伊吹山 2013.09.07


 
折角の野草観察だが
雨に煙るサラシナショウマを見ることになる


2013. 09. 07 (土)   雨      哲、道

行き:京都6:55 = 米原8:25 = 関ヶ原9:15− 伊吹山
帰り:伊吹登山口バス停14:30 − JR近江長岡15:02 = 米原15:18 = 京都


コース:伊吹山駐車場〜西遊歩道〜山頂広場〜上野道下山口〜9合目分岐〜5合目休憩所〜3合目草原広場〜登山口〜伊吹山登山口バス停

注意:
大垣・関ヶ原からの伊吹山登山バスは季節により運行日が異なります。事前に確認の上利用してください。





 先週は旅行で山行きはお休み、それではと週末に予定するが天候がすぐれない。「伊吹山、土曜日のお昼は曇り」という予報で秋の野草観察に出かけることにする。

 夕方には雨が降りだすので、バスで山頂へ向かうことにする。関ヶ原駅で降りバスを待つが、この雨模様なのに次から次へと客がやってきて列に並ぶが、決まって並ばないのが年配のグループ、先頭の哲郎は列に並ぶように言う。やって来たバスに丁度全員座れて出発する。

5合目を過ぎるとバスのワイパーが動きだし、「予報が外れた!」と思ってしまう。山頂駐車場に着くと雨がドット降ってきて、急いで食堂がある建物へ駆け込む。丁度10時、食堂も営業を始めたので、伊吹そばを食べながら雨の様子を見る。

 団体さんが外の休憩所で雨具を付け、雨の中を出発する。二人は野草観察にきたので雨が上がるのを待つことにする。30分待つと小降りになったので雨具上下+スパッツのフル装備で出発することにする。

西遊歩道を歩き始める サラシナショウマは雨に煙り

 西遊歩道を歩き始める。前後に人影は薄く時々降りてくる人に出会うことになる。今日一番見たい花はサラシナショウマで、「どうだろう?」と期待する。アカソとフジテンニンソウが遠くまで広がり、所々に群生するサラシナショウマは雨に煙り残念ということになる。

アカソ フジテンニンソウが広がる

 コオニユリやシモツケソウの賑わいはもうなく、ルリトラノオが先端にわずかに花を残している。まさしく秋のお花畑である。小ぶりの雨が降り続くのでカメラが心配だが、それでも出合う花をデジカメに納める哲郎はユックリと登って行く。

 「まだ咲いている!」と7月に咲いていたヒメフウロの花を見る。登り始めてからよく目に付くのはシオガマギク、武奈ケ岳で見るシオガマギクは数が減って来たが、「伊吹山にこんなにあったかいな!」と思うほど次から次えと目に留まる。ツリガネニンジン、ソバナ、イブキトリカブト、クサボタン・・・なかなかお目にかかれない。

シオガマギクが続く 名残のルリトラノオ

 お花畑にはシモツケソウに変わって今はピンクのコイブキアザミの群生を見る。「晴れていればきれいやろな〜!」と通り過ぎる。雨の中、足元が気になるので野草観察はおろそかになり小さな花は見過ごしてしまう。道子はただこけないように注意してユックリと歩いて行く。

 やっと山頂広場に着きトイレ休憩とする。雨がやまないので、三角点方面への散策は止め上野登山道の下山口へ向かう。

ヒメフウロ タムラソウ
ミツバベンケイソウ コイブキアザミ

 上野道を下り始める。9合目までは晴れていてもツルツルの道、雨の中ゆっくりと歩いて行く。左右に広がって見えるサラシナショウマも霞んでしまって残念である。後は山頂のイブキトリカブト、と群生地に来るが「えっ!終わっている」とこれまた残念である。

ツリガネニンジン ワレモコウ
山頂のイブキトリカブトは残念 アキノキリンソウ

 9合目の分岐から岩肌の道を下り始める。「雨の中は滑っていやだ!」とブツブツいう道子は慎重に降りていく。ここに来て下から登ってくる登山者に出合う。それもゾロゾロとやってきて「この雨の中をご苦労さん!」と言いたくなるほど全員ずぶ濡れ。

 8合目の休憩ポイントで先行者が休んでいるが、二人はその横を通りすぎる。幸いにもここで雨も上がり、フードを脱ぐ。「14時30分のバスで帰ろう!」と早めに下って来たが、足元が悪くユックリだったので、休憩もそこそこで歩き続ける。

ダイコンソウ イブキトリカブト

 7合目を過ぎると雲もとれて3合目の草原が眼下に見えてくる。賑わっていたメタカラコウの黄色の花はもうなくて、ただ緑の草原を下って行く。

 6合目の避難小屋の前で青年が二人何やら足をそわそわ、「ヒルがついた!」と手で取っているがなかなか取れないようなので、ヒル避けのハッカ油を持っていく。靴下に小さなヒルがたくさんいて、ハッカ油を噴霧して退治する。隣の尾根筋を登って来たという二人、谷を渡るときについたようだ。哲郎も行きたいと思っていた尾根筋だが、夏の雨模様の時は避けた方がよさそうだ。

クサボタン ヤマハッカ

 5合目の休憩所に着く。店は閉まっていて誰もいない。二人は休憩することもなく下って行く。4合目まで下ると目の前にススキの草原が広がる。道子はトイレへと急ぐが哲郎はツルボ観察に遠回りする。

 3合目の草原は最近雑草が増えてきて野草の数が減って来たようだ。スキー場が閉鎖され草原が手入れされなくなったからだろう。トイレを済まし登山道を下って行く。

キセワタ ナンテンハギ
イブキゼリモドキ ツルボ

 キセワタやツリガネニンジンの花を観察していると、道子より随分と遅れてしまう。「もうなっている!」とムカゴの実を見るが先を急ぐことにする。

 青年グループが追い越していくので、二人は頑張って着いていくことにする。1合目の草原では視界の悪いガスの中、パラグライダーのトレーニングをしているが「危ないな〜」と哲郎。

5合目の売店は閉まっている 2合目から1合目へ下る

 1合目から林の中を下って行き、登山口に降り立つと、さっそく湧水で顔を洗い靴や用具を洗う。丁度14時、着替えを済まし、道子が買ってきた伊吹牛乳を飲みながら、二人は三宮神社でユックリとバスを待つ。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14−7】
ノブキ