小塩山(カタクリ鑑賞)//京都西山
2014.04.12


 
カタクリ保護区とは違い、数は随分と少なくなってきたが
丁度見ごろの南谷のカタクリ


2014 .04 .12 (土) 晴れ   哲、道

行き:JR向日町8:35(阪急バス)- 善峯寺
帰り:善峯寺14:24 (阪急バス)- 阪急東向日


コース:
◆善峯寺バス停~杉谷~分岐(・436)~大原野森林公園案内所~南の谷~巻道を西へ~大原野森林公園へ下る尾根道出合~鉄塔~外畑分岐~淳和天皇御陵~舗装道を下り西の端カーブミラーから支尾根を下る~P604~墓石置き場~東海自然歩道出合~分岐(・436)~杉谷~善峯寺バス停






 今年も小塩山カタクリ鑑賞に出かける。カタクリ鑑賞と言っても、たくさん群生しているカタクリ保護区を回るのではなく、花が少なくてもいいので自然に咲いているようなところが良い。

 JR向日町、善峯行きのバス停に着くと予想外にたくさんの人が集まっている。一応列に並ぶが、人は次々に増え列に加わる。「ツーリスト○○」と言っているので春山ツアーなのだろうが、あまりに多くの人がやってきてバスは超満員、地元の人には迷惑なことだ。「事前にバス会社へ連絡しておけば始発から臨時便が出るのに」と哲郎。

 善峯寺バス停に着くとその団体さんはポンポン山へ向かったようで、杉谷への道を登って行くのは我々二人だけのようだ。小塩山カタクリ鑑賞に出かける人は南春日町バス停から御陵道を登って行くが、善峯寺は標高300m付近にあるので、こちらから取付く方が楽なような気がする。

善峯から杉谷へ登り始める シャガ

 楽と言っても善峯から杉谷までは標高差200mの急斜面をジグザグに登ることになり、やはり「この坂はきつい!」と言うことになる。それでも足元にはキランソウやシャガ、スミレ・・・と、春の野草が目を楽しませてくれる。まだ涼しいのだろう、余り汗をかかずに杉谷の集落に着く。

 無人販売所には生シイタケが並んでいるので、2袋頂くことにする。東海自然歩道に出合い大原野森林公園へと進む。頭上にはヤブツバキが満開で、足元にはミヤマカタバミの花が続く。山裾の桜はまだまだで、「野草は大丈夫かいな?」と思ってしまう。

東海自然歩道に出合い大原野森林公園へ 頭上にはヤブツバキが満開で

 前方にたくさんの人がいて、よく見ると銃を持っているではないか。「熊でもでたのですか?」と道子が尋ねると、「鹿がたくさんいてね・・・!」と答えてくる。ポンポン山から小塩山にかけて、この付近はハイカーやカタクリ見物客で賑わっていて、「何もカタクリの時期の土曜日に狩りをしなくてもいいのに!」「危ないな~!!」と哲郎。ヤブ道を歩く二人にとって、クマやマムシよりも猟銃の方が怖いものである。

 ・436の分岐で東海自然歩道と別れ左をとり森林公園へ向かう。足元にタチツボスミレやシハイスミレやミヤマカタバミの花が続くが、イチリンソウはまだ小さな蕾を付けたところだ。大原野森林公園入口に着き、公園の案内所へ向かう。

杉谷の桜は遅れている シハイスミレ?

 休憩所に入ると、まだまだ早い時間なのでお客さんはいない。係の人がやってきて「二人ですか?」と人数確認をする。10時30分、今日も早いお昼とする。「昼前には、あの団体さんがやってきて、満員になるだろう!」と。

 昼食も終わり、トイレを済まし小塩山に向かう。毎年のように森林公園入口の反対側から「南の谷」へ進入する。谷を渡ると「南の谷」の散策が始まるのだが、ここで「こんにちは!」と声がかかる。「エッ!」と二人、彼らは先日雪の権現山/比良で出会ったご夫婦であった。

 ネットをご覧になったようで「okaokaさんですね!」と。どうやら道子のザックで分かったようだ。こちらは気付かず失礼しました。彼らは休憩所からポンポン山東尾根へ向かい帰路に着くそうだ。二人はご夫婦と別れ谷を詰めて行く。

森林公園入口から「南の谷」へ進入する 「南の谷」の散策が始まる

 「ニリンソウまだや!」と広がり始めた小さな葉を見るが、その間に小さな花を見る。エンレイソウやフタバアオイも咲いてきているが、ヤマルリソウは消失したのか株が見当たらない。「アッ!咲いている!」と丁度満開のカタクリの花を見る。10株程度がかたまって咲いていて、早速見いる二人。

 この谷のカタクリは少なったが、ここで綺麗に咲いたカタクリを見るのは久し振りだ。山頂のカタクリ保護区には群生してたくさん咲いてはいるが、やはり谷沿いに静かに咲く方が綺麗に見え感動するものだ。この谷で丁度見ごろと言うことは、上の方はこれからのようだ。

咲き始めのニリンソウ エンレイソウ
フタバアオイ ちょうど見頃のカタクリ

 谷を詰めて行き、最後の分岐を今日は左俣にとる。ヤブツバキやシキミの花を見ながら登って行くと御陵道からの巻道に出合うので左にとる。巻道はほぼ水平に西へ向き、しばらく西山の春の雑木道を楽しむ。支尾根を何度か越して巻いていくと、大原野森林公園へ下って行く尾根道に出合う。

シキミの花 春の雑木道を楽しむ

 この分岐を過ぎると折り返すように小塩山へ登って行く。送電線の鉄塔から外畑や亀岡方面を望んでいると、ここが心地よいのか一人の男性が昼食なのだろう腰を下ろす。登山道を登って行き淳和天皇御陵を過ぎると、小塩山山頂の舗装道に出る。「今日は保護区のカタクリは、もういいだろう!」と下山にかかる。

 道端にはたくさんのハイカーが並んで腰をおろし昼食をとっている。「たくさんの人やな~!」と言っていると、その前方に立った集団を見る。どうやらここで保護されているギフチョウがいたようだが、あまりにも多くの人が集まり、ワイワイ言うのでどこかへ飛んで行ったようだ。

鉄塔を潜り小塩山へ向かう どうやらギフチョウがいたようだ

 山頂が13時10分、「急げば14:24のバスに間に合うだろう!」と最短コースで善峯へ下ることにする。御陵道下山口から一段下の舗装道へ降り、この舗装道が西から東へ折り返したところが善峯への近道である。

 近道と言っても道はなくカーブミラー手前から支尾根を50mも下ると朝歩いた御陵道からの巻道の分岐付近に出合うのだ。下降点にはマークも増え、たくさんの人が利用しているようだ。巻道の分岐は三つ辻になっていて、西は朝歩いた鉄塔へ向かう巻道、東は御陵道、二人は南にとりP604へ向かう。

舗装道の下降ポイント 下った巻道分岐から南のP604へ

 二つ目の関電巡視路のマークを見ると道は右へゆっくりと下って行くが、善峯への近道は左にとりP604へ向かう。道は薄い踏み跡程度だが、P604の左下をぬけると道はシッカリしてくる。少し急ぎ足で南へ下って行く。

 「えっ!!」と前方の尾根のすぐ下に静かに座って谷を見つめている男を見る。朝の連中が、こんなところで狩りをしているのだ。鹿を見つけると無線で連絡するのだろう。「危ないな~!」と哲郎はクマよけの鈴を取り出し、二人は大きな音を立てて下ることにする。

二つ目の関電巡視路のマークを見て左 「→杉谷」をとると森林公園入口へ

 最後は支尾根から谷間を下り、広い墓石置き場に降り立つ。13時40分なので山頂から30分で下ったことになる。ここから東海自然歩道を杉谷へ向かうのだが「杉谷1.3Km」とある。「杉谷13時55分、善峯バス停14時10分」と予定を立て歩き始める。今日は走らなくてもよさそうだが、「いつもここは急ぎ足や!」と道子。

最後は支尾根から谷間を下り 広い墓石置き場に降り立つ

 予定通りに杉谷に着く。シイタケの無人販売を覗くと完売しているようだ。善峯への下りは、山道でショートカット「これで1~2分短縮や!」と哲郎。善峯駐車場入り口まで下ると、「あれ~!」と、「南の谷」入口で出会ったご夫婦と再び出合う。

 バス停まで来るともうたくさんの人が並んでいて、そこに丁度バスがやってきてすぐに乗れるのだが、道子は着替えるためトイレへ向かう。

キランソウ ミヤマカタバミ

 早く並んだ哲郎だけ座ってバスは出発する。道子は立って先ほど出会ったご夫婦と山の話を楽しんでいるようだ。行も帰りも満員のバス、ポンポン山の春山登山は、当分賑わうようだ。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14-7】
ユリワサビ