桟敷ケ岳 (薬師峠〜奥山椒〜大森)//北山
2012.05.12



奥山椒の滝横の崖から急斜面を下って行く
「去年より荒れている!」と道子


2012.05.12 (土) 雨のち曇り  哲、道

行き:北大路駅前8:40(雲ケ畑バス)− 岩屋橋バス停
帰り:小野郷バス停15:58(JRバス) − JR京都駅


コース:
岩屋橋バス停〜志明院〜薬師峠〜若茸山直下〜鉄塔〜桟敷ケ岳〜西尾根〜奥山椒滝出合〜長谷林道終点〜大谷林道出合〜大森キャンプ場〜大森中町〜小野郷バス停

注意:
奥山椒は初心者危険コースです。ナベクロ峠から大森に下る場合は長谷道を利用してください。






 「午後から晴れる」という予報で「桟敷ケ岳へ春の野草観察にでも出かけよう!」と言うことになる。岩屋橋への京都バスがなくなったので、今日は初めて雲ケ畑バスの「もくもく号」に乗ることになる。北大路駅前バス停には雲ケ畑へ向かうだろう客が数人待っていて「確か9人乗りだったから、乗れるだろう!」とバスを待つ。

 バスがやって来た時+10人増え、後から来た人は乗れないので運転手がカードを渡し運転手が手配したタクシーで目的地へ向かうのだそうな。バスが発車して、途中のバス停で待っている乗客にカードを渡し、結局これの繰り返しで少々遅れてしまったが、乗客は必ず座れ、バスに乗れなくても500円で雲ケ畑までタクシーで行くことが出来、以前よりサービスがよくなったようだ。

 今日は結局25名が雲ケ畑バスを利用した事になる。折り返しのバスにも数名が利用したので、やはりこの雲ケ畑にはバスが必要だったようだ。終点岩屋橋で降りるが小雨が降っているので料理屋さんの休憩所を借り準備する。雨も小降りになった所で志明院へ向け歩き始める。

やって来た「もくもく号」 志明院へ向け歩き始める

 雨が降るものの、川沿いの新緑が目に飛び込んできて心地よく歩くことが出来る。ここのヤマルリソウはもう終わっていて、これでだいたい北山の春の野草の様子がわかる。谷の中にはクリンソウが咲き、これを見ながら志明院へ向かう。「今日は寒い」という予報で少々厚着をしてきたので、雨具を着ていると「暑い!」と言うことになり服を2度も調節する。

 そんなことをしているうちに皆さんに追い越され、結局バスで来た登山者で我々が最後になってしまう。志明院に着き小休止する。奥のシャクナゲはまだ咲いているようだ。右の登山道を上って行き谷に出合うと、丁度見頃のクリンソウを見る。でも上流へ行くほど花が小さくなるので、これからも楽しめるようだ。谷分岐で右にとり新緑の雑木を抜け薬師峠に着く。

新緑の志明院から右の登山道へ 新緑の雑木を抜け

 薬師峠では2名が休憩中で、我々は休息を取らずに右に折れ桟敷ケ岳へ向かう。心地よい雑木の道が続き穏やかに上って行くが、風が強く当たり、途中で雨具を脱ぎシャツ1枚の二人は寒いということになる。

 ピンクのミツバツツジは終わっているが所々で赤いヤマツツジを見る。でも寒いので目の前の新緑の雑木を楽しみながら山頂に向かって黙々と歩くことになる。岩茸山直下の斜面の巻き道ルートを上って行き岩茸山からの尾根に出合うと植林地の中を歩く。

薬師峠では2名が休憩中で 目の前の新緑の雑木を楽しみながら

 植林地を抜けると谷の源頭を横切り、広くなった尾根を登り始める。ここにはアセビの大木があるが、昨年満開に咲いていた花はもう終わっている。尾根は益々広くなり、雑木を楽しんで登るところなのだが、風が強くなり雲が横切っていき、余り快適とはいえない。

 強風で余りにも寒くなってきたので二人は雨具を着ることになる。強い風とガスで展望を楽しむことも無く送電線の鉄塔の下を通過する。少し下った雑木の鞍部から標高差30m登って桟敷ケ岳の山頂に立つ。

植林地を抜けると谷の源頭を横切り 展望を楽しむことも無く鉄塔を通過する

 山頂には先行者の姿も無くヒッソリとしている。「我々より先に10名はいたのだが、皆さん何処へ行ったのやら?」。11時20分、薬師峠から丁度1時間で来たことになる。雨も上がり昼食にするのだが、山頂は風が強いので東側の雑木の陰で昼食とする。

 オニギリを食べていると、バスで一緒だった青年がやってくる。先に出発していた彼なので、「どうして後から?」と思ってしまうが、彼は祖父谷林道からやって来たといっている。「山頂で、今6℃です」という彼は、最近この周辺の北山を楽しんでいるようだ。

 彼は伐採で林道が出来た狼峠から「まほら谷」へ向かうといい去って行く。我々は「この天候では野草観察は無理だ!」と、山頂から西尾根を下ると出合う山椒谷を下ることにする。

桟敷ケ岳△895.8mの山頂に立つ 桟敷ケ岳山頂から西尾根を下り始める

 山頂から西へ下って行く支尾根は、急勾配ではないが雨後なので滑らないよう注意して下って行く。標高差100mも下ると右手に植林地を見る。支尾根の先から南へ急勾配の斜面を下ることが出来るが、こちらは急勾配のヤブコギが待っていて、以前熊のようなものに遭遇したので、今日は植林地を下り奥山椒の滝横を下ることにする。

山頂から西へ下って行く支尾根は 今日は植林地から滝横を下ることにする

 奥山椒に出合い少し下って行くと、滝上に出合う。昨年と同じコースを下ることにする。滝横の岩場を数m下ると急勾配の斜面に変わるので、ロープを取り出して崖を下る。少し下った所から上の斜面を見上げると、我々が下った崖の右手に登っていけそうな斜面を見つけ、「次回はこの斜面を下ってみよう!」と哲郎。何れにせよ急勾配で危ないので、この滝横は初心者危険コースです。

 急斜面から滝下へ降り、谷に沿って山椒谷を下って行くのだが、「去年より荒れている」と道子、ズルズルと滑る斜面や落石、雨後も影響して時間がかかってしまう。崖の横を通り過ぎると谷も穏やかになり、獣捕獲用の檻が見えて来ると林道終点は近い。

奥山椒の滝横を慎重に下る 「去年より荒れている」と道子
崖の横を通り過ぎると谷も穏やかになり 獣捕獲用の檻が見えて来ると

 13時15分、林道終点に着き小休止する(谷で時間がかかったと思っていたが、後で調べたら、昨年より早く着いていた)。この長谷林道は緩やかに下って行くので、斜面に咲く野草を見ながら展望も良く、快適に下って行けるのが良い。でも斜面のヤマルリソウやイカリソウはもう終わっている。

 雪のせいだろうか、斜面が至る所で崩れていて、野草の数も随分と減ってきているようだ。標高530mにあるガードレールまで来ると大谷に出合う林道終点はもうすぐだ。でも今日は林道脇の山菜を摘みながら下って行くので、時間がかかってしまう。

林道終点に着き小休止する ガードレールまで来ると

 やっと長谷林道入口に着き、大谷林道に出合う。少々遅れて着いたようなので、「今日は17時前のバスで帰ろう!」と少し下って大谷の河原に降りユックリと後始末をする。「さあ、小野郷バス停まで歩こうか!」と歩き始め、時計を見ると14時45分、中途半端な時間だ。14時50分、大森キャンプ場を過ぎた所で「やはり、16時前のバスに乗ろう!」と言うことになり、二人はピッチを上げ歩き始める。

 大森東町の集落に入ると、前方に一人の男性が歩いていて、急ぎ足の我々がなかなか追いつけないので、彼も小野郷バス停へ向かっているようだ。最近、哲郎は10km程度の速歩で体調を整えているが、今日は重い革靴、「暑い!」と言うことになり二人は途中でシャツ1枚になる。

やっと長谷林道入口に着き シャガが咲く岩谷を渡り

 大森中町の西町分岐の三叉路で15時20分、「頑張れば間に合うだろう!」とピッチを落とさずに歩き続ける。途中で「バスに乗ります!」という男性を追い越し、「派出所のトイレで着替える!」という道子は、さらにピッチを上げてくる。やっと民家が見えて来てシャガが咲く岩谷を渡り、15時48分、バス到着10分前に小野郷バス停に着く。「あ〜、やれやれ!」とやって来たバスに乗ると、当然のように二人のまぶたは重くなってくる・・・。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14−7】
春定番の野草・クリンソウ