中央分水嶺(深見峠~男鹿峠)//北山
2014.09.03


 
中央分水嶺の尾根は広域林道で何度も寸断される
広域林道にある男鹿峠の標識


2014.09.03  (水)  曇り   哲単独
行き:JR京都6:50- 周山8:15 - 千谷口(センダングチ)
帰り:千谷口16:58 - 周山17:40 - JR京都駅


コース:
・千谷口バス停~鴨瀬谷分岐(八丁林道分岐)~足谷分岐~男鹿谷分岐~深見トンネル前分岐~深見峠~尾根取付~P692~P674~男鹿峠~足谷林道下山口~足谷口~鴨瀬谷分岐(カモノセキャビン)~千谷口バス停

注意:
・中央分水嶺の深見峠からソトバ峠までの尾根は何度も広域林道で寸断されている。この間は雑木の尾根が続くが踏み跡薄く、何度も低木の杉のヤブに出合うので、余りお勧めできません。









 今日は周山の北側にある中央分水嶺を歩いてみる。これまで高島トレイルから三国岳~小野村割岳~佐々里峠~ソトバ峠~コシキ峠~鴨瀬谷山と歩いてきた。ソトバ峠までは歩きよい尾根が続いていたが、ソトバ峠から鴨瀬谷山まではヤブが多い疎林の尾根で歩きにくかった。

 「それでは鴨瀬谷山から西の方はどうだろう?」と今日は深見峠から男鹿峠付近まで散策することにする。今日は道子が仕事なので哲郎一人で出かけることになる。

 数少ない「京北ふるさとバス」を利用するので、JR京都駅6:50周山行きのバスに乗る。早朝のバスはスイスイ進んで、否すぐに眠りに入る哲郎である。国道が蛇行する高雄付近で目が覚める。今日は15時頃から雨の予報で天候を気にするが、今のところ大丈夫のようだ。

 周山バス停に5分遅れで着くが、連絡のバスが待っていてくれるのがいい。「上川」行きとあるバスに乗るが、哲郎一人である。終点の千谷口バス停でおり、しばらく舗装道の歩きが続くので、簡単な準備を済ませ北へと歩き始める。

回転場があるので広い千谷口バス停 すぐにフサフジウツギの花を見る

 バス停から5分も歩くと国道に出て橋を渡ると八丁林道口に出合う。林道入り口の反対側にはカモノセキャビンという喫茶店があり、朝早くから灯りが付き「営業7:30~」とある。「帰りに寄ってみよう」とその横を通り過ぎる。

 ここで標高332mなので標高510m程度の深見峠まで緩やかな登りが続くことになる。国道のアスファルト道を歩くのは登山靴ではしんどいのだが、歩き始めなので苦にならない。国道を走る車も少なく、排気ガスを気にすることもなく快適に歩いて行く。

右に八丁林道口を見る 帰りに寄ってみよう

 道沿いの茂みに花を探しながら歩いて行くが、目に付くのはベニバナボロギクやタケニグサ・・・と地味な花しか目に付かない。川に沿って国道を歩いて行くと、八丁林道分岐から10分で前回下って来た足谷林道分岐に着く。

川に沿って国道を黙々と歩く 八丁分岐から10分で足谷林道分岐に

 哲郎が昨日作った行程表通りに歩いているが、この先のチェックポイントは男鹿谷口で、予定ではこの先2Km(40分)とある。チョット長く植林地が続いていて見るべきものはなさそうだが、山裾に花が咲いていないか探しながら歩くことにする。足谷口から30分歩いて男鹿谷口を通り過ぎる。緩やかな登りなので予定より早く来たようだ。

 「あらら、こんなところにギボウシが!」と1本だが鮮やかな花を見て喜ぶ哲郎。葉が細いのでミズギボウシか?・・・とりあえずデジカメにおさめる。まだまだ谷間は広く明るい植林地が続く。

男鹿谷口を通り過ぎる 葉が細いのでミズギボウシか?

 男鹿谷口から少しずつ登り始め、15分歩くと前方に深見トンネルが見えてくる。日本海へ釣りに行く時必ず通ったトンネルだが、それは昔の話、この新しいトンネルを通ったかどうかは定かではない。分岐があり右が旧道で深見峠へと続いている。

 直進する旧道をとるとすぐに広域林道用の車止めゲートがある。その横を抜け分岐から250mも進むと、前方に旧道のトンネルが見え、新しい広域林道用の道が左へと続いている。ここから深見峠まで地形図を見ると大きく蛇行していて「時間がかかるな~!」と思っていたが、道は緩やかに登って行き全く苦にならない。

前方に深見トンネルが見えてくる/右へ 広域林道用の車止めゲートがある

 道端には咲いてきたマツカゼソウが続くが、あとは何も咲いていないようだ。20分登ってT字路に出合う。ここが深見峠のようだ。左手に通信設備がありそちらに進むと原方面、右が鴨瀬谷山方面である。前方に切り立った尾根を見る。この尾根が中央分水嶺の尾根で早速尾根の取付きを探す。

 尾根への作業道はなく左手の林道ゲート付近から強引に登って行く。地形図で分かるようにしばらく急斜面が続く。尾根が緩やかになってくるとケモノ避けだろう、足元に打ち枝や切り取った雑木が横たえてあり歩きにくい。

T字路の深見峠に着く 中央分水嶺、最初は急斜面を登る

 そのうち右手からの支尾根に出合う頃「美山トレイル」のテープを見る。哲郎が登って来たルートはきついので、支尾根から登って来たようだが、相変わらず木にグルグル巻きのテープはいけません。

 ピークまで登って中央分水嶺の尾根を東へ歩いて行くが、植林が続きガッカリする。そんな中足元に咲くツルリンドウを見てホッとする。

木にテープを巻いてはイケマセン 植林が続きガッカリする

 植林地の尾根をどんどん登って行くと標高690m越えのピークに着く「ここがP692か?」と地形図で確認する。どうやらP692は次ぎのピークのようで、細い尾根を植林地に沿って北へと進んで行くとP692に着く。

 中央分水嶺の尾根はここからが難しい。ピークの尾根は北へ下って行くが、中央分水嶺の尾根はここから東へ伸びている。疎林の斜面を東へとると広域林道へ落ちてしまうので、P692から北東に斜面を下って行く。標高差2~30m下ると疎林の細い尾根にのり、ケモノ捕獲用の檻を見る。

P692から東の斜面を北東へ下る 細い尾根にのりケモノ捕獲用の檻が

 尾根に植林は消え、やっと雑木の尾根を楽しむことができる。と言っても細い尾根に作業道はなく歩きにくい。時々右下に広域林道が見える。前方が杉枝のヤブに覆われると、進路を探しヤブを漕ぐことになる。ヤブに時間がかかり蜘蛛の巣を顔に受け快適な歩きとは言えない。でもヤブに慣れている哲郎は楽しそうに進んで行く。

雑木の尾根を楽しむことができる 時々右下に広域林道が見える

 何度も小ピークを越え広域林道へ降り立つ。ここはP674の手前でP674へは広域林道を跨いだ右手の尾根にあるようだ。12時10分、深見峠から90分かかり予定より40分遅れている。最初の植林地の登りで時間がかかったのと、藪の尾根と清掃登山と・・・予定が甘かったようだ。

 何はともあれ、12時なのでここでお昼とする。京都駅で買ったオニギリを食べようと腰を下ろすと、目の前にヤマジノホトトギスを見る。

P674手前で広域林道へ降り立つ 目の前にヤマジノホトトギスを見る

 昼食後、南の尾根を登って行くとすぐにP674に着く。その先北のピークへ向かうとすぐに広域林道へ降り立つ。再び北の尾根に乗り、また広域林道へ降り立つ。ここが男鹿峠かと思いきや、どうも様子が違うのでまだまだ先のようだ。

 少し歩いて北の尾根に取りつく。同じような光景が何度も繰り返されるので、蒸し暑い今日は頭がぼんやりして思考能力が低下しているようだ。ヤブを漕いだり、尾根の巨木や合体木を楽しんだり・・・まあ適当に楽しんで再び広域林道に降り立つ。

広域林道へ降り立つが男鹿峠はまだまだ 巨木や合体木を楽しんだり

 目の前に古い標識と林道の反対側に新しい標識を見て、ここが男鹿峠と分かる。もう14時前、ヤブや清掃に時間がかかったにしても、深見峠から昼食や休憩込みで210分、予定の90分より2倍以上も遅れてしまう。この細い尾根は歩きにくいことが分かる。

 今日はここから男鹿谷を下って千谷口バス停へ向かう予定、早速その谷道へ踏み入る。数mも進むと、斜面をジグザグに下って行く道が消えているので林道へ戻る哲郎。予定のバスには間に合いそうだが、もうすぐ雨が降る予定なので、ハッキリしない谷道の探索を諦める。仕方ないと芦谷林道分岐まで進み、足谷林道を下ることにする。

文字の消えた古い標識/男鹿峠 男鹿谷を諦め足谷林道へ向かう

 足谷林道分岐まで30分、雨が降れば林道歩きの方が楽なのだ。途中でポツポツ降ってくるが雨具を着るほどではない。予定通り30分で下山口に着き、早速足谷林道を下って行く。ここは前回歩いたので安心して下って行くことができる。

 40分で足谷口に着き国道に出る。いつの間にか雨も上がり国道を下り10分で八丁林道口にある喫茶店「カモノセキャビン」に着く。まだ15時30分、バスまで時間があるのでお店でユックリすることにする。汗だくで喉の乾いている哲郎は「ビールありますか?」と。「ビールはありませんと!」と返事が返ってきて残念な哲郎、冷コーヒーを頼み外で着替える。

足谷林道分岐に着く 名残のナンバンハコベ

 「地下水です!」と1Lの水とクッキーのサービスが出てきて喜ぶ哲郎。バスまでお店でぼんやりと時を過ごす。帰りのバスも哲郎一人、のどかな田園風景を楽しみながら帰路に着く。









山は上がり、谷は沈みました。
あなたが定めたその場所へと。


詩篇 【104-8】
ツルリンドウ