蓬莱山(権現山~小女郎峠~打見山)//比良
2015.03.07


 
広い雪原の中、視界不良で進路を注意しながら歩く
小女郎峠から蓬莱山へ


2015.03.07 (土曜) 雨   ikomochi、哲、道

行き:JR京都駅7:50(江若バス)= JR堅田駅 - 平バス停
帰り:琵琶湖バレー前15:15 - JR志賀駅15:40 = JR京都駅


コース:
平バス停~権現山登山口~ドン谷~アラキ峠~権現山~ホッケ山~小女郎峠~△蓬莱山~打見山ロープウェイ山上駅

注意:
◆比良縦走路は積雪時1m前後積もります。積雪状態によりアイゼン、ワカン、スノーシューの装備が必要です。
◆早春には細い尾根の雪庇が崩れて行きます。歩行には十分注意してください。









 「今年はまだ雪の蓬莱山へ出かけていない!」と。週末の天気予報は日に日に変わり・・・、いずれにせよ天気は悪そうだ。朝起きて雨量解析し「15時までなら大丈夫だろう!」と出かけることにする。「雪の蓬莱山へ久しく行っていない!」というikomochiさんも同行することになる。

 JR堅田駅で細川行きのバスがやってきても長い列はできず全員座っての出発、もう雪のシーズンは終わったようだ。平で他の3人組と一緒に権現山登山口で降ろしてもらい、そこで準備する。準備と言っても「今日は遅くなると雨に合うので」と堅田駅バス停で済ましているのですぐに出発することになる。

 ドン谷取付きに着くが残雪が少ない。「今年は雪が多かったのに!」と思うが、寒暖の差が大きいので暖かい山麓はすぐに融けたのだろう。他の3人組は我々より若いので足も速く先行していく。

雪の無い権現山登山口で降りる 残雪少ないドン谷取付き

 谷には雪が残っていて登山道らしきところを歩いて行くが、道を外すとズボッ!とはまることになる。谷から斜面の横道に変わったところでアイゼンを付けるが、所々雪が融けていて、はたしてアイゼンを付けて良かったかどうか?。

 谷を詰めて行くと残雪も増えてきて、最後は右に回ってアラキ峠に着く。ikomochiさんもそこそこ着いてきてくれるので一安心する哲郎。

最後は右に回ってアラキ峠へ 雪の無いアラキ峠で小休止

 アラキ峠からの斜面の雪を見ると固く締まっているのでアイゼンで登ることにする。権現山まで標高差250m登ることになるが、アイゼンのおかげでスイスイ登ることができる。今日は6本爪のikomochiさん、しんどそうなので休憩を入れながら登って行く。

 前方が明るくなってきて「もう少しや!」と道子はikomochiさんに声を掛ける。植林を抜けカラマツ林に出ると雪原が広がり、やっと雪山登山気分になる。雪原から見える北山の山々は雲がかかってハッキリ見えず琵琶湖も霞んで見える。

植林を抜けカラマツ林に出ると 北山の山々はハッキリ見えず

 雪原を一登りして権現山の山頂に着く。先客はシューを履いてもう縦走路へ消えて行く。11時30分だ、今日はユックリだったがそこそこに時間についてホットする哲郎。遅れていれば蓬莱山を諦めホッケ谷を下る予定だったが、これで蓬莱山へ向かうことにする。

 今日は山頂からの展望は良くないが、一通り眺める。ここからシューを履き比良縦走路を楽しむことにする。

権現山の山頂に着く 琵琶湖の展望を楽しむ

 尾根の雪は締まっていて全く沈まない。尾根から右下に見える琵琶湖を見ながら心地よく歩いて行く。前方にホッケ山を見ながら少し下り始めると雑木の中をクネクネ歩くようになる。

 細い尾根に変わると雪庇の上を歩くことになる。雪庇はひび割れ崩れかけているので注意して歩く。雨もポツポツ降り始めるが大降りにはならない。

右下に見える琵琶湖を見ながら 雪庇はひび割れ崩れかけている

 ホッケ谷道の尾根分岐を過ぎるとホッケへの登りにかかる。標高差100mの登りだが今日は風も弱く雪が締まっていて歩きよい。リフターを立てて一歩ずつ登って行く。山頂付近の雪庇も半分崩れているが、風が弱いのでまだ安心して登って行くことができる。

 ホッケ山頂で小女郎峠手前の稜線に先行の3人を見るので、我々は15分以上遅れているようだ。山頂から少し下り雪庇帯に来て5mはある雪庇の上を歩いて行くが、端の方にヒビが続いているのが気持ち悪い。緩やかに登って行くと小女郎峠までは雪原が続く。

ホッケ山の雪庇も半分崩れているが 雪庇帯の上を歩いて行くが

 いつもこの付近の雪原の上で昼食休憩としていたが、小さな雨は降り続きガスが濃くなっているので先へ進んで行く。ガスはだんだん濃くなり周囲の山々は見えなくなる。そのうち前方10mもみえなくなるので、昼食どころか前方を確認しながら歩くことになる。

 哲郎と道子はホワイトアウトの中を何度も歩いたことがあるが、こんな状態ではikomochiさんはきっと不安だろう。小雨と視界不良で、これ以上悪化しないうちにスキー場へ着きたいので、ikomochiさんに「スキー場まで昼食休憩はなし!」と告げる。

いつもは綺麗な雪原で昼食としていたが
だんだんガスがかかってきて
これ以上悪化しないうちに先を急ぎ
「スキー場まで昼食休憩はなし!」と

 平原の端を右に回って、お地蔵さんに出合うと下に雪の無い小女郎峠が見えてくる。小女郎峠から蓬莱山へと登り始めるが、峠からの登って行く道にシューの跡がないので、先行のグループは昼食だろうか小女郎池へ向かったようだ。天候が悪化しなければいいが!。

 一登りすると再び視界の悪い雪原の中を歩くことになる。ここは蓬莱山に近くハイカーの足跡も多い。薄いトレースが右に左にとたくさんあるが、我々はなるべく登山道を歩くようにする。このトレースも雨が雪に変われば消えるだろう。

雪の無い小女郎峠 視界の悪い雪原の中を歩く

 視界不良で蓬莱山は見えず前方も良く見えない。広い尾根だが蓬莱山へは登って行けばいいので、ここは北東へと歩いて行く。ガスの中で時々見える木々は幻想的でいいものだ。そんな中にお地蔵さんを見つけ、ここが登山道と分かる。

 蓬莱山まで小さなピークが3回あるのだが、ガスの中をボンヤリ歩いていたので、この登りが何回目か分からない哲郎、前方に薄らとスキー場の小屋が見えてきて、「着いた!」と遅れている道子とikomochiさんに告げる。彼女たちは息を吹き返したように登ってきてスキー場へ入る。

広い尾根の中で地蔵さんに出合う 蓬莱山のスキー場に着く

 スキー場は右手のフェンス沿いに笹平へと下って行く。ひどいガスの中ボーダーたちが高速で走ってきて危ない。「ジャンプ台も着地点も良く見えないのに!」と、かれらの運動神経と動体視力に感心する哲郎。

 笹平まで降りリフト下を通って打見山へ向かう。打見山山頂駅まで来ると雪を楽しむたくさんの人に出合う。雪質は悪いがシーズン最後の雪を楽しんでいるようだ。

 14時15分、ほぼ予定通りに打見山に着く。食堂で暖かいそばでもと覗くが客で一杯、下に降りトイレ前で着替えや後始末をする。

リフト下を通って打見山へ やっと打見山山頂駅まで来る

 「今日は3人で夕食を」と道子は17時にと予約を入れる。「えっ!17時、もう降りなくては!」と哲郎。3人は昼食も食べずにロープウェイ乗り場に向かう。「えっ!」と言うほど満員のロープウェイで山麓駅へ下り、バス停でお菓子を食べながらバスを待つ。

 今日は天候が悪く展望はなかったが、幻想的な雪原を歩くことができ雪を楽しむことができたようだ。降りだした雨に「よく持ってくれた!」と感謝しながら3人はバスに乗る。








地が芽を出し、
園が蒔かれた種を芽生えさせるように、


【イザヤ 61-11】
ガスが漂う雪原は幻想的だが
進路を間違うと危ないということになる