武奈ケ岳(御殿山〜西南稜〜細川道)//比良
2013.02.02


 
御殿山へ登って行くが、暖かいのだろう
雑木に樹氷や着雪を見ることはない


2013.02.02 (土) 曇り  哲、道

行き:JR京都駅7:58 = JR堅田駅(江若バス)8:50− 坊村バス停
帰り:細川バス停15:37(江若バス)− JR堅田駅 16:38 = JR京都駅


コース:
◆坊村バス停〜P846〜冬道尾根コース〜見晴台〜御殿山〜ワサビ峠〜西南稜〜△武奈ケ岳〜北稜細川道下山口〜P706〜細川バス停

注意:
◆武奈ケ岳北稜からの細川道は急な尾根道で90分で細川に下れるが道はありません。積雪時は踏み跡もなく、下山時は左右の支尾根へ迷い込まないよう注意が必要です【初心者危険コース】。
◆冬季京都バスは運休しています。15:37(江若バス)に乗り遅れた場合は、少し北にある朽木方面行き始発バス停から16:24、17:30(江若バス)安曇川行に乗ってください。









 先週は、風邪で山行きを中止した哲郎と道子、二人とも病み上がりだが雪が消えないうちにと武奈ケ岳へ出かける。今日は午前中雨の予報でJR堅田駅8:50発のバスに登山者は少なく全員座って出発する。

 バスが発車する頃から小雨がパラつき、だんだん霧が深くなり窓から比良山系は全く見えない。他の登山者2人と坊村で降りるが、小雨は上がってはいるものの周囲の山々に白いものは見えない。駐車場の車も少なくバス停付近はひっそりとしている。8時45分、準備は堅田駅で済ましているので、すぐに三宝橋を渡り登山口へ向かう。

坊村で降りるが 三宝橋を渡り登山口へ向かう

 登山口に雪はなく、鈴鹿のように湿った登山道を登って行く。前後に人影はなく静かな登りが続く。この植林地の支尾根は標高差350mほど登ることになるので、「休憩は標高差150m毎」と決め登って行く。

 標高500m付近で登山道だけに雪を見るようになるが、踏み固まっているので、なるべく雪のない植林地の斜面を歩いていく。今日は春のように暖かいという予報だったので、服を薄めで調節して登り始めたが、「やはり熱い」とシャツ1枚になる。

登山口に雪はなく 登山道だけに雪を見る

 右に北山の山々が見えるが、安曇川に立ち込める霧が雲海のように広がり山裾は全く見えない。植林地を抜けると雑木が増えてきて、この植林地の支尾根の小ピークに近づいてくる。

 ここでやっと足元に雪を見るようになり標高680mのピークでこれから登る急斜面に備えアイゼンを付ける。小休止後、小鞍部からP846の尾根への急斜面を登り始める。

植林地を登りきると足元に雪を見る 小鞍部から急斜面を登り始める

 標高差100mの急斜面なので、夏道は右に進み左へ斜面を巻いて登って行く。トレースは直登していて、二人はそれにしたがって登って行く。途中で夏道に出合、積雪が少ないので夏道を追って登って行く。20分で登りきり「あ〜やれやれ!」と、飲水休憩とする。

最初はトレースに従い直登し 積雪が少ないので夏道を登って行く

 P846横を抜けると夏道/冬道の分岐に着く。ここで先行していた一人の男性に出合う。哲郎は彼が分岐で迷っているものと思い、「夏道は通れませんよ!」といい通り過ぎ、冬道の尾根を登り始める。彼も我々の後ろに登ってくるので、「彼も我々に同じことを言いたかったのよ!、哲郎のお節介だ!」と道子。

 この付近からやっと積雪も増え雪山らしくなるが、ガスが立ち込めてきて視界が悪くなる。登り切った小ピークから左へ巻いていくと細い尾根にのり、例年のように雪庇の上を歩くようになる。

冬道の尾根を登って行く 雪庇の上を歩くようになる

 しばらく細い尾根が続き西側の雪の少ないところを歩く。最後は急斜面を登り見晴台に着く。雪の吹き溜まりをぐるりと巻いて夏道と出合うが、夏道にだれも歩いた形跡はない。視界不良で展望がないので、すぐに山頂へ向かう。

しばらく細い尾根が続き 見晴台に着く

 山頂へは低木の雑木の下を登って行くのだが、難なく歩けるので積雪は少ないようだ。その雑木に樹氷や雪を見ることはなく、きょうは暖かいことが分かる。山頂近くで風を避け隠れるようにして昼食をとっている三人の男性を見る。御殿山に着くが視界は10〜20mとさらに悪くなる。「昼食はワサビ峠で!」とすぐに北の斜面を下りていく。

その雑木に樹氷や着雪を見ることはなく 御殿山に着く

 この北斜面には例年のように雪庇ができているが、立ち込めるガスでその様子は良く見えない。降り立ったワサビ峠は「風がある!」と、少し進んで風のないところを探す。結局ベニドウダンのトンネルが終わるところの大木の下で昼食とする。

 雪を踏みしめザックを降ろしオニギリを食べていると、前方から2人×2の登山者が通りすぎていく。今日は暖かいので15分の昼食休憩をとり、西南稜を武奈ケ岳へと歩き始める。

ガスで良く見えない雪庇 ワサビ峠の標識

 急斜面を登った小ピークから、いつもは武奈ケ岳を見ながら雪景色を楽しむところであるが、視界は10mに落ち先を歩く道子以外何も見えない。

 右側にある雪庇だけに注意しながら下を見て歩くことになるが、「今日はいつもの強い風がないだけ良しとしよう!」。

先を歩く道子以外何も見えない 右側にある雪庇だけに注意しながら

 最後の急斜面を登って行くと、コヤマノ岳からの道に出合、北にとり武奈ケ岳山頂に立つ。山頂には誰もいない。13時25分だ、昨年は12時45分だったので、今日は40分遅れていることになる。二人で「遅れたのは何でやろ?」と、いろいろと分析を始めるが、細川バス停から堅田行きのバスに間に合うよう先を急ぐことにする。

コヤマノ岳からの道に出合う 山頂には誰もいない

 2人は北稜を下って行き細川道下山口へ向かう。北稜は風が強く当たるので積雪は少ない。細川越へ下り始める手前で左の尾根へ進む、ここが細川道の下山口だ。誰が付けたのだろうか「←細川」の標識を見る。積雪がそこそこあるので、ここで二人はアイゼンからワカンに替える。

 尾根にはシューの跡があり、今朝登ってきたようだ。昨日雨が降り雪が締まっているようで、その跡は沈んでいない。このコース、登るときは迷うことはないが、下山時は尾根分岐で選択を強いられるので、その分注意が必要だ。でもトレースがあるのでその心配はないが、その分面白くないということになる。

細川道下山口の標識 細川道を下り始める

 最初は前方に大杉を見ながら尾根を下って行くのだが、今日はガスのため見えない。どんどん下って行き尾根が広くなると、これから進んでいく尾根が確認できず、視界不良の時この尾根を下る場合は要注意である。

 標高1000mを切ると、「もうすぐ?」と道子が気にする。標高800m付近の岩混じりの急坂、中途半端な積雪では歩きにくいからだ。その急坂の途中で、先を行く道子がこける。岩につまずいたようだが、なかなか立ち上がらない。「両足がけいれんしている!」と道子、でも急がなくてはと回復もそこそこに歩き始める。そのうち尾根もなだらかになりP706に着く。

細川道を楽しみながら下る P706に着く

 積雪も20cm程度になったので、ここでワカンからアイゼンに替える。だらだらと広い尾根を下って行くとワカン跡や踏み跡が増えてくる。植林地が見えてくると、尾根の右側に寄って行き作業道に出合う。その道を下って行くと直登コースと斜面を巻く道分岐に出合う。

 左の巻道コースを選択し下って行くが、もう雪がなくなりアイゼンを外す。谷に出合うと作業道は右に折り返し斜面を巻いていく。しばらく植林地を下って行くと前方が明るくなり送電線を見る。送電線を潜り地道に出合い右にとると墓に出合う。ここから簡易舗装道を下るとすぐに細川バス停に着く。

植林地が見えてくると やっと送電線を潜り

 15時15分、昨年は14時40分だったので、今回は35分遅くなったようだ。遅れの原因は坊村からの登りで雪を避け斜面を登ったからで「早くアイゼンをつけるべきだった」と反省。バスまで20分あるので、八幡谷へ下りアイゼンやストックを洗い、小雨が降って来たので民家の軒を借り着替える。

 やって来たバスに乗り帰路に着くが、朝バスで一緒だった2人が坊村から乗ってきて、結局バスで武奈ケ岳を楽しんだ登山者は4人だけのようだった。雪道でさすがに疲れた哲郎も今日は瞼を閉じることになる。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14−7】
細川バス停は八幡谷の橋のたもと