城丹国境尾根(井戸祖父谷〜茶呑峠)//北山


 
「ここはいつも落ち着く」という森を通り
天童山へ登り始める


2011.05.14 (土) 晴れ  哲、道

行き:JR京都駅 6:50− 周山バス停 8:15−井戸バス停
帰り:周山バス停 16:40 − JR京都駅


コース:
井戸バス停〜井戸祖父谷林道〜イモジ谷分岐を右〜小祖父谷分岐右〜ジョーラク峠分岐の次の林道分岐を右〜林道終点〜大谷峠〜飯森山〜天童山〜茶呑峠〜殿橋〜周山バス停

注意:
小祖父谷林道終点から城丹国境尾根へは道がありません。初心者だけで行かないようお願いします。井戸から城丹国境尾根へは祖父谷峠道や石仏峠道を利用してください。









 今週も北山の野草観察に出かける。井戸祖父谷へ向かうため、JR京都駅6:50始発のバスに乗ることになる。早朝にもかかわらずたくさんの乗客であるが、高雄を過ぎる頃にはいつものように数人となる。周山から井戸へは8:15小塩行きと8:20灰屋行きが利用できるが、早いほうの小塩行きに乗る。乗客は我々2人で申し訳ありません。

 城丹国境尾根の緑と、大堰川の流れを楽しんでいるうちに井戸バス停に着く。いつものようにバス停の待合室でユックリと準備する。準備も終えすぐの分岐を右にとり、橋を渡り井戸祖父谷の林道を歩き始める。

バスは小塩へ向かう
廃村八丁へは小塩から取り付いても良い
右にとり橋を渡り井戸祖父谷の林道へ
祖父谷峠まで5kmとある

 民家を過ぎ山合へ入ると、舗装された道の上が落葉で汚れているのを見る。今週の大雨で、路上を大量の雨水が流れたようで「警報がでたからな!」と。井戸祖父谷に出合うと、目の前の堰堤からはゴーゴーと水が落ちていく。山椒の葉を摘みながら堰堤の上流を覗くと、川の流れが大きく変わったのだろう、ピンクのクリンソウは1輪も見当たらない。さらに上流の川辺に咲いていたクリンソウは大きくえぐられて、ここにもピンクの花は見当たらない。

 「え〜っ」と川を見渡すが、大雪で倒れこんだ植林が目立つだけである。「ミヤマカタバミやイカリソウは終わっているし、オカタツナミソウはまだやし」と淋しい歩きとなるが、遅咲きのヤマルリソウだけが静かに咲いている。

堰堤からはゴーゴーと水が落ちていく 谷にクリンソウは無く倒木が目立つ

 途中でワラビに手を伸ばしながら歩いて行くので、今日はユックリの歩きとなる。最初の谷分岐で右にとり、橋を渡り祖父谷への道をとる(左はイモジ谷で石仏峠へ通じる)。右の谷は所々白いおおきな石が見えるので、この大水で上流から転がってきたのだろう。

 次の橋で本道を進み橋を渡る(左は井戸祖父谷沿いの作業道で、途中で途切れている)。今度は左に谷を見ながら歩くことになり、新緑の雑木を楽しむ。

右へ橋を渡り祖父谷への道をとる
(左はイモジ谷で石仏峠へ通じる)
次の橋で本道を進み橋を渡る
(左は井戸祖父谷沿いの作業道で)

 道子は立ち止まり足元を見る。ここは日当たりが良いのだろうキランソウがたくさん咲いている。次の橋までは短くすぐに小祖父谷林道分岐に着き右へとる(左は祖父谷峠へ向かう、祖父谷峠へは次の分岐で右にとり南へ進む)。すぐの日陰で小休止後、小祖父谷の林道を登って行く。

足元のキランソウを楽しむ 小祖父谷林道分岐で右にとる
(ジョーラク峠への道)

 ここから林道上に土砂が増えてきて、所々谷筋からの土砂が道路を横切る。すぐに橋を渡り舗装された林道を進む。林道は大きくZ状に折り返して登って行く。林道は小祖父谷に沿って南西へと進み、いつの間にか舗装は無くなる。右手の斜面の上からコロコロと石が落ちてくる。たくさん落ちてくるので上を見ながら急ぎ足で歩く、ここはもう一雨あれば崩れていたであろう。

 上を見ながら歩いていた道子は、「あれヤマウドや!」と。先ほども崖上にもあったが今度は少し低い所にあるので、結局哲郎がちょっと登って頂くことになる。

谷筋からの土砂が道路を横切る 上を見ながら急ぎ足で歩く

 左下に見える小祖父谷は大きく洗われ深くえぐられている。「以前谷を歩いて標高500mまで登って行ったが、もう歩けそうにもないな〜」。橋を渡ると間伐モデル林、下のミカエリソウが綺麗だが「大きな木も倒れている」と道子。

 もう谷は細くなり山や谷は落ち着いてくる。上流に来ると雨水が少ないからだ。足元に咲くたくさんのヤマルリソウを見ながらジョウラク峠の分岐を通り過ぎる。そこから150mも進めば最後の分岐に出合い右にとり、小さな谷沿いの林道を登って行くと林道終点に着く。

ジョウラク峠分岐から150m
最後の分岐を右にとる
両側に細い谷がある
林道終点で小休止

 林道終点から大谷峠までは標高差100mちょい、目の前の斜面を越えていくのだが急斜面で登れない。この斜面の真後ろに溝状の古道の跡があり、大谷峠までそれを辿ることになる。前回左の谷から侵入したが、今日は「右の谷からの方が良さそう!」と道子はさっさと右の谷へ向かう。

 右の谷から谷を渡り溝状の古道の跡まで来るが、古道は倒木で埋まっているので、その傍を歩くことになる。溝は大きな石の間を通り斜面を巻いて行く。最初左の谷へ進んで行くがすぐに右に折れ植林地の中を歩く。倒木があるが難なく進め、大谷峠直下のミカエリソウが茂る植林地に出る。前回はここから峠までミカエリソウの中を直登したが、今日はここを横切り右の斜面に続く古道を登ることにする。

よく見ると溝状の古道があり
大谷峠までそれを辿る
ミカエリソウの植林地を横切り
右の斜面に続く古道へ

 古道はジョウラク峠から尾根伝いに来るポイントに出合う。ここは我々が最初にジョウラク峠からやって来たポイントでテープもあるが、よく見ると道なんぞない所であった。古道はジグザグに登って行くが、そのうち溝が無くなり薄い踏跡に変わり、植林地を巻いて行くと前方が明るくなり大谷峠に着く。

 小休止後、城丹国境尾根を右にとり飯森山へと登って行く。標高差70mの登りだが爽やかな天気、難なく登りきり「昼食にしよう!」と言うことになる。丁度12時、お昼のサイレンが聞こえてきて、風が通る木陰に座りオニギリを食べる。

前方が明るくなり大谷峠に着く ちょっと小広い飯森山山頂

 昼食後はいつものコース、天童山から茶呑峠へ向かう。ここから天童山までは、赤いヤマツツジが目を楽しませてくれる。反射板を過ぎ心地よい雑木の森を通り抜け天童山へと一登りする。飲水休憩後、西のヒノキの急斜面を下って茶呑峠へ向かう。

新緑が美しい城丹国境尾根 天童山からヒノキの間を西へ下る

 茶呑峠へ降り立つと、13時50分、「今日はワラビやヤマフキを頂いて帰ろう」と、帰りのバスはユックリの16:40周山発に設定する。今日はまだクリンソウを見ていないと、鳴堂へのトレイル道にある群生地の様子を見に行くことにする。

 「あれ〜、これはひどい!」、トレイル道として整備されクリンソウが少なくなっていたが、さらにクリンソウの上に杉の倒木が覆いかぶさっているではないか。枝を移動するが、もう以前のようなピンクの群落をお目にかかれないような気がする。

茶呑峠に降り立つ 荒れたトレイル道のクリンソウ群生地

 カモチ谷を下って行くと、いつも目を楽しませてくれた谷沿いのクリンソウが無い、ここも大水で流されたようだ。谷は大きくえぐられ深くなっている。また荒れた支流もたくさん目にする。それでも下流へ行くと、大株のしっかりしたクリンソウが所々で咲いていて、一安心する。林道の道端にはオカタツナミソウではなくまだヤマルリソウが咲いていて、「遅れているな〜」と哲郎。

オオカワヂシャが賑わう 咲き始めたギンラン







主が声を出すと、
水のざわめきが天に起こる。
主は地の果てから雲を上らせ、
雨のためにいなずまを造り、
その倉から風を出される。


エレミヤ書 【10−13】
ハルリンドウよりちょっと小ぶりの
フデリンドウ