経ケ岳(久良谷〜西尾根)//北山
2012.08.18


 
心地よい谷遡行が続く


2012.08.18 (土) 晴れのち雨  小てつ、JOE、Hさん、哲、道

往復:久多滝谷分岐まで車利用


コース:
滝谷分岐〜久良谷口〜標高600mで右岸の斜面〜巻き道出合〜標高710m谷分岐で右俣〜尾根出合〜経ケ岳〜西尾根を下る〜岩屋谷出合〜滝谷分岐

注意:
・久良谷に道はありません。上流はV字の谷で滝もあり初心者危険コースです。初心者だけで出かけないようお願いします。









 最近の天候不順で何度も山行きを中止していたが、「河原でユックリ昼食でも」と小てつさんから納涼登山のお誘い、JOEさん、Hさんも誘い5人で経ケ岳へ出かけることになる。コースは早く下山できる小てつさんの「みんなの山紀行2011.08.23の久良谷・西尾根コース」とし、全員が集まりやすい烏丸御池で待ち合わせ、小てつさん運転で久多へ向かう。

 今日慌てて出かけた哲郎は登山地図や地形図を忘れたので、途中のコンビニでJOEさんの地形図を借り200%コピーする。

 梅ノ木で安曇川の橋を渡り久多下ノ町から北の久多川沿いに走る。途中で紫色に広がる花を見て「あれが友禅菊よ!」と道子、「帰りに寄ります!」と小てつさん。

 滝谷分岐の駐車スペースに止め早速準備にかかる。北山と言えばやはり気になるヤマヒル、Hさんは「ドクダミがいいのよ!、アブやブヨにもきくよ!」と自家製の虫よけを差し出すので、哲郎は両腕に噴霧するが、これが臭いこと臭いこと。哲郎は持参のハッカ水を上から追加する。

 準備も終わり、林道の車止めチェーンを跨ぎ5人はユックリと岩屋谷に沿って歩き始める。風はないが、まだまだ涼しくて心地よい谷沿い、JOEさんは斜面の野草を見ながら皆に説明しながら進んで行く。久良谷口に着き、岩屋谷を渡り久良谷の遡行を開始する。

林道の車止めチェーンを跨ぎ歩き始める 久良谷口に着き、岩屋谷を渡り

 久良谷はV字の谷で大きな岩が多く、さっそくイワタバコの花を見る。昨年は終わりかけだったが、今年は夏の花が少し遅れていて、今が丁度見頃のようだ。先々週小塩山のイワタバコが咲き始めだったので、北山の深山では開花が一週間遅いことになる。

 最初は谷間の広い久良谷だが、道はなく左右の谷沿いを歩くことになり何度も渡渉を繰り返す。標高600mまでは大きな滝も無く、何とか歩くことが出来る。

イワタバコ 何度も渡渉を繰り返す

 谷沿いには雑木が茂り、谷遡行で涼しいはずの納涼登山の予定で合ったが、風もなく蒸し暑いので大量の汗をかいてしまう。

 進むにつれ谷は少しずつ狭くなってきてV字の谷になり、谷が歩けないところでは少し高い所を歩くことになる。標高550mの谷分岐を過ぎると谷はさらに狭くなる。

谷沿いは雑木が茂り心地よい 谷はだんだん狭くなり高い所を歩く
V字の谷になり 谷はますます狭くなる

 標高600mの谷分岐まで来て小休止、この先の谷には滝があるので、ここから右岸の斜面を登ることになる。毎度のことながら、この急斜面はキツイのだ。斜面の薄い踏跡や獣道、とにかく歩けそうな所を探して標高差100mちかく登ることになる。

 斜面にはカヤなのかモミなのか低木が邪魔をして、半袖の哲郎は「いたい。痛い!」と言いながら登って行く。結局昨年と違うところを登って標高700m付近にある巻き道に着く。

右岸の急斜面を登る 巻き道を進む

 巻き道は荒れてきて細くなってきているので、右下の谷に落ちないよう注意しながら進んで行く。右下の谷の音が大きくなり数分で標高710mの谷分岐に着く。右俣には数mの小さな滝、左俣には小さな3段の滝が見える。

 ここで小休止、「あ〜やれやれ」と顔を洗う哲郎、Hさん持参のドラヤキを頂いて糖分を補給する。休憩後は右俣を取り稜線まで詰めていくので、目の前の滝横を通って進んで行く。

標高710mの谷分岐に着く 右俣の滝横を進む

 滝を過ぎると小さな谷は経ケ岳を巻くように東から南へと登って行く。大きな滝も無く、明るい谷間を5人は緑を楽しみながら進んで行く。遠くから「ゴロゴロ」と雷鳴が聞こえてくる。いつの間にか上空は曇ってきて、ここ数日続いている大雨警報が頭をよぎるが、数回なって聞こえなくなり「やれやれ!」。

 ほとんど谷の中を歩いて行き、小さな滝があれば斜面に迂回する。緩やかな勾配が続き歩き良い谷、そのうち水も枯れてくる。最後の分岐を左にとるとどんどん枯れ谷を上って行き、経ケ岳への尾根道に出る。

緩やかな勾配が続き歩き良い谷 経ケ岳への尾根道に出る

 尾根に出て小休止、「ありゃ!」と小てつさん、首のタオルに赤い血を見る。首筋に傷があり枝で引っかいたのかヤマヒルか?、他の人も身体をチェックすることになる。尾根を右に取り経ケ岳へ向かう。数分も登ればチョット小広い山頂に着く。

 今日は河原で昼食と言うことで、ここから西の尾根を岩屋谷まで一気に下ることにする。「下るとすぐに大きなブナの木が二本あります」と小てつさん、一気に下って行くと狭い疎林の尾根が続き、二本の大木は見当たらない。「この尾根は北へ向かっている!」と哲郎、結局引き返し西の尾根に乗り換える。

経ケ岳山頂に着く 狭い疎林の北尾根に入る

 西尾根を下り始めると、すぐに二本の木を見て一安心、広い緩やかな尾根を心地よく下って行く。途中で南の尾根との分岐があるはずだが、自然に西の尾根へと下って行く。尾根はだんだん狭くなっていくが、薄い踏跡が続いている。

 目の前に植林地が広がる小広場まで下ると、「この先勾配がきつく直進は無理なので少し南へ振ります」と小てつさん、各々歩きやすい所を探して下って行くのだが、それでも相当な急斜面を下ることになる。下りの得意なJOEさんは気持ち良さそうに下って行くが、不得意な道子は哲郎の後に続くことになる。

西尾根を下り始める ここから急斜面を下ることになる

 下り切った者から谷へ入り、顔や手を洗い涼をとる。谷を渡り林道を下り滝谷分岐へ向かう。滝谷分岐に着くと車がもう1台止めてある。早速男性陣は河原に降り谷水で身体を拭き着替える。「あれ〜、腕も!」と小てつさん、ヒルの餌食になったようだ。「足をやられた!」と道子、やはり久良谷にはヒルがいるようだ。

 今日は納涼登山、JOEさんが手際よく河原で素麺を作り、「美味しい!」とみなで頂く。ソーメンを頂きながら小てつさんが用意してくれたビールを飲んで、満足する哲郎、「いつもスミマセン!」。

河原でユックリと昼食とする 久多の里に咲く北山友禅菊

 昼食も終わる頃いつの間にか暗くなってきて、再び遠くで雷鳴を聞くようになり、雨もポツポツと降ってきたので引き上げることにする。帰りに久多の里に寄り「北山友禅菊」を観賞する。今日は短い登山だったが、友禅菊も観賞できたし皆は満足気に帰路に着く。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14−7】
北山友禅菊