雲取山(寺山峠〜旧花背峠〜アソガ谷)//北山
2013.03.02


 
やっと日も射してきて
寺山峠から旧花背峠への尾根を楽しむ


2013.03.02 (土) 雪   哲、道

行き:北大路駅前8:02(京都バス)− 花背高原前
帰り:貴船口バス停15:04 − 地下鉄国際会館駅


コース:
花背高原前バス停〜スキー場跡〜寺山峠〜左の尾根へ〜P862〜旧花背峠〜アソガ谷下山口〜アソガ谷〜芹生道出合〜奥貴船橋〜貴船〜貴船口バス停









 先週、「久しぶりに雪が積もったので、雲取山か蓬莱山へでも」と。結局蓬莱山へ出かけたので、今週は雲取山へ出かけてみる。今週は暖かい日が続き雪も随分と少なくなっているだろうが、残雪を期待してシューも持参する。

 −2℃の花背峠を過ぎ、花背の集落を見るが、屋根に雪はなく今週の暖気で融けてしまったようだ。でも今朝から雪が降ってきて、バスを降りると寒々としている。自治会館の軒を借りユックリと準備して出発するが、一緒に降りた数人のグループは先に出発したようだ。

 いつものようにアイゼンをして林道へ向かうが、道に雪はなくジャリが見えている。「先週はここに40cmあったのに!」と哲郎。

花背高原前でバスを降りる 寺山峠への道に雪はなく

 スキー場跡を過ぎるとやっと足元に雪を見るようになる。これを見て先行グループは空地でワカンやシューを付けたようで、我々の前に歩くのが見える。左に雪原を見ながら歩くのだが、足元に雪はなく「シューが痛んでしまうのに!」と哲郎。我々も降り続く雪の中、彼らを追うように歩いていく。

 植林地に入るとやっと雪道になるが、大きく沈むこともなく、アイゼンで丁度歩きやすい状態が続く。数回谷の中を歩くので、またまた「シューが痛んでしまうのに!」と思ってしまう。

降り続く雪の中、左に雪原を見ながら 植林地に入るとやっと雪道になるが

 「え!もうここなの!」と思うほど早く、谷から斜面の巻道へ折り返すポイントに着く。ここで先行グループに追いつき、彼らの後ろを追うように巻道を登って行くが、狭い巻道、雪もないのにシューやワカンをつけているので、ゆっくりの歩きとなる。あまりにもユックリなので、結局避けてもらい、先に寺山峠に着く。無雪期とあまり変わらなくバス停から45分で着いたようだ。

 やって来たグループの装備を見ると、小さなワカン、大きなワカン、シューの人やストックなしで歩く人、装備のグレードがバラバラで「雪がもう少し積もっていれば、危ないところだ」と哲郎。峠で小休止し、左右の尾根の雪を踏みしめ雪の状態を調べる哲郎。

ユックリのグループにあきれる道子 寺山峠に着く

 今日はスノーシューを持参していて、「雪の尾根を楽しもう!」と出かけてきたが、雪質が悪いので雲取山方面は止め、寺山峠から尾根筋を旧花背峠へ向かい、天狗杉へ登り花背峠15時のバスで帰ることにする。

 峠を左にとり尾根を登り始める。今日は寒くなるという予報であったが、その通りになり、すぐの植林地を登って行くが右から強い冷たい風を受ける。でもこの尾根に植林は少なく雑木を楽しむことができる。

峠を左にとり尾根を登り始める すぐに植林地を登って行くが

 寒いので二人は黙々と歩いていく。この尾根は旧花背峠まで標高800〜850mの緩やかなアップダウンが続き、積雪時はシューハイクに適しているが、雪がしまってくるとシューは楽しめない。さらにこの強風では心地よさは全く感じられない。それでも11時には日も射してきて「いい感じだ!」と雪を楽しむことになる。

雪の尾根を楽しむ 日も射してきて「いい感じだ!」と

 この尾根は「花背山の家」の散策コースになっているのだろう、点々と標識のマークを見る。迷いそうな尾根分岐では、進路と反対側の尾根に進入禁止の「×」を見る。そんな尾根にも関わらず不要な色とりどりのテープが続き、うんざりする哲郎、「暖かくなったら清掃登山でもするか!」と言うものの、いつのことになることやら。

進入禁止の「×」を見る 雑木の尾根を楽しむ

 積雪は深い所でも40〜50cmで、膝下まで沈み込むところもあるが、アイゼンだけで難なく歩くことができる。広い雪原に出て「あ!P862や!」と、まだ11時である。いつもはここで昼食としていたが、まだ早く風も強く当たるので、先へ進むことにする。

広い雪原P862に着く P862から先へ進むことにする

 ここから少し深く沈み込むので、シューを付けるかどうか迷ってしまうが、「面倒だ!」と今日はアイゼンだけで歩くことにする。先ほどまで射していた日もかげり、辺りは薄暗くなり雪が舞ってくる。すぐの次のピークは登らずに左側を巻いていく(ピークに登ると尾根から外れてしまう)。

 鞍部へだらだらと下って行き、再び尾根を歩いていく。そのうち吹雪いてきて寒くなり、周囲の景色を楽しむこともなく黙々と先へと進んでいく。

次のピークは登らずに左側を巻く 周囲の景色を楽しむこともなく

 吹雪きはさらに強くなり、尾根の木々も白く染まってくる。旧花背峠へ近づくころ820のピークに突き当たり、ここも左を巻いていく。もうこの付近には作業道があるので、雪道でもそれなりに道とわかる。

尾根の木々も白く染まってくる 820のピークも左を巻いていく

 尾根は南東に変わりアセビの木の間を歩くようになる。標高800mを切ると溝状の道に出合い、急に下り始める。植林地に変わると「電柱や!」と道子、すぐに旧花背峠に着く。

 12時を過ぎたところなので「お地蔵さんで昼食を」と思ったが地蔵小屋は北風が通り抜け寒いので、ここでの昼食をあきらめる。積雪少なく予定より1時間以上早く着き、天狗杉から花背峠へ向かったのではバスを1時間以上待つことになるので、予定を変更しアソガ谷を下り貴船へ向かうことにする。

溝状の道に出合い、急に下り始める 旧花背峠の地蔵さんは寒いので

 峠からすぐ南のアソガ谷下山口へ向かい、植林地の中を下って行く。雪は深くなく難なく歩くことができる。谷に出合うと谷沿いを歩き何度も渡渉することになる。道がはっきりしなくなっても谷沿いの歩きよいほうを選び谷沿いを下って行く。

 「ここらでいいだろう!」と風の当たらない谷そばで昼食とする。「今日は寒い!」と熱いお茶に気付け薬を注ぐが、紅茶でないので美味しくない。15分休憩し下山を開始する。

アソガ谷下山口から下る 植林地の谷沿いを下って行く

 やっと林道に出合いアイゼンを外し谷で洗って収納する。林道の雪はいつものように雪解け水で融けている。その上を歩き始めると吹雪いてきて、「一日中降っているので、明日は花背も積もっているだろう!」と哲郎。

 前回苦労した倒木も片付けられ、倒木を避けることもなく下って行く。そのうち芹生道に出合うが、もう路面に雪はない。奥貴船橋を渡ると川へ下り靴とストックを洗う。貴船神社の奥宮を通りかかると賑やかな音がしてきて行列を見る。

林道を歩き始めると吹雪いてきて 芹生道に出合うが、路面に雪はない

 何やらシートでくるんだ物を運んできたが「大きなミイラだ」という哲郎。いやいや、どうやら大きなしめ縄を運んできたようだ。貴船口に向かい、今日は叡電ではなく国際会館行きのバスに乗ってみる。地下鉄を利用する人は、このバスの方が便利なようだ。

 一日中降り続いた雪と強い風、「先週の蓬莱山より寒かった」と哲郎、「そんなに寒くなかった」という道子はもう横で瞼を閉じている。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14−7】
貴船神社奥宮の祭り