ポンポン山周辺散策(出灰〜出灰川〜善峯)//西山
2012.10.03


 
崖に藪漕ぎ、倒木、渡渉と
出灰川の古道は歩けません


2012.10.03 (水) 晴れ  哲、道

行き:JR高槻駅北7:53(高槻市営バス)− 出灰バス停
帰り:善峯バス停14:24 (阪急バス)− JR向日町


コース:
JR高槻駅北バス停〜出灰バス停〜(出灰川沿いを水道施設まで歩く)〜せせらぎの里〜ポンポン山登山口〜大原野森林公園出灰入口〜水道施設から出灰川右岸を進む〜取水所から道消える〜植林地や藪を漕ぎ川沿いを進む〜崖に突き当たったところで左岸の植林地を登る〜「北アカマツ広場」標識〜西尾根出合〜大原野森林公園案内所〜杉谷〜善峯バス停

注意:
・地形図にある出灰川の水道施設から大原野森林公園案内所への古道は通れません。川の渡渉、崖、道崩壊、倒木等が続き危険なので、初心者だけで進入しないようお願いします。









 今日は山行きをやめ出灰へムカゴ採りに出かけることにする。出灰へはJR高槻駅北からバスに乗るが、平日の早朝の便は山奥にある学校へ向かう子供たちでいっぱいである。それでも全員座って出発する。「なんで市街地の子供たちが山奥の学校へバスに乗って通っているのか?」と思ってしまうが、森が近く豊かな自然に囲まれたこの小学校は、地域を素材とした体験学習の実施や、国際理解教育、情報発信能力の育成などを重視しているそうな。

 一人の登山者とともに出灰バス停で降りる。待合室でゆっくりしていると、その男性はポンポン山へ向かったのだろうすぐ姿が見えなくなる。我々もゆっくりと出灰川沿いの道を歩き始める。昨年と同じ時期のムカゴ採りだが、山裾の斜面に咲く花は昨年より少ないようだ。

出灰バス停からバスを見送る 出灰川沿いの道を歩き始める

 まだ8時半、少々肌寒く感じる。ムカゴ採りだから、昨年と同じコースなので同じところで同じものを見ることになる。でもムカゴは雑草として刈り取られるので同じところにあるとは限らない。

 「あ、これこれ!」と黒い実を見るがもう名前を忘れている。「これヒヨドリバナとはちゃう!」と道子、ふじ色をしているのでフジバカマのようだ。

黒い実はシロヤマブキ ふじ色に咲くフジバカマ

 道端にお地蔵さんを見る。この道は「一休道」と呼ばれる古道でポンポン山登山口に一休さんゆかりの寺跡がある。道沿いの雑木にはまだ熟していない蒼い実がぶら下がっているが、デジカメにおさめるが、いろいろと調べても分からないものが多い。「これ、シシウド?」伊吹山でみるよりあっさりしているのでどうだろうか?。

道端にお地蔵さんを見る シシウドだろうか

 「今年は少ないな〜」と、ムカゴは少しずつ収穫して歩いていたが、雑木に絡まる大量のムカゴを見つけ二人は喜ぶ。ムカゴ御飯5回分は収穫できたようで「1か所でこんなに採れるとは!」と、もう今日の目的は達成できたようだ。

 「咲いているよ〜」と先を行く道子、小さな谷沿いにたくさんのツリフネソウを見る。毎年のように同じところで咲いていてくれる。川沿いにはアキノタムラソウ、ヨメナ、シロヨメナやアキチョウジが続き目を楽しませてくれる。

ムカゴだ、ムカゴだ! ツリフネソウ

 ポンポン山登山口にはウバユリが実をつけ、ポンポン山には橋を渡る。我々はムカゴ採りの散策なので、このまま出灰川沿いを歩いていく。少しずつムカゴを補充しながら歩いていくと、道端には白や赤のゲンノショウコも加わってにぎやかになる。

ポンポン山登山口にはウバユリが実をつけ たくさんのアキチョウジを見る
ゲンノショウコも加わって 紅色のゲンノショウコ

 大原野森林公園入口まで来るが、まだまだ時間に余裕があるので「今日は気になっていたこの先にある出灰川沿いの古道を歩いてみよう」ということになる。少し歩くと出灰川の橋を渡り目の前に水道施設を見る。「この先の休憩所にはボタンクサギが咲いているだろう!」と、ちょっと寄り道することになる。

 舗装道を北へ進んでいくが、近いと思っていた休憩所にはなかなか見えてこない。途中で、川の中にボタンクサギを見て「これでいいだろう!」と引き返すことにする。

大原野森林公園入口まで来るが ボタンクサギ

 水道施設のある出灰川の橋まで戻り進入口を選定する。地形図に記載されている古道は左岸に続いているが、草ぼうぼうで道なんかなく進入をためらう。水道施設沿いの右岸に道があるので、「ここを進んで様子を見よう!」ということになる。ちょうど10時30分である。道は水道施設の裏までで、その先は川沿いの細い作業道を歩くことになる。

水道施設沿いの右岸の道から進入 道は水道施設の裏まで

 それでも、まだ歩ける道が続くので、このまま右岸を進んで古道を探索することにする。入口から15分歩いたところで道は川へ下っていく。そこにはなにやら施設のようなものがあり、注意書きの標識から「取水所」と分かる。

 左岸に渡って探索を続けてもよいが、左岸のうっそうと茂る草木を見てやめる。結局このまま右岸を進み、けもの道のようなところに薄い踏み跡があるのでこれをたどることにする。。

川沿いの細い作業道を歩くことになる 取水所に突き当たる

 植林地に入ると踏み跡は消えるが、川沿いに戻ると薄い踏み跡が続く。「散歩のつもりだったのだが、とんだ探索になったようだ」と思う二人だが、引き返す様子はない。

 先ほどから「国土調査」の杭が続いているので、この踏み跡は調査時にできたようだ。川沿いを歩いたり離れたりして進んでいくと、小さな谷水が横切る。ここはチョット植林地に迂回して進む。少し高いところから対岸を見ると歩き易く見えるが、このまま右岸を進んでみる。

川沿いに戻ると薄い踏み跡が続く 谷沿いが歩けなければ植林地へ迂回

 目の前に小さな堰堤を見る。堰堤を流れる水は少なく歩いて渡れそうだ。「左岸へ渡ろうか?」と迷ってしまうが、このまま右岸を進めるところまで進むことにする。再び谷沿いの道が消えると植林地、間伐材の倒木を跨ぎ川沿いへ。もう山裾が狭くなってきて歩く場所を選択できなくなる。

 「あちゃ!」と目の前に笹が道をふさぐ。もう道なんてないが歩けるところを選択して歩くことになる。前方に2段の堰が見えてくる。あまりにも続く藪に閉口する哲郎は渡れそうな浅瀬を見て川に降り左岸に渡り様子をうかがうが、倒木多く道がなく、結局「無理だ!」と言うことで右岸に戻り先へ進むことにする。川の中で小休止するが、11時30分、もう1時間も探索しているが、まだ行程半ばなのでこの先が思いやられる。

何度も藪を漕ぐことになる 川に降り左岸に渡り様子をうかがうが

 川沿いの山裾の細いスペースを歩くのだが雑木の藪漕ぎが続く。「やっと植林地」と思ったら川の変曲点に来て右岸は急斜面が続き歩けなくなる。やっとここで左岸の植林地へ渡ることになる。

 植林地から左岸の川沿いを進んでいく。川には大岩が増え両岸はだんだん切り立ってきて崖が増えてくる。「渓流みたい!」と道子、そんな谷沿いを注意しながら詰めていく。

右岸は急斜面が続き歩けなくなる 左岸を詰めていく

 渡渉から10分進んだところで崖に突き当たる。「こんなところに道があったのだろうか?」と思うような崖で先には進めない。対岸も急斜面で歩けるようなところはなく、出灰川沿いの古道の探索はここで終わったようだ。

 とは言え、「先へ進まなくては!」と哲郎は右手の崖を登り始めるが、とても危険なので「植林地を登れ!」と道子に言う。哲郎も危険を感じ崖から植林地へ回り込む。道子と出会うと「何て言うところだ!」と言いつつ急斜面の植林地を登っていく。10分も登ると支尾根に出る。

急斜面の植林地を登っていく 10分も登ると支尾根に出る

 「あ〜やれやれ!」と細い支尾根を登っていくと別の支尾根に乗る。ここには踏み跡があり歩かれているようで西尾根コースに近づいたようだ。「標識よ!」と道子、途中からであった支尾根は「北アカマツ広場」とある。

 標識から植林地を下って行く。途中道がはっきりしなくなるので「アカマツ広場」を訪れる人はいないようだ。下りきるとポンポン山西尾根コースに出合う。迂回を開始してから30分、水道施設の探索開始から2時間である。「長かったな〜」と言いつつ二人は大原野森林公園案内所へ向かう。

支尾根は「北アカマツ広場」とある 下りきるとポンポン山西尾根コースに

 13時00分、休憩所に着き遅い昼食とする。作業者2+登山者2名が昼食中であり我々が食べ始めると皆出発する。「善峯14時24分発のバスに間に合うだろう」と、二人は早々に休憩所を後にする。

立派な大原野森林公園案内所 コウヤボウキ

 道端のムカゴは雑草として刈り取られたのだろう見当たらない。斜面に「咲いている!」とコウヤホウキを見るが、観察もそこそこにしてバス停へ向かう。森林公園案内所から50分で善峯バス停につきJR向日町駅へ向かう。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14−7】
川辺に静かに咲くジャコウソウ