八ケ峰(本谷~若丹国境尾根~知井坂)//北山
2015.05.02


 
足元にイワカガミが続き
新緑の知井坂を心地よく下って行く


2015.05.02 (土) 晴れ  小てつ、JOE、哲、道

アクセス:
八原八ケ峰登山口まで往復車利用

コース:
八ケ峰登山口~八原谷林道~林道終点~標高500mの谷分岐から支尾根を登る~若丹国境尾根出合~P698~△八ケ峰~知井坂の峠~知井坂を下る~八ケ峰登山口

注意:
登山口から東の谷は、林道八原谷線が終わると道はなく谷沿いを歩くことになります。谷から若丹国境尾根へのいずれの支尾根も急斜面で危険ですので初心者は進入しないようお願いします。









 「この連休に八ケ峰へ行こう!」と小てつさん、JOEさんも誘って出かけることにする。前回ここを訪れた時には春の野草がいっぱい咲いていたが、「今年はどうだろう?」と、いうことになる。

 周山街道は朝から車が多い、「連休だからな!」と思っていたら、周山を抜けると極端にその数は減る。美山町安掛の分岐で右にとり知見口へ向かう。まだ朝早いのでかやぶきの里周辺の人影は少ない。知見口から北へ知見谷川沿いに進む。「新緑が綺麗だ!」と4人は周囲の山々を眺めながらすすんで行く。

 道が突き当たったところで橋を渡り駐車スペースに止める。1台先客がいて知井坂から八ケ峰へ向かうようだ。「咲いていない!」とJOEさん、前回川沿いにたくさん咲いていたニリンソウは見当たらない。「大水で流されたのやろか?、この先の谷沿いは大丈夫?」と心配する。

 準備が終わった4人は本谷沿いの林道を歩き始める。「あるある!」とそこには野草ではなく丁度食べごろのワラビを見るが、これからなので収穫は止める。土手に黄色い花を見る。「キジムシロ?」と見いるが他の花は見当たらない。小葉の数が多いのでミツバツチグリではなくキジムシロである。

林道八原谷線を歩き始める キジムシロ

 林道ゲートを抜け歩いて行くが、もうここで4人は「今年は花が少ない!」と思ってしまう。やっと土手に咲くにニリンソウを見つけるがその数は少ない。「仕方ない」と哲郎、いつも撮らないキランソウやネコノメソウやキケマン等もカメラに収めることになる。

 送電線が見えてくると「この付近にイカリソウがあった!」と言うが、もう葉だけを見ることになる。「今年の花は早いな~」と、もうこの先の花は楽しめないようだ。それでも4人は斜面の植物を観察しながら進んで行く。

林道ゲートを抜け歩いて行くが 斜面の植物を観察しながら歩く

 林道「大鷲谷線」分岐を過ぎると林道終点に出合い、細い作業道に変わる。ここから渡渉を繰り返し谷沿いを歩くことになる。最初の渡渉ポイントに来てビックリ、目の前の谷に多くの倒木を見る。野草を楽しみながら歩いた谷沿いの道は分からなくて、ただ倒木を避けながら歩くことになる。

 林道入り口では分からなかったが、この谷も大雨のダメージを受けているようだ。それでも「倒木の間に何か咲いているかも?」と探しながら歩く哲郎は、皆から随分と遅れてしまう。そこではニリンソウ、ハルトラノオ、スミレサイシンの葉だけを見ることになる。

 少し上流まで来ると倒木はなくなり谷も穏やかになる。しかし谷沿いの平地が狭くなるので野草も少なくなる。

倒木を避けながら歩くことになる 谷も穏やかになる

 谷はだんだん狭くなり歩きにくくなる。その谷の斜面にホウチャクソウやハルトラノオを見る。谷が荒れてきて速く歩けないので見に留まるのかも知れない。

 上流だが谷が植林地に接し蛇行している所では荒れてくる。前回よりも深くえぐられてきたようだ。谷の中に大きな岩が目立つところでは余りダメージを受けていない。

随分とえぐられた谷 岩が目立つと荒れていない

 標高440m付近、前回支尾根に取りついた谷分岐に着く。前回この先の谷に倒木を見て遡行続行を諦めた地点だ。「今日はこの先も詰めてみよう!」と小てつさん、哲郎も詰めてみたかったので進むことにする。物好きな4人だと思ってしまう。

 狭い谷だが、倒木と滑滝状の岩に悩まされ進んで行くと倒木はなくなる。でも荒れた滑滝状のV字の谷は歩きにくい。右に左に歩けそうな斜面を探しながら進んで行く。

倒木が邪魔をする 滑滝状のV字の谷は歩きにくい

 前方に谷分岐を見て、「やっと着いた!」と。10時55分、この谷遡行に2時間かかったようだ。分岐の岩の上で小休止、疲れた4人はJOEさんが差し出してくれたチョコレートで糖分を補給する。ここから予定通り目の前の支尾根を登ることにする。これがまた大変、急斜面の連続で木を掴みながら登ることになる。

 「ユキグニミツバツツジや!」と小てつさんだが、そこまで移動するのが一苦労だ。だいたいこんな急斜面は40L背負って登るようなところではない。危ないので道子にストックをしまうように言う哲郎。

 しばらくして「ストックの先が無い!、2本も!」と道子、最後尾の哲郎はストックを探しながら登ることになる。ストックの先も見つかり「やれやれ」だが勾配が一向に緩くならない。

分岐の岩の上で小休止 支尾根を登るが、急斜面の連続

 「やっと緩やかになった」と思ったら、標高660mで若丹国境尾根に飛び出す。結局この支尾根は急勾配が続き失敗と言うことになる。30分続いた急勾配に哲郎も疲れてしまう。

 開けたところから東方の山々を眺めた後、ハイキング道を八ケ峰へ向かう。ここから八ケ峰まで心地よい新緑の雑木の下を歩いて行くのだが、疲れが取れていないので小さなアップダウンにも閉口する。

 八ケ峰に近づくにつれ、足元にイワカガミやニシキゴロモが続き目を楽しませてくれる。「家族旅行村」の標識を過ぎると登り始め、八ケ峰が近づいたと感じる。

若丹国境尾根に飛び出す 心地よい新緑の雑木の下を歩いて行く

 最後も登りも50m登って△八ケ峰山頂に着く。12時30分、「チョット遅れた!」とここで昼食とする。今日もJOEさんは豚汁を作ってくれるが、具たくさんで腹いっぱいになる。食後は小てつさん特性のお茶を頂き、やっと疲れがとれたようだ。

 食後は知井坂へ向かう。しばらく階段が続くが緩やかに下って行き知井坂に出合う。心地よい道が続き峠から八原の登山口へと下って行く。

山頂を後に知井坂へ向かう 知井坂に出合う

 イワカガミはもうだめかと思っていたが、ここの群落は数が多いので長く楽しめるようだ。足元にイワカガミ、頭上に雑木の新緑が続き4人は心地よく下って行く。随分下ってもまだイワカガミは続き、とうとう誰も見向きしなくなる。

 山頂から50分下って登山口に着く。今日は野草の花が少なかったが、最後のイワカガミで皆さん満足したようだ。川で用具を洗っているうちに、小てつさんはワラビを摘んできて道子に渡す。ありがとうございます、これで筍+ワラビで美味しく頂きます。

新緑が眩しい知井坂を下る 思わぬところでクリンソウ

 帰りには観光客で一杯の道の駅により、それからゆっくりと京都へ向かう。今日は野草は少なかったが新緑一杯、谷遡行も楽しんだし、一日楽しく過ごしました。小てつさんJOEさんありがとうございます。



ヤマネコノメソウ
果実は蒴果で褐色の種子が多数ある
ニリンソウ
ハルトラノオ ホウチャクソウ
サワハコベ
ミヤマハコベの花弁は2深裂する
アシウテンナンショウ
類似のヒロハテンナンショウの仏炎苞は緑色
シロバナニシキゴロモ ニシキゴロモ
カラタチバナ イカリソウ







木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14-7】
イワカガミ