武奈ケ岳(御殿山~細川越~ダケ道)
【雨のベニドウダン鑑賞】
2015.06.06


 
西南稜のベニドウダンを楽しむ


2015.06.06 (土) 雨    哲、道

行き:出町柳7:45 - 坊村
帰り:イン谷口15:25 - JR比良15:37 = JR京都


コース:
◆坊村バス停~御殿山登山口~P846~見晴台~▲御殿山~ワサビ峠~西南稜~△武奈ケ岳~細川越~広谷~イブルキノコバ~八雲ヶ原~北平峠~ダケ道~大山口~イン谷口バス停









 「今年は、まだベニドウダン鑑賞に行っていない!」と武奈ケ岳へ出かけることにする。土曜日は雨と言う予報だが、雨量解析を見て「9時過ぎには、雲が抜け雨は止むだろう!」と、予定通り実行する。結果的には予報が外れ、一日中雨の中を歩くことになってしまった。

 天候が悪いので、朽木行きのバスは全員座って出発する。花折峠を過ぎるとバスのワイパーが動き始める。「早く止んでくれ!」との願いもむなしく、雨の中、坊村で降りることになる。トイレを済まし、近くの軒を借り準備する。

 バスから見た道路温度計は12~14℃を示していたので、雨具を着ても暑く感じない。目の前を傘をさした登山者二人が通り過ぎて行く。御殿山登山口から登り始めるが、バスでやって来た登山者は数人だったので、前後に人影は見えない。

雨の坊村バス停トイレ前 明王院への橋を渡り御殿山登山口へ

 周囲は雲に覆われ冷気に包まれているが、雨具を着ていては「やはり暑い!」と何度も飲水休憩をとる。植林の下では雨は当たらないので道子はフードを脱いで登って行く。今日は45分かかり植林地を抜け小ピークに着く。P846への登りは一気に登り、登山口から丁度1時間でP846の尾根に乗る。

前後に人影は見えない御殿山道 P846への登りは一気に登り

 夏道分岐で傘の二人に追いつく。「傘をさしては危ないだろうに」と。緑が綺麗な巻道も、フードが邪魔で雑木を鑑賞できない。トリカブトの谷から尾根へ一登り、「ゴツン!」と哲郎は横たわった太い幹で頭を打ってしまう。「雨の日はこれだからいやだ!」と哲郎。

 見晴台に着くが当然のように展望は全くない。でもこの空き地には赤いヤマツツジ、ヤマボウシの花と咲き始めたサワフタギの花を見る。

 哲郎もここからフードを外し御殿山へ登って行く。心地よい雑木の間を抜け登って行くと所々でベニドウダンを見るが、ここは風が強く当たるのかほとんどが落花している。

見晴台に着くが 落花した御殿山のベニドウダン

 展望のない御殿山からすぐにワサビ峠に下る。いつも峠で昼食をとっているが、まだ11時前、小雨が降っているので昼食は諦め、濡れたシャツを着替えて出発する。「たくさん咲いている!」と道子、それではとベニドウダンの写真を撮る哲郎だが、雨の中綺麗には撮れない。

 西南稜ではアカモノやレンゲツツジは終わりかけているが、「こんなにたくさん咲いて!」と、赤いヤマツツジを見て喜ぶ道子。

雨のベニドウダン鑑賞 レンゲツツジは終わりかけ
ムラサキツリガネツツジ ウスギヨウラク
アカモノ サワフタギ

 雨では野草観察もほどほどに終わり、一登りして武奈ケ岳山頂に立つ。「山頂には誰もいない!」と思っていたら、東側の岩陰で数人のグループが風を避け食事をとっている。10℃位だろうか「こんな寒い所で!」と思ってしまう。二人はすぐに北稜へ向かう。

 細川道下山口を過ぎると道は急に下って行く。雨でズルズル滑るのだ。そこに傘の二人がやってくるので、野草観察で遅れる哲郎と道子、先行して降りてもらう。ストックもなく登山靴でなく雨具を持参していない彼らはユックリの下りとなる。彼らは時間がかかるようなので、結局我々が先行することになる。50mも下ると緩やかになり雑木を楽しみながら下って行く。

一登りして武奈ケ岳山頂に立つ 細川越への北稜の道は心地よい

 峠が近づいてくると勾配もさらにゆるくなり、サワフタギの花や幾何学的なナツトウダイを見ながら下って行く。前方から出町柳で一緒だった女性がやってくる。朽木栃生から登って来たのだが女性にしては早いようだ、否女性だから早いのかも知れない。

 次から次へと団体さんがやってくる。イン谷からやって来たのだろうか、ガリバーからだろうか、この雨の中ご苦労さんです。細川越えの峠に着き右にとり広谷へ下って行く。

細川越えの峠に着き右にとり広谷へ 木道は滑るのでユックリ歩くことになる

 今度は年配の女性たちがやってきて、細川越えへの登りで「今日初めてのキツイ登りや!」と言っているが、こんなことでは武奈ケ岳手前の急勾配では悲鳴を上げるかもしれない。広谷に出合い、谷沿いの湿地帯を歩くことになるが、木道は滑るのでユックリ歩くことになる。

ヒメハギ ナツトウダイ
コバノフユイチゴ ハンショウズルの蕾
ヤブデマリ ヤマボウシ

 木道が終わり谷沿いの道を歩いて行く。谷沿いに雑木が広がり、いつ来ても心地よく歩くことができる。道は何度も谷を渡ることになるが、「あの傘の二人はどうするのだろうか?」と心配する。釣瓶岳へ向かっていなければスニーカーの二人は、ここでずぶ濡れになることになる。でも標高900m以上の高地なのでヒルの心配はなさそうだ。

 広谷からイブルキノコバへ向かう。支流を詰めた途中から左手の斜面の横道へ移る。道の両側にはコアジサイが続くが、花はまだまだのようだ。イブルキノコバから八雲ヶ原へ向かう。

道は何度も谷を渡ることになるが 広谷からイブルキノコバへ向かう

 次々に登ってくる登山者に出会うが、今の時期ならば日暮れまでには下山できそうだ。荷の大きい人は泊りなのだが、今夜は晴れの予報、何処に寝ても先日の洛西オヤジさんのような悲惨なことにはならないだろう。

 八雲ヶ原にはテントも人も多く賑わっている。大木の下で雨を避けながら昼食とする。北稜で出会った彼女が団体さんの中でくつろいでいるので、その登山クラブのメンバーだったのだろう、「道理で足が速いはずや!」。

 降り続く雨、きっと山頂付近に漂っている雲の中にいるのだろう。「イン谷口15:25のバスに間に合うだろう」と、ダケ道を下ることにする。久し振りだと池の木道を歩いてみるが、老朽化していて危なっかしい!。

八雲ヶ原への道は緑一杯 池の木道は老朽化していて

 北比良峠への道にサラサドウダンの花はなく、咲いていないのか終わっているのか?。結局今日はその花を見ることはなかった。北比良峠に人影はなくヒッソリとしている。ダケ道を下って行くと、まだまだ登ってくる人に出会う。たくさん出会った人は皆テント泊のようで、皆さん今夜の楽しみが顔に出ている。

 いつの間にか日が射してきて、手入れされたダケ道をスイスイ下って行き、「ありがとう!」と言いたくなるほど短時間で下ることができるようになった。大山口に着き谷で顔を洗って用具も洗っていると、対岸から近づいてくる一人の男性、「YNちゃんや!」と哲郎。

 「久し振りだ!」と野草の話をしながら一緒にイン谷口バス停へ下って行く。今日は14名の乗客を乗せJR比良駅へ向かう。

北比良峠に人影はなく 手入れされたダケ道をスイスイと

 YNちゃんはいつもの店で休憩、用事がある二人は先に帰ることにし、やって来た電車に飛び乗る。二人はやっと雲が取れてきた比良山系を見ながら京都へ向かう。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14-7】
比良山荘に咲くギボウシ