトウゲ谷へ〜金糞峠〜青ガレ〜大山口〜イン谷口〜右の雑木道〜パイロット保養所〜JR比良駅

注意:
金糞峠から青ガレまでの間はガレいますので、浮石や落石に注意してください!。









 今週は「久し振りにレンゲツツジを見よう」と西南凌へ出かける。今日は「今週で一番晴れる」という予報で出かけるが、朝からどんよりと曇っていて「大丈夫かいな〜」と言いつつ家を出る。今日は平日なので朽木行きの京都バスはお休みで、江若バスに乗るためJR堅田駅へ向かう。

 8:45発細川行きのバス、学生達で一杯だが、結局我々二人が最後の乗客となり坊村バス停で降りる。トイレ前で準備していると車でやって来たカップルと出会い、彼らを追うように三宝寺の登山口へ向かう。三宝寺の修復も終わり、同時に赤く塗り替えられた橋を渡ると登山口に着き、早速急な植林地を登り始める。

赤く塗り替えられた橋を渡ると 急な植林地を登り始める

 今日は梅雨の谷間で湿度が高いはずだが、植林地に風が通り心地よく登って行ける。先を行くカップルに追いつき追い越すが、彼らを見て「二人ともWストックや!」と道子。結局哲郎のストックを道子に渡し、哲郎は適当な杉の枝を加工して杖をつくる。Wストックのお蔭か道子はスイスイと登り始め彼らに随分と先行する。

 やっと雑木が見えて来ると登りが緩くなるので、「やれやれ」とP680の小ピークまで来て小休止する。すぐの鞍部から尾根を乗り換えP846を目指すのだが、標高差100m余りの斜面だが雑木の下を登って行くので、そんなに苦にならない。とは言うものの急斜面を登って来たのだから尾根に着いて、やはり小休止となる。

植林から雑木に変わると登りが緩くなる P846まで標高差100m余りの雑木の斜面

 もうここまで来ると後は1097mの御殿山までユックリと登って行くので気も楽になる。快適な尾根を少し進むと標高855mの夏道/冬道分岐に着く。右にとり久し振りの夏道、緑の雑木が続き心地よい。「緑が濃い!」と道子、森林浴には持って来いの巻き道である。そのうちトリカブトが群生する谷を登って行き、途中で右手の斜面を登って行き支尾根に取り付く。上からの下山者が尾根で待っていてくれ「有難う」です。

尾根から右にとり久し振りの夏道へ 「緑が濃い!」と道子、森林浴を楽しむ

 支尾根を登り切ると見晴台に着き京都北山を眺めるが、今日は霞んでいて遠望は出来ない。咲き始めのタニウツギを見ながら低木の雑木の下を登って行き、御殿山を目指す。快適な道が続くが、お腹が空いている二人は御殿山へ急ぐことにする。御殿山へ近づいて来ると「赤い!」と満開のベニドウダンを見る。山頂に着くと武奈ケ岳を一見し、すぐにワサビ峠へと下って行く。

山頂まで低木の雑木が心地よいが
お腹が空いている二人は御殿山へ急ぐ
御殿山から武奈ケ岳を見て
ワサビ峠へ下る

 ベニドウダンを見ながら下ってタニウツギの咲くワサビ峠に着く。西南凌や武奈ケ岳では暑いので、いつも「昼食はワサビ峠の木陰で」とお決まり、で今日も心地よい風が通り抜ける。目の前を武奈ケ岳から下ってきた男性が中峠へと下って行く。「こちらへ下る人はイン谷口から周回しているのだろう」と哲郎。

 昼食も終わり歩き始める頃、朝一緒だったカップルがワサビ峠を下って来る。ベニドウダンのトンネルを抜けると、西南凌の登りが始まる、少々ガレた道を登って行くが、アカモノ等色々と花を撮っている哲郎は遅れてしまい、先を行く道子はピークで先程のカップルと話している。

タニウツギが咲くワサビ峠で昼食 ベニドウダン

 ガレた道を登るとなだらかな道に変わり、今日目的のレンゲツツジが綺麗に咲いていて「まずまずだ!」と満足の哲郎。ついでにとササユリを探すが、こちらは最近ツボミも見かけなくなった。足元に黄色い花や白い花を見かけるが、目的の紫色、「あるある・・・」とヒメハギの小さい花を観察していると皆から随分と遅れてしまう。

 西南凌二つ目のピークを登り切ると、目の前に武奈ケ岳が見えてくる。足元に鈴なりのアカモノを見て、イブルキノコバからの分岐に出合い、武奈ケ岳山頂に立つ。ここで「武奈ケ岳が初めてです」と言っていたカップルを待ち、彼らが冬に登ったという蛇谷ヶ岳等、周辺の山の様子を伝える。

ガレた道を登るとなだらかな道に変わり 色鮮やかなレンゲツツジ
ヒメハギの小さな花 武奈ケ岳1214mに立つ

 カップルの女性の方に「娘さんだと思ってました!」と道子、彼女は山ガールの服装を着こなし、道子も羨ましそう。「頭から日よけのタオルをたらしている道子とはエライ違いや!」と哲郎。我々は琵琶湖側へ下山するため、先に出発する。

 サラサドウダンの咲く溝状の道を下り、下り切った所にある分岐からコヤマノ岳へ向かう。空が少し暗くなり「夕方から雷が」との予報であったので少し急ぎ足で歩くが、久し振りの登りで「ちょっとしんどい」と飲水休憩を入れる。ブナの木が美しい森を抜けコヤマノ岳を過ぎ、ちょっと下った所にある金糞峠へと続く尾根の分岐に着く。

綺麗なブナの森を抜けコヤマノ岳へ 金糞峠への尾根の分岐につく

 金糞峠へ向かうため分岐を左にとりこの尾根の新道へ進入する。道は踏跡程度だが、雑木の緑が続き歩き良いのでお勧めです。「木に付いている赤いペンキがケシカラン!」という哲郎だが、このマークがあるので初心者でも迷わずに下山できるであろう。最初は南へ下って行くが、標高1000m付近から南東へ変わる。雑木を十分楽しんだ頃、標高905mの鞍部に着く。

 鞍部から踏跡は左へと続いているが、左手に折れると谷筋を下って行き、金糞峠上流の奥ノ深谷源流に出合う。真っすぐ進むと目の前の斜面を上ってシャクナゲの尾根を抜け、金糞峠手前の奥ノ深谷の木橋の手前に出合う。いずれも迷うことは無い。今日は初めての「右に折れ、ヨキトウゲ谷へ下ってみよう!」と哲郎。

新道は雑木の緑が続き歩き良い 標高905mの鞍部に着く

 右手の斜面を10数mジグザグに下るとヨキトウゲ谷に出合うので、谷を渡りヨキトウゲ谷の登山道へ取り付く。増水していなければ簡単に渡れるが、増水時は鞍部に戻り直進する尾根コースで金糞峠へ向かうと良い。ヨキトウゲ谷道を快適に下って行くと奥ノ深谷に出合い、金糞峠直下にある橋を渡る。

ヨキトウゲ谷を渡り目の前の登山道へ 金糞峠直下にある橋を渡る

 14時35分、「比良駅まで、まだまだやな〜」と言いつつ、タニウツギの咲く金糞峠を下って行く。相変わらずガレていて歩き難く時間がかかってしまうが、途中で何も荷物を持たない男性が追い抜いて行き、すぐに消えて行く。やっとガレた谷に出合い顔を洗う哲郎。傍にシソバタツナミソウを見ながら「いつも見る、シライトソウが無かったな〜」と道子に言う。

タニウツギの咲く金糞峠を下って行く シソバタツナミソウを見ながら

 ここまで来ると、後は青ガレを抜け正面谷に沿って歩くので、足元はだんだんしっかりしてくる。と言っても道は少々ガレているので歩き難く「これやったら葛川越えの方が歩き良い!」と道子。青ガレを下り切り、堰堤から落ちてくる水しぶきで涼んだ後、正面谷沿いの道を下り始める。ここでやっとシライトソウに出合う。

堰堤の音が涼しい正面谷 白と黄色の花が咲くスイカズラ

 「正面谷は、ここからが長い!」と言いつつ、疲れた二人だが堰堤の音を聞きながら正面谷を下って行く。イン谷口から右の橋を渡り雑木道へ入り、いつものように足元に咲くコアジサイを見ながらJR比良駅へ向かう。






山は上がり、谷は沈みました。
あなたが定めたその場所へと。


【詩篇 104−8】
シライトソウ