桑谷山(西尾根〜西峰〜南尾根〜桑谷)//北山
2013.12.07


 
西尾根を快適に歩き桑谷山(西峰)山頂へ向かう


2013.12.07 (土)  曇り    哲、道

行き:北大路駅前バス停 8:02 − 能見口バス停 (京都バス)
帰り:大悲山口バス停 14:36 − 北大路駅前バス停


コース:
能見口バス停〜長戸谷口〜西尾根〜P804〜△桑谷山(西峰)〜西峰南尾根〜南尾根途中で右手の谷へ〜桑谷支流を下る〜林道出合〜寺谷出合〜大悲山口バス停

注意:
◆桑谷山西尾根に道や踏跡はありません。軽い藪を漕ぐところもありますので【初心者危険コース】とします。
◆桑谷山(西峰)の南尾根は急降下しているところがある細い尾根で、木が邪魔をし獣も通れないような細い所もあり【 歩行困難 】です。その西の谷は昔は桑谷林道から桑谷山へ直登する登山コースでしたが、現在谷はえぐられて小滝が続き、こちらも【 歩行困難 】です。







 今夜は用事があって、早く帰ることができる桑谷山へ出かける。「西尾根から登り長戸谷で折り返すか桑谷へ下れば、14時のバスに間に合うだろう!」と哲郎。

 北大路駅前バス停から登山者グループとキャンプ場へ向かう子供たちでバスは満席で出発する子供たちは百井の別れで、登山者は花背高原で降り、乗客は3名となる。

 能見口バス停で降り、北風が強いのでバス停小屋で準備する。橋を渡りもう古くなっているが観光トイレを借り、長戸谷口へ向かう。10分で長戸谷林道入り口の橋に着く。

能見口バス停小屋で準備する 長戸谷林道入り口の橋に着く

 橋を渡ってから小休止、「西尾根、今日は何処から取付くか!」である。前回は林道途中にある小さな林道を詰め雑木の急斜面を登って西尾根へ取付いたが、今日はここから登ることにする。林道を少し入ったところの方が勾配が緩いが、西尾根の先端には標高650mまでネットが張られているので、ネットの外側を登るため橋を渡ったすぐの所から取付くことにする。

 そこにはお墓のようなものがあり、哲郎の学力では読めないが「文化」とか「安永」とある。植林の中はなるべく歩かないようにしているものの、ここはチョット失礼して急斜面をジグザグに登って行く。

お墓? 橋を渡ったすぐの所から取付く

 標高差50mも登ると右手にネットを見るようになり、ネットに沿って歩くようになる。ネットの外側はだんだんと低木の雑木が増えてきて歩きにくくなり、それを掻き分けながら登って行く。

 標高600mを過ぎると、やっと緩やかになり標高650mの西尾根の先端へ出る。以前ここから南東への急な植林地を下ったことを思い出す。ここまで標高差200mの登りだが45分かかり、予想以上に時間がかかってしまう。

ネットの外側は雑木が増えてきて 最後は緩やかに登って西尾根に乗る

 西尾根を歩き始める。緩やかな尾根、疎林帯が続き心地よく登って行く。尾根は北寄りから東へ向いてきて、前回登って来たポイント通り過ぎるが、そのポイントは確認できない。

 尾根も広がってきて木々が切れたところからコウンド谷後方の山々を望む。今日はしぐれ模様で上着は雨具だが、汗をかいてくるので何度も服を調節することになる。

緩やかな尾根、疎林対が続き心地よい コウンド谷後方の山々を望む

 少し登ってP804に着く。ピークハンターさんの小さな標識を見るが木に食い込んできているので、外して小さな枝にぶら下げる。

 再び少し登ると標高850mからは緩やかな広い尾根が続く。この西尾根は特に分岐もなく迷うことはない。

穏やかな尾根が続く 西尾根を快適に歩く

 前方に山頂のピークが見えてくると登り始める。低木のアスナロを掻き分けるように進んで行き、ピークへの最後の登りはスギを掻き分けることになる。

 「着いた!」と小びろい△桑谷山西峰に着く。12時05分、前回より25分遅れて到着する。どうやら道中ユックリ歩いてきたようだ。予定より遅れていると10分で昼食を終える。

最後の登りはスギを掻き分け 小びろい△桑谷山西峰に着く

 下山を開始する。長戸谷の下降点は△点から少し西尾根へ下り南西に延びる尾根をとるのだが、急いでいる二人は、△点を真南へ下り西峰の南尾根に進入してしまう。10年振りだったが「尾根の感じがチョット違うな〜!」と言いつつ下り始めてしまう。

 少し下ると尾根は細くなり、雑木が茂って歩きにくくなる。「間違ってしもた!」と哲郎は間違いを確信するが、バスの時刻もあるのでこのまま南尾根を下ってみることにする。下降ポイントを確認しなかった哲郎が悪いのだが、引き返せばよかったもののそのまま下って行ったので、あとで大変苦労することになる。

△点から南へ下る=危険 「尾根の感じがチョット違うな〜!」と

 下るにつれ尾根はますます細くなり、何度も段差を下るようになる。それに尾根が木で埋まったところは木を掴んでは迂回することになる。標高差100m下っただろうか、獣も通れないような細い尾根は木で埋まり左右は急斜面で迂回できなくなる。

 「これはアカン!、尾根は進行できない!」と哲郎は左右の斜面を覗く。右下に下る谷を見て「崖状だがなんとか下れそうだ!」と哲郎。安全かどうかは50:50だが「下ってみよう!」と哲郎、二人は崖のような斜面を下ることにする。

 哲郎は木や根っこを持ちながら10m下って様子を見る。「何とかいけそうだ」と判断した哲郎は道子に降りてくるように言う。「ロープ、ロープや!」と道子、でも急斜面で半身の哲郎はザックからロープを取り出せない。さらに数m下って足場が固まったところでザックからロープを取り出す。

 ここからロープを木や根っこに絡ませてガレ場を数mずつ下り始める。上を振り返ってみるが、もう登って行くことは不可能のようだ。この時点で14時のバスは諦め「日暮れまでに林道まで行けるやろか?」と道子は心配する。

「何とかいけそうだ」と哲郎 もう登って行くことは不可能のようだ

 標高差100mも下ると本流と思える谷に出合い、崖のような斜面から解放されてホットする二人。谷の上流を見上げるとツルツルの岩肌が続き、「この谷は登れない谷だ!」と哲郎。V字の谷なので先に大きな滝がないことを願いつつ谷を下り始める。そのうち2〜3mの小さな滝が続き、これまた楽に下れない。降りられない滝は迂回ルートを探し、何度もロープを使うことになる。

先に大きな滝がないことを願いつつ 枯れ谷を下って行く

 古い登山地図には、この谷が桑谷林道から△桑谷山(西峰)への直登ルートになっているが、こんなに荒れてきた谷はもはや登れないようだ。V字の谷なので迂回に苦労しながら下って行く。

 そのうち谷間も広がってきて足元に炭焼窯跡を見る。その先に植林を見て「やれやれ」と哲郎は一安心する。植林地が迂回路として利用できるからだ。ここから10分下ると前方が明るくなり林道のようなものを見る。「降りた!」と二人は喜ぶ!。

足元に炭焼窯跡を見る 「降りた!」と二人は喜ぶ!

 林道は豪雨で寸断され目の前で消えていて、左に折り返すように登って行く。道子に登って行く林道の先の確認を頼むと「先はすぐに細くなる!」と道子、哲郎は豪雨で消えた林道の先を調べる。その先遠くに送電線を見て現在地点を確認する。

 頭の中に「今日は長戸谷へ下る」としかインプットされていなかった哲郎は遠くの送電線を見て我に返る。ここは桑谷林道の終点付近で、10年前ここから北西の植林地を登って長戸谷下降点のある尾根に取りつき△桑谷山へ向かったポイントである。

 時計を見ると14時05分、「走ればバスに間に合うかも!!」と。消えた林道の先に林道が見えるので、二人は谷に降り先の林道へ上がり林道を走り始める。「家が見えてきたら、バス停まですぐや!」と言うがなかなか見えてくれない。しんどいので途中で走るのを止め、少し歩いてまた走り・・・、これを繰り返していくと前方に民家が見えてきて寺谷の橋を渡る。

桑谷林道を走る 「やれやれ」と大悲山バス停

 もう間に合いそうだが、車道を走って大悲山バス停に着く。14時28分、「バスまで数分ある!」と着替えて用具をしまうが、久しぶりにドロンコのまましまうことになる。乗客は我々二人、「さすがに今日は疲れた!」と、目の奥から疲れを感じる哲郎は道子と共に瞼を閉じてしまう。








主は季節のために月を造られました。
太陽はその沈む所を知っています。


詩篇 【 104:19 】
ソヨゴの実が目を楽しませてくれる