ソトバ峠(佐々里峠~ダンノ峠~倉谷林道)//北山
2014.06.14


 
素朴なところがいいとソトバ峠


2014.06.14 (土)  曇り   哲、道

行き:北大路駅前バス停8:02(京都バス)- 広河原
帰り:広河原17:30 - 北大路駅前バス停


コース:
◆広河原バス停~佐々里峠~ダンノ分岐~ダンノ峠~P850~P892下~P847~ソトバ峠~衣懸坂~片波林道分岐~倉谷林道分岐~下ノ町バス停

注意:
◆深見大布施広域林道から下ノ町へ下る倉谷林道は2箇所崩壊している為通れません。初心者は倉谷林道へ入らないでください。









 今日は佐々里峠から品谷山へ向かいヤマボウシの観察に出かける。梅雨なのだろう登山者も少なく、北大路駅前バス停から広河原行きのバスに乗る。山々は夏の緑に変わり谷沿いでは白いウツギの花が咲く。

 終点の広河原で降り佐々里峠へ向かう。路面が土で汚れているので「変だな~」と思っていたら、庄兵衛さんのおかみさんに出会い「木曜の夕方、竜巻とヒョウと土砂が流れ込み大変だった」と言う。庭の野菜や花壇の花はみんな首が飛んでいて全滅のようだ。2日も経つのに吹き溜まりではヒョウが50cm積もっている。

 被害状況を一通り見て佐々里峠へと歩き始める。蒸し暑いが頑張って車道を登って行く。途中で谷の掃除をしているOさんに出会い、「久し振りだ!」とこれまた長々と話し込んでしまう。結局予定より遅れて佐々里峠に着く。

緑一杯の広河原バス停前 佐々里峠に着く

 峠にあるお地蔵さんの室の中で、ユックリと準備し、峠の西の尾根を登って行く。早速目に付く「美山トレイル」のテープ、もうテープアレルギーになったのか、哲郎はこれを見ただけで気分が悪くなる。尾根に乗り無線中継所を過ぎるとしばらく緩やかな尾根が続く。

 ここの尾根の「美山トレイル」のテープは10m間隔ではなく20~30mと少ない。ここは品谷山へのメインルートなので、心ある登山者が間引いてくれたのだろう。尾根が登り始めるとダンノ分岐は近い。谷はたくさんのヤマボウシで白く染まり「今年はヤマボウシの実を味わえるだろう」と哲郎。

テープアレルギーになった哲郎は ダンノ分岐に近づいてくると

 最後は標高差50m登ってダンノ分岐に着く。主尾根を真っすぐ南へ進むと品谷峠だが、ダンノ峠への支尾根にテープを見て、テープが気になる哲郎は品谷山を諦めテープを追ってみることにする。

 雑木の細い尾根を下って行くとダンノ峠に着く。「美山トレイル」のテープは幸いにも廃村八丁へ向かっていなくて、真っすぐ南の尾根へ登って行く。でも初心者がテープに誘われる可能性もあるので問題が残る。二人はテープを追って南の尾根を登って行く。

ダンノ分岐からダンノ峠へ ダンノ峠に着く

 この尾根は廃村八丁の東に続いているので、「廃村八丁東尾根」としよう。この尾根を歩くのは10年振り、素朴な尾根が心地よい。でも「美山トレイル」のテープは続く。この尾根では15m間隔で付けてある。小野村割岳周辺は10m間隔だったので、この東尾根は小人数(一人?)でつけたのであろう。

 チョット登ってP850に着く。チョット遅れたがここで昼食とする。オニギリを食べながら前の木にピークハンターさんの小さな標識を見る。よく見ると針金が幹に食い込んできているので針金をカットするが、もう取れなくなってきている。自分でつけた標識は自分で管理・回収が必要だ。

素朴な尾根が心地よい 針金が幹に食い込んできてイケマセン

 昼食後、尾根を南へと歩き始める、少し下って再び登り始める。標高差50m登ってP892直下に着く。P892は東へすぐの所だが、二人は真っすぐ通り過ぎる。すぐ目の前で尾根は分岐する。左をとればオリ谷へ下って行くので、ここは右の南西へ下る尾根をとる。地形図が1枚でもあれば難なく分かることである。

 しばらく心地よい尾根を下って行くと、植林が増えてくる。一旦下った鞍部からユックリ登って行くと支尾根の分岐に出合う。右(北西)に伸びる支尾根は刑部谷へと下って行くので、ここは左(南)をとりユックリと登って行くとP847に着き、木に分岐の標識を見る。

P892への登り P847の標識

 枯れ木に固定された標識は古いものだが樹脂で作ってあるので色あせない。さらに古い標識が下に落ちている。木が朽ちて落ちたのだろうが、いずれも針金で木に固定してあったので木が枯れたのかも知れない。

 「美山トレイル」のテープはP847から西の尾根へ続いているので、二人もソトバ峠へ向かう。昔よく歩いた尾根、左手に綺麗な紅葉を見ながら下ったことを思い出す。200mも下れば尾根は分岐し、右にとれば廃村八丁の小屋跡に降り立つ。左にとりソトバ峠へ向かう。

さらに古い標識/P847 P847、200m下の分岐

 細い尾根を快適に下って行くと、登山道は左手の斜面を下って行く。真っすぐ尾根を進むとババ谷へ降りるので間違っても問題ないようだが、昔から左手の斜面を下り途中から谷の中を下って廃村八丁へ向かったことを思い出す。

 小さな谷の源頭に着くと下から一人の男性がやってくる。長靴を履いて作業着姿の男は、とても登山者には見えない。ソトバ峠からやって来たという男は尾根をぐるりと回り廃村八丁へ向かうと言っている。テープは左手の尾根へ続いてるのでそれを追いソトバ峠へ向かう。「広域林道や」と道子、尾根の左下にそれを見る。

細い尾根を快適に下って行くと 「広域林道や」と

 細い尾根を200mも進むと下り始め、4~50m下って広域林道に降り立つ。広域林道にブルーシートで覆われた車が1台止まっている。「不審者ではない」と書いてあるが、ここに何日も止めること自体不審なことではないのか。

 広域林道はソトバ峠から廃村八丁へ向かう登山道を横切っているが、林道の両側に標識がつけられているので迷うことはない。ここからテープはソトバ峠への登山道へ向かわず、尾根へと登って行く。テープを追って行くと尾根を下ったところでソトバ峠に着く。

美山トレイルのテープと不審車 ソトバ峠に着く

 「今日はここまで!」と下山することにするが、今日のテープの軌跡は京都市の左京区と右京区・・・・、「美山トレイル」の行動がいまいち分からない。

 「久し振りだ!」と今日は広域林道を進み、倉谷林道を下ノ町へ下ることにする。テープから解放されスッキリした気持ちで林道を歩き始めるが、いつの間に晴れてきたのか「暑い!」と言うことになり、道子は傘を取り出し日傘とする。

 左手に「へえ~!」とビックリするほどの崖、20mはあるだろうか。この広域林道は尾根に無理やり造成したのもだから、あちこちで崩れている。災害時のサブルートとして利用はできるものの維持費が高くつくだろう。計画時、温暖化での異常気象によるゲリラ豪雨なんて考えていなかったように思える。だらだら歩いて15分で衣懸坂の峠に着く。

「へえ~!」とビックリするほどの崖 15分で衣懸坂の峠に着く

 今日は下ノ町へくだるので、真っすぐ広域林道を進んで行く。衣懸坂から10分で片波林道分岐に着く。「暑い、アツイ!」と飲水休憩後、広域林道を倉谷林道分岐にへと歩き始める。昔鍋谷山へ向かうため無理矢理登って行った右手の斜面にはコアジサイが咲きそろい、足を止め花を楽しむ。

 林道は少しずつ登って行き、登りが続く。すぐに着くだろうと思っていた倉谷林道分岐はなかなか見えてこない。同じような景色が続き「通り過ぎたのやろか?」と思ってしまう頃、林道分岐にあるゲートが見えてくる、片波林道から35分もかかったようだ。

片波林道分岐 倉谷林道分岐

 15時40分、「ユックリ下っても16時30分には着くだろう!」と哲郎、二人は倉谷林道を下り始める。前回通ったのは雪道で分からなかったが、落石多く歩きにくい。小さな石を避けながら下って行くと、倉谷源流付近で林道が寸断されているのを見る。「こんなの見たことない!」と、林道が谷水で深く削られ下数mの所に送水管がむき出しになっている。林道が全面崩壊しているため、崩壊が一番浅い山寄りの斜面を下り、ここを渡り切り林道へ登る。

 「やれやれ!」と先を急ぐように下って行くと、今度は谷側の斜面が20m位崩壊しているのを見る。ここも一瞬「通れないかな」と思ったが、山裾に数10cm林道が残っていてくれ助かる。ここも注意して通り過ぎる。

こんな林道崩壊見たことが無い 山裾を注意して通る

 「倉谷林道、当分歩けないな!」と哲郎。チョット遅くなったが林道を下り切り橋を渡り下ノ町バス停に着く。16時25分だ。京都へのバスまで1時間、「こんなところでは1時間も待てない!」と16時36分の広河原行きのバスに乗り広河原へ向かう。

 「来週はテープの無いところへ行くことにしよう!」と哲郎、庄兵衛さんでビールを飲みながらユックリとバスを待つ。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14-7】
ほんのり香るコアジサイが心地よい