廃村八丁(ダンノ峠~品谷山~佐々里峠)//北山
2015.11.21


 
冬枯れの雑木の間から同志社自然環境研究室が見える
四郎五郎峠・刑部滝分岐付近


2015.11.21 (土) 曇り   哲、道

行き:出町柳駅前 7:50 - 菅原バス停 (京都バス)
帰り:広河原 17:30 - 北大路駅前
コース:
菅原バス停~ホトケ谷分岐~尾根道取付き~ダンノ峠~四郎五郎峠分岐(同志社自然環境研究室)~四郎五郎峠~四郎五郎谷~廃村八丁~スモモ谷~品谷峠分岐~品谷峠~△品谷山~ダンノ分岐~佐々里峠~広河原バス停

注意:
・廃村八丁への谷道はどの道も渡渉を繰り返します。足元は登山靴等でシッカリしてください。大雨後増水で谷道が通れない時は、ソトバ峠、品谷山からトラゴシ峠またはダンノ峠南尾根を利用してください。







 廃村八丁に出かける。京都丹波高原国定公園(仮称)の指定及び公園計画の決定に伴うパブリックコメント募集があり、この周辺ももうすぐ公園化されるであろう。廃村八丁周辺の登山道が遊歩道化されるようで、「遊歩道化されるとハイカーは行くが、登山者は魅力のなくなった八丁へは誰も行かなくなるだろう!」と哲郎。

 出町柳駅前バス停、朽木行きは臨時便が出たが広河原行きのバスも登山者も多く満員、「これでは北大路駅前からの学生さんたち乗れるかな?」と思ってしまう。案の定北大路駅前で10数人の学生さんたち乗り超満員、途中のバス停からは乗れなくなる。

 「あ~、又や!」と相変わらず対応の悪い京都バス、途中の山の中のバス停で気分の悪くなった女性が降りることになる。「こんなところで降りて、どないするのやろ!」と心配する。

 新しい運転手だろうユックリの運転で20分以上遅れて到着した菅原で5名降り、皆さん廃村八丁へ向かう。急いでバス停小屋で準備し二人は最後に出発する。今日は寒いので尾根の取付きまでは上着を着ることにする。すぐの分岐から右のホトケ谷沿いの道をとる。

菅原バス停付近 オリ谷・ホトケ谷分岐を右へ

 植林地の中、林道を歩いて行くと谷分岐に出合うが相変わらず林道は崩れたままである。谷を渡ったところが尾根道・谷道の分岐で楽に歩ける尾根道をとる。尾根道は谷分岐の中尾根を登って行くのだが、ここには標識があるので分かるだろう。

 ダンノ峠までは標高差約200m登ることになり、夏は最初の登りがシンドイところだが、今日は涼しいのでスイスイと登ることができる。それでも汗をかくのでシャツ1枚で登ることになる。

 周囲に雑木が増えてくると少し緩やかになり、そのうち細い尾根に乗る。再び登り始める手前で右に下り、右下から登ってくる谷道と合流する。でも谷道は最近歩く人が減ったようで道の跡は薄くなっている。植林地の谷間を一登りしてダンノ峠に着く。

尾根道・谷道の分岐に着き ダンノ峠に着く

 ダンノ峠を下って行くとすぐに流れを見るようになり八丁川源流に沿って歩くようになる。この付近は哲郎のお気に入りの所だが、雑木はもう冬枯れ状態でチョット淋しい。

 右からの桂谷と合流すると谷間は広くなり、その広い河原に雑木が乱立しその中を歩いて行く。流れは豪雨で昔とは大きく変わっている。昔は左手の山裾を歩いていたが、広い河原のあちこちにマークが付いていて汚い。枯れた大木が見えてきて、冬枯れの雑木の間から同志社自然環境研究室を見る。

八丁川源流に沿って歩く 同志社自然環境研究室前

 ここに刑部滝・四郎五郎峠分岐があり、今日は峠へ向かうので流れに沿って下って行く。谷に出合うと右岸へ渡渉、谷沿いを少し下るとすぐに右手に小さな谷筋をみる。これが四郎五郎峠への道である。

 小さな谷筋の左手の斜面にロ-プを見て、道子は斜面の横道を進むが、哲郎は小さな谷をそのまま進む。斜面の道は誰が作ったのだろうか、危なかっしい道で、「谷を歩けば何のことはない!」と哲郎。

刑部滝・四郎五郎峠分岐があり 谷に出合うと右岸へ渡渉

 植林地の中、杉の枯葉で道は分かり難くなっているが、よく見ると道が見えるので注意しながら進んで行く。分からない時は地形図で確認するか、前方に薄ら見える尾根の低いところ(峠)へ進めばよい。谷渡渉から四郎五郎峠までは7~8分なのでユックリ進めばよく、迷ったら分岐まで戻ることだ。最後の分岐を左にとると四郎五郎峠に着く。

植林地が開けてきて明るくなり 四郎五郎峠に着く

 峠からは四郎五郎谷へと標高差80m程度下ることになる。大きくジグザグに下って行き谷へ降りる。谷沿いを下って行くと広場のある谷分岐に出合うので広場に渡る。

四郎五郎谷に出合う 広場のある谷分岐に出合う

 ここから廃村八丁までは何度も渡渉することになる。谷は広くなったり狭くなったり、倒木が邪魔をしたりするが難なく歩くことができる。

 谷が狭くなり迫って来た崖の横を通り抜けると刑部滝からの道に出合う。ここまで来ると八丁は近い。谷は刑部谷と合流し広く深くなり谷らしくなる。最後はロープの張ってある浅瀬を左岸へ渡る。ここは雨後で水量が多ければ靴を脱ぐことになる。渡渉すると八丁までは5分、谷沿いを歩いて行く。

四郎五郎谷は何度も渡渉を繰り返す 最後は浅瀬を左岸へ渡る

 前方に錆びたトタンの四角錐が見えてくる。そこにはバスでやって来た男性が一人いてあちこちの風景をカメラに収めている。バスで一緒だった夫婦の姿は見えず「どこへ行ったのやら?」。12時15分、いつもより30分も遅れているようだが、二人は土蔵跡裏に流れる八丁川の傍で昼食とする。

 カメラの男性は菅原方面へ消えていく。急げば14時台のバスに間に合いそうだが、ここが初めてのようなので無理のようだ。でもこのまま菅原へ向かうとバスを2時間近く待つことになり、「どないするのやろう?」と要らぬことを考えてしまう。

 今日は目の前の四角錐の建物を不法占拠している男もいず、広場には静寂が漂う。ここが公園化され遊歩道があちこちにできると、この静けさは感じなくなるだろう。12時35分、昼食休憩も終わり目の前の谷を渡りスモモ谷を遡行し品谷山へ向かう。

廃村八丁の広場に着く 谷を渡りスモモ谷から品谷山へ

 スモモ谷を歩き始める。スモモ谷沿いにも廃村の石垣が残っていて、その横を通り抜けて行く。しばらく植林地が続き左手に谷の支流を見る。谷分岐、流れは二分するがここはスモモ谷の右俣をとる。谷は小さな流れに変わるが、谷分岐からは大きな石がゴロゴロしてくる。

廃村の石垣が残っていて 分岐からは大きな石がゴロゴロ

 踏み跡もなくなり岩や石の上を歩くようになるが、流れが細い緩やかな谷なので心配ない。この付近は度重なる豪雨にも耐えているようで谷の様子は昔とあまり変わっていない。谷も落ち着いてきたところで左手に斜面が低くなった谷筋を見る、ここが品谷峠への分岐で左に登って行くと品谷峠に出る。

岩や石の上を歩くようになるが ここが品谷峠への分岐である

 この分岐には小さな標識もあり、すぐわかる。左の斜面を登り始めると前方から夫婦が降りてくる。朝バスで一緒だった夫婦でダンノ峠から品谷山へ向かった様である。少々ガレた急斜面、歩くと石が落ちてくるので夫婦が通りすぎるまで待つことにする。

 「途中で標識が間違っていて・・・、印刷された方が合っていました!」と言う夫婦だが、その位置がどこだかは伝わってこない。「それは誤品谷峠だろう!」と哲郎。夫婦が谷へ下った後二人は登り始める。

 冬枯れの細い雑木を抜け、植林を抜けるとすぐに品谷峠に着く。「この標識のことやろか?」と道子、古い標識が折れて地面に置いてあるが、八丁への標識がトラゴシ峠へ向いている。その方向には赤いテープもあるので、夫婦は間違ったようである。トラゴシ峠からも八丁へ行くことができるが、正規のルートではないので、標識を直し赤いテープを外す。

品谷峠に着く 品谷峠の標識を直す

 峠で小休止するが、冷たい風が当たるのですぐに品谷山へと歩き始める。冬枯れのブナの木が続く細い尾根、北風が少し冷たいが見晴も良く心地よく歩いて行く。

 右手からの支尾根と2度合流し、最後は少し登って品谷山に着く。山頂からこれと言った展望はなく、すぐに東にとり佐々里峠へ向かう。

冬枯れの雑木の中を心地よく歩く 最後は少し登って品谷山に着く

 疎林の続く尾根、P866までは東へ続く。歩きなれた道なので新鮮さはないが、雑木の中を歩くのは心地よい。まだまだ立っている風化木、国定公園化され遊歩道が出来れば「危ない!」と取り除かれるような気がする。

 P866を過ぎると尾根は北よりに向きすぐにダンノ峠への分岐に着く、品谷山から20分である。今日は佐々里峠へ向かうので左をとり、すぐの急斜面を下って行く。

まだまだ立っている風化木 ダンノ峠への分岐に着く

 細い尾根は続き、緩やかで心地よい。疎林の中を歩いて行くと左下に舗装道が見えてきて、通信施設に出合うと佐々里峠はすぐである。品谷山から50分、佐々里峠に降り立つ。峠の駐車スペースにはたくさんの車が止まっていて、登山者やツーリングを楽しむ人で賑やかだ。

通信施設に出合うと佐々里峠はすぐ 紅葉を楽しみなが広河原へとくだる

 今日は舗装道を広河原へと下って行く。下るにつれ残っている紅葉を楽しみながらゆっくりと歩いて行く。バスまで2時間近くあるので河原でユックリ後始末して、庄兵衛さんに寄って「ビール!」と哲郎。道子とおかみさんの話も終わり、暗闇の中最終バスに乗り帰路に着く。








主は季節のために月を造られました。
太陽はその沈む所を知っています。


詩篇 【 104:19 】
暗闇の中最終バスに乗り帰路に着く