小野村割岳(ワサ谷〜南尾根)//北山
2011.08.20


 
軽いヤブコギも心地よい南尾根


2011.08.20 (土) 曇り後雨  哲、道

行き:北大路駅前8:02(京都バス)− 下ノ町
帰り:広河原17:00 − 北大路駅前


コース:
下ノ町バス停〜ワサ谷林道〜ゲート〜林道終点〜小野村割岳〜P911〜南尾根分岐〜P781東方ピークを南へ〜P700〜P711手前の尾根を南西へ〜P680〜広河原バス停

注意:
南尾根、所々で軽いヤブを漕ぐところもあり、小さな支尾根の分岐に出合うが南に取れば迷うことは無い。桃木小屋へはP781東方ピークから西にとりP781を経由して進む。広河原バス停へはP781東方ピークからさらに南に進み、P711手前で南西への支尾根を進む。南尾根に道はありません、初心者だけで出かけないようお願いします。









 「広河原地区、夕方から雨」と言う予報だが小野村割岳へ出かける。北大路駅前バス停でのんびりバスを待っているとザックを背負った方が3名やってきて、その後方に十数人の学生さんがゾロゾロやって来る。「後ろの方も一緒ですか?」と道子が尋ねると「そうです!」という返事が返ってくる。どうやら先生と生徒で廃村八丁へ出かけるようだ。

 やって来た広河原行きのバスに乗ると、この雨模様の日にもかかわらず十数名の団体さんが乗っている。ということで若い学生さん数名が立っての発車となる。バスが下ノ町に着くと、学生グループと登山グループと我々、約30名がゾロゾロとバスを降り、久し振りに下ノ町バス停は賑わう。学生さんたちは菅原へ向かい、我々も登山グループが歩き出す前にワサ谷林道を歩き始める。

たくさんの人で賑わう下ノ町バス停 バス停横の広場では松あげの準備が

 林道を100m進んだところで後方のグループも歩き始めたようだ。バスの中では、「槍やジャンダルや西穂」の話が飛び交っていたので「このグループはハイキングクラブではなく登山クラブだろう」と哲郎。また彼らのリーダは「小野村割岳から大段へ向かいます」と言っていた。だから「ユックリの我々はすぐに追い越されるだろう」と思う二人。

 橋を渡り最後の民家を通り過ぎワサ谷林道を進むと、前回もうなくなっていたと思っていたツキミソウが目にとまる。

民家を通り過ぎワサ谷林道を進む オオマツヨイグサ

 林道に花っけは無く、周囲は緑一色である。今日は涼しいと言っても、今は夏、途中で谷に入り顔を洗いタオルを濡らし涼をとる。「もうそろそろ追いついてくるだろう!」と言うものの彼らの影が迫ってきた様子は伺われない。

 「何や、ゆっくりやな〜」と谷を出て再び林道を歩き始める。途中で何度も振り返るが全くやって来る様子は無く「彼らは本当に登山クラブ?」と思ってしまう。とうとうゲートまでやって来て我々は小休止する。

林道に花っけは無く、周囲は緑一色である ゲートまでやって来る

 橋の上で小休止後、名残のジキタリスを見ながら、少し登り始めた林道を進んで行くと、地面が大水で割れ、林道終点近くのゴロゴロ石道よりも荒れてきている。

 足元にベニバナボロギクが続くのを見て、「去年、この林道から消えていたのに・・・」と不思議に思う二人。そうこうしていると谷分岐に着き二人はまた谷へ降り涼をとる。橋の土管に今日は流木が溜まっていないので、「今日は、掃除の水遊びは無しや!」と休息も5分で出発する。

名残のジキタリス 地面が大水で割れ

 谷分岐から傾斜のきつくなる林道、二人は黙々と登って行く。林道分岐を左にとると林道は通れるだけの隙間を残し低木で覆われる。クサギが多くもうすぐ咲きそうだ。

 今日は風が無いが曇っているので、難なくゴロゴロ石道を登って行き林道終点に着く。岩を越えた谷のそばでいつものように昼食とする。15分の昼食休憩中も登山グループはやって来ることは無く、「こんな遅い足では大段へは行けへんで!」「ほんまに、登山クラブかいな〜」と哲郎。

通れるだけの隙間を残し 林道終点に着く

 昼食後、我々が小野村割岳への支尾根を登り始める頃、林道終点付近で話し声が聞こえてくる。「こんなにユックリな歩きやったら、大段は無理で、最終のバスも間に合うやろか?」と道子も心配する。

 数分で山頂に着き、すぐに西の佐々里峠方面の尾根を歩き始める。今日は風はないが曇っているので心地良い歩きが続く。

小野村割岳から西の尾根を進む 心地よい歩きが続く

 なだらかな尾根、足元にはヤマジノホトトギス、頭上にはヤマボウシ、これらを観察しながらユックリと歩いて行くとP911に着く。ここは佐々里峠方面からやって来た場合は迷いやすいので、最近標識を見るようになる。

なだらかな尾根が続く 足元に咲くヤマジノホトトギス

 P911から西へ下って行くと、すぐに南尾根への分岐があるバイケイソウの鞍部に着く。今日は南尾根を楽しむのだが、その前にバイケイソウの鞍部を散策する。シカに食べられたのか、バイケイソウは茎を残しているだけである。去年見たツチアケビを探すが、今年は赤い実を見る事はできない。

P911から西へ バイケイソウの鞍部を散策

 南尾根分岐に戻り、早速南尾根へ進入する。南尾根は薄い踏跡を辿って行くのだが、途中に巨木もあり素朴な尾根で哲郎のお気に入り。途中にある小さな支尾根へ迷い込まないよう注意が必要だが、支尾根に出合ったら左を取れば良い。時々南へ向いて歩いているか確認しながら歩くことだ。

 尾根は歩き良い所だけではなく、時々低木の杉を掻き分けて進む。まだ13時過ぎなのにパラパラと雨が降り出す。「予報より早いな〜」と言いつつ様子を見ながら歩いて行くが、P781手前の鞍部まで来たところで雨足がきつくなり、二人はレインウェアを着てザックカバーをつける。

南尾根 だんだん杉の低木が増えてくる

 鞍部から小ピークを越えてP781東方にあるピークに着く。このピークから西の尾根を進むとP781を経て桃木小屋へ下ることが出来る。今日は広河原バス停へのコースなので、このピークからさらに南の尾根を目指す。

 尾根を下って行くと、尾根が広がりはっきりしなくなるが、ここは南を確認しながら下って行く。尾根は細くなり、しばらく低木の杉が密集し歩きにくいが、尾根を外れないように下って行くと尾根が広がって歩きよくなり鞍部に着く。

P781東方ピークから南へ下る 尾根が広がって歩きよくなり

 標高700mのピークを越えると尾根はさらに広がりユッタリしてくるので、ここは右寄りに歩いて行きP711手前から南西の尾根に乗る。少し進むと大きな倒木に出合い「ここやった!」と倒木の右端を通って行く。

 ちょっとした鞍部、左手の草むらはP711との間にある小塩谷の源頭で、谷を下って行けば尾花町バス停へと続いている。広河原バス停へは目の前の斜面を登って行き尾根を進む。

P711手前で南西の尾根をとり
出合った倒木の右端を通る
左は小塩谷の源頭、広河原バス停へは
目の前の斜面を登って行く

 次の鞍部から斜面を20mも登って行きピークを過ぎると、左手にネットが続き、それに沿って下って行く。ネットが消えシダの鞍部から再び登ると最後のピークに着く。そこに簡単な標識があり「???」、「広河原バス停」の表示が無い。

 このコース久し振りなので少し考えて「この表示は間違っている!」「尾花町ではなく広河原バス停や!」と哲郎。二人は直進しすぐ先で右に折れ細い尾根を下って行くと、アンテナを見てケーブルに沿って下って行く。

ネットに沿って下って行く 表示が間違っていて「広河原バス停」や

 ケーブルは、最後は西の谷へ下りて行くのでケーブルから離れ、植林地の右端を下って行くと、下にバス停の広場が見えてくる。10mくらい急坂の獣道をジグザグに下りバス停裏のお墓に降り立つ。15時30分、バスには早いので近くの河原で涼をとり、庄兵衛さんへ寄る。

 16時30分を過ぎ、哲郎はビールを飲みながら登山クラブの人たちが下りてくるのを待つがやって来ない。「彼らは、どうしたのやろか?」と道子。

植林地の中のケーブルに沿って バス停裏のお墓に降り立つ

 二人は17時00分発のバスに乗り下ノ町に着くと、朝の学生達と先生、それに、なんと登山クラブのグループも乗ってくるではないか。小野村割岳から引き返してきたようだが、雨が降ってきたので引き返してきたのか、道が不鮮明なので引き返したのか、いずれにせよ「彼らはハイキングクラブや!」と哲郎。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14−7】
秋が待ち遠しいヤマボウシの実