葛川越(大岩谷~烏谷山~摺鉢山)//比良
2014.05.24


 
新緑の葛川越コース、石がゴロゴロしていて
これがまた面白い


2014.05.24 (土) 晴れ  哲、道 +Ikomochiさん

行き:JR京都7:26 = JR志賀
帰り:坊村15:46 - JR堅田 = JR京都


コース:
JR志賀駅~JR高架柱No64~湖西道路下~(荒川峠道の林道)~荒川峠登山口~大岩谷分岐~(葛川越道)~大岩谷~右岸の枯谷を少し登る~荒れた古道~大岩谷へ降りる~谷分岐で中央の斜面~炭焼窯跡(レスキューポイント)~大岩谷左俣へ降りる~谷分岐で左俣~葛川越~烏谷山~摺鉢山~牛コバ~坊村バス停

注意:
葛川越の古道は半分以上崩れていて危険な所もありますので【初心者危険コース】です。初心者だけで出かけないようお願いします。









 毎年のように、この時期比良のシロヤシオ鑑賞に出かける。「今日は烏谷山から摺鉢山へ抜けてみよう!」と、少し早目の電車でJR志賀駅へ向かう。電車は登山客で一杯だが、JR志賀駅で降りた登山客は3人、皆さん比良駅へ向かわれるようだ。

 駅でトイレを済まし、早速荒川峠道へ向かう。今日は早朝から日射しがきついのでJR高架の影を歩くことにする。駅から望んだ比良山系には雲がかかっているが、登り始める頃には取れるだろう。高架No64で左にとり前方に比良の山々を見ながら保育園の前を歩いて行く。

 国道に突き当たり、渡ったところにある地道を進んで行く。落ち着いた集落を進み出合ったお寺(萬福寺)を右に巻くように西へ向くと、後は迷うことなく荒川峠へ向かうことができる。

JR志賀駅より打見山を見上げる 萬福寺を右に巻いていく

 雑木林に入ると舗装道は終わるので、そこでスパッツを付け雑木林を抜ける。湖西道路を潜ると道は左へ折れながら登って行く。この林道が荒川峠道である。例年の様にニセアカシアが咲き、たくさんの蜂が群がっている。スズメバチではないが大きな蜂で、数m間隔で空中に留まっていて、我々を見張っているのだろうか?。

 道が西へ向くと左手にテニスコートを見る。後はダラダラと道端の野草を見ながら登山口へと向かう。いつもは下山時に利用するこの道は、駅から登山口までは標高差250mあり、暑い日には結構しんどいものである。

例年の様にニセアカシアが咲き オカタツナミソウ

 橋を渡ると登山口は近いのだが、道はS字にカーブしながらだんだん登って行く。谷沿いにはピンクのタニウツギが咲き始め周りを明るく照らしているようだ。大きな堰堤横を過ぎると登山口に着く。

 登山口には車数台とバイクが止まっていて、皆さん縦走路のシロヤシオを見に来ているようだ。

桐の花が美しい 荒川峠道の登山口

 登山道は右から左へ大きく折り返してゆっくりと登って行く。15分で葛川越道の分岐に着き、左にとり谷上の緩やかな古道を歩いて行く。心地よい道だが、途中に小さな崖や谷筋の崩れたところ4カ所にロープが設けられている。いずれも危険を感じるようなところではないが慎重に進む。

最初は谷沿いのシッカリした林道だが 小さな崖も慎重に

 古道が谷に突き当たったところで大岩谷へ降りる。下降点の目印だった2本の木の1本が朽ちて倒れている。谷を2~30m登ると左手に枯谷を見る。この谷を数10m登って行き岩に書かれた「→」のマークを見て右(枯谷の左岸)へ渡る。ここはもう大岩谷の右岸にあたり、これから大岩谷右岸の斜面を大岩谷に沿って歩くことになる。

古道から大岩谷へ降りる 枯れ谷を渡り

 大岩谷右岸の斜面のロープ場へは、この枯谷を少し登り右手が少し開けたところから進入する。ここに来て右手の人差し指が痛いと感じる哲郎、人差し指の第二関節が内出血なのか黒ずんでいる。「ストックが強く当たったのか?原因は分からないな~?」と。

 なんてぐずぐずしていると、道子はロープ場を渡り切り哲郎を待っている。哲郎も渡り切り、エアーサロンパスをし手袋をして歩くことにする。

 ロープ場の次は古道を歩くが最初は大きな石がゴロゴロ、古道が消えるとまたロープ場、そして古道、古道は再び消えガレた道を登って行き再びロープ場、「ここが一番危ない!」と道子も慎重に渡る。ロープ場も終わりそこから大岩谷へ降りることになる

ロープ場を過ぎるとゴロゴロ石の古道 またまたロープ場

 谷と言っても大きな石がゴロゴロしている枯谷で今日は水が見えない。谷の中を少し登って行くと標高610m付近で谷分岐に出合う。葛川越は左俣の延長線上にあり左俣を登って行っても良いが歩きにくいので、ここは中央の斜面を登って行く。

 少し登って行くと小広場にでてここで小休止とする。哲郎は左の大岩谷左俣に近づき中ユリの取付き部分を調べる。そこは昨年大きく崩れてしまったが、今年はそれ以上崩れていないので一安心する。

大岩谷へ降りることになる 少し登って行くと小広場にでて

 広場から奥に進むと右に登って行く古道跡があるのでこれを登って行く。少し登って行くと右手に炭焼窯跡と左にレスキューポイントの表示を見る。古道はジグザグに登って行くが、消えたり現れたりでハッキリしなくなる。そのうち左手に大岩谷左俣が見えてきて突き当たったところで谷へ降りることになる。

 後ろから赤いシャツを着た青年?(哲郎より若いので青年だ)がやってきたので「こんなところで人に出会うのは珍しい!」と言いつつ先へ行ってもらう。我々も谷へゆっくりと降りていく。

レスキューポイントを過ぎる 大岩谷左俣へ降りていく

 降りたところで丁度谷が分岐していて、葛川越へはここでも左俣をとる。先に降りた道子は左俣へと進入を始めているが、哲郎もユックリ降りていくと、あの赤いシャツの男性が右俣の岩をよじ登っている。「行けますか~」と哲郎、「何とかいけそうです!」と返事が帰ってくる。行けないことはないかもしれないが心配な哲郎は「コースはこっちになっていますよ~!」と声をかけて、左俣へと進入していく。

 「彼は大丈夫かいな~}と言いつつ登って行く。「赤い人を後ろで見た!」と道子、別の人かもしれないが、彼が引き返したことを願う二人である。ここからは葛川越まで標高差約200m、ゴロゴロ石が積み重なった谷をひたすら登って行く。

大岩谷左俣の分岐から左俣へ ゴロゴロ石の谷を登って行く

 途中水が流れてきてタオルを濡らす哲郎。谷は細くなるがそれでも岩を持って登る。標高800mを過ぎたところで谷も消え岩から解放され、急斜面を登って行く。後ろを振り返って琵琶湖を見ながら小休止する。

 「あ~やれやれ」と登って行くと古道が現れてきて、カエデの大木の下をジグザグに登って行く。もう緑いっぱい、所々にユキグニミツバツツジのピンクが映え心地よく歩いて行く。

振り返り琵琶湖を望む 雑木の古道を心地よく

 「あ~着いた!」と葛川越に着く。11時50分、今日はユックリ登ってきたようだ。いつものように峠の木陰で昼食とする。峠には毎年のように咲く名残のイワカガミが美しい。

 昼食も終わる頃比良岳方面から、頭に白いタオルを巻いた女性がやってくる。「ケッタイな人やな~」と哲郎、「ひょっとしてIkomochiさん違う?」と道子、彼女が近づいてくると「Ikomochiさんや!」と。シロヤシオを見て堂満から下ると言っている。それではと烏谷山まで同行することにして3人は烏谷山へ登り始める。

葛川越に着く 名残のイワカガミ

 登山道にはあちこちにユキグニミツバツツジが咲き、それを楽しみながらゆっくりと登って行く。烏谷山まで来ると山頂奥に満開のシロヤシオを見る。例年になくたくさん咲いている。三人は木の傍に行き写真を撮っていると、ここで昼食だったのだろうご夫婦がやってくる。「えっ!」なんと先週桟敷で出会ったHご夫妻である。

 「なんと奇遇やな~」と話していると、「久し振りです!」とヨネチャンがやってくる。こんなことは珍しい!と皆で記念写真となる。「金糞峠から烏谷山まで、見たことがないほどシロヤシオが咲いています!」とヨネチャンは荒川峠方面をすすめてくれるが、この山頂でたくさんの花を見たので、今日は予定通り摺鉢山へ向かうことにする。

ムラサキツリガネツツジ シロヤシオ

 摺鉢山へは烏谷山から北西の尾根をとる。Ikomochiさんも堂満を止め同行することになる。心地よい尾根を下って行くとシャクナゲの群生地を抜けることになるが、シャクナゲの古木は痛んできて、もうジャングルを抜けるというようなことはない。名残のシャクナゲを見て尾根を下って行くと左手に植林を見てその境を歩くことになる。

 植林地を抜け樹木の綺麗な鞍部を一登りすると摺鉢山に着く。初めてというIkomochiさんに色々と説明しながら、小びろい山頂を後にして牛コバへと下って行く。奥ノ深谷道に出合うまでは心地よい雑木の尾根を下ることになるが、最近よく歩かれているのだろう薄い踏み跡が続いている。

樹木の綺麗な鞍部 一登りして摺鉢山に着く

 奥ノ深谷道に出合うと牛コバまでジグザグの道が続く。牛コバに着き小休止し3人は林道をテクテクと坊村へ下って行く。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14-7】
ユキグニミツバツツジ