天狗峠(岩屋谷〜P927〜P829)//北山
2012.09.22


 
天狗峠の南にあるP927に着く


2012.09.22 (土) 晴れ時々曇り  小てつ、哲、道

往復:京都から久多滝谷分岐まで車利用

コース:
滝谷分岐〜三国岳登山口・演習林小屋〜滝谷北尾根〜P936〜天狗峠分岐=天狗峠〜P921〜P927〜P927北東尾根〜P829〜久多川河原〜滝谷分岐

注意:
・天狗峠周辺の尾根に道はありません。迷いやすいので初心者危険コースです、初心者だけで出かけないようお願いします。
・同じような地形が続き迷いやすいので、地形図・磁石は必ず携帯してください。







 「やっと涼しくなった!」と、小てつさんと天狗峠への尾根を散策することになる。朝どんより曇っていた空も大原を走る頃には晴れてくれ、比良の山々を見ながらR367を快適に進んで行く。久多下ノ町から久多川に沿って北上する。

 駐車予定地の滝谷分岐の空きスペースには車が5〜6台止まっていて、道路では団体さんが準備運動をしている。「あちゃ!」と小てつさん、少しバックしてミゴ谷付近の空きスペースに車を止める。

足元にトチの実が転がる 秋定番のツリフネソウ

 準備も終わり滝谷分岐から岩屋谷沿いの林道を歩き始めるが、団体さんは見当たらないので、きっと滝谷コースへ向かったようだ。林道の斜面にはオトコエシ、ツリフネソウやアキチョウジの秋の野草が咲き、その間にアキギリの花を見る。

 そんな花を観賞しながらユックリ三国岳登山口へ向かう。登山口の演習林小屋に着くと谷に下りタオルを濡らして首に巻く哲郎と道子、上で待っている小てつさんには理解できないかも知れないが、これが二人の登山スタイルなのだ。小休止も終わり南の斜面を登って行く。

滝谷分岐から岩屋谷沿いを歩き始める 三国岳登山口から南の斜面を登って行く

 急斜面の登り、「暑い」と大量の汗をかく二人を見て小てつさんもペースを落としてくれ、何度も小休止することになる。支尾根に乗るが期待していた風はなく、暑い登りが続く。標高700mを過ぎると、さすがに秋、少し涼しくなり滝谷北尾根を快適に歩くことになる。

 細い尾根を西に進んで行きP936に近づくと、最後は50m程急斜面を登ることになる。登り切る頃南方が開け滝谷周辺の山々と、その奥に峰床山から桑谷山の双峰が見えてくる。P936の稜線に出ると、さらに視界が開け三人は遠くの山々を楽しむ。

大きなサルノコシカケを見る 遠くに峰床山から桑谷山双峰を見る

 植物観察をしながらユックリと天狗峠へ歩き始めると、前方から一人の男性がやって来る。彼はこの周辺を良く歩いているようで、この周辺の様子を説明してくれる。「先週は日帰りで水晶岳へ行ってきた!」という彼は、【洛西オヤジ】さんのようにタフな男のようである。

 彼とわかれて尾根を西へと歩き始める。もう何度も歩いているが素朴な尾根が続き、見る風景が新鮮に感じるので、尾根歩きが楽しい。標高900mのピークから鞍部に下り、ひと登りすると天狗峠への分岐に着く。

大木の上に咲くアキチョウジ 素朴な尾根が心地よい

 前方から声が聞こえてきて、今朝見かけて団体さんだろう、分岐で休息している。彼らが天狗峠へ向かうと後を追うように我々も天狗峠へ歩き始める。天狗峠の山頂に着き昼食とするが団体さんの姿が見えない。

 「芦生七瀬へでも下ったのだろうか?」と思ってしまうが、ここで12時のユックリの団体さんでは無理だろうということになる。「下でビールしている!」と周囲を散策していた小てつさんが少し離れたところで団体さんを見る。彼らは三国岳から岩屋谷へくだるようだ。

分岐から天狗峠へ向かう まだ咲いているとギンリョウソウ

 昼食後は三国岳から岩屋谷へ下っても良いが「少し南の尾根を散策してみよう」と言うことになり、分岐まで戻り尾根を南へ下り始める。こちらは滝谷から上がってくるポイントがいくつかあり踏跡が濃い。それらのポイントを過ぎると踏跡は薄くなるようだ。そのポイントで「あ〜だ、こ〜だ」と言っているうちに標高830mの鞍部まで来る。

 ここから引き返す予定であったが「折角ここまで来たのだから、この南にあるP927へ向かい滝谷分岐への支尾根を下ってみよう!」と哲郎は小てつさんに勧める。今日はユックリの散策で少し遅い時間だが、「16時までには降りられるだろう!」と南のP927へ向かい、我々にとって未知の支尾根を下ることにする。

天狗峠分岐に戻り
尾根を南へ下り始める
P927への分水嶺の稜線は
小さな鞍部とピークを繰り返す

 最初の鞍部から途中のP921まで標高差100m近く登ることになるが、新鮮に感じる尾根歩きは苦にならない。薄い踏跡が続くが細い尾根なので迷うことはない。P921のピーク下を通り次のピークへ向かう。尾根にはブナが点在し、それが杉に変わり、ナラに変わり・・・心地よい歩きが続く。

 チョット尾根が東へ向いたところで標高920m程の小ピークに着く。ここには「←滝谷降下点」と木にラクガキがしてあり、ここから支尾根を下ると滝谷の馬尾滝上の谷分岐へでるようだ。

P921への登り 途中のピークの木にラクガキ

 再び南へ向かうと「ここがP927だろう!」とピーク手前で南へ向かう踏跡から外れピークへ登って行く。13時40分P927に立つ、天狗峠分岐から70分である。ここで小休止し滝谷分岐への支尾根の取付を地形図で確認する。

 支尾根の取付を探しに小広いピークから左寄りに東に下って行く。ピークから久多峠への尾根取付まではテープやマークがあり、平坦になった所で「あれが久多峠への尾根や!」と小てつさん、右手にフカンド山から久多峠への尾根の取付を見る。

北山で見るいつもの標識 小広いピークから東に下って行く

 問題はこれからで、地形図によるとこの先に支尾根が3つあり目的の支尾根が分かりづらいと思う哲郎。とりあえず東へ直進し突き当たった支尾根を下ることにする。方向が東へ向いているので「チョット違うかも」と思いながら少し下ってみる。細い支尾根で急に下りだしたので「これは違うだろう!」と引き返すことにする。

 「北東へ向かわなくては」と今度は左隣の支尾根を探ってみる。上からでは支尾根が続いているとは見えないが、下りて行くとすぐになだらかな尾根が続く。「これが目的の尾根や!」と安心する三人。14時10分、20分ロスしたことになる。

久多峠分岐からさらに東へ進み
目的の尾根を探す
これが北東へ延びる尾根の取付
分かりにくい

 地形図を見るとこの支尾根の先にP889があり「P889を見ながら下りると良い!」と小てつさんに言う。(P889とは経ケ岳であった)。なだらかな尾根が続き「こんなに緩やかでいいの?」と思うほど緩やかに下って行く。東方が開けていて遠くに比良山系が見渡せる。尾根は我々を待っていてくれたかの様に雑木の中、歩き良い尾根が続く。

 こんな雑木の中に黒く焼け焦げた木をたくさん見る。どうやら落雷で焼けたようであるが、この尾根は雷が落ちやすいのかも知れない。

東方が開けた緩やかな尾根が続く 黒く焼け焦げた木をたくさん見る

 標高830mまで下ると地形図の通りに尾根が左右に分岐する。ここは右をとりP829へ向かう。細い尾根にネットが続き、それに沿って歩くことになる。数分でP829に付き、これから下る支尾根を選定するため、ここで小休止とする。

突き当たりからネットに沿って右へ 小広いP829で小休止

 ピークから見る限り北東へ下って行く支尾根の下降点が分かりづらい。ここは地形図通りに、前方にP889(経ケ岳)を見ながら北東の斜面を下って行くことにする。ネットに沿ってヤブを少し抜けると足元が刈り取られ支尾根がハッキリ確認できるようになる。

 歩いている側にヒノキの苗を見るので、こちらがネットの内側になるが、ネットの外側に薄い踏跡?獣道のようなものを見て、「外の方が歩きやすい!」とネットが倒れているところから外を歩くことにするが、「やはり中がいい」・・と、こんなことを繰り返しながら下って行くとネットも遠ざかり、心地よい雑木の尾根が続く。。

ルートがハッキリしないので
前方にP889(経ケ岳)を見ながら下る
ネット付近が刈り取られ
支尾根はハッキリとしてくる

 標高550m付近まで来ると北に取ると滝谷分岐へ降りることが出来るが、どこも急斜面で下降点が分からないので、最後は急降下があるものの東へ向いた支尾根に従って下って行く。標高500mになると急降下が始まる。でも歩けないような斜面でなく木をつかみながら安心して下って行く。

 50m下ったところで久多川の河原に降り立ち、早速顔を洗う。P927から90分で下ったことになる。最後に東の尾根をとったので、随分と滝谷分岐から外れミゴ谷分岐近くに下りてしまったが、川を渡り駐車ポイントまで戻り、河原でユックリと後始末する。

最後の50mは急斜面を下る 久多川の河原に降り立つ

 河原には名残のフシグロセンノウが一輪、色鮮やかに咲く。16時丁度、チョット遅くなったが、哲郎は小てつさんが用意してくれたビールを頂いて、京都への帰路に着く。天狗峠周辺の素朴な尾根の散策とP927からの支尾根の探索で満足の哲郎と道子、小てつさん有難うございます!。







木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14−7】
アキギリ