天ケ岳(東俣川〜寂光院道)//北山
2011.07.30


 
二つの山小屋を過ぎると谷の中で進路を探す道子


2011.07.30 (土) 晴れのち曇り時々雨  哲、道

行き:北大路駅前7:57(京都バス)− 静原学校前
帰り:大原バス停14:40 − JR京都駅


コース:
静原学校前バス停-(20)-林道分岐を右へ-(40)-林道終点-(20)-谷分岐-(3)-がんど小屋-(15)-山小屋-(45)-数mの滝-(30)-大岩-(20)-最後の谷分岐を右へ-(20)-右の植林地の作業道から寂光院道出合-(70)-寂光院-(30)-大原バス停

注意:
天ケ岳東俣川ルートには数mの滝が二つあるだけで谷遡行の練習にお勧めですが、標高450mから谷の中や植林地を高まくことになり、ルート選定が必要です。現在上流は倒木が多く歩きにくく、エスケープルートもありませんので、初心者だけで出かけないようお願いします。









 夕方用事がある哲郎、「今日は近場にしよう!」と静原川右俣の東俣川の再調査に出かける。「昼過ぎから雨が降るかも」という予報なので、北大路駅前7:57静原行きのバスに乗る。終点一つ手前の「静原学校前」で降りると、目の前に青々とした田園が広がり暑い日差しを受けるので、急いで北への林道を進み、静原川手前の木陰で準備する。

 このわずかの合間にも数台の車が行き交い「いつものように、車が多いな〜」と道子に注意するように言う。橋を渡って林道を歩き始めると、左手は植林地、右手の東側は開けた畑が続き、当然のように暑いと言うことになる。

 「咲いている!」と道端の山裾にオレンジの花を見つけ、二人は久し振りにキツネノカミソリを見る。山裾のウバユリはもうすぐ咲きそうで、川辺にはアキノタムラソウが咲いている。

バス停からすぐの林道を北へ オオキツネノカミソリ

 右手の田畑が消え作業場や倉庫のような敷地が続くと、林道分岐に出合う。今日は東俣川の探索なので右に折れると、すぐに林道の上を川が流れる光景を見る。早速二人は川の中に入り顔や手を洗いタオルを濡らす。

 川の中でユックリした二人は再び林道を歩き始める。左手に数軒ある別荘のような建物に、今日は避暑の人々を見る。川沿いの道にたくさんのベニバナボロギクを見て、「ここには、まだあるんや!」と哲郎。

林道分岐を右にとる 目の前に見える川で二人は涼をとる

 谷から離れ植林地を歩くようになると、足元にはマツカゼソウが続く。植林地は日が影って歩きよくなるのだが、小さな虫が顔の前でうるさくなる。1、2匹なのだが、追い払っても、やっつけても次から次へとやって来て、哲郎は顔の前で手のひらを振って歩くことになる。道子は匂いが良いのか、数匹舞っている様だ。

 谷を右に見るようになると、谷沿いを歩くことになり、緑が増えてくる。二つの堰堤を過ぎ、標高350mを過ぎ、3本の大きな倒木を乗り越えた所で林道は終わっている。虫もいなくなったので小休止しながら周囲の様子を見る。

谷を右に見るようになると、谷沿いを歩く 林道終点に着く

 林道の先端は高い所にあり、先へ進めない。「え〜と?」と過去を思い出せない哲郎。どうやら左岸に歩けそうな所があるので、倒木まで戻って渡渉することにする。倒木の手前に古いテープ群を見つけ、本来はそこから渡渉していたようだが倒木が邪魔なので、倒木を跨いだ所から左岸へ渡ることにする。

 林道終点までバス停から1時間、東俣川源流の天ケ岳直下までの行程の2/3歩いたことになるが、ここから始まる谷遡行は残り1/3だが2〜3時間かかる。でもこの付近は谷沿いに薄い作業道が残っていて、まだ歩き良いのだ。

倒木を跨いだところから左岸へ渡る 薄い作業道が残っていてまだ歩き良い

 林道終点から20分で谷分岐に出合い左手から落ち込んでくる谷を見る。この谷分岐を過ぎると数分で同志社の「がんど小屋」に着く。立派な小屋だったのだが、一方の窓がなくなっていて、もう使用されていないようだ。

林道終点から20分で谷分岐に出合い 同志社の「がんど小屋」に着く

 がんど小屋を過ぎると谷に倒木が増えてきて歩き憎くなるものの、まだこの付近は谷間が広く難なく歩ける。丸太の橋は傾いているのだが、薄い作業道が残っていて右に左にと渡渉しながら歩いて行く。

倒木が増えてきて歩き憎くなるものの この付近は谷間が広く難なく歩ける

 がんど小屋から15分で二つ目の山小屋に着く。小屋を過ぎると作業道は薄くなり所々消えてくる。標高450mを過ぎると山裾の余地が少なくなってきて渡渉が増えてくる。そんな中、先を行く道子はコース選定しながら進んで行く。

がんど小屋から15分で二つ目の山小屋に 薄い作業道を辿る

 谷が歩けなくなると植林地の少し高い所を注意して歩くことになる。そのうち右岸の高い所を歩いて行くと、数mの滝の上に出る。残念ながら倒木により滝の全ぼうは見えない。ここまで林道終点から85分も要し、この先目的の谷分岐までは500m弱である。

植林地の少し高い所を注意して歩く 高い所を歩いて行くと、数mの滝の上に

 滝上を少し進むと、谷は細くなるものの目の前にたくさんの倒木を見る。結局「谷は無理だろう!」と右手(左岸)の植林地を歩くことにする。もうV字の谷、急斜面なので植林地の少し高い所を歩くことになる。しばらくして植林地から谷へ下って行くと、対岸に踏跡が見えてきて「なんや、道あったん!」。

ここは右か左か、結局右の植林地へ 植林地から谷へ下って行く

 目的の谷分岐まであともう少しなのだが、目の前の倒木にうんざりする。左右の植林地を見ると、こちらも倒木が多くさらに急斜面なので、「植林地は無理だろう」と谷の中を倒木を避けながら歩くことにする。倒木を抜けると目の前に大岩を見て「谷分岐までもうすぐや!」と哲郎。「今日は時間がかかっている」と道子は休むことなく先へと進んで行く。

「植林地は無理だろう」と谷の中を 道子は休むことなく先へと進んで行く

 大岩から数mの滝を抜け、最後の谷分岐に近づいて来ると右手の植林地を歩くことになり、谷分岐も分からないまま、そのまま右俣に沿って歩くことになる。植林地が歩けない所は谷(枯谷)へ降りて登って行く。このまま右俣に沿って谷を詰めて行くと源頭に着き、植林地の中の作業道から寂光院道に出る予定であったが、ここで雨が降り出したので、急いで右手の植林地を登り途中にある作業道へと進む。

 作業道は幅広くしっかりしていてジグザグに登って行く。尾根に近い雑木帯に近づいて来ると、作業道は大きく左に折れ尾根に沿って天ケ岳方面へと登って行く。「雨なので」と今日はその折れるポイントを直進し雑木の中の薄い踏跡を進み寂光院道へとエスケープする。

谷分岐から右俣沿いの植林地を 寂光院道へとエスケープする

 寂光院道に出合うと幸いにも雨が上がり小休止とする。ここは丁度、寂光院道の岩場を降りて来た所で、大原へは随分と近回りとなる。「随分と時間がかかったな〜」と言いつつ歩き始め、風が通るシャクナゲ尾根分岐で昼食とする。

 このまま寂光院道を下り寂光院奥の林道に降り立ち、谷で涼をとっているときつい雨が降ってきて「エスケープしてよかった!」と道子。二人は傘を取り出し、寂光院から観光客に混じって大原バス停へと向かう。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14−7】
がんど小屋