伊吹山 / 2014.08.25


 
3合目の平原を見ながら上野登山道を下るが
前後に人影はなく 「こんなこと初めてや!」


2014.08.25 (月) 曇り  哲、道

行き:JR京都7:10 - 米原-8:53関が原9:15 = 山頂駐車場
帰り:伊吹山登山口16:05 = JR近江長岡16:34 - 17:42JR京都


コース:
伊吹山山頂駐車場~西遊歩道~△伊吹山~山頂から上野登山道を下る~三宮神社(伊吹山登山口)






 7月下旬に伊吹山夏の野草観察に出かけるが、野草がほとんど咲いていなかったので、「秋口にも伊吹山へ行こう。」と言うことになる。しかし連日各地で災害が発生する天候不順が続き、何処の山も行きにくい状態である。雨模様の日には、哲郎の好きな谷筋ではゲリラ豪雨は特に危険だと、出かける場所も限られてしまう。

 ネットで雨雲の流れを毎日観察する哲郎、「月曜日、伊吹山はゲリラ豪雨大丈夫かも知れない!」「15時までは雨は降らないだろう!」と。ここぞとばかり、道子は仕事を休み伊吹山へ野草観察に出かけることになる。

 JR関ヶ原駅9:15発伊吹山行きのバスに乗るが、なんと乗客は哲郎と道子の二人だけ、ドライブウェイに車影はなくバスはいつもより速く走っているように感じる。標高500mを過ぎると霧が立ち込め、視界不良で周囲の景色どころか前方もハッキリ見えなくなる。

 時々雨が降ったり、日が射したり変な天気なので、二人は雨具を取り出しザックに取りつける。山行きが減ってお盆以降少々太り気味の哲郎はクネクネ道に少々酔い気味、やっと山頂駐車場に付きホットする。

電車から見る伊吹山
「大丈夫かいな~」
ヒッソリとした山頂駐車場
バス1台+車3台、こんなの初めてや!

 広い駐車場に観光バス1台+車3台、こんなに閑散としているのは初めてのようだ。ポツポツ降っているので、売店のある食堂へ飛び込む。いつも買うことはない道子だが、いつものように売店の中をウロウロと歩きまわる。

 道子がヨモギ餅の前で立ち止まっているので、今日はヨモギ餅を買い、食堂で伊吹山菜そばとヨモギ餅をいただく。でもこの組み合わせはミスマッチ、そばの出汁は辛く、餅のあんはより甘く感じてしまい「失敗や!」。

 伊吹そばとトイレ休憩を終え西遊歩道へ向かう。雨のためか、もうシーズンが終了したのか、入山料300円の受付はなくなっている。西遊歩道も人影少なく「観光バスの人、半分は花鑑賞せず売店をウロウロするだけのようだ!」と哲郎。

売店のある食堂へ飛び込む 人影まばらの西遊歩道

 以前は西遊歩道入口からすぐに花を見ることができたが、最近は少し登ってから花を見ることになる。目的のサラシナショウマは茎や葉が黒ずんでいて精彩がなく残念と言うことになる。花が終わったのか、強風で傷んだのか、否日照不足かもしれない。

 それでも点々とルリトラノオの淡い青紫の花が続き目を楽しませてくれる。シオガマギクを見かけるが、例年よりはるかに少ない。西遊歩道にコオニユリも見当たらず「どうしたのだろう?」と今後の花畑を心配する。

サラシナショウマは残念 ルリトラノオが美しい
トモエシオガマギク シモツケソウ

 「シモツケソウがまだ咲いている!」とピンクの花を見るが、その数は少ない。「カワラナデシコもまだ咲いている!」と点々と目に付く。だらだらと登って行き山頂広場に着くが、周囲に人影はなく、売店の主人は表に出て、この天候を恨んでいるかのごとく曇天の空を仰いでいる。

 山頂広場に花も咲いていないので、トイレ休憩後すぐに下山を始める。急げば14時30分のバスに乗ることができるが、「忙しない!」と道子、花を見ながらユックリ下ることにする。

遠くから見ても精彩を欠く
サラシナショウマ
ヒメフウロは
1ケ月以上咲いている

 上野登山道下山口へ向かい下山を始める。ここで数名の登山者に出会うが人影は余りない。イブキトリカブトは終わりかけているが、足元のリンドウはまだまだ蕾固い。やっとコオニユリに出合いカメラにおさめる哲郎。またまた数人のグループが登ってきて、哲郎の撮影を待っていてくれる。

 ここのサラシナショウマも汚れていてカメラを向ける気はしない。最近の雨でぬかるんでいる足元、注意しながらユックリと歩いて行く。

アキノキリンソウ キオン
キリンソウ 名残のトモエソウ

 9合目の分岐を過ぎると前後に人影は全くない。そんな中咲き始めたクサボタンやキリンソウを見ながら下って行く。今日は日射しもなくガスと共に風を受け、そんなに暑く感じないのが良い。8合目を過ぎると雲の間から3合目が見え始め、「このまま雨が降らなければいいが!」と。

 9合目以下のトリカブトはみな茎や葉が黒ずんでいて、ここも残念と言うことになる。7合目付近からジグザグに下る登山道、前回より何故か道幅が広がっているように感じる。以前はこの登山道の岩陰にたくさんの花を見たが、今はゴロゴロ石だけが目に付く。

ワレモコウ クルマバナ
オオヒナノウスツボ コイブキアザミ

 9合目から誰にも出会わないと思っていたら、後ろからトレランの青年が追い越していく。5合目の休憩所はもう閉めるのだろうか、何やら片付けをしているようだ。時間もあることだし、5合目から左の迂回路を歩いてみる。「あの斜面にクサボタンがあった」と思っていたら、花はまだまだだが残っていてくれた。

シロバナツリガネニンジン クサボタン

 3合目まで下りトイレ休憩、哲郎はツルボの群生を見に出かける。ツルボは開花が始まった所だが、その数は年々減って行く。3合目の草原にはあちこちでネットが張られ野草を保護しているようだが、雑草を刈らなければ野草は育ってくれない。こんなにネットが張られてはオオナンバンキセルも見られない。

ツルボ キセワタ
コオニユリ 名残のカワラナデシコ

 ユックリと歩いて2合目まで下るが14時前、まだ急げば14時30分のバスに間に合う時間だ。またまた「忙しない」と、今日は2合目からタクシーが登ってくれるという舗装道を歩いて時間を費やすことにする。

 大きく蛇行していく道は随分と遠回りだが、木立の中穏やかに下って行き「時間があれば、「夏はこの道が良い!」と哲郎。20分で1合目に着く。ここから舗装道は大きく遠回りをして登山道より2倍以上かかるので登山道を下った方がいいのだが、「まだまだ時間がある」と、この舗装道を下ってみることにする。

 大きく蛇行する道は植林地の中を緩やかに下って行く。最後はゲートを抜け旧ゴンドラの駅に出る。三宮神社裏のゴンドラ駅への道は草に埋もれているので、そのまま舗装道を下って行く。

2合目から1合目への舗装道は
時間はかかるが心地よい
最後はゴンドラ駅の手前で
ゲートに出合う

 15時過ぎに三宮神社に着きトイレで全身着替えさっぱりする。今日は涼しい神社のベンチで伊吹牛乳を飲みながらバスを待つ。定刻にやって来たバスでJR近江長岡駅へ向かうが、帰りのバスも哲郎と道子の二人だけ。何やら拍子抜けの二人であるが、雨にも合わずたくさんの野草を観察でき満足して帰路に着く。








地が芽を出し、
園が蒔かれた種を芽生えさせるように、


【イザヤ 61-11】
オオバギボウシより
花の色が濃いコバノギボウシ