霊仙山 (今畑〜西南尾根〜汗拭き峠)//鈴鹿 2012.04.21 |
風速10〜20m/sの風雨、視界10mの西南尾根 フクジュソウどころでは無くなった |
2012.04.21 (土) 曇りのち雨 哲、道
コース: 醒ヶ井養鱒場〜榑ケ畑登山口〜汗拭き峠〜落合〜今畑登山口〜笹峠〜近江展望台〜南霊岳〜霊仙山最高点〜霊仙山手前ピーク〜経塚山〜お虎ヶ池〜お猿岩〜汗拭き峠〜榑ケ畑登山口〜醒ヶ井養鱒場 この頃週末の天候が優れず、「ことしは霊仙山のフクジュソウ観察は行けないかも」と思っていたら、この土曜日の醒ヶ井のスポット天気が雨から曇りに変わる。山の上の天候は分からないが、フクジュソウ観察へ出かけることになる。 JR米原駅でトイレを済まし、西口のバス停へ向かうと、すでに養鱒場行きのバスは止まっていて、我々二人を乗せ7:30に出発する。バスがロータリーを抜けようとする時、登山者が駅からバスに向かって走ってくるようなので、道子が運転手に止めるように言う。 やって来た4人は「33分発でないの!」と言うが、「それは東口の時刻や!」と哲郎。このノンキな4人組は上丹生で降り、醒ヶ井駅から乗ってきた男性と共に終点の「醒ヶ井養鱒場」で降りる。バス停付近は丁度桜が満開で、いつも見かけるショウジョバカマは終わっている。「準備は榑ケ畑登山口で」と服を調節し林道を歩き始める。丁度8時である。
二人は道端のコバノミツバツツジや野草を観察しながらユックリと歩いているので、一緒に降りた男性は見る見る離れて行き、「彼は若い、脚が長い、靴が軽い!」と哲郎。谷山谷方面への林道分岐まで着て小休止、「どうやら雨は大丈夫のようだ!」と安心する。「いつもは林道に雪が残っているのに」「フクジュソウまだ咲いていてくれるかどうか?」と道子。
林道にはヤマブキやたくさんのスミレが咲き、ナットウダイやシャガも咲き始め賑わいを見せてくれる。途中で車が数台追い越して行くが、今8時30分「まだ駐車スペース空いているかな?」と思ってしまう。 登山口から離れた駐車スペースや榑ケ畑登山口の駐車場はすでに満杯で、その間を抜け登山口にある休憩所で準備する。8時50分、養鱒場から50分で来たことになる。
ユックリ準備した後、汗拭き峠へと歩き始める。植林地を少し進むと廃村榑ケ畑を歩くことになるが、雨後なので足元が悪い。中央の水路を歩いても良いが、踏跡は左手の石垣の上に続いているのでそれに従うが、石垣の上も道が悪い。山小屋カナヤの前を通りジグザグに登って行くと汗拭き峠に着く。
峠から落合いへ向かうため南の大洞谷へと下って行く。急斜面を下り谷に出合うと、折り返し谷に沿って植林地の中を歩いて行く。そのうち植林用の作業道に出合い道が広くなる。ハシリドコロしかない植林地だが心地よい歩きが続き、橋を渡り左岸を歩くことになる。 汗拭き峠から30分で落合に着き、橋を渡ると舗装道に変わる。川沿いの道を進んで行くと数分で今畑の登山口に着く。
丁度10時、「予定通りだ」と、早速登山口から廃村今畑へ登って行く。斜面をジグザグに標高差80mくらい登って行くと今畑に着き、お寺で小休止する。今朝早かったのでパンを食べながら周囲を散策するが、今畑のフクジュソウは終わっていて黄色い花びらは全く見当たらなく「西南尾根にまだ残っているやろか?」と思ってしまう。 10分の休憩中、一人の男性が追い越して行き、今から西南尾根に向かうのは3人だけのようである。休憩後は少し登って支尾根に取付、芽吹きの始まったブナを見ながら笹峠までは支尾根を歩くことになる。
支尾根は溝状の道に変わり、その斜面に咲くミスミソウを探すが白い花は見渡らず、この付近のミスミソウは終わっているようだ。標高600m付近で右の谷を覗くところを通過するが、谷にはツボミが膨らんだヤマシャクやトリカブトなどを見て、そんな中に綺麗に開いたヒトリシズカを見る。
標高640mで支尾根の北側に出るが、いつも見る雪は無い。ここからはこれから登る近江展望台がある頂が見えてきて、いつも「あそこまで登るのか!」と思ってしまう。石がゴロゴロした道を抜けると広い鞍部の笹峠に着く。 峠では強い東風を受け、雨が混じってきたので二人は雨具の上着を着る。近江展望台から下ってきた方は「スゴイ風が吹いています!」と言って通り過ぎる。二人は強い東風を受けながら近江展望台へと登り始める。
標高差300mの急坂が始まる。今日のコースで一番の難所である。岩や草を持ちながら登って行くのだが、例年のような雪どけのドロンコではないので助かる。急坂が続くので道子にストックをシングルにするように言う。登るにつれ風は益々強くなり道子が遅れ始める。道子を待つ間、哲郎は足元に咲くミスミソウを観察したりデジカメに収めたりすることになる。
標高900mまで来ると勾配は緩やかになるが、風雨はさらに強くなり、おまけにガスで視界が悪くなる。下って来る2グループに出会うが登って行くのは我々二人だけのようだ。標高950mを過ぎると、あと一登りなのだが、風が強くフードがバタバタと音をたてながら揺れるので手で押さえて登ることになる。 標高1000m、やっと近江展望台に立つ。天候が荒れているため引き返すかどうか考える哲郎の前に、汗拭き峠からやって来たというグループに出会う。「彼らのドロンコが石に軌跡を残しているだろう」と、このまま西南尾根を進むことにする。と言うより先に、あの急坂を下るのがイヤな道子は、もう石の上を歩き始めている。
これから1Kmも続く岩場、強い風雨で歩きにくいが、一歩ずつ黙々と歩く二人。尾根の西側は樹木帯で岩場より歩きやすいが、視界が悪い日に西側を歩けば南霊岳の方へ行き西南尾根を外れてしまうので、風が強くても尾根の東側を歩くことにする。 岩場から登山道に変わると足元にフクジュソウが続くが、その多くは花が終わっている。この風雨で花は閉じているが、岩の間に咲いているフクジュソウの花を見つける。風速10〜20m/sあるだろう、ゴーゴーと吹く風で二人の会話は聞こえず、ガスでお互いが見えなくなるので10m以上はなれないようにして、ユックリと歩いて行く。
ガスで分からなかったが、いつの間にか南霊岳を過ぎ、尾根は東に向き、再び石の尾根を歩くことになる。例年なら雪の上を歩くのだが、石の上は歩きにくい。強風で身体を持っていかれそうにもなるので、道子に背を低くして歩くように言う。 やっと岩場を抜け笹原を歩くようになり二人はホットする。しばらく緩やかな尾根を上って行き、霊仙山最高点に着く。12時45分、近江展望台から50分で来たことになる。いつもより早いと思ってしまうが、これは強い風雨で昼食をとっていないからだ。
最高点から西にとり、霊仙山三角点手前の小ピークに向かう。緩やかな道だが雨で滑りやすく歩きにくい。ピーク下の鞍部まで来て「昨年は、ここから経塚山へショートカットしたところだ!」と哲郎。二人は登山道を外れ急な雪渓を降り谷筋を下って行くことにする。途中まで来たところで雪渓が切れ、前方が良く見えないが「歩き憎くそう」と哲郎。 そのまま真っすぐ谷筋を進めば問題なかったのだが、横の支尾根に上り踏跡をウロウロしていると踏跡も消え、視界10mで何も見えず、風雨が強く地形図もユックリ見られず、このままでは迷ってしまうので斜面を登ってピークへ行くことにする。 この周囲のピークは経塚山、最高点、三角点手前ピークがあるが、どこでも良いのでピークに登り登山道へリセットすることにする。登りついたのは最高点で、今度は忠実に登山道を進み三角点手前ピーク着く、最高点から10分のところ30分かかったので、20分寄り道をしたことになる。標識に従い北の経塚山へ向かう。
霊仙山三角点から経塚山へは石灰岩が散在する間を下って行くのだが、ハッキリした登山道は無く、視界不良、ドロンコで滑る、と歩きにくい。晴れていれば目の前の経塚山を見ながら下って行けば良いのだが視界不良でピークは何も見えない。「霊仙山で霧で遭難するという状況がよく分かる」と哲郎。 道らしいところを下って行き、鞍部から笹原の中にある登山道を登って行くと経塚山に着く。13時30分、この時間だと養鱒場に向かっても柏原へ下っても時間的に問題ないが、視界不良なのでハッキリしない谷山周辺を避け汗拭き峠へ下ることにする。 経塚山から汗拭き峠へは西にとり「落合・榑ケ畑」の標識に従う。西に下って行くと、最初はハッキリしない踏跡もだんだんシッカリしてきて、はっきりした登山道に変わる。でも今日の道は雨でドロンコで歩きにくい。
経塚山から15分でお虎ヶ池に着き小休止、視界は少しずつ改善してきたが風の方はまだ強く吹いている。7号目のお猿岩のピークを過ぎると風もおさまり、視界もよくなってくる。 そのうち雑木も増えてきて樹林帯に入る頃には、やっと雨も上がってくれる。5合目を過ぎると道は緩やかになり快適な登山道が続く。横をトレイルランの男性が追い越して行くが、「こんな天候で、どこからやって来たのだろう?」と思ってしまう。
経塚山から60分で汗拭き峠に着く。もうすっかり明るくなり薄日も差してくる。折り返すように峠を下って行き、帰りは賑わっているカナヤの横を通り廃村榑ケ畑を抜ける。明るくなったのだろう植林地のミヤマカタバミも開いてくる。 峠から15分で登山口に着く。車は3台だけ残っていて、皆さん今日は早々に引き上げたようだ。登山口から10分下った所で出合う谷でユックリと後始末することにする。今日はスパッツもストックも雨具もズボンも・・・全てドロンコで後始末に20分かかってしまう。
まだまだ17時のバスまで時間があるので、二人はユックリと林道を下って行く。朝には開いていなかったヤマルリソウやシャガの花を見ながら下って行き、丁度16時に醒ヶ井養鱒場のバス停に着く。バスには1時間もあるので醒ヶ井駅まで歩いても良いが、「今日は疲れたので、バスを待とう!」と食べていなかった昼食用のオニギリを食べながら、二人はのんびりとバスを待つ。
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||