雲取山(花背高原~一の谷~芹生~貴船)//北山
2014.02.15


 
降りしきる雪の中、一ノ谷林道に乗り
芹生へ向かう


2014.02.15  (土) 雪    哲、道

行き:北大路駅前8:02(京都バス)- 花背高原前
帰り:叡電貴船口16:36 = 出町柳駅


コース:
花背峠バス停~林道終点から左の植林地の支尾根を登る~標高840mで寺山峠から旧花背峠への尾根出合~左へとり標高860mピーク~(860)ピーク西奥から南西に支尾根を下る~一ノ谷支流出合~一ノ谷出合~一ノ谷林道に乗る~二ノ谷出合~三ノ谷出合~勢竜天満宮~芹生~芹生峠~アソガ谷出合~奥貴船橋~貴船~叡電貴船口駅

注意:
・冬の雲取山周辺は積雪50cm~1mとなります。積雪状態によりアイゼン、ワカン、スノーシュー等の装備が必要です。









 「今週も積もったようだ!」と雲取山へ出かけてみる。北大路駅前バス停から広河原行きのバスに乗るが、「えっ!」と二人、バスは登山者で一杯である。幸い二人は座れ満席で出発する。例年の様に扶桑橋手前でチェーンを装着するが、雪のない路面を見て「雪もないのに!」と登山者たちは言う。どうやら冬の花背峠を御存知ないようだ。

 バスが登るにつれ路面に雪が見えてきて、最後はツルツルの道を登って行く。でも今日は暖かく、花背峠で0℃である。花背峠を下って行くと除雪車が動いていて、やはり峠を越えると雪は深くなる。

 登山者たちは品谷山へ向かうようだが、はたして山頂まで行けるだろうか?。二人は花背高原前バス停で降りる。学校横の林道を見るとこんもりと雪が積もっているのを見る。「シューを履こう!」と、雪が降っているので自治会館の軒を借りシューを装着する。

花背高原前で降りる バス停から橋を渡り林道へ

 9時40分、橋を渡って林道を歩き始める。50cm以上積もった雪にトレースはない。その上を歩き始めるが、道に積もっているのは新雪だけなのだろう深く沈み込む。「重い雪でも沈み込むのか!」と哲郎、「重いわ~!、先に行って!」と道子、この先が思いやられる。

 古いスキー場小屋を過ぎ、林道分岐を過ぎるとますます深くなるので植林の下を歩くようにする。シューを履いて重い雪の中を歩くのは初めてで、二人は「しんどい!」と交替して先行することになる。

古いスキー場小屋を過ぎ 植林の下を歩くようにする

 林道が終わり植林地に入るところで小休止する。この先100cmの積雪はあるだろうし、重い雪、トレースもないので「雲取山へ向かうと、15時のバスには無理だろう!」と哲郎。寺山峠から京産大の山小屋辺りを散策するだけでは面白くないだろうと一ノ谷を下り貴船へ向かうことにする。

 「一ノ谷へは、寺山峠まで雪が大変だろう」と、ここから目の前の支尾根を登って行き、寺山峠から旧花背峠への尾根を越えて、直接一ノ谷へ下ってみることにする。

 10時25分、右手の登山道を進まず、左手の支尾根の先端から早速取付いていく。植林地の中はなるべく歩かないようにしているが、積雪時はチョットお邪魔することにする。植林地の中だが以外に雪深いので、急斜面をジグザグに登って行く。ここの雪も重いので先行を交替しながら登って行く。

右手の登山道を進まず左手の支尾根へ 植林地の中だが以外に雪深い

 この支尾根、標高差200m近くだがなかなか進めない。「まだか、まだか!」と少しずつのぼっていくので時間だけがどんどん進んで行く。途中で「お腹が空いて力が出ない!」と保存食のバーを食べることにする。30分登ってやっと勾配もゆるくなり、前方も明るくなってきて「ホッ!」とする。そのうち植林地を抜け前方が開け雑木の斜面を登ることになる。

やっと勾配もゆるくなり 雑木の斜面を登る

 ここからが大変、雑木の斜面はさらに雪深く、シューを履いていてもヒザ上まで沈み込む。踏み込む足が上がらないのだ。こんな時はラッセルしながら進むのだろうが、そんな用具もないし、動く方の足で前方2~3箇所踏み込んでから次の足を踏み出していく。

 先週の皆子山より大変で、「こんな時は、小てつさんやJOEさんがいれば助かるのに!」と道子。この雪では道子の足は動かないので、哲郎が先行することになる。

 もう目の前に稜線の植林が見えているのだが、なかなか進めない。11時35分、やっと寺山峠から旧花背峠への尾根に乗る。林道終点から70分かかったことになる。ここは標高860mのピークを北へ少し下ったところである。尾根を左にとり標高860mのピークに向かう。

頑張る道子 寺山峠から旧花背峠への尾根に乗る

 すぐに860mのピークに立つ。このまま旧花背峠へ向かっても良いが、今日は予定通り一ノ谷へ下ることにする。哲郎は地形図を出し下山ルートを確認する。この広いピークを西に進み、そこから南西の支尾根を下って行くと一ノ谷が西へカーブする付近に出合うようだ。

 地形図によると、そこには花背から尾根を越え直接一ノ谷へ下る古道もあるようで、「その古道か、一ノ谷か、どちらかに出合うだろう」と哲郎。ピークから西へは「×」の標識がある。きっと花背山の家の標識だろう。

860mのピークに立つ この広いピークを西に進み

 西へ進んで行くとすぐに突き当たり尾根は南西へと向く。この尾根の右のには植林が続き、その境を下って行く。しばらく下って行くと支尾根が広がって来る。左側に雑木が広がっているので、「雑木の方がいいだろう!」と、そちらをとり下って行くと植林地に出合う。

 植林地は急な勾配だが、雪のおかげで難なく下ることができる。大股で駆けるように快適に下って行く哲郎、「あれっ!」と立ち止まる。後ろの足が抜けないのだ。急斜面で前足は大きく前方にあるので後戻りできないし、シューを外すこともできない。「お~い!」と道子を呼んで後ろ足のシューを外してもらう。シューの穴に、雪に埋もれた打枝が刺しこんで動けなくなったようだ。

尾根は南西へと向く 下って行くと植林地に出合う

 シューに破損はなく「やれやれ!」の哲郎。今度はゆっくりと植林地を下って行く。下方に流れが見えてきて「一ノ谷だ!」と谷へ降りていくが、流れが左から右に流れているので一ノ谷の支流だった。

 その流れに沿った作業道のようなところを下って行くと一ノ谷に出合う。谷へ降り谷を渡って一ノ谷を下り始める。

この流れは一ノ谷の支流だった 一ノ谷へ降り谷を渡って

 一ノ谷を楽しみながら下って行くが、すぐに渡渉しづらい所に出合う。何処を通ろうかと考えていると、「林道や!」と道子、右上に林道を見る。谷は雪深いので遡行を止め林道を歩くことにする。でも林道にトレースはなく60cmの積雪、ここも重い雪で歩きにくい。無雪期の林道は味気ないが大雪の時はありがたい。

一ノ谷遡行を楽しむが 林道を歩くことにする

 林道を下って行くと谷間は少しずつ広がってくるが、その分積雪も増えてくる。ここも「しんどい!」と交替で先行することになる。15分で二ノ谷分岐に出合う。

 分岐からすぐのところで道が消える。林道の橋が流出しているようだ。谷を渡渉していくが、積雪深く谷から上がるのに苦労する。

二ノ谷分岐に出合う 渡渉も苦労する

 3回渡渉して三ノ谷の分岐へ着く。この付近でもゲートの高さまで積もっているようだ。13時10分、「遅くなった!」と昼食の場所を探すが、降り続く雪、分岐を過ぎた大木の下で昼食とする。昼食休憩をとると体が冷えてくるので長居はできないが、今日は暖かいので助かる。10分で食べ終え林道を芹生へと歩き始める。

三ノ谷分岐手前の林道ゲート 三ノ谷分岐から林道を芹生へ向かう

 雪深い林道、ここも交替で先行し、頑張って歩いて30分で勢竜天満宮に着く。天満宮を過ぎると建物が見えてきて、除雪された道に降りる。もう貴船までは除雪してあるので橋を渡ったところでシューを外す。

 道路に積雪は少ないとアイゼンを止め、今日はスパイクではなく昔買ったチェーンを登山靴に着けてみる。冬は誰も住んでいないような芹生の里を抜け、灰屋からの道に出合い芹生峠へと登って行く。14時30分、貴船まではまだまだ遠い!。

30分で勢竜天満宮に着く 建物が見えてきて除雪された道に降りる

 毎年この峠道はツルツルに凍っているのだが、今日は暖かく歩きよい。除雪された道だが峠まで来ると20cm積もっている。雪はまだまだ降り続き、結局一日中雪の中を歩くことになる。

 アソガ谷からの林道に出合う頃、雪は雨に変わり雨の中を歩くことになる。15時40分奥貴船橋に着き「やれやれ・・・」、やっと足取りも軽くなる二人。貴船に入るとこの雨の中たくさんの観光客を見かけ、「物好きな人もいる」と言うが、彼らはずぶ濡れの我々を見て「物好きな二人や!」と言っているに違いない・・・・、きっと。








主は羊毛のように雪を降らせ
灰のように霜をまかれる

詩篇 【147-16】
「ノリウツギ」だろうか?