小塩山(善峯寺〜大原野森林公園)//京都西山
2013.04.13


 
カタクリ鑑賞に出かける


2013.04.13 (土) 晴れ」  哲、道

行き:阪急東向日8:42(阪急バス)− 善峯
帰り:善峯14:24 − 阪急東向日


コース:
善峯バス停〜杉谷〜逢坂峠(・436)〜大原野森林公園〜南の谷(カタクリ谷)〜送電線鉄塔〜△小塩山〜南西尾根〜P604〜金蔵寺道の墓石置き場〜逢坂峠〜杉谷〜善峯バス停






 「今年は、綺麗なカタクリを見よう!」と京都西山へ出かけることにする。近郊の山なので朝ゆっくり起きるつもりであったが、5時30分過ぎに目覚まし音が鳴り響く。聞きなれない音で目覚めた二人、その数秒後に「地震だ!」と叫ぶ。携帯の緊急地震速報が鳴ったようで、これが役に立ったのは初めてである。幸いにも京都地方は震度3〜4で事なきをえる。

 でも電車は止まる。そのうち阪急電車は動きだし、それに乗り阪急東向日駅へ向かう。8時42分発善峯行きのバスに間に合って「やれやれ」の二人、JR向日町からやって来たバスに乗るが、当然のように空でやってくる。

 終点の善峯で降りる。大原野森林公園までは舗装道が続くので、準備することもなく歩き始めるが最後の出発となる。石垣にワサビの花を見る。道子が触って匂いを嗅いでみるが「匂わない!」というのでユリワサビのようだ。ここでゆっくり観察しない二人はすぐに歩き始める。

バス停から歩き始める ユリワサビ

 善峯寺駐車場入り口を過ぎると、前方に誰も歩いていないので、登山者は皆、ポンポン山へ向かったようだ。杉谷へのジグザグの登りが始まる。足元にはたくさんのスミレやキランソウやムラサキケマンが賑わい、頭上にはヤブツバキ、道端にはシャガも咲き始めている。もう春爛漫である。

シャガも咲き始めている キランソウが綺麗

 杉谷の集落まで標高差200mの登りが続き、朝一番の登りはきつい。途中でシャツ1枚になる二人は、ゆっくり登って行きやっと杉谷の集落に着く。この集落は麓の大原野から見上げると「何であんなに高い山の上に住んでいるのやろ?」と思うようなところである。

 でも集落を過ぎると、静かな田園風景が広がりとても山の上とは思えない。山裾に続く山桜はまだまだで来週ぐらいが見ごろだろうか、「ここの山桜が咲き始め=カタクリが見頃」なのでカタクリの花を期待する。

やっと杉谷の集落に着く 山裾に続く山桜はまだまだで
道端に咲くヒメカンスゲ 花が白いムラサキケマン

 逢坂峠(・436)の分岐で左をとり大原野森林公園へ向かう。何台もの車が、それも大阪No、通りすぎていく。彼らもカタクリ鑑賞のようだ。10時30分に森林公園の休憩所に着き、まだまだ昼には早いが昼食とする。客は誰もいないが、今日は天気も良くお昼にはここも賑わうことであろう。

 昼食後はトイレを済ましカタクリ鑑賞へ出かける。公園入口まで戻り、道を渡ったところがカタクリ谷(南の谷)の取付きである。

森林公園の休憩所に着き カタクリ谷(南の谷)の取付き

 左右に尾根コースの分岐を見て、谷沿いに進んでいく。天気も良いのに前後に人影はなく「地震の影響やろか?」。進むにつれ足元にニリンソウを見るようになるが、ポツポツと小さな花を見る。ニリンソウがたくさん咲いているようではカタクリは終わっているので「丁度いいのでは!」と哲郎。

 谷沿いを心地よく歩いて行くとエンレイソウやフタバアオイを見るようになるが、エンレイソウの花は少なくフタバアオイもまだこれからのようだ。

ポツポツと小さな花を見るニリンソウ 谷沿いを心地よく
エンレイソウの花は少なく フタバアオイもまだこれからのようだ

 「咲いてる!」と道子、ポツポツとカタクリの花を見る。昨年よりたくさん咲いているが、この谷のカタクリは数年前より随分と減って来たようである。今日は他に人が居ないので、ゆっくりと観察できるのが良い。

 谷分岐を右にとり谷を詰めていくとカタクリも終わり、結局この谷はあまり保護されていないようで数は少ないということになる。谷から右の支尾根に乗る。この道は御陵道へ通じていて山頂へ行くことができるが、すぐ先の分岐を左にとり斜面の巻道をとる。

開き始め 開花中
全開 心地よい雑木の巻道を進む

 しばらく雑木道を楽しんだ後、送電線の下を通ると森林公園へ下る尾根コースに出合う。この支尾根を右に登って行くとすぐに鉄塔に出合う。鉄塔まで来ると森林公園へ下る団体さんに出合う。もうここは登山コース、登山者も多い。次の鉄塔を潜り東へと小塩山へ向かう。

ヒサカキの小さな花 次の鉄塔を潜り東へと小塩山へ

 淳和天皇御陵のある山頂に着く。山頂付近にはカタクリ保護区が数か所あるが、カタクリは十分楽しんでいるので、その一つ(御陵の谷)だけ覗くことにする。山頂から北へ進むとすぐに保護ネットが見えてくる。ゲートを開き中へ進入したくさんのカタクリを見る。

 たくさん咲いているが茶色い枯葉の上に群生しているので、素晴らしいという感動はない。他の保護区にはもっとたくさん咲いてはいるものの「もういいだろう!」と下山することにする。

ツルシキミの花 カタクリ保護区のゲート

 山頂13時10分、「善峯14時24分のバスに間に合うかも!」と善峯へ下ることにする。森林公園へ下っていたら間に合わないので、山頂下から南西の尾根を一直線へ下ることにする。山頂下で林道が西に蛇行したところが下降ポイントである。

 と言っても道なんぞはなく、急な斜面を下って行く。でもすぐに緩やかになり、朝巻道をとった分岐にでる。ここから尾根を南西へ進んでいく。P604の手前に分岐があり関電の標識がある。ここを右にとれば森林公園へ下りてしまうので、左にとり(尾根を真っすぐ進む)薄い踏み跡を進んでいく。

南西尾根の下降口 P604手前の標識を左(真っすぐ)

 道はハッキリしないが尾根を進んで行く。P604下を通りすぎると踏み跡がだんだんシッカリしてくる。標高580mで尾根が分岐するので右をとり下って行く。踏み跡は溝状の作業道に変わりその中にたまった落ち葉を踏みしめて下って行く。

 標高500mまで来ると左手に谷筋が見えてきて、作業道はその谷へ下って行く。谷間で道は消えるが下って行くと、前方が明るくなり広い墓石置き場に着く。この中を通り金蔵寺道に出合う。

落ち葉で道はハッキリしない 広い墓石置き場に着く

 13時45分、山頂から35分で降りたことになる。バスまで40分、ギリギリのようだ。すぐに車道まで出て杉谷へ向かう。周囲の景色も見ず、ただひたすらに急ぎ足で歩く。14時丁度に杉谷に着く。標識に「善峯1.6Km」とあり「バスに間に合うようだ!」と哲郎。

 杉谷でいつもの無人販売所を覗くこともできず通り過ぎ、善峯へのジグザグの道を下って行く。「少しでも早く!」と、途中でショートカットの山道を下る。やっと善峯寺の建物が見えてきて安心する二人、バス停へ急ぐ。

「善峯1.6Km」とあり もうバスには観光客が一杯乗っている

 14時15分、発車10分前にバス停に着くと、もうバスには観光客が一杯乗っている。急いで着替えてバスに乗る二人、今日も「やれやれ!」である。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14−7】
カタクリの花は美しい