霊仙山(養鱒場~落合~西南尾根~柏原)//鈴鹿 2015.03.28 |
岩で歩きにくい尾根も残雪でスイスイと 岩の間に咲くフクジュソウを覗きながら快適に歩く 霊仙山西南尾根 |
2015.03.28 (土) 晴れ 哲、道
養鱒場バス停~榑ヶ畑登山口~廃村榑ヶ畑~汗拭き峠~大洞谷を下る~落合集落~落合登山口~廃村今畑~ササ峠~近江展望台~(西南尾根)~南霊岳~・1036~霊仙山最高点(・1094)~経塚山~避難小屋~四丁横崖~谷山北鞍部~梓河内分岐~
注意:
◆バス利用の場合、霊仙山西南尾根はいずれのコースもロングコースになります。 ◆タクシー利用の場合、彦根や多賀方面からだと落合登山口まで行ってくれます。醒ヶ井方面からだと養鱒場駐車場までで榑ヶ畑登山口まで行ってくれません。 ◆汗拭き峠から落合への大洞谷の谷沿いの登山道は数か所崩れています。通行時は注意してください。 ◆柏原道は3月中は斜面の横道に残雪があります。残雪多く夏道が歩けない場合がありますので注意してください。 今年もフクジュソウを見に霊仙山西南尾根に出かけるが、来週末は天候がすぐれないので今日出かけることにする。遠い山は朝が早く、朝の苦手な哲郎、しぶしぶ4時半に起きる。京都駅6時18発の電車で米原へ向かうが、早朝にも関わらずたくさんの乗客がいて「皆さん、何処へいくのやら」。 米原駅で降りトイレを済ませ西口のバス停へ急ぐ。そこには養鱒場行きのバスが待っていて、7:30定刻に出発する(米原東口7:33)。小型だが新しいバスなので気持ちがいい。途中の醒ヶ井駅で3名の登山者を乗せるが、京都からの電車で見かけた女性もいる。乗り継ぎが面倒な二人は米原からバスに乗るが、JR利用で醒ヶ井駅からでも同じバスに乗ることができる。 終点の養鱒場で降りバス停小屋で準備していると、皆さん準備もなく先に出発していく。バス停前で毎年のように綺麗に咲いているショウジョウバカマを見るが、「ここのは葉が大きい!」と道子。
養鱒場から登山口へと歩き始める。シッカリ歩いても50分かかる距離だが早朝なので苦にならない。哲郎は道端の野草の写真を撮っていると、先を歩く道子の横に一台の車が止まる。道子が手を振って招く。登山口まで岐阜Noの車の男性のお世話になる。こんなこと初めてで「ありがとうございます!」。 少し進み、先行していた女性も乗せて行くことになる。彼はきっと小てつさんの様に、女性にはとくに優しいようだ。登山口に着くと駐車スペースはいっぱいで、最後のスペースに止めることができ「やれやれ!」、お礼を言って汗拭き峠へと歩き始める。 8時20分なので前回より35分早く着いたことになる。登山口から榑ヶ畑へは新しい林道ができていて、林道が折り返して左へ逃げて行くところから登山道を歩く。
階段状に続く廃村榑ヶ畑の中を歩いて行くと、すぐに山小屋「かなや」に着く。谷水で冷やした飲料ドリンクの数が少ないので、かなやはまだ営業していないのかも知れない。かなやから右に登って行き汗拭き峠に着く。 「かなや」で追い越した女性がやってくる。彼女はこのコースが初めてのようなので、先に行ってもらう。哲郎の方針として、初めての方にはコースを楽しめるよう、問われる以外は余りコース内容を教えないようにしている。
洛西オヤジさんの報告で、「落合道は通れません」とあったが(米原市HPでは落合道と谷山道は通行出来ませんとある)、どんな様子かなと峠から落合へ向かうことにする。ユックリと谷へ下って行く。谷に出合うと左手の大洞谷は雪解け水で勢いよく流れている。 谷沿いの細い登山道を歩いていると、道はすぐに谷に削り取られ慎重に歩くことになる。何か所も崩れていて道が消えているので、斜面上へ迂回したり谷を渡ることになる。やはり積雪時はこのルートはキツイのかも知れない。 渡渉せずに薄い踏み跡を辿って行ったのだろう、対岸に先行していた女性が行き手を失い谷へ下り始める。彼女が谷へ降りてくるので、渡渉地点を探しこちらへ渡るところまで見届け、二人は落合へと歩き始める。
やっと林道まで来て「やれやれ」と歩き始めるが、林道も一部陥没している。でも落合道は思ったほど荒れていなくて、何とか歩けるようだ。落合集落まで来ると、朝早くから重機が動いていて岸壁工事している。登山口に着くと次のミキサー車が待機していて、その後ろにタクシー2台やってきて団体さんがゾロゾロ降りてくる。タクシーはUターンできないと言っている。
「団体さんにはかなわん!」と、すぐに登山口から廃村今畑へと登って行く。今畑へは標高差100mほど登って行くのだが、哲郎の足が動かない。大量の汗をかいているので体調不良か、朝バナナ1本だけのせいか・・・・(昨夜の酒がまだ抜けていないのか?)。写真を撮って遅れても、今日はしんどくてなかなか道子に追いつけない。 遅れていた彼女がやって来たので先へ行ってもらう。着いた今畑のお寺で二人は小休止、ケーキを頂きながら満開の福寿草を楽しむ。ここで丁度見ごろなので「西南尾根咲いているかな?」と思ってしまう。廃村今畑から少し登って行くと尾根に乗る、ササ峠への尾根である。
緩やかに登って行く尾根は時々溝状になり、その斜面に「ミスミソウは?」と探しながら歩くが昔ほど咲いていない。標高550m過ぎたところでポツポツと咲くミスミソウを見つけデジカメを向ける。花が咲いていると小休止となり、今日は助かる。 標高640mまで登ると尾根の北側を歩くようになり、足元に残雪、左前方にこれから登って行く近江展望台の頂きを見る。いつものように「あそこまで登るのか!」と思うとしんどくなるので、「登れば尾根の綺麗なフクジュソウが待っている」と思いながら進んで行く。
P712を巻くように登って行くと広々としたササ峠に着く。峠に咲く満開のオニシバリを見てから、近江展望台への急斜面にとりかかる。ピークまで標高差300mあるが、登り始めると今日は足元が乾いていて滑らないのがよくて、むき出しの石灰岩の間のどこを登るのかを考えながら進むので、しんどいという感じは余りしない。
いつも岩間に見るミスミソウを楽しみに登って行くのだが、今年はまだ見当たらない。チョットしんどくなると後ろを振り返り、琵琶湖や鈴鹿山系の山々を楽しむ。 標高900mまで来ると一旦緩やかになり、一息入れてから目の前に見えるピークを目指す。岩間の踏み跡を辿って行き近江展望台のピークに着く。ピークと言っても凸凹の岩の上、二人はすぐに先へ進む。
ここから霊仙山最高点ピークまではほぼ水平な尾根が続き、岩の間に咲くフクジュソウを探しながら歩いて行く。稜線の岩の上は歩きにくく時間がかかるので、東斜面を少し下ったところを進んで行く。しかし斜面は流れてきた土砂で埋まり、斜面にたくさん咲いていたフクジュソウは見られない。 やっと見つけて「やれやれ!」、11時30分なので、ここでフクジュソウを見ながら昼食とする。昼食休憩中にも最高点からポツポツとやってくる登山者、「岩の間に咲いていました!」と。二人も腰を上げ尾根を歩き始める。
南霊岳付近からはゴロゴロした尾根を歩く。稜線には残雪が続き、その上をスイスイと歩いて行き、時々咲いているフクジュソウを鑑賞する。今年は暖かく尾根の木々に樹氷は見当たらない。山頂もだんだん大きく見えてきて、岩場を抜けると広い草原が見渡せ心地よい。
前方にピークを見ながら一登りすると霊仙山最高点に着く。今日は見晴も良く、西方に比良山系から高島トレイルの山々、北に伊吹山から金糞岳、その北に湖北の山々が見渡せる。湖北の山々はまだまだ白く見え道子もビックリ!。 伊吹山の右には雪を被った白山、その右、北東に天空に浮いた御嶽山を見る。目の前の経塚山を見ると、最高点から続くトレースを見る。団体さんが勝手に歩いたのだろうか、それはハッキリしていて、霊仙山三角点雪の急斜面を避け最高点へ迂回しているのだろうか?。
二人は三角点へ向かわず、このショートカットの道を歩くことにする。少し下って一登りすると経塚山、楽なコースである。12時50分、いつもより30分早く経塚山に着き、予定通り柏原道を下ることにする。 避難小屋で休息する人々の横を通ると伊吹山が段々大きく見えてくる。急斜面のロープ場を下って行くが、足元が乾いているのでロープは不要、今日は久し振りなのに急斜面とは感じない。残雪を避けながら尾根を下って行くと「四丁横崖」という分岐に着く。左にとると谷山道で、二人は直進し柏原道へ進む。
まだまだ標高は900m以上あり北の斜面には雪が残っている。柏原道を歩く人は少なくトレースが薄い。ここは石がゴロゴロした難所で分かり難い。谷山を巻くように北の鞍部に来ると登山道の標識を見てホッとする。北の斜面を登り東の斜面を下った所に登山道があるのだが、周囲にトレースはない。尾根下の横道は雪で覆われ歩けないようだ。 哲郎は地形図を取り出し検討する。この尾根を北に進むと標高900m付近で尾根は二分し、右へ下ると登山道に出合うようだ。尾根を歩いて行くが踏み跡は全くなく、不安げな道子、「皆さん何処を歩いているのやら」と思ってしまう。
尾根分岐は岩がゴロゴロした小ピーク、付近に全く踏み跡はないが右に下って行くと突然踏み跡が現れ、登山道に降り立つ。ここは七合目で林道に接している。13時40分、登山道のすぐ先は梓河内道の分岐があり、標識に「柏原駅120分」と書いてあるので「15時半頃には着きそうだ!」と二人は喜ぶ。登山道を歩いて行き分岐を右にとり柏原道を進む。 すぐに道は北斜面の横道と変わり、斜面に広がる残雪を見る。薄い踏み跡か獣の跡か、ハッキリしないが進んで行くと足跡も消え「急斜面で歩けない!」と道子が叫ぶ。 雪崩を心配するような積雪量ではないが、とにかく急斜面で歩けないのだ。二人は「冬道は尾根なのかも、尾根まで登ろう!」と試みるが、道子は途中で「急斜面で登れない!」という。二人の位置は横に10m離れているが横にも動けないので「アイゼンをしよう!」と、登るのを止め少し下ってアイゼンを付け、登山道があると思われる急斜面を横切ることにする。
急斜面の雪渓を抜けると登山道が現れて「やれやれ」二人はアイゼンを外し手に持って歩く。六合目までは尾根を歩くことになるが再び残雪が現れアイゼンを付けて歩く。六合目まで来て雪も消えアイゼンをしまう。五合目で斜面を下って行くが、再び残雪を見て何故かここでたくさんのトレースを見る。 どう考えても皆さんと歩いているルートが違うようだ。「冬道は尾根ルートを歩くのだろう」と哲郎。五合目から残雪の斜面の巻道を歩くが、ここも分かり難くトレースもなくなる。再び尾根に乗りコンテナの避難小屋がある四合目に着く。
ここでザックを降ろして小休止する。14時40分、「ここまで手間取ったので柏原駅到着は16時を過ぎるだろう」と哲郎。ここからは穏やかな尾根が続きなかなか下ってくれない。四合目から30分歩いただろうか、左に新しくできた林道を見て、「おっ!ここだ!」と見覚えのある分岐で尾根から右に下って行く。 すぐに、「二本杉」と呼ばれる大木の下に「二合目」の標識を見る。ここから谷沿いの道を下って行くと谷に降り立る。谷沿いを下って行き目の前に林道が見えてきたところでスパッツやストックを洗い収納する。この付近でコセリバオウレンを見たことがあるが、斜面が痛んできていて野草らしきものは見当たらない。
15時40分、林道終点に「一合目」の標識があるが、ここから駅までまだ40分はかかるだろう。それでも「やっと着いた!」と、二人はホッとしてJR柏原駅へと歩き始める。
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