城丹国境尾根(薬師峠〜大谷林道〜天童山)//北山
2011.10.18


 
山国のパラグライダー基地からの展望は
吸い込まれそうになる大文字山の火床のようだ


2011.10.18 (火) 晴れ  哲、道

行き:北大路駅前バス停8:23 − 岩屋橋バス停
帰り:周山バス停15:40 − JR京都駅


コース:
岩屋橋バス停〜志明院〜薬師峠〜大森東町〜(大谷林道)〜林道終点〜飯森山直下鞍部〜天童山〜天童山西尾根〜パラグライダー基地〜竜ヶ坂〜カモチ谷〜殿橋〜周山バス停









 「比良や鈴鹿の紅葉にはちょっと早い」と言うことで、今日は城丹国境尾根周辺を散策することになる。北大路駅前バス停8:23発、岩屋橋行きのバスに乗る。平日だがハイカーが乗っていて山幸橋で降りる二人を見て、「きっと氷室へでも行くのやろ」と道子。

 終点の岩屋橋で降り、橋を渡った所でユックリと準備する。民間の庭先にはキブネギクとシュウカイドウが綺麗に咲いている。「今日のルートには、秋の野草が咲いていないかも知れない」と哲郎はHP用にこれらの花をデジカメに収める。

紅葉はまだまだの岩屋橋バス停 庭先に咲くシュウカイドウ

 春にはたくさんの花が楽しめる志明院への道を歩き始めると、期待していなかった秋の野草が目に付き始める。オオルリソウの小さな花が咲いていて、梅雨時分から咲く花なので「長く咲くもんや」と感心する。ベニバナボロギクも色付いているが、この花はこれ以上開くと種が飛散してきて汚くなる。

 秋定番のアキチョウジやミカエリソウにツリフネソウ、アケボノソウにハナアジサイ、それに色々な野菊と珍しい花はないものの秋の野草が続き、二人は花を見ながらユックリと歩くことになる。

ベニバナボロギク まだ咲いているオオルリソウ
ツリフネソウ クサアジサイ

 志明院からの登山口に着き小休止とする。登山口から登り始めるとすぐに植林地に入り、足元にアケボノソウやマツカゼソウが続く。植林地を抜けると細い谷沿いを歩いて行き、周囲の紅葉はまだまだのようだが、心地よく歩いて行き薬師峠に着く。

志明院の登山口に着き小休止とする 心地よく歩いて行き薬師峠に着く

 2分の飲水休憩後、大森へ峠を北に下って行く。すぐの分岐を左にとり植林地の中を歩くのだが、今日は平日なのでアチコチからチェンソウが鳴り響く。細い谷はだんだんシッカリしてきて、道の勾配もゆるくなってくると谷間が広がり、前方に遠くの山々を見ながら下って行く。

 谷にオタカラコウの黄色い花を見ると、大森東町にあるゲートボール場に着き、道子はトイレを借りる。小休止後、車道に出合い右に折れ、大森キャンプ場の傍を通り大谷峠へと歩き始める。

大森へ峠を北に下って行く 大森東町にあるゲートボール場に着き

 目の前が開けてくると、桟敷から城丹国境尾根周辺の山々が目に飛び込んでくる。大谷に沿って歩き始めると林道に沿ってミカエリソウが続く。このミカエリソウは低所では葉が虫に食われ無残な姿を見るが、高度が上がってくると葉が残りピンクの花が綺麗だが「見返る」ほど綺麗な花ではない。

 谷沿いを登って行くと谷間が狭くなるが、一登りすると再び谷間が広がり明るい植林地の中を歩くことになる。道端にはアケボノソウや、赤く熟したヤマシャクやサルトリイバラの実や、ミヤマママコナの花を見ながら林道終点へ向かう。

ミカエリソウ ヤマシャクの実
サルトリイバラの実 ミヤマママコナ

 ここの植林地もチェンソウの音が響き、冬に向けての枝打ち作業が忙しそう。道路には重機が入り、大雨で痛んだ林道を修理していて、いつも出合うことの無い人に今日はたくさん出合うことになる。明るい林道をつめて行き道の舗装が終わった所、いつもと同じ所で昼食とする。

アケボノソウがたくさん 明るい林道をつめて行き

 15分の昼食休憩も終わり、林道終点へと歩き始める。もう林道と言っても細くなり谷間も狭くなり、ちょっと暗くなった植林地を登って行くと5分で林道終点に着く。道子は足元を見て「今日はいない!」と、いつも出合うヘビを気にしながら早速登山口から登り始める。今日はいつもより明るくなった植林地、上を見上げると枝打ちされスッキリしているが、足元の踏跡は打枝で埋まりはっきりしない。

 谷沿いに登って行くと、大谷峠と飯森山南鞍部への分岐に着くが、昔からある小さな標識は皆さんの努力によりまだ健在のようだ。分岐を左にとり今日は飯森山直下の鞍部へと向かう。

5分で林道終点に着く 昔からある小さな標識

 大岩が点在する植林地、打ち枝で踏跡はハッキリしないが、ちょっと左上にチラチラと明るく見える所が鞍部なので、そこを目標に登って行けば良い。林道終点から15分で鞍部に出て小休止とする。ここが城丹国境尾根で左にとり天童山へと向かう。

植林地の中、だんだん登り始めて 飯森山直下の鞍部に着く

 城丹国境尾根、紅葉には少し早いが黄葉し始めた木々を楽しみながら快適に歩いて行く。二つ目の反射板からユックリと展望を楽しみ天童山へ向かって行く。美しい森を抜け一登りすると天童山に着き小休止とする。「え〜」と二人、目の前に「京都トレイル」の新しい標識【D4】を見る。

 標識を見ると茶呑峠から天童山までがサブルートとして追加されたようだが、茶呑峠の上に「パラグライダーフライト基地」とあり、またまた「え〜??」と二人。小休止後天童山からの下山、「今日は、南西すぐの所にある標高720mのピークから、西に伸びる尾根を進んで竜ヶ坂方面に進もう!」と二人は下山を開始する。

黄葉し始めた木々を楽しみながら 天童山に「京都トレイル」の標識を見る

 ヒノキの植林の中を下って行くと、「京都トレイル」と書いてある黄色いリボンが続き茶呑峠へと導いてくれるが「派手なリボンは気に入らない」と哲郎。目的のピーク手前の鞍部まで来ると、ここにもトレイルの標識【D3−1】を見る。標識には「パラグライダー近道」とマジックで手書きの表示が追加されている。

 目の前のピークに上らなくても、ここから植林地を横切って西尾根へショートカットできるようだ。「植林地を横切るのは申し訳ないが、今日はこの近道を進んでみるか!」と植林地の中を歩き始める。標識へのマジック書きはラクガキと思っていたが、この植林地にもトレイルの黄色いリボンが続き、どうやら地主さんに断ってルートを新設したようだ。

ピーク手前で標識【D3−1】を見る この植林地にも黄色いリボンが続き

 すぐに西尾根の標高700mの鞍部に着き、トレイルの標識【D2−1】を見る。ここでまた「え!!」と二人。この西尾根も京都トレイルのサブコースとして開発されているではないか。何かしっくりしないまま二人は西にとり、パラグライダーフライト基地へ歩き始める。

 この尾根には疎林だが雑木が続き、勾配も緩やかで心地よい。そのうち目の前が明るくなってきてパラグライダーフライト基地に着き、今日はフライトがないので先端まで進んで、目の前に吸い込まれそうな山国の集落や遠くの山々の展望を楽しむ。

尾根には疎林だが雑木が続き心地よい パラグライダーフライト基地に着き

 基地から下って行くとトレイルの標識があり、基地への取付道に出合う。緩やかな道を下っていると、前方から登ってくる一人の女性に出会う。声を掛けてくれた女性は、トレイルランの雑誌を編集しているようで調査に来たそうだ。

 しばらく下って行くと、竜ヶ坂の京都トレイルのメインルートに出合う【京北18】。「確かここには石仏が」と哲郎。すぐそばの竜ヶ坂へ下りかけの所に二石仏を見る。案内板には「鳴の堂二石仏」とありここに茶店があったと記されているが、「竜ヶ坂の二石仏」と思っていた哲郎は「鳴の堂はもっと茶呑峠へ寄った所ではなかったか」と言うが、歴史に興味ない二人は、すぐに茶呑峠方面へパラグライダー取付道を歩き始める。

竜ヶ坂の京都トレイルのメインルートに 竜ヶ坂へ下りかけの所に二石仏を見る

 すぐに【京北17】の標識を見て、パラグライダー取付道は京都トレイル道をはずれカモチ谷へと下って行く。少々下りのきつい道だが、「天童山から茶呑峠への急斜面よりはマシよ!」と、道子はこの西尾根コースを気に入ったようである。

 春にはクリンソウで賑わう道だが、京都トレイル道と同様にクリンソウは減ってきたように思う。谷沿いの道は少々荒いが心地よく、すぐにゲートが見えて来てカモチ谷の林道に出合う。パラグラーダーフライト基地から35分である。

カモチ谷へと下って行く すぐにゲートが見えて来て

 14時15分、「周山発15時40分のバスには間に合うだろう」と急ぎ足でカモチ谷を下って行く。いつもの野草観察ポイントには重機が入り何やら掘り返している。左手の斜面には新しい林道が出来ていて、「京都府のふるさとの森つくり事業」とカンバンがある。

 野草が多く気に入っていた林道、「野草観察ポイントがまた減ってしまった」と哲郎。京都トレイルや森つくり事業、新しい開発で野草が減っていくのは残念である。今日はムカゴを収集することも無く殿橋へと急ぐ二人、35分で殿橋に着き橋を渡る。

「京都府のふるさとの森つくり事業」と 今日はムカゴを収集することも無く殿橋へ

 国道477号、もう十分15時台のバスには間に合うが、最近JOEさんと一緒に歩いてから、昔のように速足になった道子、野草をデジカメに収めながらの哲郎は急いで後を追うことになる。15時10分にウッディ京北に着き、着替えや後始末を追え、店の中を覗いてみる。ズイキは大きすぎるので止め、芋の茎を買う道子、「もっといいものないのかいな!」と哲郎。








その道は楽しい道であり
その通り道はみな平安である。


箴言 【 3:17 】
キブネギク