大見尾根(花背峠~和佐谷峠~寂光院道)//北山
2015.01.18


 
積雪60~80cmで、今年もまずまず
大見尾根、チロル小屋付近


2015.01.18 (日) 曇り時々晴れ   哲

行き:北大路駅前8:02 - 花背峠 (京都バス)
帰り:大原13:55 - JR京都駅(京都バス)


コース:
花背峠バス停~大見尾根道~杉峠~チロル小屋~和佐谷峠~百井青少年キャンプ場~R477~寂光院道分岐~寂光院道ー天ヶ岳分岐~シャクナゲ尾根分岐~翠黛山分岐~寂光院~大原バス停

注意:
・大見尾根:冬は積雪60~80cmとなります。積雪状態によりワカン・シュー・アイゼンが必要です。
・寂光院道:天ヶ岳以北、R477までは積雪40~60cmとなり、こちらも積雪時はワカン・シュー・アイゼンが必要です。









 毎年年始に大見尾根に出かけている哲郎と道子、ここの雪の状態で京都北山全体の積雪状態が予想できるからだ。お正月に体調を崩した2人はこの大見尾根をPASSしたが、「やはり行こか!」と哲郎一人で出かけることになる。

 北大路駅前バス停から広河原行きのバスに乗ると、座席はたくさんの登山者で埋まっている。大きな団体さんで各自シューを持っているので、近くでは雲取山、遠くて品谷山ぐらいだろうか?。遠くでは帰りが遅くなるので、「今80cm~1m位積もっているであろう雲取山か」と勝手に思ってしまう哲郎。

 いつものようにバスは扶桑橋付近でチェーンを装着する。車でやって来た作業員も手伝って、4人作業ですぐに装着できる。花背峠付近で除雪車を見る。今日は朝早くから除雪していたのだろう、路面の雪は少なく15分遅れだけで花背峠に着く。北側の温度計は-3℃と今日は暖かいのだろう。雪の峠で3人降り哲郎はすぐに大見尾根道へ進入する。

花背峠バス停で3名降りる 今日は-3℃と少し暖かい

 入口から数10cmの積雪があり、「大見尾根は積もっている!」と期待する。路面に深い車のトレースがあるので、哲郎は無装備のまま歩き始める。植林地を抜けると花背の鉄塔が見えてくる。青空も覗いているので今日は吹雪の心配はないようだ。

 杉峠のお地蔵さんは雪に埋もれてその姿は見えない。花背の鉄塔分岐を過ぎると前方が開け比良方面の展望を楽しむことができるが、今日は雲に隠れて残念と言うことになる。

深い車のトレースを歩く 今日はよく見える花背の鉄塔

 車のトレースはここで終わっているので哲郎はアイゼンを付け、「やはりワカンにしよか!」とその上からワカンも装着する。そんなことをしているとバスを一緒に降りた男性がやってきて、「峠までついて行きます!」と言ってくる。雪を楽しんで和佐谷峠から花背に下ってバスで帰る予定なのだろう。彼はシューやワカンを持ってこなかったようで、どうやら哲郎のトレースで進みたいようだ。

 大見尾根を歩き始める。少々重い雪、先週の比良ほど積もってはいないが、ワカンなのでそれなりに沈み込む。北西の風が当たる尾根道は、毎年のように雪が波のようにうねっている。凹んだ方が歩きやすそうだが、深く沈み込むので風が強く当たり積雪の少ない反対側の植林に近い方を歩く。

雪が波のようにうねっている 凹んだところは深く沈み歩きにくい

 積雪は60cm程度、よく積もったところで80cmと例年通りである。これほど積もっていればシューの方が良いだろう。今日は道子がいず交替できないないので、積雪の少ないところを選んで歩くことにする。そのうち後続の男性の姿は見えなくなるが、哲郎はどんどんと進んで行く。

 尾根が植林から雑木に変わると積雪はさらに深くなり「シンドイ!」と言うことになる。チロル小屋と呼ばれる広場まで来ると、小屋の屋根に数10cmの積雪を見る。ここも例年通りなので、今の時期京都北山はどこでも雪を楽しむことができるようだ。

植林から雑木に変わると積雪はさらに深く 小屋の屋根の雪も例年通り

 和佐谷峠に着く。後続の男性は諦めたのか姿は見えないが、無装備でここから花背へ下るのはキツイかも知れない。だから彼が峠までやって来た場合「哲郎のトレースを追ってくれ!」と半分思ってしまう。

 花背への下降ポイントから20m先に百井キャンプ場への下降点がある。哲郎はそこから植林地の中を下り始める。

和佐谷峠に着く 百井キャンプ場への下降点

 植林地は尾根の裏側なので積雪は少ないが、道が隠れて分からない。でも快適に下って行き、下り切った谷の手前で小休止していると、「えっ!」と、哲郎を追ってくる彼の姿を見る。

 谷を渡り林道に出合いキャンプ場へ向かう。いつも積雪時は適当に斜面を駆け下りるのだが、今日は林道を歩くことにする。それでも少し遠回りして、いつものキャンプ場広場の雪景色を楽しむ。

 10時30分、カマド場に着き哲郎はここで早い昼食とする。積雪時や吹雪の時、これ以上の休憩場所がないからである。彼もすぐにやってきて、哲郎に合わせて彼も早いラーメンタイムとなる。彼は奈良の橿原市からやって来たそうで「朝5時45分の電車でした!」というのでびっくりの哲郎。通りで京都北山の雪の状態が分からなかったようだ。

キャンプ場広場の雪景色を楽しむ カマド場に着きここで早い昼食とする

 哲郎はここからのルートをいろいろ説明し、哲郎のルートは「寂光院道」と彼に言う。哲郎はワカンを外し手に持って出発する。国道477号に出ると路面に雪はなく、今日は綺麗に除雪してある。珍しく「通行止」の看板が立っているので「百井の別れ」バス停までは除雪が完了していないようだ。

百井キャンプ場を出発する 珍しく「通行止」の看板が立っている

 路面に雪はほとんど残っていないがアイゼンを付けたまま歩き始める。例年標高700m付近は凍結しているからだ。今日は暖かいのだろう水道施設を過ぎても凍結はなく「今日はアイゼン不要だった」と哲郎。

 寂光院道分岐まで来て哲郎はワカンを装着する。寂光院道にトレースはなく、標識も雪に埋もれ初めて来た人には分岐が分かり難いようだ。寂光院道の入口付近は積雪が少ないだろうと、哲郎のトレースしか歩いていない彼に先に歩くように言い、新雪を楽しんでもらうことにする。

凍結していない国道477号線 彼に新雪を楽しんでもらう

 ワカン装着も終わり彼の跡を追いかけて行く。膝まで埋もれて新雪を楽しんでもらった後、積雪が深くなったところで哲郎が先行する。積雪は40~60cm程度だが、斜面の横道は雪で覆われているので、ここも初めての人では分かり難いだろう。

 重い雪でしんどい哲郎だが、「トレースの上からでも20cm沈みます」という彼もしんどいのかも知れない。天ヶ岳分岐まで来ると大原からやって来たシューのトレースを見る。それを踏みしめて大原へと下って行く。

雪の寂光院道を楽しむ 天ヶ岳分岐

 天ヶ岳分岐から積雪は30~40cmとなるが、細い道、シューのトレースが邪魔をして歩きにくい。周囲にシャクナゲを見るようになると露岩を下るようになる。面倒な哲郎はワカンを付けたままユックリと下って行く。

 岩肌の道が終わると緩やかなユリ道が続き心地よい。しばらく歩いて「シャクナゲ尾根分岐」に着く。ここまで来てワカンを外す。もう大原に近いのに、まだまだ雪道は続く。

ユリ道が続き心地よい寂光院道 「シャクナゲ尾根分岐」に着く

 同じような道が続き大原まで遠く感じる。ユリ道に飽きてきた頃植林地に出合い、やっと翠黛山分岐に着く。分岐を直進し大原へと下り始めるが、雪が極端に少なくなりゴロゴロ石の急坂を下ることになるのでアイゼンを外す。

 「ここを下ると寂光院です!」といい彼に先行してもらう。10分下って林道に出合い寂光院へ向かう。ケモノ避けゲートの手前で川に降り、哲郎は用具やスパッツを洗い収納しゲートを通り、寂光院前のトイレで着替え大原バス停へ向かう。

翠黛山分岐から急坂を下る 寒い中観光客で賑わう寂光院

 大原バス停に着くと、先行していた彼に出合い、「13時55分があります!」という彼と一緒に帰路につき、出町柳で降りる彼を見送る。「ご苦労さまでした!」。







木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14-7】
大原の雪も融け農夫が畑仕事へ