イザナミ谷(石仏峠〜ナベクロ峠〜長谷)//北山
2013.06.08


 
イザナミ谷中流からは作業道も消え谷の中を歩く


2013 .06. 08 (土)  晴れ   哲、道

行き:JR京都駅前6:50(JRバス) −
      周山8:20 (京北ふるさとバス)− 灰屋
帰り:小野郷バス停15:58 − JR京都駅


コース:
・灰屋バス停〜イザナミ谷取付〜川を渡り作業道へ〜作業道終点〜谷遡行〜最初の送電線を潜る〜次の送電線の手前で右の斜面の関電巡視路〜鉄塔甲127〜鉄塔乙124〜石仏峠〜祖父谷峠〜桟敷分岐(鉄塔乙129)〜ナベクロ峠〜長谷道〜山椒谷出合〜長谷林道出合〜大谷林道出合〜大森キャンプ場〜大森中町〜小野郷バス停

注意:
◆イザナミ谷中流までは古道がありますが倒木多く歩きにくい。中流以降は谷の中や左右の急斜面を歩くことになりコース選定が必要で【初心者危険コース】です。
◆ナベクロ峠から大森へ下る長谷道は最近荒れてきていて道はありません。谷の中や植林の急斜面の裾を歩くことになり、こちらも【初心者危険コース】になってきています。









 梅雨入り宣言から2週間雨が降っていない京都地方、今日も晴れの予報で「ヒルもおとなしいようなので、イザナミ谷へ」と探索に出かける。イザナミ谷へは6年振りである。

 灰屋バス停から芹生への道を南へ800m位進む。蛇行した道が西へ2度突き出したところに、カーブミラーがあり川へ下って行く作業道を見る。送電線に近づくと行き過ぎたことになる。車道で準備するが、ヒルが心配なので入念に虫よけを噴霧してスパッツを装着する。イザナミ谷へは作業道を下って行く。

カーブミラーの落書き イザナミ谷へは作業道を下って行く

 川に着くと目の前に木製の細い橋を見る。ここから対岸に渡るのだが「前、この橋渡った?」と道子、橋が右に傾いて危なっかしい。「前、確か橋を渡ったように思うが?」と哲郎も思い出せない。(帰って6年前のの紀行文を見ると、橋には手すりが付いていて難なく渡れたようだ)。道子が傾いていて渡れないというので上流の渡れそうなところを探す。

 でも登山靴より浅い所はなく、「エイッ!」と川を渡る。スパッツのおかげで水の侵入はなく「やれやれ!」の二人。少し上流にイザナミ谷口がありこれを見に行く哲郎、でもこの付近に古道の入口は見当たらず、「前の紀行文を見ておけば良かった」と哲郎。「ここや!」と道子、橋を渡ったところに古道の入口を見つける。

結局渡らなかった傾いている橋 古道の入口を見つける

 道は登るにつれ広くシッカリしてきて古道と言う感じがしてくる。少し登ったところでヒルのチェック、哲郎の靴に細いヒルが1匹張り付いているので、スパッツと靴に虫よけを噴霧する。道は左岸の谷より少し高い所に続き、しばらくして金属製の橋を右岸へと渡る、標高470mである。

道は登るにつれ広くシッカリしてきて 金属製の橋を右岸へと渡る

 右岸の道には石組みも見て、「良い道だ!」と言っていると、5分も歩くと次の金属製の橋に出合う。橋の入口は倒木で覆われていて渡れないので、少し上流の谷を渡る。もう谷の流れも細く難なく渡ることができる。谷沿いにはエンレイソウとミズ(ウワバミソウ)を見るが、エンレイソウは花も終わり立派な実をつけている。

橋の入口は倒木で覆われていて エンレイソウの実

 左岸に渡り返し植林地を歩き始めると、目の前に倒木を見る。倒木を跨いだり潜ったりして進んで行くと10分で谷に突き当たる。ここに橋は残っていなくて谷を渡り右岸の道へ取りつく。

 この付近は谷が狭くなってきて、道も細くなる。この右岸の道も数分で終わり、少し開けた谷分岐に着く。標高530m、ここで道は終わる。

倒木を跨いだり潜ったりして 少し開けた谷分岐で道は終わる

 見覚えのある谷分岐を過ぎると、谷の中を歩くことになる。岩は苔むしていて緑に染まり、水の流れるところでは黒く染まっている。この黒い所は要注意で、登山靴ではツルツル滑ってしまう。しばらく小さな滝が続き、滝に出合うと左右の急斜面を歩くことになる。

谷分岐を過ぎると谷の中を歩くことになる 滝に出合うと左右の急斜面を歩く

 前方に緩やかな滑滝を見て道子は進入するが、やはり「滑る!」と進行を止める。哲郎は右岸の急斜面を進み、道子は左岸を大きく迂回することになる。この滝が最後の滝のようで、そこを過ぎると植林地の中、倒木はあるものの谷は緩やかになり広くなる。

緩やかな滑滝を見て道子は進入するが 谷は緩やかになり広くなる

 前方上空に最初の送電線を見る。尾根に登って行く関電巡視路は近いので注意して歩くようにする。「あった!」と先を行く道子、前回も見た黄色い「入山禁止」の札を見る。道子はこの札の反対側(左岸)に関電巡視路の入口を見つける(火の用心の標識がある)。

「入山禁止」の札 (左岸)に関電巡視路の入口を見つける

 関電巡視路と言っても薄い踏み跡で、しばらく谷沿いを歩く。上空に2番目の送電線を見て、足元に崩れた小屋の屋根を見ると、関電巡視路は尾根へと植林地を登り始める。

 ジグザグに登る階段は土砂や打ち枝で埋まり階段の役目をはたしていないようだが、斜面を歩くよりは歩きやすくて助かる。歩けない階段でも、最後までそれに沿って登って行く。

足元に崩れた小屋の屋根を見ると 関電巡視路の階段

 標高差100m以上ある急斜面、時間がかかってしまうが、階段のおかげで迷うことなく登って来たようで、前方に目的の鉄塔が見えてくる。最後はタケニグサが茂る斜面を強引に直登する哲郎、道子は右に大きく振って植林地を登って尾根に出る。

最後まで階段に沿って登って行く 前方に目的の鉄塔が見えてくる

 「あ〜やれやれ」と鉄塔「甲127」でイザナミ谷の探索は終わる。この尾根は池ノ尾峠から石仏峠へ向かう尾根で、左にとり少しずつ登って行く。すぐに2番目の鉄塔「乙214」に出合う。送電線周辺は雑木が伐採され暑い日射しを受けるが、それを過ぎると心地よい雑木の尾根に変わり快適に登って行く。

2番目の鉄塔「乙214」に出合う 心地よい雑木の尾根に変わり

 石仏峠から魚谷方面への尾根に出合、標識に従い右にとり石仏峠へ向かう。左下には峠からの林道が見え、林道と平行して尾根を進む。石仏峠上の鉄塔まで来て左へ降りていき、石仏峠に着く。峠のお地蔵さんは北へ少し下がったところにあるのだが、面倒だと見に行くことのない二人はすぐに祖父谷峠へ向かって歩き始める。

右にとり石仏峠へ向かう 峠へは林道と平行して尾根を進む

 「石仏峠から祖父谷峠までは久しぶりだ!」と穏やかな雑木の尾根に満足して歩いて行くが、途中から日射しが続き暑くなる。送電線の下は雑木が伐採されているからだ。それに何度も繰り返す小さなアップダウン、「キツイな〜」と哲郎、「イザナミ谷の急斜面を登って来たからよ!」と道子。

 「あ〜疲れた!」と言う頃に、二人は祖父谷峠に降り立つ。もう「お昼どき」だが、「この先の一登りしたピークで昼食にしよう!」と祖父谷峠を後にして登山道を登り始める。

暑い日射しを受け 祖父谷峠に降り立つ

 数年前までは周囲が見渡せた低木の雑木だが、生い茂ってきて周囲に何も見えないので黙々と登って行く。ピークに近づくとサワフタギの白い花が続くが、ここのは葉から見てタンナサワフタギだろうか?。標高差50m登って小ピークに着き、奥の木陰で遠くの山並みを見ながら昼食とする。

生い茂ってきて周囲に何も見えない タンナサワフタギ?

 ユックリの昼食も終わりナベクロ峠へ向かう。今日初めて見るオカタツナミソウを足元に見て少し登って鉄塔「乙129」に着く。ここが桟敷方面の分岐で城丹国境尾根を外れ左の尾根へ進む。3分も歩けばナベクロ峠に着く。

鉄塔「乙129」で左の尾根へ 3分も歩けばナベクロ峠に着く

 峠から長谷道を下る。と言ってもこの道は初めてなので何故かワクワクする。長谷は南にあるので、植林地の中を左へ巻いて行くように支尾根を越え行く。踏み跡も薄く適当に歩いて行くと谷へ下り始める。所々にマークがあるがハッキリした道はなく植林地を下って行き、崩れかけた小屋を過ぎ、峠から10分も下ると谷へ降り立つ。

 そこには道等なく、谷に沿って歩くことになる。谷は少しずつ広くなっていくが、そこに流れはなく石がゴロゴロしてきて荒れてくる。周囲が雑木に変わるとゴロゴロ石の谷は勾配がきつくなり歩きにくくなる。谷の石や岩は洗われた色をしていて「とても登山道とは言えない!」と哲郎。

植林地を下り谷へ降り立つ 石がゴロゴロして荒れてくる

 そのうち谷沿いの植林地を歩くようになり左手からの山椒谷に出合う。谷合流地点は右岸を進み、すぐに左岸の植林地へ渡る。数分間植林地の薄い踏み跡を下って行き、右岸に古道を見つけそれを歩くことにする。

左手からの山椒谷に出合う 植林地の薄い踏み跡を下って行き

 その古道も途中で崩れてしまうが、もう谷も緩やかになって来たので谷の中を進むとすぐに長谷林道に出合う。「時間がかかってしまった!」と二人は大森へ急いで下って行く。この長谷道は古くからある登山道だが、道はほとんどなく谷が荒れているので「初心者危険コースになったようだ!」と哲郎。

もう谷も緩やかになって来たので 長谷林道に出合う

 長谷林道を下って行き大谷を渡ると大谷林道に出合う。古い登山地図では長谷道:下り50分と記載されているが、この荒れようではとても無理なようだ。

 大森キャンプ場はたくさんの人で賑わい、その横を通って暑い西日を受けながら小野郷バス停へ向かう。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14−7】
カキノハグサ