小塩山(鵜の子谷を遡行)//京都西山
2013.08.03


 
小さな素朴な谷だが十分楽しめる鵜の子谷


2013 .08 .03 (土) 晴れ   哲、道

行き:阪急桂駅東口7:41(京阪京都交通バス)− 峠西口
帰り:灰方バス停13:36 (阪急バス)− 阪急東向日


コース:
◆峠西口バス停〜旧道〜めがね橋の鵜の子谷林道入り口〜林道終点から右俣へ〜標高360m谷分岐で左俣へ〜標高400m広場から尾根へ〜NTTドコモ中継所〜舗装道出合〜ハイキング道を下る〜舗装道に3回出合う〜谷出合(林道終点)〜御陵道出合〜南春日町バス停〜灰方バス停

注意:
◆鵜の子谷遡行:林道終点から右俣へ取付き谷横の作業道を進みます。谷を何度も渡渉し、道は薄くなり谷の中も歩きます。標高360mの谷分岐に近づくと道は消え少々藪を漕ぎます。特に危ない所はないが道が不鮮明なので初心者危険コースとします。
◆標高400mの広場から上流は時々オフロードを楽しむバイクに出合います。狭い谷で出合うと大変危険なので、バイクの音が聞こえる場合はこの広場から右手の尾根に取りつきNTTドコモ中継所へ進んでください。









 毎年のように8月上旬は鵜の子谷(鵜川)へ出かける。小さな谷でたいした野草は咲いていないが、素朴な谷遡行が楽しめる。オオキツネノカミソリ、モミジガサ、イワタバコ、オダギリソウ、ナンバンハコベ等咲いているのだが、年々その数は減ってくる。

 阪急桂駅東口から7:41発亀岡行きのバスに乗る。今日は満席で土曜日といえ通勤の乗客がいるようだ。老ノ坂トンネルを抜けた「峠西口」で降りる。付近に民家のない殺風景なところで、横をスピードを上げた車が次々と通り過ぎていく。

 車道の端を注意しながら下って行き、150mも下ると旧道に出合う。安全な旧道に入り下って行き、最後の木陰で準備する。再び国道9号線に出合うと、左手に京都縦貫自動車道の陸橋が見えてくる。

バス停を150m下り旧道へ 左手に京都縦貫自動車道が

 9号線の橋を渡ると、そこが鵜の子谷林道の入口である。北側に「めがね橋」という古い橋があるが、交通量が多いので横断は要注意、一見してすぐに戻る。

 林道入り口から車止めを跨いで進入する。「立ち入り禁止の看板がない」と道子、どうやら昨年のゲリラ豪雨で生じた土砂崩れや道路の陥没は補修されたようだ。

めがね橋 鵜の子谷林道入り口

 左手に鵜川を見ながら緩やかな林道を歩いて行くのだが、林道が補修され新しい砂利が敷き詰められ、林道中央にあった草はなくなり林道の野草はほとんど見当たらない。林道脇にはタケニグサが続き、この花を見ると何故か暑苦しく感じる哲郎である。

 堰堤手前にあった道路陥没の大きな穴は埋まり、どこに穴が開いていたか分からないくらい綺麗に補修されている。「いつの間にか、新しい堰堤が!」と思ってよく見ると、古い堰堤がリメイクされているようだ。

タケニグサが続き 道路陥没の大きな穴は埋まり

 この堰堤を過ぎると、林道は一変する。「えっ!」と思うほどの変わりようで、昔の草ぼうぼうの道になる。「おかしい!」と哲郎、この付近の河原に毎年の様にみるキツネノカミソリの花がないのだ。どんどん進んで行ってもオレンジの花はなく橋を渡ることになる。

 橋の上で小休止後、先へと進んで行くがオレンジの花は見当たらない。やっと2株ほど見つける。「まだ咲いていないのか?、内的要因か外的要因か?」なんて考えているうちに林道終点に着く。

昔の草ぼうぼうの道になる 鵜の子谷林道終点に着く

 ここからは谷が分岐していて右俣をとる。一旦谷へ降り右俣の左岸へ取付き、谷沿いの作業道を進む。最初はシッカリした作業道が続き、すぐに大岩に出合うのでその下を通過する。

一旦谷へ降り右俣の左岸へ すぐに大岩に出合うので

 少し進むと道は谷に突き当たり谷を渡ることになる。もうここから何度も渡渉を繰り返し谷を登って行き、薄い踏み跡を辿りながら、緩やかな谷を楽しむことができる。谷を渡るとその先に薄い踏み跡を見る。

 谷には1〜2mの滝を見るが迂回できるので危険なところはない。時々道は消える。道を外したかもしれないが、谷が歩けるところは谷の中を歩く。そうしていると再び道に出合う。道は谷から10mも離れることはないので、道がない時は谷から離れないようにして歩きやすい所を探して歩けばよい。

谷を渡るとその先に薄い踏み跡 谷には1〜2mの滝を見るが

 イワタバコを観察する。今年は遅れているのでほとんど開花していない。「ひぇ〜!」と道子、またまた蛇に出合う、今日3匹目でマムシ1+シマヘビ2である。

 「標高360mの谷分岐に近づいてきた!」と感じるころから道が不鮮明になる。「どうだった、こうだった!」と二人は別々に適当に進んで行く。

イワタバコを観察する 行き手を探す道子

 谷分岐手前で左岸の谷沿いを進んで行くのだが、杉の幼木が年々茂ってきて歩きにくくなる。チクチク痛みを感じながら藪を漕ぐように進んで行くと谷分岐に着く。ここから左手の谷に降り谷を渡るのだが、谷分岐地点も杉が茂り分かり難くなっている。

 谷分岐に気付かず道なりに進んで行くと、右俣を進むことになり外畑方面へ出てしまうので、ここは要注意。谷を渡り左俣の左岸を歩きだす。

左手の谷に降り谷を渡る 谷を渡り左俣の左岸を歩きだす

 周囲の風景は様変わりして、藪はなくなり穏やかな谷沿いを歩くことになり、静かな谷を楽しむことになる。

 数回渡渉すると谷が直角に南へ曲がる地点に着く。ここで谷を渡ると、目の前に心地よい小広場が現れてくる。

藪はなくなり穏やかな谷沿いを歩く 心地よい小広場が現れてくる

 林道入り口から2時間半、今日はここで谷遡行を終える。ここから先、谷を詰めて行っても良いが、今日は左手の尾根からNTTドコモの中継所を目指すことにする。まだ11時だが、今日はバイクの音が聞こえないのでここで昼食とする。

 バイクの音が聞こえる場合は、この先の谷筋は狭くバイクが飛び込んでくる危険性があるので、必ず右手(西)の尾根を進んでNTTドコモ中継所へ向かってください。昼食後は右手の尾根に乗り細い尾根を南へと登り始める。

小広場で昼食とする 細い尾根を登ってNTTドコモへ

 細い尾根だが風がない。でも木陰が続くので助かる。標高差100mも登ると緩やかになり道もハッキリしてくる。右手からの古道に出合うと溝状の道がしばらく続き、再び一登りすると緩やかな尾根に変わり、右手にカタクリ保護区のネットを見るとNTTドコモ中継所の下に出る。

 進んで行くとカタクリ保護区入口に来て、「進入禁止」の木のバーを開け上に進みNTTドコモ中継所前の舗装道に出る。この取付き道を登って行き山頂への舗装道に出合う。

カタクリ谷N保護区 NTTドコモ中継所

 「今日は久しぶりに南春日町へ下ってみよう!」とここからハイキング道を下ることにする。このハイキング道は途中で3回舗装道に出合う。最初は心地よい道が続き舗装道に出合うが次の道は溝状の道が続き、昨日の雨でつるつる滑って歩きにくい。「遅くなる!」と道から上がって雑木の斜面を下ることにする。

 2回目の舗装道に出合、京都市街地を見下ろして再びハイキング道を下って行く。3回目の舗装道で出合いそのままハイキング道を下って行くと、緩やかになり谷に出合う。

雑木の斜面を下ることにする 京都市街地を見下ろして

 川辺に咲くアキノタムラソウを見ながら谷で用具を洗い、後始末しながら小休止する。12時45分、「バスには間に合うだろう」とバス停へ下って行く。ケモノ避けゲートを過ぎると立派な道に変わる。「御領道は?」と見たこともない立派な道を下って行くと新しくできた高速道路の上を進んで行く。

 高速道路を過ぎると記憶に残る古い道に変わり「何やねん?」。正法寺の池のそばを通り金蔵寺からの車道に出合うと南春日町バス停は近い。13時10分に着き「やれやれ」と時刻表を見ると13時3分に出てしまっている。市バスも京阪京都交通バスもみんな出たところである。次のバスまで1時間近くあるので、「どうしよう!」ということになる。

谷に出合小休止する 様変わりした御陵道

 「13時24分善峯発のバスに間に合うだろう」と灰方バス停まで歩くことにする。炎天下、二人はテクテクと歩き始める。今日一番つらい歩きである。灰方バス停に着き冷たいドリンクを買い喉を潤しながらバスを待つが、「善峯に下れば良かった!」と哲郎。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14−7】
オオキツネノカミソリ