霊仙山(養鱒場〜廃村今畑〜西南尾根)//鈴鹿
2013.03.30


 
石灰岩が点在すると草原を
霊仙山の最高点から三角点のピークへ向かう


2013.03.30 (土) 晴れ  哲、道

行き:JR京都駅6:15 = JR米原駅西口7:30 − 養鱒場
帰り:養鱒場15:32 − JR米原駅= JR京都駅


コース:
養鱒場バス停〜榑ヶ畑登山口〜汗拭き峠〜落合〜今畑登山口〜廃村今畑〜笹峠〜近江展望台〜西南尾根〜霊仙山最高点〜△霊仙山〜経塚山〜お虎ヶ池〜汗拭き峠〜榑ヶ畑登山口〜養鱒場バス停

注意:
・霊仙山西南尾根へは車利用の場合、榑ヶ畑登山口と今畑登山口に駐車スペースがありますが、各20台程度しか駐車できません。
・霊仙山西南尾根へバスや電車利用の場合、歩行時間7〜10時間となりますので注意してください。









 今日の天気予報は「晴れて暖かい」、フクジュソウも見頃だと霊仙山の西南尾根へ出かけることにする。京都駅6:15発の電車で米原へ向かうが、当然のように眠りに入る二人。米原で降り西口バス停から7:30発養鱒場行きのバスに乗る。他に登山者はいなく醒ヶ井駅から男性一人が乗ってくる。

 上丹生で一人乗ってきて???、バスまで時間があるので醒ヶ井駅から上丹生まで歩いて来たそうだ。彼は大阪から新幹線でやってきたと言っている。養鱒場で降り、「準備は登山口でしよう!」とすぐに歩き始める道子、丁度8時である。哲郎はバス停前の崖に咲くショウジョバカマを覗いていると遅れてしまう。

養鱒場バス停で降りる 毎年のように咲くショウジョバカマ

 登山口までの歩行予定時間は1時間、一緒に降りた彼を追い越して先を急ぐ。途中の林道分岐まで来ると、「養鱒場 1.5Km/登山口 1.9Km」とある。服を調節していると彼が追いついてくる。

 道端にはスミレしか咲いていないが頭上にダンコウバイの花を見る。周囲の山々を見ても積雪はなく、今年は雪が少なかったようだ。登山口に近づいてくると、林道に並ぶ車を見る。まだまだ登山口には遠いのに、駐車スペースはすでに満杯のようだ。

林道分岐で小休止 ダンコウバイ

 榑ヶ畑登山道に着くと、見たこともないほどの車が林道に続き、登山口を過ぎた林道にも車が並ぶ。やって来た林業者の軽トラ、チョット困り顔でゆっくりとその隙間を抜けていくが、トラックは通れないだろう。

 登山口の小屋で準備していると、バスで一緒だった彼がやってきて「汗拭き峠から山頂へ向かいます!」といい、追い越していく。「ユックリ歩きます!」と言う彼だが、とうとう追い越され、「ウサギとカメ」の話を思い出した哲郎は「我々はウサギだ!」と。

林道に並ぶ車を見る 登山口で準備する

 廃村榑ヶ畑を抜け山小屋カナヤから峠へ登り始める。峠で彼に追いつき、彼は左の尾根へ、我々は大洞谷へ下りていく。少し下ると道は崩壊しているが、ロープを張った新しい道ができていて難なく下ることができる。

 大洞谷は大きく荒れていて、白い石が剥き出して谷に倒木が続く。谷沿いのコースも崩れているが、ここもロープが張られ谷沿いに細い道が作られ、ありがたいことである。

ロープを張った新しい道ができていて 大洞谷は大きく荒れていて

 「やれやれ!」と橋を渡たると後は穏やかな林道が続くはずだが、林道も途中で崩れていて梯子で河原に降りることになる。落合の集落に着くと、こちらにも車・車・・・、過去に見たこともないほどの車が並ぶ。

 丁度10時に今畑登山口に着く。養鱒場から登山口までこれまた丁度2時間歩いたことになる。

林道も崩れ荒れた大洞谷を歩く 今畑登山口に着く

 登山口まで2時間歩いた二人は、登り始めると足がだるくなり、廃村今畑に着きお寺でオニギリを食べることにする。目の前の広場には、たくさんのフクジュソウが咲き目を楽しませてくれるが、茎や葉が伸びきっていて、もう一つ感動できない哲郎。でも群生写真をとるにはいいのだろうが。

 我々が最後の登山者と思っていたが、目の前を次から次へと登山者が通りすぎていく。15分休憩した後、我々も登り始める。尾根に乗るとそのうち道は溝状に変わる。

廃村今畑のフクジュソウ 道は溝状に変わる

 ここからは斜面に咲くミスミソウを探しながら歩いて行くが、年々その数は減りなかなか見当たらない。やっと咲いているミスミソウを見つけ一安心する。昨年目にしたヒトリシズカやヤマシャクは見当たらず、2〜3週間で花の様子は大きく変わるようだ。

 植林地を抜けると北側が見渡せる支尾根に出る。これから登る近江展望台のピークがそびえ立ち、毎年のように「あそこまで登るのか!」と思ってしまう。登山道は大岩の間を縫って進み緩やかな鞍部が見えてきて笹峠に着く。

やっと見つけたミスミソウ 近江展望台のピークがそびえ立ち

 峠にはオニシバリが咲き、それを見ながら飲水休憩とする。近江展望台へと登り始めるが、いつもは「しんどい!」と言って登るのだが、今日はスイスイと登って行くことができる。雪が早く融けて急斜面の地面が乾いているからだろうか?。登るにつれ岩が増えてきて、それに手をかけながら登って行く。

 哲郎は斜面に咲くミスミソウを探しながら登って行くのだが、時期が早いのかなかなか見つからない。標高900m付近から足元に咲き始め、いろいろと観察していると道子から随分と遅れてしまう。

笹峠に着き飲水休憩とする 峠に咲くオニシバリ
急斜面を登り始める 岩に手をかけながら登るようになる

 5分遅れで道子の待つ近江展望台に着く。今日は霞んでいるものの四方が見渡せ、まさしく展望台だ。風も弱いので周囲の山々を眺めた後は、ゴロゴロ石の西南尾根を歩き始める。

斜面に咲くミスミソウ 近江展望台に着く

 歩くにつれフクジュソウはポツポツと現れてくるものの、その数は2年前から大きく減少してきている。異常気象の影響か、獣害なのか?いずれにせよ残念なことである。南霊岳まで来て東斜面で昼食とする。周囲にも数グループが食事をとっていて、今日は登山者が多いようだ。

 昼食後は再び石の上や石の間を歩き始める。その石の間に点々とフクジュソウが咲いていて、石の間のフクジュソウは残っているようだ。今日の西南尾根に残雪や樹氷はなく、例年と違った景色を見ながら山頂へと向かう。

石の間に咲くフクジュソウ 西南尾根に残雪や樹氷はなく

 ゴロゴロ石道を過ぎると枯れた笹原の尾根を歩く。しばらく前方に霊仙山最高点のピークと左手に三角点のピークを見ながら最高点へ向かう。最後は緩やかに登って行き霊仙山の最高点(1094m)に着く。北に伊吹山が霞んで見えるが、伊吹山も残雪が少ないようだ。

左に三角点のピークを見ながら 霊仙山の最高点(1094m)に着く

 最高点から緩やかな尾根を西にとり三角点のピークに向かう。石灰岩の点在する草原を歩いて行き、多くの人で賑わう三角点のピークに着く。小休止しながらグルリと四方の山々を見渡した後はすぐに下山を開始し経塚山へ向かう。

 経塚山13時30分、時間に余裕があるので柏原道を下ってJR柏原駅へ向かってもよいが、二人は近い養鱒場へ下ることにする。

多くの人で賑わう三角点のピークに着く 経塚山を左にとり養鱒場へ向かう

 登山道は緩やかに下って行き、霊仙山特有の草原が続き心地よく歩いて行く。昨年は濃霧の中、視界がない雪道を不安げに下って行ったが、今日は左手に霊仙山の山頂を見ながら下って行く。

 15分で「お虎が池」に着く。ここで立ち止まるのがハイカーで登山者は見向きもせず通り過ぎる。しばらく緩やかな下りが続き、7合目の「お猿岩」とやらに着く。この小ピーク(930m)を右に巻くように下って行くと、急斜面を下り始める。標高差150m下って緩やかな木立の中を歩いて行くと5合目に着く。

霊仙山特有の草原が続き心地よい 緩やかな木立の中を歩いて行くと5合目に

 急坂が続いたので、ここで団体さんが休息を取っている。その横を通り二人は休むこともなく汗拭き峠へ向かう。再び下り始め、急斜面が終わり細くなった尾根に乗ると、汗拭き峠に着く。

 14時25分、「急げば15:32発のバスに間に合う!」と哲郎、二人はピッチをあげ登山口へ向かう。登山口14時40分、養鱒場まで45分なのでバスに十分間に合うことになる。でも二人はピッチを落とさず養鱒場へと下って行く。

「早いバスに間に合う!」と汗拭き峠 登山口へ戻ってくる

 15時20分にバス停に着き、後始末を終えるころバスがやってくる。それと同時に朝バスで一緒だった男性もやってくる。「登山口から走って30分で来ました!」と言う彼は、足がシッカリしているようで、とてもカメには見えない。「朝JR柏原から取付きました」と言う男性もバスに乗り、皆さん足が達者なようだ。

 彼らを醒ヶ井駅で見送り、乗換が面倒な二人はこのバスで米原駅へ向かう。結果的にバスの方が便利のようだ。やって来た新快速に乗ると、今日の登山とフクジュソウと、満足した二人は瞼を閉じることになる。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14−7】
西南尾根のフクジュソウは美しい