葛川越(大岩谷〜烏谷山〜摺鉢山)//比良
2012.05.26


 
葛川越へは大岩谷左俣上流の谷分岐で
左の谷を進む(標高720m付近)


2012.05.26 (土) 曇りのち晴れ  哲、道

行き:JR京都駅7:58 = JR志賀駅
帰り:坊村バス停 15:47 − JR堅田16:38 = JR京都駅


コース:
JR志賀駅〜JR高架柱No64〜湖西道路高架下〜荒川峠道登山口〜葛川越分岐〜大岩谷出合〜枯れ谷30m登り右の斜面へ〜大岩谷へ降りる〜谷分岐で中央の斜面を登る〜炭焼窯跡〜大岩谷左俣へ降り〜谷分岐で左俣〜葛川越〜烏谷山〜摺鉢山〜奥ノ深谷道出合〜牛コバ〜明王谷林道〜坊村バス停

注意:
◆葛川越の古道は半分以上が崩壊しています。谷の中を歩いたりガレ場を歩いたりしますので初心者危険コースです。初心者だけで進入しないようお願いします。
◆烏谷山から摺鉢山、摺鉢山から奥ノ深谷道への尾根道は雑木が綺麗ですが踏跡薄いので注意してください。
◆左俣:下流から見て左の谷/左岸:上流から見て左側の岸








 「今年の比良縦走路のシロヤシオは?」と観察に出かけることにする。JR京都駅からの湖西線、1本乗り遅れて7時58分発に乗る。この電車にはたくさんの登山客が乗っていて、今日の比良は賑やかなようだ。

 JR志賀駅では多くの登山客が降り、女性たちは駅のトイレに列を作る。我々は荒川峠道へと歩き始めるが、こちらに向かう人はなく、皆さんバスに乗りロープウェイで打見山へ向かうようだ。JR高架柱No64で西に折れ、今日は霞んでいる比良の山々を見ながら登山口を目指す。

 集落の中でお寺に突き当たると右にとりお寺を巻くように進んで行く。田植えの終わった田んぼを見て雑木林の手前で小休止しながら準備する。湖西道路を潜り左へカーブしながら登って行く荒川峠道への林道を歩き始めると、蜂が満開のニセアカシアの花をつつく。

高架柱No64で西に折れ 蜂が満開のニセアカシアの花をつつく

 林道は右に折れ、道端の満開のモチツツジを見ながら山へと登って行く。昨日の雨のせいか、今日は蒸し暑く途中の用水路に出合った所で小休止、タオルの濡らして顔や首筋を拭きスッキリする。ここでいつものように咲いているオカタツナミソウを見てホッコリする。

 橋を渡りタニウツギやキリの花を見ながらS字カーブを登って行くと、右手に荒川峠道の登山口が見えてくる。早速荒川峠道を登って行く。

オカタツナミソウを見て 早速、荒川峠道を登って行く

 登山口から15分で葛川越の分岐に着く。分岐を左にとり谷沿いに水平に伸びる古道を進んで行く。荒川峠道の湧水からの谷に出合い、ロープを持って崖を横切り谷を渡る。しばらくほぼ水平に谷沿いを進んで行くと、古道は谷に突き当たった所で消える。

登山口から15分で葛川越の分岐に着く 荒川峠道の湧水からの谷に出合い

 ここから左下の大岩谷の河原に降り小休止とする。谷水は雨の影響もなく少ないので安心する。谷を10mも進むと左手に枯れ谷が見えるのでこれを登って行く。30mも登ると枯れ谷の右手(左岸)へ進み、少し登ってから大岩谷沿いの斜面を進むことになる。

左下の谷の河原に降り小休止とする 谷を10mも進むと左手に枯れ谷が見える

 この付近は古道が崩れているので大岩谷上の斜面を歩くのであるが、ロープが張ってあるものの崩れやすいので要注意である。ロープ場を過ぎると古道が現れてくるが、落石で大きな岩がゴロゴロしている。

 先ほどの枯れ谷から岩や木の幹に青ペンキのマークが目に止まる。昨年無かったこのマーク、数mおきに続くマークは登山者にとって不愉快なものである。テープなら外すことが出来るがスプレーのマークは数年間は消えないだろう。「青マークを付けた人は、消してください!!」と哲郎は叫ぶ。

ロープ場を過ぎると古道が現れてくるが 青マークを付けた人は、消してください!

 ロープ場と古道を繰り返した後、古道が消えた所で大岩谷へ降りて行く。谷水は少なく大きな石の間を進んで行くと、すぐに谷分岐に出合う。葛川越は左俣の延長上にあるが、ここは両俣の中央にある斜面を登って行く。

古道が消えた所で大岩谷へ降りて 両俣の中央にある斜面を登って行く

 しばらく進むと広場に出合う。ここは中ユリへの分岐でもあり広場から左俣を覗く。昨年より左俣沿いの斜面が崩れているので、中ユリへの取付には注意が必要だ。【中ユリへは左俣へ降り、対岸の小さな支流から登り左俣沿いを30m下ると崩れた斜面の上に中ユリの入口を見る】

広場から中ユリ取付がある左俣を覗く 崩れている中ユリ取付付近

 あのウンザリの青いマークは中ユリへと続いているので、ここから葛川越を登って行く二人は「やれやれ!」と言うことになる。広場から古道のような所をジグザグに標高差50m登って行くと右手に炭焼窯跡を見る。ここから左俣沿いに、さらにハッキリしない道を登って行く。そのうち左俣に突き当たり左俣に下りて行くと、目の前に谷分岐を見る。

右手に炭焼窯跡を見る 左俣に突き当たり

 標高720m付近、この谷分岐の左俣をとり、今度は谷の中を登って行く。しばらくは大きな石がゴロゴロした中を登って行くことになる。谷は枯れ谷だが、一瞬水の流れを見るので、タオルを濡らし顔を洗う。「緑一杯や!」と何故かいつもより周囲に濃い緑を感じる哲郎。

 標高800mを越えるとゴロゴロ石も終わり、谷間をジグザグに登って行く古道に出合う。古道には緑のカエデの葉が一面に落ちていて、地面も緑一色になる。

「緑一杯や!」と 最後のゴロゴロ石

 道は次第にシッカリしてきて、雑木の緑が綺麗で心地よい。峠が近くなるとピンクのユキグニミツバツツジが増えてきて「綺麗!」と言うことになる。丁度12時葛川越の峠に着き、西側の小広場で昼食とする。暖かい日が続いたのであろう、いつも見る峠のイワカガミはほとんど終わっている。

雑木の緑が綺麗で心地よい 丁度12時葛川越の峠に着き

 昼食後は縦走路を北へ登り烏谷山へ向かう。ここのイワカガミも終わっているが足元にはチゴユリが続く。途中で出合うシロヤシオの木に花は無く、白い花を2つだけ見つける。「こんなに綺麗に咲いているのは初めてや!」というユキグニミツバツツジの方は満開で、ベニドウダンも咲き始めているが、シロヤシオが咲いていないので、縦走路のシロヤシオのトンネルは諦め烏谷山から摺鉢山へ向かうことにする。

足元にはチゴユリが続く ユキグニミツバツツジの方は満開で

 烏谷山に着くと女性グループが昼食中、山頂のコケモモの様子を伺って北の尾根を下って摺鉢山へ向かう。尾根を少し下ると「咲いている!」と道子、数本あるシロヤシオの木は白い花が満開である。「縦走路も咲いていたかも?」と思ってしまうが、このまま摺鉢山へ下って行く。

烏谷山に着くと 烏谷山を下って摺鉢山へ

 緩やかな雑木の尾根を心地よく下って行くと、シャクナゲの大木に出合い名残のピンクの花を見る。そのうち左手に植林地が接するようになる。緩やかな尾根が続き「雑木が綺麗や!」と言うことになる。雑木の緑を十分楽しんで標高1000mを切った所の鞍部から登り返すと摺鉢山に着く。

緩やかな尾根が続き「雑木が綺麗や!」と 鞍部から登り返すと摺鉢山に着く

 摺鉢山の山頂は小広いので下山口が分かりにくいが、ここは北西に伸びる支尾根を下って行く。尾根から大きく外れないようにして歩き良い所を探しながら下って行くのだが、最近ここを歩く人も多くなったのだろう薄い踏跡が続く。この支尾根も雑木が続き心地よく歩くことが出来る。

 標高950mを切った所で西の支尾根に乗り換える。ここは要注意で磁石等で確認する方が良い。直進すると奥ノ深谷道へと急斜面を下ることになる。西へ進んだ支尾根は北西に向きを変えるが、細い尾根で薄い踏跡を辿れば迷うことは無い。ユズリハの群生を抜けると奥ノ深谷道出合まで後5分、尾根が広がってくると奥ノ深谷道は近い。

この支尾根も雑木が続き心地よく歩く ユズリハの群生を抜けると

 尾根が広がってきた所で右寄りに下って行くと、大木とシャクナゲの木がある奥ノ深谷道の摺鉢山登山口分岐に出合う。摺鉢山の山頂から30分足らずである。丁度目の前に牛コバから登って来た一人の男性が道を開けてくれ我々を待っていてくれる。

 彼の横を通り過ぎると牛コバへのジグザグの道が続く。もうすぐ牛コバと言う所でユックリ下山するグループに出会う。坊村からバスに乗るようなので「十分間に合います!」と哲郎はバスの発車時刻を伝える。14時10分牛コバに着く(烏谷山から牛コバまで75分である)。奥ノ深谷道の摺鉢山分岐からの下りで25分かかり、いつも登りで30分だからジグザグ道の下りは時間がかかるということになる。

摺鉢山登山口のある奥ノ深谷道に出合う 牛コバまで摺鉢山分岐から25分かかり

 新緑や満開のタニウツギの花を見ながら、明王谷沿いの林道を下って行き14時50分に坊村バス停に着く(烏谷山から2時間弱である)。バス到着まで1時間あるが、喫茶店に行くこともなく、ビールを買いに行くこともなく、今日は目の前の新緑の山々を眺めながら、バス停でのんびりバスを待つ二人である。








山は上がり、谷は沈みました。
あなたが定めたその場所へと。


詩篇 【104−8】
シロヤシオ