品谷山(ダンノ峠〜品谷山〜佐々里峠)//北山
2011.04.16


佐々里峠から品谷山への尾根
北風が強く寒くてイワウチワは咲いてくれない



2011.4.16 (土) 曇り時々雨  哲、道


行き:北大路駅前バス停 8:02 − 菅原バス停
 
帰り:広河原バス停 17:00 − 北大路駅前バス停



コース:
菅原バス停〜ホトケ谷道〜尾根コース〜ダンノ峠から北の尾根へ〜佐々里峠からの尾根に出合う〜P866〜品谷山〜P866〜ダンノ分岐〜佐々里峠〜広河原バス停








 「廃村八丁へ、イワウチワを見に行こう!」と予定していたが、広河原地方はず〜と雨の予報、それでも前日に「曇り」の予報に変わったので出かけることにする。貴船で17 ℃、花背峠で14℃と今日は朝から暖かい。花背峠を過ぎると空はどんより曇ってきて、ついにバスのワイパーが動き始める。菅原で一人の女性とともに降り、我々はバス停の小屋に飛び込むが、彼女はスタスタと廃村八丁へ歩き始める。

 小さな雨が降ったり止んだりしているので、雨具をどうしようかとグズグズしていると雨が強くなり、結局「雨具を上下着よう!」言うことになる。そんなことで準備に20分もかかり「さあ、出発!」と言う頃には、雨は上がってしまう。橋を渡りすぐの分岐は「雨が降るから」と右にとり、ホトケ谷道を進む。

菅原で降りバスを見送る 右にとりホトケ谷道を進む

 最後の民家を過ぎ、橋を渡って植林地の中に入って行く頃には、足元に20〜30cm積雪が邪魔をし、時間がかかってしまう。尾根コース分岐から、尾根コースを選び登って行く。すぐのイワウチワの群生、道子がツボミを見つけるが、ここは日当たりが悪いのだろう、まだまだどれも固い。登るにつれ汗をかいてくるので、服を調節し雨具の下にシャツ1枚となる。

 さらに登って行くと、二人とも「暑い暑い!」と今度は雨具のズボンを「もう要らないだろう!」と脱ぐことにする。やっと登り詰めたイワウチワの尾根の一角に、少しだけ開いているイワウチワを見る。「こんな天気で、咲いていてくれて、有難う!」。今日一日、結局咲いていたのはここだけであった。尾根にタムシバは咲いているがイワウチワはまだまだ先のようだ。ダンノ峠への登りにも雪が残り、雪のない所を選んで登ることになる。

植林地へ入ると残雪が邪魔をする イワウチワ、咲いてくれ有難う

 ダンノ峠で小休止、「この先、谷筋には雪が残っているだろう」と峠から北の尾根を進み、品谷山から八丁へ向かうことにする。ダンノ峠からの斜面を登り切ると、尾根は西に向きを変えるのだが、この付近からガスが発生してきて、周囲の様子が分からなくなる。

 そのうち足元にイワウチワが尾根に続くようになり、ツボミの状態を見ながら歩いていると、変な支尾根に入ってしまい道がはっきりしなくなる。「ここはどこだ!」とガスの中ウロウロするが分からないので、地形図を取り出し確認する。進入した支尾根は桂谷へと下っているようで、分岐まで戻り北西の尾根を取る。踏跡が無くガスが発生している時には、地形図と磁石が必要である。

ダンノ峠から北の斜面を登って行く ガスが発生してきて

 右手に雪で痛んだネットが見えて来て、少し進むと佐々里峠からの尾根に出合う。この分岐には標識が付けられていて、ガスの時には助かる。ここからP866までは南西に進む。ちょっと小広いP866、その奥に一人の男性が座っていて、昼食でもとっているのであろうか?。道子は彼の方へ歩いて行くので「そっちは違うで!」と哲郎が叫ぶ。どうやらガスで尾根の感じがつかめないようで、歩き慣れた道でもガスの時は注意が必要だ。風化木のあるピークから西の尾根を進んで行くと、心地よいブナの林を抜けて行く。

佐々里峠からの尾根に出合いP866へ 風化木のピークを過ぎると

 少し下がって残雪のある鞍部を過ぎると、品谷山への緩やかな登りが始まる。「少し寒くなった!」とシャツ1枚を重ねていると、先ほどの男性が後方からやって来る。きっと八丁へ行くのだろう、彼は黙々と通り過ぎガスの中へ消えて行く。12時30分に品谷山に着き南に少し下って、風の当たらない所で昼食とする。

品谷山に着き 風の当たらない所で昼食とする

 まだ廃村八丁へ十分行ける時間だが、「イワウチワが、咲いていない!」と道子、結局ここで引き返すことにする。昼食後は三角点から東へ歩き始める。引き返すといっても、有り余る時間、結局二人はユックリ歩くことにする。朝からのガスは依然として漂い、尾根には北風が強く当たるようになる。前線が通過したのであろう、天候が冬型に変わったようだ。

 鞍部からの細い尾根は北風がさらに強くなり、結局二人とも急ぎ足となる。風化木のあるピークから左の尾根へ進みP866を過ぎると、すぐにダンノ峠分岐に着いてしまう。17時のバスにはまだまだ時間があるので、一番時間のかかる佐々里峠へ進むことにする。

細い尾根を急ぎ足で ダンノ分岐から佐々里峠へ

 分岐を左にとり急斜面を下り始める。ここにはイワカガミやイワウチワが続くが、いずれも開花したものはない。でもピンクのツボミがあるので来週には楽しめそうだ。右手にオバナ谷源流の残雪を見ながら急斜面を下り切ると、あとはだらだらした下りが佐々里峠まで続く。ユックリ歩き始めた二人は、足元に落ちている倒木や枝に手を伸ばし、それを道端によけながら佐々里峠へ向かう。

 佐々里峠に降り立つと、もうすっかり雨も上がりガスも取れてくる。オバナ谷へ下る道は雪に埋もれているので車道を下ることにする。まだまだ時間があるとユックリ歩いていると、冷え込んで頭が痛くなってきた哲郎は、雨具の下に上着を着込む。道端のサクラはまだまだで、広河原の春はこれからのようだ。所々に残雪を見る山々だが、目の前の植林地の緑の中に白いタムシバが綺麗。

佐々里峠に降り立つ 白いタムシバが綺麗

 スキー場前まで来て、いつものようにオバナ谷で用具を洗い後始末をしたあと、庄兵衛さんでバスを待つことにする。「冷えた身体に冷たいビールでは」と哲郎は、冬には携帯しているウイスキーを注ぐ。横でホットミルクを飲んでいる道子は「何も冷たいビールを飲まなくても!」とあきれ顔。






木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。

ヨブ記 【14−7】
面白い形をしたマルバマンサクの花