比良岳(葛川越〜中ユリ)//比良
2013.05.25




 
葛川越は岩や石で埋まっているが
新緑が心地よい


2013. 05. 25 (土)  晴れ  哲、道

行き:JR京都駅7:58(湖西線)= JR志賀駅
帰り:JR志賀駅16:24 = JR京都駅


コース:
・JR志賀駅〜JR高架柱No64を左〜湖西道路下〜荒川峠登山口〜葛川越分岐〜大岩谷渡渉〜20m先の左手の枯れ谷〜ロープ場から古道跡〜大岩谷へ降りる〜谷分岐〜広場〜炭焼窯跡〜大岩谷左俣へ下降〜すぐの谷分岐で佐俣〜葛川越の峠(比良縦走路出合)〜比良岳〜中ユリ分岐〜大岩谷50m手前で左の枯れ谷へ迂回〜大岩谷左俣の支流を下る〜大岩谷左俣〜広場〜谷分岐〜(往路を下る)〜JR志賀駅

注意:
◆葛川越:登る人も増え危険なところにはロープが張られているが、古道の半分は崩壊しているので【初心者危険コース】です。初心者だけで出かけないようお願いします。

◆中ユリ:大岩谷左俣の取付き部分は大岩谷に沿って大きく削られ登山道が崩壊しています。広場から分岐する支流を30〜40mも登り東の枯れ谷のケモノ道を渡ると中ユリの古道に出合ます。余り支流を詰めていくと古道に出合わないので注意してください。中ユリも取付き付近が危険なので初心者だけで出かけないようお願いします。






 今日は「葛川越を楽しみ、ついでに烏谷山のシロヤシオを鑑賞しよう!」と出かける。JR志賀駅でたくさんの登山者と共に降りるが、女性が多くてトイレに列ができる。「早く降りてきて良かった!」と道子。彼らはバスでロープウェイ乗り場へ向かうようだ。

 二人はJR高架柱沿いの道を歩き始め、荒川峠道登山口へ向かう。毎年のようにこの時期、熱い日射しを受けるので、道子は朝早くから傘を取り出し日傘とする。高架柱【No64】で左に折れ目の前に比良山系を見ながら歩くことになる。

 国道161号の信号を渡ると集落の中の地道に変わる。途中で萬福寺に突き当たるので右にとり、お寺を巻くように左へ進めば、前方に雑木林が見えてくる。雑木道に入る前に木陰で準備する。

高架柱【No64】で左に折れ 萬福寺に突き当たるので右にとり

 雑木道にはピンクのモチツツジが続く。湖西道路(志賀バイパス)を潜ると、もう荒川峠登山口まで一本道の林道が続く。左へ巻いて登って行く道には毎年のように、ニセアカシアの花が咲いている。

 テニスコートを過ぎると、日蔭の林道に変わるが、風がないので「暑い!」と二人のペースは落ちる。途中の用水路まで来て小休止し、汗を拭きながらそばに咲くオカタツナミソウを見る。

突き当たった雑木道を進む そばに咲くオカタツナミソウを見る

 地形図(・269)で橋を渡ると、道はS字状に2度曲がって行く。谷沿いにはピンクのタニウツギが続き、紫のキリの花が綺麗に見える。荒川峠の登山口に近づいてくると、計7台の車を見る。今日は団体さんがやってきているようだが、ここからだとどんなルートを取るのやら?。

タニウツギが咲き 桐の花が美しい

 飲水休憩後、荒川峠道の登山口から登り始める。大きく折り返してゆっくりと登って行く。賑やかに咲いていたヤブツバキも残りわずか、周囲は緑が濃くなってきている。イワカガミの花も終わり登山道はひっそりとしている。

 葛川越の分岐に着き、またまた小休止。今日は真夏のようにしんどいと感じる哲郎、「体調がすぐれないのだろうか?」と思ってしまう。分岐を左にとり葛川越へ向かう。

荒川峠道の登山口から登り始める 分岐を左にとり葛川越へ

 谷沿いの横道は幅が広く古道を感じるのだが、すぐに右に折れ、荒川峠道の湧水からの谷を渡ることになる。ここには道がなくロープを持ちながら崖を横切る。冷たい谷水でタオルを濡らし首に巻く哲郎、ヒンヤリして気持ち良い。

 しばらく横道が続くが、3度越える谷筋には新しいロープが張ってあり、最近ここもメインルートになってきたように思える。谷筋はガレてきているが、ロープを掴むほどではなく、哲郎はロープに頼らず渡るが、道子はロープを見ると必ず掴んでしまう。

ロープを持ちながら崖を横切る 3度越える谷筋には新しいロープが

 道が谷に突き当たると横道は終わり、左下の大岩谷へ降りる。谷水で涼をとり上流へ20mも進むと、すぐ左手に枯れ谷を見る。この枯れ谷の右岸(左側)を少し登って行くと谷の岩にペンキのマークや谷を横切るロープを見る。

 このロープは「この先危険」を示していて、ここで右岸から左岸へ渡る。枯れ谷に沿って少し登って行くと、左手に斜面にロープを見る。

大岩谷に降り立ち20m進むと左手に 枯れ谷を少し登ってロープの手前で

 この付近は古道が消失しているので、今度は大岩谷に沿って斜面のロープ場を注意しながら進む。ロープ場を過ぎると古道に出合うが、岩や石で埋まっている中を進んで行く。しばらくして古道らしくなるが、少し登って行くと道はガレてきて再び斜面のロープ場に変わる。

 谷上の斜面のロープ場を注意しながら歩いて行くと再び古道に出合う。古道はすぐに行き止まるので、ここで大岩谷へ降りていく。

古道は石で埋まっている 谷上の斜面を注意しながら歩いて行く

 最近雨が降っていないので大岩谷の流れは細い。100mも進まないうちに標高600mを過ぎで谷分岐に出合う。葛川越は左俣の本流の先にあるのだが、ここは中央の斜面を登って行く。

大岩谷を進む 谷分岐で中央の斜面を登って行く

 踏み跡薄いが歩けそうなところを100mも登って行くと広場に出合う。すぐに大岩谷左俣へ近づいて行き、中ユリの取付きの様子を伺う。目の前の支流口から大岩谷下流30mにあった中ユリのロープ場取付き付近まで右岸は大きく削られていて、過去のルートは使えないようだ。

広場に出合う 中ユリ取付きの右岸は大きく削られて

 小休止後、広場の奥にある古道を歩き始める。古道はジグザグに登って行き、炭焼窯跡を過ぎると途中で何度も怪しくなってきて、大岩谷に沿って歩くようになり最後は大岩谷左俣に突き当たる。

 左手の谷に降りるとすぐ目の前に谷分岐を見る。この分岐も葛川越がある左俣を取る。

最後は大岩谷左俣に突き当たる 葛川越がある左俣を取る

 谷と言っても枯れ谷の中、岩を縫って登って行く。谷はだんだん細くなるがゴロゴロ石は続く。上から降りてくる男性に出合う。ここで人に出会うことは珍しいことだ。

 標高800mまで来るとゴロゴロ石は消え谷は消え、木々が開けた急斜面を登り後ろを振り返ると琵琶湖が見えてくる。

谷はだんだん細くなるが 木々が開けた急斜面を登り

 すぐに古道が現れてきて、ジグザグに登って行く。登るにつれ足元には楓の葉が落ちていて緑のじゅうたんを歩くようになり心地よい。今年は名残のイワカガミを見るが、いつも見るユキグニミツバツツジのピンクが目立たない。

すぐに古道が現れてきて 楓の葉が落ちていて

 前方が明るくなり葛川越の峠に着く。団体さんがゾロゾロと比良岳のほうから降りてくる。先頭の男性がこの峠でいろいろと説明しているので、ツアーなのだろうか?。

 ユックリ登って来たので、「もう12時を回っている!」と峠で昼食とする。西側の小広場で緑の雑木を楽しみながらオニギリを食べる。

 今日は、峠から北の烏谷山へ向かいシロヤシオ鑑賞の予定であったが、「比良岳へ向かい中ユリを下って取付きを確認しよう!」と哲郎、予定を変更する。南の比良岳へ向かって登り始めるとやっとユキグニミツバツツジを見る。ベニドウダンやサラサドウダンも咲き始めているが、比良岳方面にはシロヤシオは見当たらない。

葛川越の峠に着く ベニドウダン
ユキグニミツバツツジ サラサドウダン

 標高1000mを超えると緩やかになり新緑の雑木の中を心地よく歩くようになる。先ほどからたくさんの登山者に出合い、さすがにここは比良縦走路である。緩やかな道も下って行き、中ユリの分岐に出合う。

比良岳は快適な道が続く 中ユリ分岐のお地蔵さん

 分岐では学生たちが休息中で、その横を通って二人は中ユリに進入する。少し下って行くと雑木のユリ道が続く。でも期待していた花は何も咲いていなく残念だが、新緑が心地よい。

 標高880m付近からユリ道は終わり左手の斜面を下って行く。道はシッカリしていて大岩谷へとジグザグに下って行く。

雑木のユリ道が続く ユリ道は終わり左手の斜面を下って行く

 道にはイワカガミが続き、周囲にシャクナゲの木を見る。この道で楽しめるのはこれらの花だけのようだ。この道、最後は大岩谷へ下って行くが、大岩谷付近は崩れていると予想し、その手前で迂回するルートを取る。

 標高700mを切るとジグザグの道は左にある枯れ谷に接するようになる。遠くに谷の白い石が見えてくるころ、あと大岩谷まで数10mと言うところで迂回のため左の枯れ谷へ進入する。

道はシッカリしていて大岩谷へ 迂回付近の古道

 以前通った明瞭な踏み跡は消え、薄いケモノ道の様に残っている。昔のマークを見つけ枯れ谷を横切り、少し登って大岩谷の支流へ降りる。

 「あっ!、ここだ!」と以前見た大岩に出合い支流を下り始める。支流は荒れていて新しい流れができている。30〜40m下ると大岩谷に出合い、最後は一番安全と思われる支流の中を下って大岩谷へ降り立つ。

大岩に出合い支流を下り始める 支流の中を下って大岩谷へ

 「やれやれ!」と目の前の広場に少し上流から登って行く。広場で小休止し、いつの間にか日が陰ってきて涼しくなった大岩谷を下って行く。

 古道からロープ場を過ぎ枯れ谷を下る。渡渉地点まで来て、顔を洗い左岸の古道へ登って行く。荒川峠道に出合登山口へ向かっていると、たくさんの登山者に出合い、先へ進ませてもらう。

大岩谷を下って行く ロープ場を過ぎ

 15時20分、登山口に降り立ち、「遅くなったな〜」といいつつ、二人はJR志賀駅へと歩き始める。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14−7】
名残のイワカガミを楽しむ