魚谷山(小梅谷〜細ケ谷〜滝谷)//北山


 
静寂な細ケ谷を下る


2012.02.11 (土) 曇り  哲 単独

行き:北大路駅前8:23(京都バス)− 岩屋橋
帰り:叡電貴船口14:51 = 岩倉 − 国際会館駅


コース:
岩屋橋バス停〜祖父谷林道〜小梅谷林道分岐〜惣谷林道出合〜魚谷峠〜魚谷山〜柳谷峠〜細ケ谷〜アズキ坂〜滝谷峠〜滝谷〜奥貴船橋〜貴船〜叡電貴船口

注意:
細ケ谷や滝谷は積雪時でも雪が溶けた谷の中も歩きます。谷の中と雪道を交互に歩くようになり、滑りやすいので自信の無い方は軽アイゼンの着用をお勧めします。









 「久し振りに魚谷山へ行こう!」というものの、道子は風邪でお休み、哲郎一人で出かけることにする。北大路駅前バス停から岩屋橋行きのバスに乗るが、もともと小さいバス、今日は登山者と学生達で満員である。

 終点の岩屋橋(・306)で降りバス停横で準備するが、路面に雪は無く「今年は少ないな〜」「持参したワカンはいらないだろう!」と。早速祖父谷林道を歩き始めると、少しずつ路面に雪を見るようになるが今朝降ったのだろう積雪1cmである。

岩屋橋で降りるが、路面に雪は無く 少しずつ路面に雪を見るようになるが

 谷沿いの道をユックリ歩いていると雪の上では良く滑る。雪の下には氷が張っているので、アルファルトが見える所を選んで歩くようにする。黒いアスファルトが見えなくなったので、谷が左から右へ変わる橋の手前でアイゼンを着ける。

 橋を渡ると凍りついた道が続き、アイゼンを付けると今度は雪深い方を歩くようにして、バリバリと音をたてながら歩く。前方に小梅谷林道分岐(・447)の橋が見えて来て、橋の手前で小休止する。

橋を渡ると凍りついた道が続き 小梅谷林道分岐の橋が見えて来て

 橋を渡り小梅谷林道を登って行くのだが、雪は少なく「予想通りワカンは不要みたい」と歩き始める。数分で谷分岐の橋を渡り谷を右手に見ながら進んで行くと、すぐに堰堤を見る。堰堤は間伐材を井桁状に組んだもので、もう10年たっているがまだ大丈夫なようだ。

 近くに案内板があり「京都府治山事業(木製床固工)」とある。この堰堤が数段続いていて、コンクリート製に比べると、なかなかいいもんだと言うことになる。前方に今日始めての赤い実を見るが、サルトリイバラではなくヒヨドリジョウゴという野草の実であった。

堰堤は間伐材を井桁状に組んだもので 近くに案内板があり

 右手にだんだん細くなった谷を見ながら林道を登って行くが、植林地なので何も見るものはない。標高620mを過ぎた所で左手への林道分岐に出合う。この左手の林道は桟敷ケ岳方向へクネクネと巻いて行く林道なので進入しないこと。登って来た林道を直進するとすぐに支尾根の先端に突き当たり、林道は左へと巻いて行く。

右手にだんだん細くなった谷を見ながら 支尾根に突き当り林道は左へと巻いて行く

 昔は目の前の谷を直進して魚谷峠へ向かっていたが、現在は植林も育ち荒れているので進入しないほうが良い。ここはそのまま林道を歩き出す。林道横の斜面からポトリポトリと小さな石が落ちてくるので、哲郎は急ぎ足で登って行く

 途中で林道は大きく右に折り返し惣谷林道へと向かって行く。「あ〜やっぱり!」と目の前に崩れた土砂と倒木を見る。南西方面が開けた所から雪の吹き溜まりを見るが今日は難なく歩くことが出来る。遠くに地蔵山、竜ヶ岳、愛宕山、振り返り桟敷ケ岳を見ながら登って行くと惣谷林道に出合う。

南西方面に地蔵山、竜ヶ岳、愛宕山 振り返り桟敷ケ岳を見ながら

 林道に新しい足跡は無く、今日惣谷を登って来た人はいないようだ。左に折れ魚谷峠へと歩き始めると、途中から急にハッキリした足跡を見るようになる。「えっ!、なんで?」と不思議に思った哲郎、その足跡が現われたところを確認すると、どうやら松尾谷を詰め斜面をよじ登ってきたようだ。

 魚谷峠に着き、この足跡も向かっている魚谷山へと登って行く。その足跡を追うように雑木を間を登って行くと20分弱で魚谷山に着く。

魚谷峠 雑木を間を登って行くと

 山頂には松尾谷を詰めてきた先行者が休憩中で、挨拶を交わした後、東の尾根を下り柳谷峠へ向かう。いつもより雪が少ないが丁度歩き良い感じで下りて行くと、峠に休息中の二人を見る。近づいて行くと、彼たちはK先生ご夫妻で「またまた、お会いしましたね!」と言うことになる。ワカンの装着を試行しに細ケ谷を登ってこられたようだが「雪が少なくて!」と言うことであった。

 哲郎が貴船へ下山する予定だと言うと、「滝谷峠から奥貴船橋への道はどうなっているのでしょうか?」と気に掛けていらっしゃる様子だ。ここは以前「倒木で通れません」と言う情報を聞いたことがあるので「私、下ってみましょう!」と哲郎。

魚谷山の山頂広場 雪が少ないが丁度歩き良い感じで柳谷峠へ

 細ケ谷を下り始めると、すぐに細い谷が現われてきて歩き憎くなる。谷傍が歩けない時は谷の中の石の上を歩くようになるが、安全の為アイゼンを付けたまま歩くことにする。久し振りの細ケ谷だが、さほど変わった様子はなく安心する哲郎。

 北山荘分岐の広場に来ると左手から一人の男性がやって来る。「1月14日に来た時は雪が多かったので、今日はワカンを持参しましたが」という彼も、今日はワカンを装着することは無いだろう。今西錦司先生のレリーフまできてお昼にするが、レリーフには雪が積もっていなく、「日が当たるように造られているのだろう」と感心する哲郎。

谷の中を歩くことになる細ケ谷 今西錦司先生のレリーフでお昼

 10分で食べ終えた哲郎は滝谷峠へと歩きだす。谷を離れアズキ坂への植林地を進みであった谷を下って行く。砂で埋まった堰堤を下り出合った左手の谷を登り始める。この谷も久し振りだが、以前のように荒れていて、結局谷の中を歩くことになる。谷が尾根に突き当たる手前で左の斜面を登って行き谷沿いに巻いて行くと堰堤から15分で滝谷峠に着く。

砂で埋まった堰堤を下り 滝谷峠へは谷の中を歩く

 ここまで来るとハイキングコース、峠で待つ男性と滝谷から登ってくる女性たちに出合う。「なんや、通れるやん!」と言いつつ哲郎は滝谷を下って行く。谷の雪は少なくてほとんど谷の中を歩くことになるが、ここも安全の為アイゼンを付けたまま下ることにする。ロープ場が増えたものの谷の状態は余り変わっていないようだ

 標高500mを切ると作業道が現われてきて、滝横の崖を注意しながら下る。倒木も切断され難なく歩くことが出来る。谷を渡ると林道に出合い、ここでアイゼンを外す。

ロープ場が増えたものの 倒木も切断され

 奥貴船橋に着き、その先の貴船川に降り用具を洗い下着を着替える。少し下った貴船神社の奥宮からはたくさんの観光客を見るようになり、貴船は冬でも人気が出て来たようだ。観光客が増えたからか、最近は冬でも貴船神社までバスが運行している。でも今日は「まだまだ歩き足りない」と叡電貴船口まで歩くことにするのだが、川沿いの草木を見て春を感じながら歩く哲郎。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14−7】
ヒヨドリジョウゴの実