武奈ケ岳(御殿山~西南稜~細川道)//比良
2014.02.22


 
山で出会ったKさんと共に細川道を楽しむ


2014.02.22 (土) 曇り   哲、道

行き:JR京都 7:58 = JR堅田バス停8:50 - 坊村バス停
帰り:細川バス停 16:24 - JR安曇川17:15 = JR京都駅
コース:
坊村バス停~明王院~(御殿山コース)~P846~見晴台~御殿山~ワサビ峠~西南稜~△武奈ケ岳~北稜細川道分岐~(細川道)~P706~細川バス停(安曇川方面乗り場)


注意:
◆武奈ケ岳から細川に下る細川道は薄い踏み跡程度で登山道はありません。冬は1m前後の積雪がありトレースもないので初心者だけで出かけないようお願いします。
◆安曇川行きの細川バス停は堅田行きの細川バス停の北5分のところにあります。利用時は注意してください。堅田行き15:37に乗り遅れた場合は、安曇川行き16:24、17:30を利用してください。







 「来週から春の様に暖かくなる」と言う予報、雪が融けないうちにと武奈ケ岳へ出かけることにする。御殿山コースから登り細川道を下るコースにする。御殿山コースで毎年のようにシュー登山している人がいて、それを見て「あんなの履いていたら歩けへんで!」と言っていた哲郎。今日はシューを履いて登ったらどんなになるか試すことにする。

 JR堅田駅から細川行きのバスに乗るが、運転手が「58名です!、全員乗れました!」と会社に報告をしている。「1000円払って坊村へ向かうのに、臨時便出してくれたらいいのに!」と哲郎。でも二人は列の先頭だから静かに座っていましたが。

 花折峠の路面に雪はなく、新雪は少ないようだ。坊村で降りトイレ前で準備して御殿山コースの登山口へ向かう。明王谷の橋を渡ると足元に積雪を見るので明王院でアイゼンを付けることにする。

坊村で降りる 明王谷の橋を渡ると

 そこにバスで一緒だった一人の女性がいて、彼女もここで準備している。我々は「山頂から細川へ下ります!」と言うと、ワカンがあるので細川道をご一緒したいとのことで、「タイミングが合えばご一緒しましょう!」と哲郎。

 早速、御殿山へと登り始める。この時期登山口から雪があるのは珍しく、トレースを辿って一歩ずつ登って行く。最初の植林地の登りは中途半端な雪道より、適度に積雪があるほうが歩きよい。今日は何故か疲れを見せない道子はスイスイと登って行く。後ろから彼女も続いて登ってきているので、随分と山慣れているようだ。45分登って、この支尾根の小ピークに着き小休止する。

この時期登山口から雪があるのは珍しく 小ピークに着き小休止する

 10時50分、雪道ではまずまずの時間である。もう下山してきた青年に道子が雪の様子を伺う。「この上のP846の尾根からシューを使用したが、どちらでも大丈夫でしょう!」と。

 二人はP846に向かって急斜面を登り始める。雪深い斜面だがトレースがあるので難なく登ることができる。P846の尾根に乗ったところで小休止する。雪は深くなってもこのままアイゼンで進行できるのだが、二人はここでシューを履いてみることにする。後からやって来た彼女は「ワカンでは歩きにくいので」とアイゼンのまま先行してもらうことにする。

 準備している道子は足元が異様なのに気付く。急いでいたのでアイゼンを付けたままシューを履いているではないか。「何や、これ~!、こんなことある~!」と哲郎。道子は慌ててシューを外す。アイゼンは古く爪も短く丸くなっているのでシューに傷がなく「やれやれ!」と。なんだかんだと彼女より15分は遅れをとったようだ。

P846に向かって急斜面を登り P846からシューを履いてみるが

 歩き始めるが2月の雪は重くシューでは歩きにくい。でも二人はシューを外すのが面倒なので、今日はこのままシューを履いて山頂へ向かってみることにする。

 冬道の尾根コースに入ると急登が待っている。先日の皆子山と違ってシューでは登り難い。急斜面では根雪の上に積もった雪は滑ってなかなか登れない。こんな時はアイゼンの方がいいのだが、シューのまま二人は頑張って登って行く。結論として2月の御殿山コースではシューは不向きであるようだ。それでも周囲の雪を被った雑木を楽しみながら登って行く。

雪を被った雑木を楽しみながら 今年は冬道の雪庇も高く

 やっと夏道と合流する見晴台に着く。今日は晴れてはいないが西方の京都北山の山々を楽しむ。ここから低木の雑木の中を縫うようにして15分で御殿山の山頂に着く。山頂ではたくさんの人が昼食をとっている。

 12時30分、昨年より20分、一昨年より50分遅れている。臨時便が出なかったことや、シューの影響だろうか?。遠くに西南稜を歩いている彼女が見え「遅れてしまった!」と二人はワサビ峠へ下って行く。

見晴台から北山の山々を楽しむ 御殿山に着き「遅れてしまった」と

 「ワサビ峠で昼食を」と思っていたが、「彼女を待たせてしまう!」と保存食のバーを取り出し昼食とする。5分でバーを2本頂き武奈ケ岳へと歩き始める。西南稜の急登、ここでもシューでは登り難い。13時30分、やっと武奈ケ岳の山頂に着く。御殿山から55分、いつもより+10分かかったようだ。

ワサビ峠へ下って行く 西南稜を歩く

 山頂には数人の登山者が休憩中で、ユックリやってくる道子を待つ。「遅くなりました!」と、山頂で待っていてくれた彼女と共に北稜へ進む。北稜には珍しく薄いトレースがあるが、ここは風が強いのでいつのトレースかは分からない。

武奈ケ岳山頂 山頂から北稜へ進む

 北稜が細川越えへ下る急斜面の手前にある西へ下る尾根が細川道である。下山口に着いた3人は、早速下り始める。最初は緩やかに下って行く細い尾根、そこに新しいトレースを見る。先客がいるようだ。まだ新鮮だから登って来た跡ではなく少し前に下って行ったのであろうか?。

 最初は京都北山を見下ろすように下って行く。周囲の木々は着雪が美しく、その間から周囲の景色を見ることになる。最初は尾根が狭いので左右の斜面に落ちないように注意しながら下って行く。

下山口から細川道を下る 最初は京都北山を見下ろすように

 「これは面白い!」と彼女、雪庇の造形を楽しむ。尾根が広くなり下り始めるが、雪深くアイゼンでは歩きにくいので彼女はワカンに替える。シューもワカンも深く沈みこむが、難なく歩くことができ快適に尾根を下って行く。

 前方に二人の男性が見えてくる。どうやらトレースは彼らのものだったようだ。一度追いついたようにも見えるが、バスに乗るのだろうか彼らは急いで下って行き、そのうち前方から消えていく。

「これは面白い!」と彼女 快適に尾根を下って行く

 標高1000m付近で尾根は分岐するが、最近マークも増え間違える人はいないようだ。周囲にブナの木が増えてきて、勾配もきつくなる。急斜面では、トレースの跡は良く滑るので、トレースを避けて下って行くが、それでも道子は滑ってこける。

 彼女もこける、哲郎もこける・・・。でも雪深いので怪我はないようだ。しばらく3人は雪と格闘しながら下って行く。ブナが終わるとナラの木の中を下って行くのだが、急勾配は続く。残念だがナラの木はほとんど枯れてきているようだ。

周囲にブナの木が増えてきて ナラの木の中を下って行く

 標高800mにもなると、木々の間からシラクラの山並みを見上げるようになる。そのうち斜面に岩肌を見るようになるとP706は近い。その岩を踏まないよう注意して下って行く。この岩場を過ぎると勾配は緩くなる。そのうち前方に緩やかな林を見てP706に着く。

 P706と言ってもどこがどうなのか分からないが、その緩やかな林の中を下って行く。P706の手前は積雪が少なくワカンを外してしまいそうだが、植林地に着くまではこの林は積雪が深く毎年のようにはまってしまうので、外さない方が良い。

 彼女や道子には「堅田行きのバスには間に合わないかもしれない!」と言っていた哲郎だが、内心「間に合うだろう」と思い速めに足を進める。

シラクラの山並みを見上げるようになる P706付近は穏やかな尾根

 植林地の作業道は尾根の右側にあるので、右を意識しながら下って行く。植林地に出合うと作業道はハッキリしないので植林地の右端を下ることにする。積雪もそこそこあるのでシューを履いたまま下って行く(外すのが面倒なので)。そのうち左へ巻いていく作業道に乗り下って行く。

 倒木があるので迂回する哲郎、「えっ!」と足が動かなくなる。足元を見ると先週と同様シューに木が刺しこんでいるではないか。シューを外しても木が取れないのでノコギリを取り出して根のような木を切ることになる。幸いシューに破損はなく「やれやれ」の哲郎。

 シューのトラブルで休憩することになり、彼女が昼食用に作って来たというサンドイッチを頂く。彼女はここに来てやっと休憩できたと安堵しているように見え、休憩を入れなかった哲郎は「スミマセン!」と言うことになる。

 彼女と道子は安全のためここでアイゼンを付ける。もう堅田行きのバスは諦めゆっくりと下って行く。谷筋に出合うと右に折れ植林地を下って行き、送電線の下をくぐると細川はもうすぐ。

送電線の下をくぐると細川はもうすぐ 橋を渡ると堅田行き細川バス停

 「今発車したところだ!」と哲郎、3人は細川バス停に着く。3人はゆっくりと後始末をして、安曇川行きの始発のバス停へ移動する。バス停でチョット待って、3人は早くやって来た安曇川行きのバスに乗り暖かい社内で発車を待つ。

 彼女はKさんという品のよい女性で、道子は新しい友達ができたかのように話し込む。チョット遅くなったものの、バスやJRの新快速の中で彼女といろいろと山の話ができ、道子も喜んでいます。Kさん色々とありがとうございました。








主は季節のために月を造られました。
太陽はその沈む所を知っています。


詩篇 【 104:19 】
海老の尻尾 / 武奈ケ岳