藤原岳//鈴鹿
2011.03.26


吹雪の中藤原小屋で昼食を済ませ、山頂へ向かうokaoka隊



2011.3.26 (土) 晴れ時々吹雪き  洛西オヤジ、森の旅人M、JOE、哲、道

往復: 車利用



コース:
西藤原小学校前観光駐車場〜聖宝寺〜聖宝寺道〜8合目大貝戸道出合〜藤原小屋〜藤原岳〜藤原小屋〜8合目〜大貝戸道〜神武神社〜西藤原休憩所





 「霊仙山へ、フクジュソウを見に行きませんか」と洛西オヤジさん、ここは他のメンバーにも声を掛け、結局5名で出かけることになる。前日ピンポイントで天気予報を調べる哲郎、醒ヶ井や、霊仙地区は「雨か雪」とある。フクジュソウは晴れないと開いてくれないので、「これは、アカン!」。藤原町は「晴れ」とあるので、行き先を藤原岳に変更する。

 JR山科駅に集合し、森の旅人Mさんは座席が窮屈だったらと気を使って、いつもより小振りのザックで装備し、7時前に出発する。京都で小降りだった雪は、滋賀県に入ると吹雪に変わる。周囲の山々が白く、「これで、大丈夫かいな〜」と皆が心配する。車が三重県に入ると段々晴れてきて、あっという間に雲一つない快晴となり、全員「信じられない!」。途中から左手に見えてきた藤原岳は白く、近づくにつれ段々大きくなり、目の前に迫ってくる。それでも山頂付近に雲がかかっていないので、一安心の哲郎。

藤原岳は白く近づくにつれ段々大きくなり 西藤原小学校の観光駐車場で車を止め

 西藤原小学校の観光駐車場(300円)で車を止め、ゆっくりと準備する。持参したワカンはいらないだろうと、車に置いておくことにするが、安全のため哲郎だけ持って行くことにする。暖かい日差しを受け、聖宝寺の登山口へ向かうが、上空の雲の流れはそうとう速く、天気の急変だけが心配される。

 登山口から続く階段、、脚力のあるJOEさんだけはスイスイと登り、大きく先行する。やっと登り切った聖宝寺でトイレを借り、山道へ入って行く。すぐに谷に出合い、谷を渡り右岸の斜面を登って行く。斜面をジグザグに、また谷に沿って歩くことを繰り返し、一気に標高を上げていく。

皆「フーフー」と登って行くが 谷を渡り右岸の斜面を登って行く

 標高400mまでくると、谷の中に降りて少し谷の中を歩く。前のグループに追いつくが、狭い谷なのでここで小休止とする。谷の中を少し進むと、右手(左岸)の植林地に上り、ここからはしばらく、植林地を登ることになる。標高差250m以上、植林地の登りが続き、ちょうど比良の御殿山コースを登っているような感じがする。標高600mを過ぎると、上の方が明るくなり、そのうち雑木の尾根に出合う。ここから雑木の中、快適な登りが続くのだが、吹雪いてきたので、薄着の哲郎と道子はレインウェアを着る。しばらくすると、登山道は谷沿いの斜面の中ほどを歩くことになり、雪のトレースが踏み固められ、滑って歩きにくい。道子はアイゼンを付けると言うが、8合目までは我慢することにする。

前のグループに追いつくが、狭い谷なので 雑木の中、快適な登りが続く

 やっと8合目の大貝戸道に出合い、休憩している多くの登山者に出合う。皆さん、フクジュソウ目当てでやって来たのであろうが、目の前のグループはあまりの雪の多さに「ここで引き返そう!」と言っている。「あ〜もったいない!」と哲郎。「ここから藤原小屋までに危険箇所はなく、フクジュソウが顔を出しているかも知れないのに!」。今日は団体さんで賑わっている藤原岳、30cmの積雪、ここから登って行くのは登山グループ、ここで引き返すのはハイキングクラブのようだ。

 ここでokaoka隊もアイゼンを付け、「さあ出発」と思いきや、洛西オヤジさん「アイゼン、車に置いてきた!」。仕方ない、ここはオヤジさんの脚力で頑張ってもらうことにする。オヤジさんを先頭に雪道を登り始める。登山道はツルツルという状態ではないので、何とか登れそうだ。そのうち前方から一人の男性が降りてきて。「9合目の標識の所に、咲いています!」とありがたい言葉を頂く。我々もその言葉に元気づけられ歩き始めるが、時々雪が舞い、完全な雪山登山となる。「こんな吹雪の中を歩くのは初めて」と言う「森の旅人M」さんも雪を楽しんでいるようだ。

8合目、多くの登山者に出合う オヤジさんを先頭に雪道を登り始める

 やっと9合目の標識に近づく頃、足元に黄色いフクジュソウを見るが、晴れていないので、どれも開いてくれない。でもせっかくのフクジュソウツアー、ゆっくりとそのツボミを楽しむ。観察も終わり、藤原小屋へと歩き始める。藤原岳登山は登りが続くが、今日は適度の積雪で雪を楽しみながら登れるのがよい。

 やっと小屋に着き、「さあ、お昼や!」と小屋をのぞくと、いつものように満員で、オヤジさんはあきらめるが、少しのスペースを見つけた哲郎は皆に入るように言う。ちょうど全員座れ、「やれやれ!」と昼食が始まる。外は吹雪いてきて、次から次へと登山客が入ってくるが座れない。JOEさんはテーブルの上にコンロを置き、準備していた材料で豚汁を作る。数分で出来上がった豚汁、味もよく皆さん「おいしい!」「温かい!」と超人気、隣のグループが羨ましそうに、我々の鍋をのぞいている。昼食の後はオヤジさんが用意してくれたコーヒーで一服、今日は贅沢な昼食となる。

やっと藤原小屋に着き 豚汁「おいしい!」「温かい!」と超人気

 昼食も終わる頃、雪も止み日が差してくる。新雪が降ったので天狗岩方面への花観察はあきらめ、今日は藤原岳山頂へ行くことにする。5人は小屋を出て南の斜面を下って行く。風は強いが視界もよく、難なく歩くことができ、たくさんの人が山頂から戻ってくる。積雪は30〜50cm程度だが、柔らかい雪で心地よく歩くことができる。すぐの鞍部から山頂へ緩やかに登って行き、5人は山頂に立つ。なんということでしょう、今まで吹雪いていた雪も止み、ガスも晴れ、周りの山々がぐるりと見渡せて「我々のために、晴れてくれた!」と皆が「私が晴れ男や!」と思ったに違いない。記念撮影も終わり、雪原を楽しむように藤原小屋へ戻って行く。

山頂へ5人は南の斜面を下って行く 雪原を楽しむように藤原小屋へ戻って行く

 小屋に着くと「さあ、下りだ!」と歩き始めるが、オヤジさんはアイゼンがないので、道子のスベラーズでガマンしてもらうが、はたして効果があるかどうか。でも下山途中で倒れることはなかったので、少しは効果があったようだ。下り始める頃から再び吹雪となり、雪の中を下って行く。8合目で小休止し、ここから大貝戸道を下ることにする。もうここまで来ると、長い行列ができ、植林地を下って行く。標高800mを切る頃、皆さんアイゼンを外しているので、我々も外すことにする。ところが少し下った所で、前方で女性が倒れていて、どうやら踏み固まったツルツルの道で滑ったようだ。道子はエアーサロンパス、哲郎は湿布を手渡して見守るが、どうやら大丈夫のようで一安心する。

再び吹雪となり、雪の中を下って行く 長い行列ができ、植林地を下って行く

 JOEさんはピッケルを取り出し、固まった雪を崩し続ける。「やはり、アイゼンをしよう」と言うことになり、再びアイゼンを付ける。標高700m以下になると「もう、いいだろう!」とアイゼンを外す。標高600m付近からは、谷に沿った雑木道に変わるが、一本調子なので楽しくはない。標高500m付近から雑木の中に緩やかになるが、再び急な尾根を下るようになる。

藤原岳登山口休憩所

下の方に家々が見えてくるようになるが、まだまだ標高400mと高い。途中で休憩中のグループを何度も追い抜いて、我々は黙々と下って行く。「あっ!」と目の前に大きな堰堤を見ると長い下りも終わり、だらだらと植林地の中を抜けると、神武神社に着く。そのすぐ先にある西藤原休憩所で、後始末をすることにする。

 水場にはたくさんの人が群がり、ストックやスパッツや登山靴を洗う。こちらの公的な休憩所や駐車場には、必ず洗い場が付いていて「藤原岳=ドロンコ道」なのだろう。「帰りは、関ヶ原からにしよう!」とオヤジさん、目の前に見えてくる伊吹山は白一色、伊吹山の野草観察はまだまだのようだ。滋賀県に入ると、天候は急変し、雪の中を走ることになるが、5人は今日の登山に満足したかのように、賑やかな車内で帰路に着く。皆さん、楽しい山歩きができ、ありがとうございました。






しかし、
私自身は、
この足がたわみそうで、
私の歩みはすべるばかりだった。

詩篇 【 73−2 】
雪割りのフクジュソウ