武奈ケ岳(御殿山〜北比良峠〜ダケ道)//比良


 
前方に武奈ケ岳を見ながら
チョット秋めいてきた西南稜を楽しむ


2013. 09. 21 (土) 晴れ   哲、道

行き:出町柳 7:45− 坊村
帰り:イン谷口 16:00 − JR比良16:21= JR京都駅


コース:
坊村バス停〜御殿山〜ワサビ峠〜西南稜〜△武奈ケ岳〜コヤマノ岳分岐〜イブルキノコバ〜八雲ヶ原〜北比良峠〜ダケ道〜大山口〜イン谷口バス停








 武奈ケ岳へキタヤマブシ鑑賞に出かける。「アクセスや登山道はどうだろう?」と台風18号の影響も確認することにする。

 出町柳バス停に着くと、列の先頭に並ぶJOEさんを見る、武奈ケ岳へ行くそうだ。列の後方に「おばさん山歩き隊」のメンバーも並んでいて、蛇谷ヶ峰へ行く予定だったが台風の影響でバスが細川までしか行かないので、蓬莱山に行先を変更するそうだ。どうやら朽木方面は通行止めのようだ。

 遅くやって来た二人は立っての出発となる。花折峠への登りに差し掛かると、あちこちで土砂崩れしていて重機が動いている。坊村付近の安曇川はまだ黒く濁っている。

 坊村バス停で降りトイレ前で準備する。「一緒に行きましょう!」と言うJOEさんだが、バスで立っていた二人はチョット休みたいので、先に出発するJOEさんを見送る。皆さんが出発した後20分遅れで出発する。

 いつも小奇麗にしてある比良山荘や明王谷は大きく様変わりした様子はなく、橋を渡り登山口から登り始める、9時10分である。

いつも小奇麗にしてある比良山荘 明王谷の橋を渡り登山口へ

 朝夕は涼しくなってきたこの頃だが、御殿山への植林地の登りはやはりしんどくて、すぐに汗をかいてしまう。それでも雑木が現れてくるころからバスの先客に追いつき一人ずつ追い越していく。

 植林地を上り詰めた小ピークで飲水休憩し、これから登る標高差100mの急登に備える。P846へ登り始めると足元に咲くキタヤマブシを見て、「台風の影響はなさそうで、上に咲く花もきっと大丈夫のようだ!」と一安心する。

植林地の登りはやはりしんどくて 足元に咲くキタヤマブシを見て

 P846への登りは植林地の登りより勾配がきついのだが、雑木の中なのであまり疲れは感じない。12分登って三の滝方面に下る主尾根に乗りP846へ向かう。下りの場合、ここで西へ下らず南の尾根をとり遭難する人が多いので、迷い込まないようにロープが張ってある。

 P846下を通り過ぎる頃一人の女性が下を向いてジートしている。連れの男性はそれを遠くから見ている。「何で?」と哲郎が女性に近づくと一匹のスズメバチが女性を威嚇している。哲郎は女性に目を閉じてもらいヒル避けに携帯しているハッカ油の希釈液を十分に噴霧する。威嚇していたハチもやっと遠ざかってくれる。彼女だけに敏感だったのは、きっとハチの好む香水を使用されていたからのようだ。やれやれ一安心の二人は夏道へと進んで行く。

勾配がきついが雑木の中で疲れは感じない 主尾根に乗り夏道へと進んで行く

 夏道分岐を右にとり斜面を巻いていく道を進む。雑木の美しい道なのだが、台風のせいだろう随分と葉が落ちていて、いつもより明るく感じる。キタヤマブシの咲く谷を登り始めると、谷の溝は少し深くなっているようだが、大きな変化はない。そこで丁度見ごろのキタヤマブシを見る。

夏道分岐を右にとり斜面を巻いていく 丁度見ごろのキタヤマブシを見る

 谷の途中で右の斜面を登り支尾根に乗る。このポイントも下りの場合、真っすぐ支尾根を直進していくと口ノ深谷へ降り「遭難」と言うことになるので、このコースに慣れていない人は要注意である。

 支尾根を登り詰めた見晴台で群生する花を見て飲水休憩とする。見晴台から雑木の登山道を御殿山へと登って行くが、ここも強風で葉がたくさん落ちていて、いつもより明るく感じる。

見晴台の花を見て飲水休憩とする 雑木の登山道を登って行くが

 途中でキタヤマブシの花を見るが、もう十分楽しんでいる二人は素通りすることになる。「今日は足がバテバテだ!」という道子、御殿山に着くが周囲を見渡すこともなくワサビ峠へと下って行く。哲郎も跡を追うようにして下って行き、降り立ったワサビ峠で早い昼食とする、11時00分である。

御殿山から武奈ケ岳を望む 降り立ったワサビ峠で早い昼食とする

 少々虫がうるさいが、通り過ぎていく登山者を見ながら木陰でオニギリを食べる。20分の昼食休憩も終わり西南稜を歩き始める。日射しはきついが涼しい風が心地よく余り苦にならない季節になったようだ。紅葉の始まったベニドウダンを通りすぎると急斜面を登り始める。

 ここでいつもリンドウやセンブリの花を見るのだが、見たのは一輪のリンドウだけ、開花が遅れているのか、大雨で流れてしまったのか?。西南稜で毎年目にするシオガマギクも見当たらず、ただホツツジの花だけが満開で賑わっている。

武奈ケ岳を見ながら西南稜を歩く リンドウ
満開のホツツジ アキノキリンソウ

 先行したJOEさんから「ラーメンタイムも終わり細川越えから広谷へ下った!」とメールを頂く。我々もコヤマノ岳からの道に出合い武奈ケ岳山頂に着く。「今日は久しぶりにオオカニコウモリを見よう!」とイブルキノコバへ下ることにする。

 溝状の道を下って行きコヤマノ岳分岐を左にとりイブルキノコバへと下って行く。雑木の美しい穏やかな下りが続き心地よいのだが、雪山用なのだろうか赤いテープが続き、これは頂けない。

△武奈ケ岳 イブルキノコバへ下る

 冬道の方に数人の人影を見るが、木々のマークを見て進入しているのだろうか?。二人は夏道の溝状の道を下って行くと、谷に出合い顔を洗いさっぱりする。ここから谷沿いを下って行くとイブルキノコバに着く。台風でガリバー方面は通行止めとなっているようで、知らずに進行すると迂回や引き返すことになるので、台風や大雨後の登山は災害情報の確認が必要である。

 八雲ヶ原へ向かいススキの茂るゲレンデ跡に出ると、JOEさんからのメール通り「ハチ注意」の表示と迂回ルートのロープを見る。ススキの草原を下って行き、八雲ヶ原から北比良峠へと登って行く。

橋を渡ってイブルキノコバ ススキの中を八雲ヶ原へ
オオカニコウモリ オトギリソウ

 ロープウェイ駅舎跡の広場にはたくさんの人が休憩していて涼を楽しんでいるようだ。そんな横を通り過ぎ、二人はダケ道を下り始める。ダケ道は台風の影響もなく、いつも通りだ。ただ溝状の道は土砂が流されゴロゴロ石が目立っている。

 左右が落ち込んでいる細い尾根も残っていてヤレヤレ。しばらく続く下り道、二人は黙々と歩いて行く。途中で若者たちが駆けるように下って行き、「速い!」と言っているうちに消えていく。

北比良峠からダケ道へ 細い尾根は残っていてヤレヤレ

 カモシカ台を過ぎ少し下ると谷に出合い、ゴロゴロ石の谷を歩くようになる。水が流れるところには石が組んであり、チョットした治水である。このチョットしたことで大きく崩れていないのである。「だれがしてくれたのだろう?」と言いつつ大山口に降り立つと、そこで一人の男性が登山道の整備をしている。

 登山道を石で組みその間を土砂で埋める作業だ。道子がその男性にお礼の言葉をかけるが、哲郎の言葉よりは嬉しいだろう。シッカリした橋を渡りイン谷口へと下って行く。

ミヤマママコナ 大山口のシッカリした橋を渡り

 15時00分にイン谷口に着き運行が再開されたバス停を見る。JR比良駅までは歩いたほうが早く着くのだが、「折角だからバスに乗ってみよう」と言うことになり、谷に降りユックリと着替え用具を洗う。虫もいないので、河原で涼をとりながらバスを待つことにする。

 16:00にやって来たバスに乗る。折角再開したバスなのだが乗客は我々二人、車両も新しく「もったいないあな〜」と、二人を乗せたバスはJR比良駅へ向かう。








主が声を出すと、
水のざわめきが天に起こる。
主は地の果てから雲を上らせ、
雨のためにいなずまを造り、
その倉から風を出される。


エレミヤ書 【10−13】
マツムシソウ