小野村割岳(ワサ谷〜サエ谷)//北山 2011.07.02 |
雑木がうっそうと茂るサエ谷を下る |
2011.07.02 (土) 曇り 哲、道
コース: 下ノ町バス停[9:50]〜ワサ谷林道〜ゲート〜谷分岐〜林道分岐を左〜林道終点〜小野村割岳〜P911〜南尾根分岐の鞍部〜シダ群生地を下る〜斜面を下りサエ谷の滝下へ〜(サエ谷)〜林道終点出合〜ホラノ谷分岐出合〜桃木小屋〜[16:00]広河原バス停
注意:
サエ谷に道はありません。サエ谷源頭は滝になっているので南尾根に沿って少し南下して斜面を標高差100m下り滝下に出る。サエ谷は狭いV字の谷で初心者危険コースです、初心者だけで谷へ入らないようお願いします。 「もう、梅雨が明けたのやろか?」と思うほど連日暑い日が続く梅雨の中休み、何処へ行こうという予定が無い時は愛宕山か小野村割岳になる。「ヤマアジサイやジキタリス、バイケイソウが咲いているだろう」と小野村割岳へ出かけることにする。 下ノ町で降り、バス停でユックリと準備する。「バスの冷房が寒かった!」という道子は日に当たりながら準備している。「そろそろ」と、林道に咲くヤマアジサイやウツボグサを見ながらユックリと歩き始める。 民家の前まで来て前方を見上げると、高い所に木材を運ぶケーブルが張ってある。民家の裏山が伐採してあり、「地すべり、大丈夫かな〜」と哲郎。横からいきなり「山へ行かはるんですか?」と声がかかり二人はビックリする。いつもお会いする奥さんであり、「ウバユリもツキミソウもシカに食われて!」とのことで、目の前にいつも見るオオマツヨイグサは見当たらない。
彼女は家からパンの切れ端を持って来て川へ投げ込むと、隠れていた沢山の小魚がパンに群がる。これを見ているのが楽しいのだろうが、今日は三人で見ることになる。彼女は「夜にはホタルが群がり、自然が多いここの生活がいい」と満足気に語る。10分も話し込んでしまい、パンが動かなくなったところで、彼女と別れ再び林道を歩き始める。 前方から木材を載せたトラックがやって来る。「土曜日もやっているのか」と、二人は通過するまで植林地へ入り道を空ける。初夏には白い花で埋まる谷沿いだが、今はヤマボウシとマタタビの白が目立つ。
途中で植物観察をしていると後ろから先ほどのトラックがやって来るが、後ろ向きで進んでくるので「伐採地は近いようだ!」と哲郎。すぐに数台の車が止まっている作業場に出合うが、伐採はコウンド谷との尾根付近で、頭上のケーブルに吊るされた材木がこちらにやって来るので、急いで作業場を通り過ぎる。 やっとゲートに着きコンクリートの橋を渡るのだが、先を行く道子が飛び上がる。「ヘビや!」「2匹もいる!」と道子。「いつものヘビやろう!」と哲郎は橋の上で飲水休憩とするが、傍にいた蛇はいつの間にか消えていく。休息も終わり、ここから少しずつ登って行き、林道に咲くジキタリスを見ながら谷分岐へと進んで行く。
今日は雲っていてくれ風もあるが、やはり梅雨、谷で濡らしたタオルで何度も顔を拭く。それでも林道は緑いっぱいで気持良い。谷分岐の橋に着き谷へ入り顔を洗う。2本の土管でできためがね橋なのだが、2本とも流木で埋まっているのを見て、流木を取り除くことにする。片方は流木が土砂で埋まっているのでスコップが無ければ無理なようで、1本だけ取り除くことにする。 毎度のようにここで流木を取り除いているが、暑い夏、水遊びと思えば良い。20分の水遊びも終わり、急な林道を登り始める。足元のコナスビなどの黄色い花を見ながら上って行くが、「やはり暑い」と何度も小休止する。林道分岐を左にとりゴロゴロ石道を登ると林道終点に着く。
林道終点の岩を越え、小野村割岳からの支尾根の取付に来て、「ここでお昼にしよう」と昼食休憩とする。いつもより30分は遅れているが「夏はこんなもんだ」と哲郎。昼食も終わり手洗い用に空いたペットボトルに谷水を入れる。 目の前の急坂を30m上り支尾根を登って行くと15分で小野村割岳に着く。目の前の三角点に咲くコナスビを見ながら小休止、すぐに西の佐々里峠への尾根を歩き始める。
二人は緑一杯の尾根を心地よく歩いて行く。時々右下の白いヤマボウシで埋まる谷を覗きこみ小休止する。樹木で日も遮られ快適な歩きが続く。周囲の木々からはセミの声が聞こえてきて「あれはミンミンゼミではないな〜」「ヒグラシか〜?」と適当な会話、セミの種類も判別できない二人である。 そのうちP911に立ち、南尾根分岐の鞍部へと下って行く。13:50「今日はユックリやった!」と、南尾根分岐に着く。
南尾根分岐付近にはピンクのヤマボウシがあるが「ピンクと白では実の味が違うのやろか?」と思う哲郎であるが、はたして調査できるかどうか?。鞍部のバイケイソウの中に入り花を探すのだが、花芽はシカに食われたのかほとんど見当たらない。やっと花茎を見つけるが、花はこれからのようだ。 「今日はサエ谷を下ってみよう!」と哲郎。膝が心配な道子は余り気乗りしないようだが、「どのルートでも下りはあるし、何処もいっしょや!」と道子にシダの群生地から下るように言う。
シダの群生地を過ぎると谷間が出来てきて、ここがサエ谷の源頭なのだが、このまま下って行くと滝のような崖に出合う。「ここは危ないだろう」と、少し引き返した斜面を南尾根に沿って南下し、下れそうな斜面まで移動する(地形図で標高750m等高線が西に最初に膨れている斜面)。 「下れそうな斜面」と言っても急斜面、木々を掴んで下ることになる。標高780m付近まで下ると前方に広場のような茶色い地面が見えて来て、勾配も緩やかになってくるので、斜面を右手に進みサエ谷の滝(崖)の下に出る。
崖下のサエ谷へ降りて下り始める。谷の岩は滑るので谷横を歩くことになるが、V字の谷、谷横が歩けない時は谷の中を滑らないよう注意しながら歩く。所々で雑木が行き手を遮ると、青々とした葉を掻き分けて進んで行くが、葉に点々と空いている虫食い葉を触るのは心地良いものではない。 谷は支流と合流し次第に広くなっていき、だんだん歩きやすくなる。林道終点から2番目の支流に出合うと植林が見えて来て、その先は前回尾根から急斜面を下ってきたポイントである。
「あ〜、やれやれ!」と二人は植林地を歩き、林道終点から1番目の支流を跨ぎ、間伐の倒木を避けながら植林地を進んで行くと林道終点に着く。 15時25分、1時間半の谷の遡行も終わり「予想以上に、時間かかったな〜!」と言いつつ小休止する。この谷、夏は雑木が茂り歩きにくいので余りお勧めできないようだ。「16時には広河原に着くだろう」とユックリ林道を下り始める。林道にはヤマゴボウの白い花が咲き始めている。
バス停へ向かって歩いているとグミの木があり、余りにも美味しそうなので手を伸ばすが、酸っぱさが口に残り余り美味しいものではないようだ。傍の川で後始末をし、庄兵衛さんへ向かうが電灯が消えている。「え!、休みなの!」と近づいて行くと、女将さんが飛び出してきて手で○のマークを描き、「ビールが飲める!」と、やれやれの哲郎である。
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