百里ヶ岳(小入谷越〜根来坂峠)//高島トレイル


 
ブナ林が美しい百里ヶ岳への県境尾根


2011.09.17 (土) 曇り  JOE、小てつ、哲、道

往復車利用:京都 ←→ 小入谷バス停


コース:
小入谷バス停-(15)-小入谷越登山口-(60)-P805-(15)-シチクレ峠鞍部-(10)-高島トレイル出合(百里新道分岐)-(20)-百里ヶ岳-(20)-百里新道分岐-(30)-根来坂峠-(30)-焼尾地蔵堂-(25)-小入谷登山口-(10)-小入谷バス停
(※所要時間は健脚向け)

注意:
バス利用の場合、便数が少ないので注意してください。









 「百里ヶ岳へJOEさんと出かけますが」と小てつさん、二人も同行することにするが台風15号の影響で近畿地方は雨と言う予報。前日のスポット天気予報、何故か「朽木生杉だけ曇り」とあり予定通り決行することになる。

 朝起きると前日の雨もあがり「まずまずの天気や!」と出かける。出町柳駅で比良方面に出かける人も少なく、R367の車もいつもより少なく、皆さん山行きは自重されているようだ。

 生杉のルネッサンスセンターでトイレ休憩とし、小入谷バス停から東の林道へ進入する。斜面にミヤマママコナが咲く川沿いの林道を進んで行くと堰堤に突き当たり、その手前で谷を渡り「百里ヶ岳登山道」とある木柱の所から山道を登って行くと、すぐに登山口のある小入谷越に着く。

小入谷バス停から川沿いの林道を進む 堰堤の手前右にある「百里ヶ岳登山道」へ

 駐車スペースのある小入谷越登山口から、早速4人は登り始める。最初は急な登りで「この先、しんどいかも」と思うが、雑木の中を標高差50m登るとすぐに緩やかな尾根に変わり、また50m登って緩やか尾根を歩く。こんな調子が何度も繰り返され、蒸し暑い天候ですぐ汗をかいてしまい、先が思いやられる。

 しんどい時は足元に咲くミヤマママコナを覗き込みながら一服する。でも一登りしたP650付近から東からの風を受け、気分一新、心地よい登りが続く。

駐車スペースのある小入谷越登山口から 心地よい登りが続く

 そのうち左手に植林を見るようになり、ちょっと興ざめする。その植林もいつの間にか視界から消え雑木の中を歩く。しかし再び植林の端を歩くようになるが、標高720mを過ぎると植林も消え緩やかな雑木の中を歩くようになる。

 足元に落ちている赤いヤマボウシの実を見つけ、「実っている」と木になっている実に手を伸ばすが、「美味しい!」と食べるのは哲郎だけのようである。緩やかな登りの中、標高800mに近づくにつれ太いブナが目に付くようになる。

再び植林の端を歩くようになるが 太いブナが目に付くようになる

 P805を過ぎると北西に下って行き、だんだん細い尾根に変わり右手前方に百里ヶ岳が見えてくる。この細い尾根では足元にミヤマママコナとアセビの群生を見るようになり、両端が切り立っているので展望が良くJOEさんはカメラを向ける。

 細い尾根を登り始めると、途中に大倉谷から登ってくるシチクレ峠に出合うのだが、何処が峠か分からない。4人はすぐ先の鞍部の広場で小休止とする。鞍部には標識があり、気になっていた南谷への取付、広場の東端にマークがあるので、その先の支尾根を下って南谷へ降りるようだ。

展望が良くJOEさんはカメラを向け 4人はすぐ先の鞍部の広場で小休止とする

 鞍部での飲水休憩も終わり県境尾根分岐(百里新道分岐)へ歩き始める。標高差60mの急勾配を登って行くが、休息後すぐの急登はきつい。前方に植林が見えて来きて、県境尾根(高島トレイル)に出合う。

休息後すぐの急登はきつい 県境尾根(高島トレイル)に出合う

 この分岐から北へ取り百里ヶ岳へ向かう。左手の植林もすぐに消え、尾根が細くなりきれいな樹木の中を歩く。尾根の東側の雑木が倒れているので、この付近は北西の風を受け雪庇ができて曲がっているのかも知れない。細い尾根、当然展望が良いというので、皆は立ち止まって東方の山々を見る。百里ヶ岳に近づくと急登が待っていて、最後の登りを楽しむ。

尾根の東側の雑木が倒れているので 百里ヶ岳への最後の登りを楽しむ

 「あ〜やれやれ」と百里ヶ岳山頂に立つが、樹木が伸びていて余り展望は良くない。でも折角きたのだからと、山頂広場をウロウロして木々の間から展望を楽しむ。10時50分、「昼食には早い!」と言っているうちに周囲の山々にガスがかかってくる。

 「ガスが消えるまで20〜30分かかるやろ」「昼食は少し下ったところで」と、4人は山頂を後に引き返すことにする。下り切った展望台でガスの様子を見るが、「ガスが消えたら良い眺めだろう」とここで昼食とする。

百里ヶ岳山頂に立つが 急勾配、下りの苦手な道子は遅れる

 JOEさんは毎度のように調理器具を並べ手際よく料理を開始する。今日は豚汁を作って頂き、「いつも有難うございます」。ユックリの昼食休憩、食後のコーヒーも頂いた後、百里新道分岐へと歩き始める。

 百里新道分岐から右に折れ、高島トレイルを歩き根来坂峠へ向かう。快適な尾根だが尾根の北側にはしばらく植林が続き、「尾根の真上まで植林しなくても」と哲郎の独り言。植林が切れると右手にブナの林が斜面に続き、「キレイや」と覗き込む。

尾根の北側につはしばらく植林が続き 植林が切れると右手にブナの林が

 一登りして白石山と言うピークに立ち南の展望を楽しむ。いつの間にかガスも消え芦生の森から南方の京都北山、東方に比良の山々まで見渡せる。ここから北西に下って行くとすぐに根来坂の峠に着き小休止する。峠にはお地蔵さんがあり、小浜へも感じの良い古道が続いている。

お地蔵さんのある根来坂の峠 小浜へも感じの良い古道が続いている

 「この先に、おにゅう峠があります」と小てつさんが説明する。でもそこからは林道を下ることになるので、今日はこの根来坂の古道を下ることに決める。古道は折り返すように県境尾根に沿って斜面を巻きながらユックリと下って行く。下に林道を見ながら細い道を下って行き白石山直下まで来ると、目の前が開け遠くの比良山系を見ながら展望を楽しむ。

 ここからは南の支尾根を林道と平行して下って行く。この支尾根は左の斜面がず〜と開けていて、山々を楽しみながら下って行く。少し下った所で両面が開けてきて、再び立ち止まって周囲の山々の展望を楽しむ。

斜面を巻きながらユックリと下って行く 目の前に展望が開ける

 P762を過ぎると、古道は林道に合流する。でも東に100m進んだ所で再び古道へ進入する。林道はここから右に大きく蛇行するが、古道を歩けばショートカットできる。ガードレールに標識があり迷うことなく進入できる。

P762まで下りてくると、林道に合流する 東に100m進んだ所で再び古道へ

 雑木の古道を心地よく下って行くと、すぐに林道に出合い、しばらくアスファルトの上を歩くことになる。すぐに焼尾地蔵尊が見えて来て、お地蔵さんが林道脇に残してある。支尾根の林道はしばらく南へ下って行き、・596ポイントで林道が大きく右へ折り返した地点のカーブミラーの横から再び古道へ進入する。

林道脇に残してある焼尾地蔵尊 カーブミラーの横から再び古道へ

 古道は支尾根を南に下って行き、大きく迂回する林道に比べ1/3程度の距離なのだが、細い溝状の道が続き溝には岩が露出していて滑って歩きにくい。溝横を歩いたり溝の中を注意しながら歩くことになる。そうこうしているうちに大倉谷林道横にある登山口に降り立つ。13時30分、早い下山である。

 目の前にこの林道が川を横切るのが見え、4人は川に入り顔を洗い小休止とする。熱気が取れた4人は林道を歩き始め、橋を渡り林道小入谷線に出合う。現在舗装中のこの林道、上根来へ抜けられるが、途中で「落石・崩土のため当分通行止め」という看板を見る。

小入谷の登山口に降り立つ この林道が川を横切るのが見え

 4人は今日の登山に満足しのだろう、足取りも軽く谷沿いの道を小入谷バス停へ向かう。ルネッサンスセンターで着替えと後始末を終え、小てつさんが用意してくれたビールで喉を潤す。

 京都への帰路、予報より早く雨が降り始める。R367線に出ると大粒の雨が降ってきて、今日の山行きからは予想できない天候となる。坊村にはまだたくさんの車が並んでいて、皆さん無事に下山できるかなと心配する。我々が雨に合わなかったのは、ただ運が良かっただけのようだ。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14−7】
登山道に転がるヤマボウシの実