コウンド谷(P951~小野村割岳~ネジリキ谷)//北山
2014.05.31




 
前方が明るくなり谷の中央に大木が見えてくると
標高660m付近の谷分岐に着く


2014.05.31 (土)  晴れ  哲、道

行き:北大路駅前バス停8:02 - 能見口 (京都バス)
帰り:広河原17:30 - 北大路駅前バス停


コース:
・能見口バス停~能見集落~コウンド谷分岐~林道終点~谷分岐から右俣~標高820m小さな谷分岐で東の斜面を登る~P951~△小野村割岳~P911~南尾根分岐鞍部~トチノキの鞍部~赤崎中尾根分岐~首つり尾根~ホラノ谷~ネジリキ谷~広河原バス停

注意:
◆コウンド谷:林道終点から古道跡は残っているものの道はありません。標高660mの谷分岐から右俣をとり小さな谷を登って行き、標高820m付近の谷分岐から東の斜面を登りP951からの尾根に乗ります。危険なところはありませんが道が不鮮明なため【初心者危険コース】なので、初心者だけで出かけないようお願いします。






 今日は能見のコウンド谷から小野村割岳へのルート調査に出かける。結論として【コウンド谷~P951~△小野村割岳のルートに昨年の大雨の影響は見られない。】で、一安心する。

 北大路駅前バス停から広河原行きのバスに乗るがボーイスカウトの団体さんで満員となる。他にも団体さんがいて、「事前にバス会社に連絡しておけば臨時便が出たのに!」と哲郎。バスには「おばさん山歩き隊」のTさんが乗っていて、道子は彼女の横に座りお喋りが続く。

 団体さんが両替しながらユックリおりるものだから15分遅れで能見口バス停に着く。小野村割岳へ行くというTさんを見送り、橋を渡り公衆トイレへ向かうが、案内板は壊され、どうやらここは閉鎖されるようだ?。

能見口BSから能見へ歩き始める この時期アカモノの花が可愛い

 準備も終わり能見の集落へと川沿いを歩いていると、前方から元気なおばあさんがスタスタとやってくる。「おはようございます!」と声をかけたのが悪かったか?、それから延々とおしゃべりが始まる。口の達者なおばあさんで次から次へと話題を変え話しかけてくる。この能見の集落では話し相手がいないのだろう、二人は「ここは聞いてあげよう!」と耳を傾ける。

 このおばあさん以前TV番組で見かけたようで、その話をすると道子の手を握り「今日はなんて素晴らしい日なのでしょう!」と、その顔は本当にうれしそうである。そばを車が通って避けるのを幸いに、二人はおばあさんから解放されコウンド谷へと歩き始める。

色が濃い広河原のクリンソウ 能見集落外れにある六地蔵

 バスの団体さんとおばあさんとで30分近く遅れてしまい、二人はコウンド谷口へ急ぎ足で歩くことになる。今日の京都地方は35℃という予報、5月にしては異常に暑く、道子は何度も水分補給する。道端で見るジキタリス、いつもは咲き始めているのだが今年は遅れているようだ。

 橋を渡り能見の集落を抜けると左手に数件のログハウス風の家が並び、それを通り過ぎ再び橋を渡ったところがコウンド谷分岐である。この橋は新調され名札も新しくなり、「光砥口橋」「こうどぐちばし」と書いてあるので、哲郎が言う「コウンド谷」は正式には「コウド谷」のようだ。

「こうどぐちばし」「光砥口橋」 分岐を左へとればコウンド谷口

 光砥口橋を渡り分岐を左にとるとコウンド谷の林道へ続く。この道はいつもジメジメしていて「ヒルが心配だ」とスパッツの内外にヒル避けを噴霧する。林道の倒木は整理され少なくなってはいるが、昨年の大雨の影響だろう所々で土砂が流れ込んでいる。

 この土砂の影響だろうか昔からあったコケイランやルイヨウボタンの株を見ることはなく、「チョット淋しいな~」と。今年の春は雨が少ないのだろう、林道は乾いていてヒルの心配はなさそうだ。

林道は乾いていてヒルの心配はなさそう コウンド谷沿いの林道

 林道終点に着く。ここまで林道に大きな崩れはなかったようだ。林道終点からは目の前の右岸の山裾を歩いて行く。谷に突き当たったところで対岸に渡り谷沿いを歩いて行く。もう何度も訪れている谷だが、静かで心地よい。

 谷の中を歩いて行くが支流に出合った所から古道に乗り山裾を歩いて行く。途中で谷を渡り返すが危険なところはない。前方が明るくなり谷の中央に大木が見えてくると、標高660m付近の谷分岐に着く。

林道終点からは右岸の山裾を歩く 谷横や古道を歩いて行く

 「遅れている」と思っているのだろう、先を歩く道子は休むことなく大木の横から右にとり右俣沿いに歩き始める。カメラに忙しい哲郎は後から追いかけていく。この右俣の右岸にはしばらく古道が続く。以前のような蔓に絡まることもなく、何やらスッキリして歩きやすい。

 道が消えたところで谷に降り、谷の中を登って行く。谷と言っても小さな谷、今日は水が少なく難なく登って行ける。

右俣の右岸にはしばらく古道が続く 今日は水が少なく難なく登って行ける

 小さな滝に出合い左右の斜面に迂回することになるが、V字の谷、迂回だけは慎重に歩いて行く。流れが細いので「水があるうちに」とタオルを濡らして顔を拭く哲郎。最後は細い枯谷を登って行き、前方が明るくなると標高820m付近の小さな谷分岐の小広場に着く。12時10分、昨年より30分遅れている。

最後は細い枯谷を登って行き 前方が明るくなると小さな谷分岐に着く

 遅れているものの、ここでユックリと昼食とする。目の前のトチノキは例年の様に花が咲いていてタニウツギも咲き始めている。30分の昼食休憩も終わり、遅れているのでP951まで古道を進まず右(東)の斜面を稜線まで登って行くことにする。

 標高差7~80mの急斜面だが藪がないので難なく登れ、15分でP951からの尾根に乗る。左にとりP951へ向かう。

広場の右手の斜面を登って行く 15分でP951からの尾根に乗る

 ここから小野村割岳を経由し佐々里峠まで静かな尾根を楽しむことができる。数分でP951を通過し、天狗峠からの道に出合う。小野村割岳へ歩き始めると、見たこともない太いオレンジ色のテープが目に付く。それは樹木に巻きつけられ10m間隔で、それも延々と続いているではないか。

 「ヒェ~!!」と二人はビックリ、「こんなにたくさん!」「目的はなんだろう?」とテープを見ると「美山トレイル」と書いてある。「なんでトレイル道にテープが必要なんだ!」と二人は怒るというより、この光景に唖然としてしまう。心無いものの仕業なんだろうが、折角の景観が台無しなので「美山トレイル」の事を調べ苦情を入れることにする。

快適な尾根を楽しむ 「美山トレイル」のテープが続く

 テープは小野村割岳を過ぎても続き、もう周囲の山々や尾根の緑を楽しむ気になれず、ただひたすらに佐々里峠へ向かう。今日は30分遅れていたので赤崎中尾根分岐から首つり尾根を下ることにする。

 ホラノ谷に降り立ち後は「広河原のクリンソウを楽しもう!」ということになるが、昨年の大雨で谷に埋まっていた何千本ものクリンソウは全く見当たらず「えっ~!」と、ここでも唖然としてしまう二人。

赤崎中尾根分岐 首つり尾根を下る

 帰りに庄兵衛さんに寄ると、「ストックを忘れバスに遅れた!」とTさんに出合う。今日は「美山トレイル」のテープと無くなったクリンソウと、「残念だな~」と言いつつビールをお変わりする哲郎。

 後日、「美山トレイル」のテープについては、撤去するよう南丹市と美山町大野振興会へメールしたが、はたして行政が動いてくれるかどうか、「しばらく様子を見て次の手を考えることにしよう!」と哲郎。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14-7】
サンインクワガタ