比叡山(梅谷北尾根〜無動寺川)
2013.07.13


 
緩やかな無動寺川を地蔵谷バス停へ下る


2013 .07 .13 (土) 曇りのち雨    哲、道

行き:JR京都駅前7:46(京都バス)− 修学院駅前
帰り:地蔵谷バス停13:09(京阪バス) − 三條京阪


コース:
◆修学院駅前バス停〜赤山禅院〜梅谷道登山口〜北尾根分岐を左〜キララ坂出合(標高500m)=(古道を探索するが見つからず)〜「水飲対陣之跡」碑〜掛橋の大鳥居〜無動寺川を下る〜地蔵谷バス停

注意:
◆梅谷北尾根は赤山禅院の梅谷登山口から300m進んだところにある分岐を左にとり尾根に取りつきます。梅谷を渡ってすぐのところで、分岐の立て看板があります。
◆掛橋の大鳥居から無動寺川を下るコースには、無動寺への京道の古道が半分残っています。倒木や古道が崩れているところは谷の中を歩きます。途中に二つの堰堤がありますが、全体に危険なところや迷うところはなく、穏やかな谷を楽しむことができお勧めのコースです【登山道なし】。









 今日は天候不安定で昼から大雨・雷雨になるという予報なので遠出を止め比叡山へ出かけることにする。国土地理院の地形図:京都東北部1/25000(平成18年度版)によると梅谷北尾根がキララ坂に出合った所(標高500m付近)から南へ掛橋の大鳥居まで破線が記されている。

 「こんなところに古道があった?」と哲郎、平成12年度版には記載がないので、調査に出かけることにする。

 京都駅から大原行きのバスに乗り「修学院駅前」で降り、赤山禅院へ向かう。白川通りから音羽川沿いの道を進み、川から離れると道が狭くなるので要注意、修学院離宮の入口を右に見て迷路のような道を進むと迷わずに赤山禅院の門前に着く。

白川通りから音羽川沿いの道へ 赤山禅院の門前に着き左へ

 10数年振りで登山口がどこか分からないが、門前から左への道を進んでみる。赤山禅院の縁を沿うように進むと、林の中へ入って行く。両側に有刺鉄線が張ってあり、「宮内庁」の表示が両側にあるので、「行き止まるかも」と思ってしまう。

 しばらく歩くと林を抜け民家が見えてきて一安心、舗装道に出る。「ここだろう!」と右にとると、目の前の分岐に車止めを見て、宮内庁の柵に「梅谷登山口」の案内板を見る。

両側が有刺鉄線の林の中を歩く 車止めがある「梅谷登山口」

 民家の裏を登って行き、舗装が切れるところで準備する。民家が過ぎると、すぐに梅谷沿いの林の中を歩く。緩やかな道が続き歩きよいが、右手には宮内庁の有刺鉄線が続く。

 左手に尾根が見えてきて、これが今から登る尾根なのだが「取付きは何処だろう?」と歩いて行くと、橋を渡ったすぐのところで分岐を見る。そこには「火の用心」の大きな立て看板があり、早速分岐を左にとり梅谷北尾根に取りつく。

梅谷沿いの林の中を歩く 分岐を左にとり梅谷北尾根へ

 シッカリした道を登っていき「まむし」の注意書きを見ると尾根に乗る。尾根の溝状の道を歩き始めるが、ここにも「まむし」の札、計3枚あったので、たくさんいるのだろうか?

 「あれ〜!」と道子、大きな獲物でお腹を膨らませた大きな蛇が目の前を横切って行くが、まむしではないようだ。

シッカリした道を登って尾根に乗る 尾根の溝状の道を歩き始める

 溝状の道はだんだん広くなる。キララ坂よりも広く緩やかなので歩きよく「何でいままで歩かなかったのだろう!」と思ってしまう。標高270mで少し開け、送電線の鉄塔を見ながら小休止する。

広く緩やかなので歩きよい梅谷北尾根

 しばらく送電線に沿って登って行く。尾根は少しずつ北へ向いてくるが、溝が深くなり風が通らず「暑い!」ということになる。標高400mを過ぎて、やっと溝から抜け「やれやれ」と飲水休憩とする。

 少し登り始めると「この付近で梅谷からの道に出合うはずだが」と哲郎、結局分からず、最近はあまり歩かれていないようだ。緩やかになると心地よい尾根道に変わる。

溝が深くなり風が通らず「暑い!」と 心地よい尾根道に変わる

 最後は細い尾根に乗り、右下から登ってくるキララ坂に出合う。ここに京都トレイル【東山70】の標識を見る。この標識では梅谷北尾根は「×」となっている。

 ここは標高500m付近、地形図にあるキララ坂の東側にある支尾根を越えていく古道の取付きを探すが、この付近のキララ坂は溝状になっていて右の急斜面は登れない。キララ坂を少し登って行き様子を見ることにするが急斜面が続き、次のトレイル標識【東山71】の分岐まで来てしまう。ここから右の杉谷へ降りて行けそうだが地形図の道から大きく外れている。

右下から登ってくるキララ坂に出合う 梅谷北尾根は「×」となっている

 今度は東の斜面の様子を見ながらキララ坂を下って行くが「こんな急斜面に古道の取付きがあるはずがない!」と哲郎。途中で「登って行けそうだ!」と強引に登って行くと、キララ坂の東側の小さな支尾根に作業道を見る。

 この作業道を上に下にと調査するが標高500mから支尾根を越えて掛橋の大鳥居へ下って行くような道は見当たらない。「これはダメだ!」と水飲対陣跡へ下ってトレイル道で掛橋の大鳥居へ向かうことにする。

「こんな急斜面に古道の取付はない!」と キララ坂の東側に作業道を見るが

 「地形図にあるキララ坂標高500mから掛橋大鳥居までの破線は水飲対陣跡から掛橋の大鳥居へのトレイル道を間違って記入したのでは」と思ってしまう哲郎だが詳細は分からない。水飲対陣跡に着き左のトレイル道を下って行き、大鳥居へ向かう。

 小さな谷を2度渡り送電線に沿って進むと音羽川下りていく。「やれやれ」と二人はユックリと谷水で涼をとる。もう11時を回っているので、古道の探索に1時間近く費やしたことになる。

水飲対陣跡に着き左のトレイル道へ 音羽川で涼をとる

 音羽川を渡り一登りすると大鳥居に着き、鳥居の横のベンチで昼食とする。ここは京都トレイルのメインルート、たくさんのハイカーが目の前を通り過ぎていく。

 昼食の終わった二人は鳥居をくぐり、無動寺川へと降りていく。無動寺川右岸に古道があるが、シッカリしているもののあまり歩かれていないようで、たくさんの倒木や枯れ枝を見る。

鳥居をくぐり、無動寺川へと降りていく 古道に倒木や枯れ枝を見る

 川沿いを歩くようになると、対岸へ渡る橋を見るが、地蔵谷バス停へは、橋を渡らずに川沿いに真っすぐ下って行く。すぐ先で古道に低木の枝が密集し、それを掻き分けながら進んで行く。

 数分も下ると植林地に出合い古道は崩れて消えるが、すぐに現れてきて難なく歩くことができる。

地蔵谷バス停へは橋を渡らない 植林地で古道は崩れて消えるが

 谷は緩やかに下って行くが谷が狭いためか、しばらく古道は消える。でも危険なところはないので、歩きやすい所を探して行くと難なく下って行くことができる。

しばらく古道は消える 歩きやすい所を探して

 最初の堰堤に出合うと左岸を下って行く。谷沿いに石組みの崩れた所や倒木も見るが難なく歩くことができる。数分で次の堰堤に出合い、ここでトレイル道への標識を見るが、この道はあまり利用されていないようで荒れている。今度は堰堤の右岸を下って行く。

最初の堰堤に出合うと左岸を下る 次の堰堤は右岸を下って行く

 堰堤のすぐ先で小さな滝を二つ見る。ここを過ぎると右岸に再び古道を見るようになる。この付近は谷は狭まってきているが、古道は石組みで守られているので残っている。でも倒木が邪魔をしているところがあるので注意して通り過ぎる。

倒木を注意して通り過ぎる 狭い谷間だが古道が残っている

 この石組みの道はしばらく続き、谷間もだんだん広がってきて心地よく歩くことができる。石組みの道を10分下ったところで石組みの道は消える。谷の中や谷沿いを下って行くと広い谷間に出合いすぐ先で左岸に植林地の作業道を見る。右岸は歩けそうもないので左岸へ渡る。

この石組みの道はしばらく続く 左岸へ渡る

 左岸を下って行くとトレイル道への分岐に出合い、ここで標識を見るがこれによると地蔵谷バス停まで700mとある。もう一つの標識は、北白川からのトレイル道で見かけたものと同じなので、ここの標識ではないようだ。作業道をすこし歩くと左上から降りてくる作業道に出合う。これが比叡アルプスの登山口である。

身代わり不動尊へ700m
トレイル道分岐
比叡アルプスの登山口に出合う
登る場合は右手の道をとる

 谷沿いのシッカリした道を100m余り歩いて行くと前方が明るくなってくる。堰堤上の河原が見えてくると、道は消え白い砂の谷の中を歩くことになる。前回川一面に流れていた水も今日は少ない。「あれ!道や!」と川の右岸に砂が盛り上げられ道の様に一段と高くなっているのを見る。

 「前回の大雨の時にはなかったような気がするが?」と哲郎、増水時でなければ堰堤上流は歩けるということである。この砂の道はそのまま堰堤横の林道に続きバス停へ下って行く。バス停に近づいて来たところで、バスまで40分、ゆっくりと着替えて後始末をする。

前方が明るくなってくる 川の右岸に砂が盛り上げられ道の様に

 「雨や!」と小さな雨が降ってきて、慌てて傘を取り出す。「予報通りや!」と言っているうちに雨が強くなってきたので、バス停へ向かい近くの大木の下で雨宿りする。

 「もう少し雨が早く降っていれば、前回のようにラジウム温泉行きやった!」と道子。定刻にやって来たバスに乗り、濡れることなく帰路に着く二人は、今日も「やれやれ!」と。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14−7】
赤山禅院