小野村割岳(ワサ谷〜南尾根〜広河原)//北山
2012.08.25


 
夏は夏で心地よい尾根を歩く


2012.08.25 (土) 晴れ時々曇り  哲、道

行き:北大路駅前バス停8:02− 下ノ町バス停
帰り:広河原バス停17:30 − 北大路駅前バス停
コース:
下ノ町バス停〜ワサ谷林道〜林道分岐を左〜林道終点〜△小野村割岳〜P911〜南尾根分岐〜南尾根〜P781東方ピーク〜P711手前の尾根を南西へ〜広河原バス停







 連日天候不順が続く京都地方、突然空が黒くなり雷、夕立・・・山行きも中止することになる。でも今日は「北の方は大丈夫かも」と小野村割岳へ出かけて見ることにする。

 朝雲ひとつない晴天であった空も、バスが花背峠を登るころには全体に曇り「今日も雨か!」と思っていたら、花背の集落を過ぎると雲はなくなり再び快晴となる。登山者らしき二人が花背高原で降りると登山者は我々二人となり、夏の北山はあまり人気がないようだ。

 下ノ町でバスを降りると、昨夜の松上げの残り火が煙を上げていて、きな臭い匂いが漂っている。バス停で準備していると一人の男性が話しかけてくる。昨夜松上げを見て峰定寺付近の宿に止まったという男性、今日は消し炭を頂に来たそうである。

昨夜の松上げの残火が煙を上げていて 葉がボタンに似ているボタンヅル

 ワサ谷の林道を歩き始め、いつも野草が咲いている斜面を見るが秋の野草はまだ咲いておらずヒッソリとしている。民家を過ぎ名残のオオマツヨイグサを見て林道を登り始めるが、風が無く日差しが暑い。広河原方面には余り雨が降っていないようで、堰堤のダムに水は無く谷の流れにも勢いがない。

 「暑い」と言うことで二人の足は進まず、「今日はユックリ歩こう!」といい最終便のバスで帰ることにする。途中で谷に降り手や顔を洗い涼をとる。周囲に見るべき花も無く、ただ夏の緑を感じながら歩いて行く。「ゲートまだ?」と何度も道子、この暑さでなかなか進んでいないようである。

名残のオオマツヨイグサを見て ただ夏の緑を感じながら歩いて行く

 「あっ!、ウドの花や!」と哲郎、でも崖の上にあるので来年は無理だろうということになる。ゲートまで来て、いつものようにコンクリートの橋の上で小休止とする。いつも見かける蛇はいなかったが、その居場所に抜け殻を見て、「今、出かけているようだ」と。

 連日の猛暑でジキタリスは終わっているようだが、歩き始めると一本だけ名残の花を見る。林道は雨水で削られ凸凹していたが、奥の山で作業が始まったのか林道が整備され歩きやすくなっている。

コンクリートの橋の上で小休止とする 名残のジキタリスを見る

 「暑い!アツイ!」と谷分岐に着き、早速谷に降り手や顔を洗う。いつもは土管に溜まった流木を取り除いているが、重機で谷が掘られ林道と共にここも整備されたようだ。

 十分涼をとった後林道を再び歩き始める。ここから急な登りが始まり、強い日差しなので「すこしでも」と木陰の下を選んで歩くことになる。この日差しの強い林道にニガナ属の黄色い花を見る。林道分岐で左にとる。この先の茂っていた雑木も取り除かれスッキリした林道だが、雑木がない分暑く感じてしまう。

 いつものゴロゴロ石道を登り切ると林道終点までは後わずか、シダが道一面に育ち蒼々とした道を歩いて行く。突然道子が目の前で倒れる、シダで隠れていた小枝に足を取られたのか、見事にバタッと倒れたが、スリキズも無く大事に至らなく安心する。

つる性の多年草のノササゲ 谷も整備されたようだ
暑い林道に咲くジシバリ 雑木の陰に咲くイヌトウバナ

 林道終点に着くが、打撲が気になる道子は打ったところにエアーサロンパスを噴霧し膝に湿布を張る。でもちゃんと歩いているので「大丈夫だ!」と哲郎は言うが、心配する道子は何度もエアーサロンパスで冷やす。林道終点の岩を越え小さな谷の横で昼食とする。

 今日は飛び交う虫もいなく、心地よくオニギリを食べる二人。10分の昼食休憩も終わり、急坂を登り山頂からの支尾根に取り付き数分で小野村割岳の山頂に立つ。

急坂を登り山頂からの支尾根を進む 数分で小野村割岳の山頂に立つ

 セミの声や小鳥のさえずりも無く静かな山頂、ここでもまた道子はエアーサロンパスを取り出しあちこちを冷やす。山頂から佐々里方面へと尾根を歩き始めるが「膝が痛くなっては困る!」と道子はユックリと歩く。

 谷は緑のシダで埋まり涼しそうだが、尾根には風が無く蒸し暑い。いつもはヤマボウシの実で賑わうこの尾根筋だが、今年はどうしたのだろうか、実が一つも無い。P911からだらだらと下って行き南尾根への分岐に着く。

いつもの尾根も今日は暑い P911に着く

 「今日は佐々里峠ではなく、南尾根を下ろう!」と言うことになるが、その前に鞍部にあるバイケイソウの様子を伺いに行く。実が2本だけついているので、今年は2本だけ花が咲いたようだ。

 南尾根を歩き始める。細い支尾根で軽いヤブコギが続き、これが心地よい。ここは通りなれた尾根だが、いつも新鮮な感じがするのが良い。

バイケイソウの実 細い支尾根で軽いヤブコギが続き

 この尾根は時々支尾根の分岐があるが、南に取ればよく、磁石で確認すれば迷うことは無い。降り立った鞍部から一登りすればP781横の東方ピークに着く。右に取れば尾根筋を桃木小屋へ下ることが出来る。今日はさらに南尾根を進んでみる。

 P781東方ピークから尾根を下って行き最初は細い雑木の尾根に乗る。疎林の尾根が続き鞍部を過ぎると尾根は広がってくる。P711手前まで来ると、尾根は南西へと延びていき、いつものように大きな倒木の横を通って行く

心地よい尾根
いつも新鮮な感じがするのが良い
P781東方ピークを下り
細い雑木の尾根に乗る
鞍部を過ぎると尾根は広がってくる 大きな倒木の横を通って行く

 左手の谷を下ると尾花町バス停へ向かうので尾根筋を下って行く。数回アップダウンを繰り返すと、尾根の右手にネットが続き、それに沿って下って行く。足元にシダが広がる鞍部から最後のピークに立つ。ここに簡単な標識があるが、表示が間違っていて以前から気になっていたので、今日はそれを書き直す哲郎。

ネットに沿うように歩く 標識を修正する

 ピークからすぐ先の分岐を右に取ると、あとは大きく下って行く。尾根に沿ったアンテナの線と植林地の間を下って行き、アンテナの線が右に離れて行く所から植林地の急斜面を下って行く。道路が見えて来ると、さらにキツイ急斜面を下ることになり、注意しながら下って行くと広河原バス停裏の墓地に降り立つ。

アンテナ線と植林地の間を下る 広河原バス停裏の墓地に降り立つ

 今日はユックリだったが、まだ15時半、バスまで2時間あるのでオバナ谷へ向かいユックリと涼むことにする。着替えや後始末を終え庄兵衛さんでバスを待つことになるが、「広河原もあつい!」とおかみさん、でも店の中は涼しく哲郎はビールが美味いと、ユックリと時を過ごす。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14−7】
涼しい色をしたカリガネソウ