大尾山(魚の子山〜伊香立峠〜大原)//北山


 
いつもながらヒッソリしている伊香立峠


2011.09.10 (土) 晴れ  哲、道

行き:JR堅田駅バス停8:45 − 還来神社
帰り:大原バス停16:00 − JR京都駅


コース:
還来神社〜林道から山道へ〜宮メズラ山〜魚の子山〜P531〜小出石越〜伊香立峠〜P503水準点〜P630〜大尾山〜音無滝〜三千院〜大原バス停









 「今週は秋風が涼しい」と低山の尾根、奥比叡の魚の子山から大尾山への尾根の再調査に出かける。JR堅田駅発細川行きのバスは盛況で臨時便が出るが、途中で降りる我々は定期便に乗る。「途中」の手前の「還来神社」で降りる。「予想に反し暑いな〜」と言いつつ、還来神社で準備するため橋を渡る。

 7年ぶりに訪れる還来神社、川の横にある公衆トイレ前で準備する。駐車スペースがある立派な水洗トイレで、早速トイレを利用するが心地よい。神社前の家に大きな犬がいて、7年前には尻尾を振ってやって来た犬だが、今日は繋がれていて我々の様子をじ〜っと見ているようだ。

 準備も終わり宮メズラへと出発する。取付はバス停横にある林道で、草木が茂って分かりづらいが10mも進むと谷沿いの林道を歩くことになる。

駐車スペースがある立派な水洗トイレ 草木が茂って分かりづらい取付

 植林地の中、谷沿いに歩いて行くが「蒸し暑い!」と言うことで、早速タオルを濡らし顔を拭く。小さな谷、短い林道だが谷沿いの林道にたくさんのクサアジサイを見る。丁度咲いていて「クサアジサイ久し振りだ!」と見入ってしまう。「こんな林道の方が野草は多いのよ!」と道子。

 しばらくして林道の中を水が流れてきて、その右手にハッキリとした山道が目にとまる。7年前来た時は薄い踏跡だったが、「こんなにハッキリしていれば間違うことは無いだろう」と流れを渡り作業道を歩き始める。

小さな谷、短い林道だが 流れを渡り作業道を歩き始める

 植林地をしばらく緩やかに登って行くと、シダの群生した緑をみて左へ登って行くと支尾根に出合左下に谷間を見る。標高330m位まで来ると道は二分する。右手は斜面を巻くようにハッキリした作業道が伸びていて、左手は植林地の中をグイグイ登って行く。「どちらやったか?」と二人、「左の道にテープが多い」という道子、ここは左へ進むことにする。

 植林地の中をジグザグに登って行き、踏跡が薄くなってきた標高400m付近でテープがあり、薄いながらも分岐に出合う。いずれも薄い踏跡が続くが、ここも左にマークがあるので左へ進むことにする。(帰って7年前のレポートを見ると、ここを右にとり植林地の斜面をジグザグに登り、宮メズラ山山頂の北寄りに出ていた)。

標高330m位まで来ると道は二分する
最初の分岐は左をとる
踏跡が薄くなった標高400m付近の分岐
前回は右の斜面、今回は左の支尾根直登

 左手の踏跡を進んで行くと植林に低木の雑木が混じるようになり、ここは7年前登ったルートではないことが分かる。最初左に随分と巻いて行くので、「魚の子山へ行くのやろか?」と思っていると、道はなくなりマークは支尾根のような所を強引に登って行く。

 「エライこっちゃ!」と言いつつ急な支尾根を上って行くが、しんどいので小さくジグザグに登って行く。支尾根には全く道や踏跡はなく適当に登って行くと、上の方が明るくなり宮メズラ山山頂広場の南端に出る。このルートは誰かが強引に作ったようだ。

支尾根のような所を強引に登って行く 宮メズラ山山頂広場の南端に出る

 哲郎は広場を北へ進み、前回登りついたポイントを確認するが、こちらの道も荒れているようで踏跡は消えているが、斜面をジグザグに登る分「少しは分かりやすいだろうと」哲郎。

 魚の子山へは南にとり、数分で三角点に出合う。山頂から尾根は二分しているが地形図を見て右の尾根を下って行く。ここから伊香立峠までは踏跡が薄いので、地形図を持参すれば読図の練習になるところである。

数分で魚の子山三角点に出合う 地形図を見て右の尾根

 途中藪の中、道がハッキリしない所もあるが、尾根を大きく外れないように歩きピークを一つ越える。次のピークはP531で、そのP531手前の鞍部には右手に林道が接していて、ここから尾根に取り付ける。この林道は三谷口から途中越の中間に取付があり、魚の子山から宮メズラ山近くまで伸びている。

 林道を歩く場合は注意が必要で、方向が分からない場合は利用しないほうが良い。この林道は幸いにも地形図に記されているのでよく分かり、林道を北に取れば宮メズラ山付近で行き止ることになる。

道がハッキリしない所もあるが P531手前の鞍部には右手に林道が

 一登りしたP531、広い山頂で行き手が分かりにくい。ここは左に取り、南の尾根に乗るのだが、植林地をそのまま下って行くと別の支尾根を下ることになるので、植林地を20〜30m下って前方に雑木が見えてきたら、右に寄り南の尾根を下って行く。右によると溝状の道のようなものを見るが、歩けるようなものではないので、その横を下って行く。

前方に雑木が見えてきたら右に寄り 南の尾根を下って行く

 雑木の中を抜け広い緑のコケが広がる植林地を下って行くと、再び先ほどの林道の支線が見えて来て、倒れたネットに沿って歩いて行くと、いつの間にか作業道がシッカリしてきて、どんどん下って行く。この道、鞍部の手前で左下に下りて行くので、ここは道を外れ尾根に乗りそのまま進むと、すぐに小出石越に着く。左手には先ほどの広い作業道が下って行き、右手の小出石方面へも簡単に下れそうだ。「次は小出石から登ってみよう!」と哲郎。

コケが広がる植林地を下って行くと 小出石峠手前で作業道から尾根へ

 峠からは右手の尾根を進む。ここからは踏跡がハッキリしてくる。ただ次の伊香立峠は切通になっていて直接降りられないので、峠の左右どちらかに降りる。峠が近づいて来ると左手に林道が見えて来て、この林道に降り峠へ行くほうが無難である。

 左手を良く見ながら歩いて行くと下降用のロープが張ってあるので、この付近から林道へ下ると峠はもうすぐそこだ。今日は前方に続く踏跡を見て、「他の下降ポイントがあるのだろう」と進んでみる。そのうち尾根が下り始めたので「これは、おかしい!」と地形図で確認すると、峠を通り越し西の支尾根を下り始めている。慌てて引き返し獣道のような急斜面を下り峠に降りる。

小出石越から踏跡はハッキリする 伊香立峠を通り越し慌てて急斜面を下る

 伊香立峠の西端から南尾根にのり「随分と遅れた」と言いつつ、風通しの良い所で昼食とする。峠からはハッキリした道が続き、もう迷うことは無い。尾根道は緩やかに登って行くが歩きよく快適である。一登りして支尾根に乗り左へ折れる。このポイントは逆コースでは分かりづらく、そのまま支尾根を下ってしまうかも知れない。

 少し進んで細い尾根に水準点を見つけ、何故か安心する二人。ここから小さなアップダウンを繰り返し大尾山へと少しずつ登って行く。

峠からはハッキリした道が続き 一級基準点・三級水準点とある

 しばらく右手の京都側は雑木、ひだりての滋賀県側は植林という状態が続く。標高差50m以上登り、掛けるように下った鞍部で左手に林道が接してくる。ここからP630への急な登りがあるので、この鞍部で小休止とする。

 急登、蒸し暑いと言うことで二人は黙々と登って行く。途中小ピークを経て登って行くとピーク手前でネットに出合う。左へ進むとP630に出て、10年前からある「危険」の旗を見るが、いまだに何が危険なのか分からない。

P630へと登って行く P630手前でネットに出合う

 もうここまで来ると大尾山はすぐなので足取りも軽くなる。しばらくネットに沿って歩き、一登りして左手にくだる南庄分岐を過ぎ送電線の鉄塔を潜る。ここから足元に咲くミヤマママコナを見ながら少し登って行くと大尾山に着く。

南庄分岐を過ぎ送電線の鉄塔を潜る 少し登って行くと大尾山に着く

 山頂で小休止するが、この暑い時期に大尾山に登る人はなく、ヒッソリとしている。大原へ向かうため、西の尾根を下って行く。すぐに南へ下る支尾根の分岐に出合う。二人は長い尾根歩きが続いたので早く谷水で顔を洗いたいと、分岐を左に取り急いで支尾根を下って行く。

 【しかし最近谷筋は荒れてきて危険な所もあるので、歩いたことは無く未確認だが、初心者は直進する尾根筋を歩いた方が良いかも知れない。】支尾根を下り終え小さな谷に出合うと二人は待ち望んでいたかのように、谷へ入る。

すぐに南へ下る支尾根の分岐に出合う 支尾根を下り終え小さな谷に出合うと

 谷を下って行くと最初心地よい谷だが三の滝付近から荒れてくる。今日は水量も多く少々歩きにくいが、尾根歩きよりはずっと心地よい。でもここから音無滝までは初心者危険コースです。

 右手から最後の谷に出合、咲きかけのキタヤマブシを見て下って行く。最後は音無滝上から右の崖を巻いて下りていき音無滝下へ下る。「あ〜ヤレヤレ」と滝を眺める哲郎だが、道子は見ることも無く先へ進んで行く。

三の滝付近から荒れてくる 今日は水量も多く少々歩きにくい

 滝からは広い道に変わり、ポツポツと滝見物の観光客に出合、三千院を過ぎると観光客が列を成し「この暑い中、京都見物ご苦労さんです」。バス停に着きすぐのバスを見送り、汗が引くまでユックリと涼をとる二人。








その道は楽しい道であり
その通り道はみな平安である。


箴言 【 3:17 】
三千院への道に咲くシュウカイドウ